Fleet Girls Collection KanColle Original Story 遠い海の向こうで   作:さと(仮)

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投稿がだいぶ遅れてすみません……第二話になります。楽しんで頂けると幸いです


書いてみて、視点移動が多い気がする……


接敵

私に近付くそれは敵。自分がなぜここにいるのか分からないが、敵は倒す。その為に、私は砲を握り直す。永遠の平穏を与える為に……

 

―昼―

 

「この辺りが敵艦隊の目撃された場所です」

神通が海図を確認しつつ言った。それを聞いて朝潮がすかさず33号電探を確認するが、敵の反応はない。

「ひとまず、提督に報告しましょう。時雨さん、お願いします」

 

艦隊の報告は、二番艦に任せている。これは一見面倒臭いシステムに見えるが、緊急時に旗艦が指揮に集中できる利点がある。また、旗艦は基本的に高性能高練度である事が多い。その為、旗艦の性能を無線機で殺す訳にはいかないのだ。

因みに今回は、旗艦が神通、以下時雨、朝潮、暁と続く。また、朝潮、暁は索敵能力の高さを生かし、索敵に集中している。

 

「こちら時雨。提督、聞こえるかい?」

返事はすぐに返ってきた。

『ああ、聞こえるよ』

「目撃地点に到着したけど、何の反応もないよ」

『そうか……だが沈められてからでは遅い。時雨達には負担をかけるが、夕方まで探してくれ。』

「わかったよ」

通信が切れる。通信機をしまいながら、神通達の所へ寄っていった。

電探はまだ、何も映してはいない……

 

―夕方―

 

「やはり、何もいませんね……」

神通がぼやく様に言った。彼女達は7時間近くこの海域を捜索している。しかし、何も見つけてはいなかった。

「一度司令官に報告してみたらどうかしら」

と、暁が言った。そしてそれは皆考えていた様で、すぐさま無線が飛ばされた。

「こちら時雨。提督、聞こえるかい?」

『ああ、聞こえるよ』

「やっぱり、何も見つからないよ。どうする?」

暫く無線機の向こう側で唸り声が聞こえた。ややあって、

『よし、一度帰投してくれ。明朝再捜索する』

「了解、今から帰投するよ」

今日の任務はこれで終わりだ。時雨の一言を聞いた暁が今日の夕飯が何かに思いを巡らせた瞬間、

「暁さん、帰るまでが任務ですよ」

神通に窘められた。すかさず暁が

「レ、レディはそんな事考えないわ!」

「本当に?」

「……ちょっとだけ、考えてたわ」

「よく言えました」

神通の追及は決して厳しい声色にはならない。それなのに隠し事が出来ない。しかも、誤報はすぐに見抜く。タウイ七不思議の一つである。

『ハッハッハ、間宮さんにデザートを付ける様頼んでおくから、もう少しだけ頑張ってくれ』

「楽しみにしておくよ」

『それと、今日の夕食は豚カツ定食だそ――』

「神通さん、何かいますっ!!」

突然、朝潮の声が響きわたった。

 

『神通さん、何かいますっ!!』

提督は一瞬、言われている事が理解出来なかった。だが、流石の判断力ですぐに無線機に飛び付いた。

「時雨、状況を説明しろ」

『わかった。

今、朝潮が電探で西側20kmに何かを感知した。数は1』

1?妙だな……報告では「大艦隊」なんだが……何にしても、放置はできない。そう考えた提督は指示を出す。

「わかった。艦隊は今すぐ西進、これを調査せよ」

『了解』

この後、提督はこの指示を深く後悔することになる……

 

赤く輝く夕日を背に、『それ』は立っていた。

(新型艦……駆逐艦の様ですが……)

だが北方棲鬼の様な例外もいる、油断はできない。神通は第五戦速を指示し、距離を詰めていく。

10km……反応はない。こっちを向いているから、気付いていないなんて事はないだろう。

5km……尚も反応はない。ただの間抜けか、はたまた相当肝が据わったやり手なのか……

3km……撃ってこない。何者か見極めようとしたが、遂に反応はなかった。

「突撃します」

神通は言った。ここまで来れば零距離も同然、目を瞑っても当てられる。故に先手必勝、一撃必殺。そして攻撃を指示しようとした瞬間、

「あや……なみ?」

「え?」

「ほら、よく見てみて下さい、あれ綾波ですよ」

時雨にそう言われて目を凝らすと、確かに綾波である。

「今日の航行スケジュールに綾波はなかった筈なのですが……」

「なら、他の泊地でしょうか……」

朝潮が言った。その可能性はある。他の泊地にも艦娘はいる。そしてなんらかの理由で壊滅的被害を被った艦隊の一員というなら、一人きりの理由もつく。情報を得る為にもここは保護した方が良い。そう判断した神通は、次々と指示を出す。

「暁さんは私と一緒に付いてきて下さい。自走できない時の為に曳航索の用意も。時雨さんは提督に連絡を。朝潮さんは周辺の警戒をお願いします」

「「「了解」」」

 

神通は艦娘である事に安心する半面、妙だとも思っていた。それは、互いの顔が判別出来る程の距離なのに動きがないのだ。そんな疑問を胸に声をかける。

「タウイタウイ泊地の神通です。あなたはどちらの所属ですか?」

反応がない。それを見た暁が、

「ちょっと、何かいいなさいよ!」

と言う。そして、唐突に綾波が顔を上げた。目が赤い。

明らかにおかしい。そう思った時は既に遅かった。綾波は右手の砲を持ち上げた。砲身が向くのは暁。そして、

 

ドンッ!

