少年と少女の心のバグ   作:クロウズ

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2話目

 とある休日。ボクはミヤビンの家に呼ばれて、大きなマンションの前にいた。へー、ミヤビンってこんなとこに住んでるんだ。ただ、部屋は教えられてないからどうしようかと悩んでいると、

 

 

「おーい、こっちこっちー」

「ん、ミヤビン?どこ?」

 

 

 声はするけど姿は見えない。どこだろうときょろきょろ見渡してみると、急に目の前にミヤビンが現れた。

 

 

「うわあ!?」

「レイちゃんおはよー」

「お、おおおはようじゃないよ!どっから出てきてるんだよ!忍者か!」

「おー、レイちゃん朝から元気だね。いいことあった?」

「びっくりしてるんだよ!」

 

 

 なんなんだミヤビンは。ていうかほんとさっきのはどこから声掛けてきてたんだよ。

 

 

「それで、どこか行くのか?」

「うん、俺ん家にね。こっちだよ」

 

 

 そう言ってボクの手を取るミヤビンに引かれ連れて行かれたのは、ミヤビンの住んでる703号室。結構高く、下を覗いた時は覗かなきゃよかったと後悔した。

 

 

「さ、上がって上がって」

「……お、お邪魔します」

 

 

 誰かの家に来るのって、そういえば初めてだな。そのままミヤビンの部屋に案内され、真っ先に目に入ったのはバッタモチーフの特撮ヒーローのポスターだった。ミヤビンが特撮好きなのは知ってたけど、ポスター貼ってるくらいにまで好きだったとはね。

 部屋にはテレビとゲーム機、棚には特撮ヒーローのフィギュアに変身ベルト等。さすがにパソコンはないか。ボクの部屋にはあるけどね、ふふん。

 

 

「で、なんでボクを呼んだんだ?」

「ほら、前に言ってただろ?俺ん家見たいって」

「あー……そういえばそうだっけ」

「で、来た感想は?」

「うん、特撮ばっかだね」

 

 

 あまり見たことないけど、そんなに面白いのかな。今度見てみよう。

 

 

「それじゃあ、何する?」

「うーん、レイちゃんてゲームする?」

「まあ色々するけど」

「じゃあやろっか。いっぱいあるから」

 

 

 そう言ってミヤビンが準備してやることになったのは、あの赤い配管工達のレースゲームだった。真っ先にこれを選ぶってことは、一番やりこんでるんだろうけど、レースゲームならボクだって得意だ。特にこれは、何度もやったことあるやつだし。

 

 

「ボクに勝てると思うなよ、ミヤビン?」

「勝負はやってみないと解らないよ?」

 

 

 お互い負ける気はないと笑いあい、レースが始まる。ボクの強さ、見ておけよ。

 

 

 

 

 

「ふふん、またボクの勝ちだな」

「うぐぐ……」

 

 

 結果として、ボクの圧勝。アイテムもここぞという時に逆転できるものがよく手に入った。そしてミヤビンは上手いんだけどカーブとかで体も動いてた。ほんとにいるんだ、こうなる人って。ま、それはさておき、大敗を喫したミヤビンには罰ゲームでも受けてもらおうかな。

 

 

「じゃあミヤビン、ちょっと寝るから抱き枕役頼むなー」

「なんで、なんで抱き枕!?」

「いいからいいから、敗者は勝者に従えよなー」

 

 

 ミヤビンをベッドに投げ入れ、ボクもベッドに入ってミヤビンに抱き着く。うわ、ミヤビンあったかい。昨日ちょっと夜更かししたからこれならすぐ寝れそうだ。

 

 

「……な、なあ?恥ずかしくないのか?」

「なんで?友達なら一緒に寝たりするだろ?」

「一緒に寝ることはあっても抱き着いたりはしないって」

「そうか?まあいいじゃん、お休みー」

「おい、レイちゃん!?……っ、寝やがった」

 

 

 ミヤビンは何か文句言いたそうだったけどボクはすぐに意識を手放して微睡みの中に落ちていった。その後、おばさんとお兄さんに見られて盛大にからかわれた、ミヤビンが。

 

