少年と少女の心のバグ   作:クロウズ

11 / 12
9話目  "準NEW"

 今日も今日とて屋上でサボってると、息を切らせたミヤビンが現れてはボクを教室まで連行する。息切らせてるってことは今日は先に中庭の方とか行ったのかな?

 

 

「はーなーせーよー!」

「いいや駄目だ、今月だけで5回もサボりやがって」

「別にいいんじゃんかそれくらい」

「よくない!帰ったら説教だからな」

 

 

 うげぇ…。最近説教の頻度がいつもより多くなってる気がする。まぁ、どれだけ言っても聞かないボクが悪いんだろうけど。あとミヤビンはミヤビンでボクに甘いから、厳重注意ってほどもいかない。途中で雑談になるし。正直言うと、あの時間はミヤビンと2人だけになるから意外と居心地いい。……待ってここだけ聞くとボクってミヤビンのこと好きみたいになってない?この前からミヤビンのことになると思考がおかしくなってる気がするんだけど。今も結構ドキドキするし。

 そんなボクの心境を知ってか知らずか、ミヤビンはしっかりと手を握ってーーいや、違うな。これは掴んでるだね。逃げられないようにって感じで掴まれてるねこれ。そう考えるとさっきまでのドキドキとかなくなってきた。

 

 

「なー、ミヤビン。反省してるから手離してくれない?」

「去年そう言って逃げたのは何回だった?」

「10から先は数えてないなー」

 

 

 やっぱ駄目か。こうなると逃げるのはほぼ不可能だから諦めるしかない。ちょっとくらい大目に見てほしいけど、まぁいっか。

 

 

「ほれ、東雲連れてきたぞ」

「あ、木林君。今日もお疲れ様」

 

 

 教室に着いたボクは席に座らされ、ミヤビンと委員長(確か、八束由紀恵だっけ)に挟まれる。ミヤビンが隣の席になるのは昔から変わらないから諦めるけど、ミヤビン並に生真面目な堅物委員長まで隣の席なのは何かの罰か?教室はボクの安息の地にならないのか。

 

 

「やっぱり、東雲さんは木林君に任せて正解ね」

「一応俺は風紀委員であって学級委員じゃないんだけどな?」

「適材適所よ。何年も一緒なんだから、慣れてるでしょ?」

「そういう問題じゃねぇよ。てか、良太郎もいるだろ」

「霧島君は野球部忙しいみたいよ」

「学級委員と運動部って両立難しくないか……?」

 

 

 席の都合上仕方ないとはいえ、2人はボクを挟んで雑談してる。いやなんでだよ。せめてどっちかの前とかに移動してからにしろよ。なんでそのまま雑談するんだよ。ミヤビンもなんか楽しそうにしてやがるし、むかつく。

 

 

 

 

 

 またある日、中庭の方でミヤビンが戸村となんか打ち合わせみたいなことしてた。てかなんだあの組み合わせは。

 

 

「だから違う。このポーズまでの動きはこうだ」

「ちょちょ、ストップ!もうちょっとゆっくり教えてってば!」

 

 

 ボクに気付いてないみたいだし、ちょっと観察しとこ。てかあいつらそんな接点あったのか。クラスで話してたりしてるとこ見たことないんだけど。そもそもボクはサボってばっかで教室にいないとか思った奴、焼き土下座な?

 

 

「え〜っと、こっちだとこういう動きで……?」

「その際の腕の角度はここで……あぁ違う、ここだ。ちゃんと覚えろ」

「ひゃん!?急に触られたらくすぐったいよミヤビン!」

「ミヤビン言うな」

 

 

 ポーズ指導に熱が入ってるからなのか、戸村のポーズを調整してるミヤビンを見てるとなんかむかついてくる。どっちに対してかは知らないけど。あぁでも、ミヤビンって呼んだ時の戸村には確かにイラっときたかも。あの呼び方はボクの特権だし。

 

 

 

 

 

 そのまたある日、掃除当番だけど少しだけやってこっそり抜け出して屋上に向かう途中、3年のフロアでミヤビンが風紀委員らしい上級生2人と一緒にいた。そういえば今日は風紀委員会あるって言ってたっけか。

 

 

「いつまで経っても、委員長は服装正さないっすね」

「ウチはこれが平常運転ですからね」

「下着見えるっすよ?」

「んー?何なら好きなだけ見ていーんですよ?」

「あら、それなら私のも見る?」

「やめろっす。あと、五月雨先輩も前閉めてほしいんすけど」

「胸が急に成長しちゃって、サイズが合わないのよ」

 

 

 何話してるかよく聞こえないけど、なんか顔真っ赤にしてんなミヤビンのやつ。てかミヤビン、ここ数日は色んな女子とばっかいないか?そう考えるとムカついてきた。

 屋上に行けば行ったで、サボり仲間のクロチャーが女子(確かモッチーって名前の盗撮犯)と抱き合ってキスしてた。しかもディープで。人の憩いの場で何やってくれてんだよ。

 

 

「うわ、あんな舌絡めるんだ、やば……えっ、待って。人の唾液ってあんな糸引くの……?うっわー……モッチーとか恍惚としてんじゃん、エロ……」

 

 

 他人に見られてるなんて知らない2人は今なおお互いを貪るようにキスをし続け、ボクはそれを出歯亀の如くがっつり覗き見中。で、この後何も知らない不知火がやって来て2人の逢瀬を目撃して急に泣き出して、それを宥めて家に送る羽目に。

 家に帰ってベッドにダイブして、屋上での光景が忘れられず悶々とする。キスってそんな気持ち良いのかな…?

 

 

「もし、ミヤビンにあんな風にされたら……。……?だっ、からぁ!」

 

 

 なんで今ミヤビンとの想像した!?ボクらはただの親友だっての!

 この事があってか、ミヤビンと顔を合わせるのは気まずくてこれまで以上に不登校と化した。正直まともに顔見るなんて出来ないし。……はぁ、ボク一体どうしたんだろ。




 どーもクロウズです。
 今回もレイちゃん視点でお届けしました。普段の生活上仕方ないですが、雅にばっか目を向けすぎでしょこの子。自分で書いててなんですが、ここまで拗らせるつもりはありませんでした。でも筆が乗ってしまったんです。


 次回は雅視点で行こうかな。
 今日はこの辺で。今の俺は、負ける気がしねぇ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。