 

撃った。

 

 

「綾波ぃー!?」

執務室。通信で時雨から報告を受けた提督は仰天した。何せ他基地の綾波がいるという報告を受けたのだ。

 

提督達は、他基地同士の艦娘を極力会わせないようにするという暗黙の協定がある。これは自分自身に悩んだりして戦闘に集中出来なくなる事を防いだり、艦娘自身が精神を病む事がないようにという配慮だったりする。それ故に、他の基地同士の艦娘は滅多に顔を合わせないし、今回の件もレアケースであるといえる。

 

『うん。最悪曳航して連れていくかもしれない。』

「分かった。他の基地に問い合わせておくから、敵襲に注意して帰投してくれ」

『了か――』

 

ドンッ!

 

無線機の向こう側から、突如発砲音が聞こえてきた。

「何事だっ!!」

時雨の悲壮な声が聞こえる。

『提督、暁が、暁が……!!』

「落ち着け、ちゃんと報告しろ」

時雨の声はすぐに冷静さを取り戻す。

『暁が撃たれた、それも綾波に。暁は意識が無くなっている』

執務室から、音が消えた。

綾波が撃った。

味方たる艦娘に。

これはどこかの反乱か。

そう思った瞬間、さらに信じがたい報告がなされた。

『提督、航空編隊接近中!!』

くそ、敵襲か。最悪のタイミングでの襲撃に、提督は舌打ちする。

「艦隊撤退!!救援を送る!」

この場は水雷戦隊だけでは持ちこたえられない。普段ならしない決断である。

『了解!』

時雨がそう応えて、無線を切った。

「金剛、榛名、大井、北上、木曾に出撃命令を!」

提督は大淀に指示を出す。本当なら制空権の関係もあるので、空母も出したい所だが、今回は夜戦だ、空母は危険すぎる。その為、水上打撃部隊にせざるを得なかった。

「了解しました!」

すぐに全員に召集がかかる。程なく、皆集まった。

「艦隊は金剛を旗艦に南シナ海に出撃、現在攻撃を受けている神通艦隊を救援せよ」

 

暗い海を5本の航跡(ウェーキ)が伸びる。それを見ながら、提督は不安に駆られていた……

 

その頃、神通艦隊――

「暁!しっかりしてくれ!!」

時雨が叫ぶ。だが弾をモロに喰らったのだ。暫く意識は戻りそうにない。暁の持っていた曳航索を神通が素早く自分に括りつける。その間にも綾波は発砲する。

「くうっ!!」

「朝潮さんっ!時雨さん、応戦して下さい!!」

今度は神通をかばい、朝潮が被弾した。神通は時雨に応戦を指示するが、時雨の様子がおかしい。

「そんな……あれは……でも、そんな事って……」

恐怖している訳ではなさそうだ。しかし、その顔は驚愕に満ちている。

「どうしたのですか、時雨さん、時雨さ、きゃああああ!!」

巨大な水柱が立つ。眼前に屹立するそれは、遠くに見える戦艦が作り出した物だ。遂に、戦艦の射程圏に入ってしまった。

「撤退します!!」

曳航索の接続が完了した神通が叫ぶ。それに合わせて、全員が反転する。後ろから追撃が来ているが、それに構っている暇はない。ただひたすらに、逃げた。

神通は追撃が来てないか確認するため振り返った。幸い、追ってくる様子はない。だが綾波は悲しそうな表情でこちらを見つめていた……

 

その後、艦隊は金剛と合流した。だが金剛から、艦隊はボロボロの上、時雨の様子がおかしいとの報告が来た。提督はとんでもない事が起きていると感じ始めていた……

 

to be continued……




如何だったでしょうか?楽しんで頂ければ幸いです。次話を(ゆっくり)お待ちください

P.S.
サラトガ、サラトガアアアアアアアア!!!(´;ω;`)(E-5スタートギミック解除後で脱落した系提督)

秋イベお疲れ様でした

P.P.S.
今回は結構な数の新艦娘が来ました
秋月、山風、江風、浜風、秋津洲、コマンダンです。後、溶鉱炉に大鳳資材を突っ込んだら、初の瑞鶴になって出てきたです。

でもやっぱりサラトガァ……
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