 

 

 

 

 また別の日。今日はミヤビンをボクの家に呼んだ。そして部屋に案内したら、まずパソコンがあることに驚いてた。

 

 

「うわー、すごい。レイちゃん自分のパソコン持ってるんだ」

「まあね。これでも色んな技術も持ってるんだよ」

「すごいなー、レイちゃんってパソコン好きなんだねー」

「まあ、小さい頃から触ってたからね」

「小さい頃って、今も小さいじゃん……」

 

 

 ボクの言葉にミヤビンは呆れとも取れる表情で溜め息を吐いた。そりゃ、まだ9歳だから小さいけどさ。

 

 

「でも、なんでそんな小さい頃からパソコンを?」

「んー、秘密。それよりさ、ミヤビンのこと教えてよ」

「すでに十分教えた気もするけど……まあいいか」

 

 

 ミヤビンの好きな物や事とかは友達になった時に聞いたけど、まだまだ知りたいと思う。体育の時なんて、1人だけずば抜けてアクロバティックな動きしたりするし、クラスのやつらと一緒にババ抜きしたら絶対にジョーカー握って、しかも誰かに引かれてもすぐに戻ってきてるし。ある意味強運なのかなー。絶対ジョーカーとか、ババ抜きでは最悪だけどポーカーとかじゃ強いもんな。

 

 

「うーん……あ、そういえば俺妹いるって、話したっけ?」

「いや、初耳。お兄さんは前会ったけど。妹もいたんだ」

「今7歳の妹がね」

「へー、どんな妹?」

「えーと………うん、ブラコンってやつかな」

 

 

 どこか遠い目をして語りだすミヤビン。これはあれだな、妹に滅茶苦茶苦労してるな。曰く、眠れなくなるとミヤビンの布団に潜り込んだり、ことあるごとにミヤビンに飛び込んで甘えたりしてくるらしい。可愛らしいことだと思うけどね、一人っ子だからボクには解らないけど。

 

 

「今度会ってみる?」

「そうだねー、気が向いたら」

「じゃあ今度紹介するな」

「楽しみにしとくよ」

 

 

 他にもミヤビンから色んな話を聞いた。おじさんとおばさんが新婚とか付き合いたてのカップル並にいちゃついてばかりだとか、お兄さんがドジで何度も後始末手伝わされたりだとか。それは次男の定めだね。

 

 

 

 

 

――――――

 

『あー、あったなそんなこと』

 

 

 昨日夢で見た昔のことをミヤビンに話したら、ミヤビンは懐かしむような声でそう言った。あの後妹ちゃんに会った時は、いきなり女狐呼ばわりされてびっくりしたよ。まあ、当時は女狐がどんな意味なのかは知らなかったけどね。なんで7歳であんな言葉知ってたんだろ。今でも妹ちゃんはボクを目の敵にして、会う度威嚇されてる。ボクが何をしたって言うんだか。

 

 

「そういえばお兄さんは元気?」

『エロゲ送ってくるくらいには』

 

 

 電話の向こうでのミヤビンの声は呆れてた。お兄さんは小説家希望だったらしいけど、何故かエロゲのシナリオライターになったらしい。ドジで済む話じゃないぞそれ。しかもミヤビンが言った通り、あの人は自分が携わったエロゲのサンプルを便り代わりに送ってくるようだ。普通にメールとかにしてやれよと思う。

 

 

『っと、じゃあそろそろ寝るよ。お前も早く寝て、明日学校来いよ?』

「気が向いたらねー」

 

 

 通話を終えるとベッドに寝転がる。これで寝坊とかして遅刻したらまたミヤビンに怒られるかな。モーニングコールでも頼もうかなー。という冗談はいいとして、どうせなら起こしに来たらいいのにと思いながら、ボクも眠りにつく。




 どうも、クロウズですです。
 初等部編とかやってると、他2作品とネタ被りの心配が少なくていいですね。ただやっぱり3作同時は大変。せめて1作は完結させてからの方が良かったかもですがこのまま続行していきます。




 今日はこの辺で。キバっていくぜ!
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