【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~ 作:ただの名のないジャンプファン
此処で時系列は過去へと遡る。
ギンガが所用で六課へと赴き、なのはの誘いでスバルと模擬戦をしたあの日‥‥。
~side???~
ベルカ地区 某山間部にある洞窟の中あるジェイル・スカリエッティのアジト。
そこにこのアジトの主、ジェイル・スカリエッティが一本の日本刀が入ったカプセルを見ながら一心不乱にキーボードを打ち込んでいた。
「順調かな?ドクター」
すると、スカリエッティの背後から声をかけてくる1人の人物が居た。
「やぁ、君か。勿論、順調だよ。新型のガジェットの生産も始まり、君から貰った手土産のデータもようやくここまで見る事が出来たよ」
スカリエッティは狂気に満ちた笑みを浮かべながら背後に立つ人物に声をかける。
「君の話を聞いた時はまさかこんなモノが存在するなんて思ってもみなかったよ。やっぱり世界は広いねぇ~ただ、私としてはもう少し、アレンジを加えたいところだね」
「ほう?」
「実は気になる人物が居てね‥‥」
スカリエッティがまたキーボードを操作すると、今度は空間パネルが開き、其処にはツナの映像が映し出される。
「彼の能力‥実に素晴らしい‥興味深い‥‥彼のデータ‥‥欲しいな‥‥」
スカリエッティはツナの映像をニヤニヤしてみる。
「だから、ちょっとしたゲームを仕掛けて見たよ」
「ほぅ~ゲーム‥ねぇ‥‥」
「セッテ、オットー、ディードの3人も、もうすぐで起動をするので、彼女らの実戦訓練にもなるいい機会となるだろうからね」
「しかし、そう簡単に釣れるかな?」
「正義の味方の公務員って言うのは、我々テロリストとは違って、縦社会で随分と窮屈なモノだからね‥故に上からの命令には逆らえないんだよ」
「お前の言うスポンサーとやらの力を使う‥か‥‥」
「使えるモノは何でも使わないとね‥折角の権力なのだからねぇ‥‥それはそうと、君が見つけて来たと言うこのコの器‥早速そのデータを見せてはくれないか?」
「いいだろう‥‥」
そう言ってその人物はスカリエッティにUSBメモリーの様なモノを手渡す。
スカリエッティがコンピューターに差し込み、データを読み取ると、空間ディスプレイにある映像が映し出された。
それは、六課の訓練場にて繰り広げられていたナカジマ姉妹の模擬戦であった。
「へぇ‥なかなかの腕前だね‥‥ん?」
スカリエッティはこの模擬戦の様子をジッと見ていた。
そして、模擬戦をしているナカジマ姉妹‥‥特にギンガの事をジッと見ていていた。
(この容姿‥‥あの時の‥‥)
スカリエッティの脳裏に浮かび上がるのは、9年前‥地上本部のエースと言われた部隊‥ゼスト隊‥‥その部隊が当時のアジトへと強襲を仕掛けてきた事があった。
しかし、いくらエースとは言え、高密度のAMFの前ではなすすべなく、トーレとチンク、クアットロの前に敗れ去った。
その部隊の中にギンガと似た容姿を持つ女性局員が居た。
クイント・ナカジマ‥‥ゲンヤの奥さんでもあり、ギンガとスバルの母親であった人物。
アジトが強襲される2年前、自分以外の誰かが製造した戦闘機人プラントが同じくゼスト隊の強襲を受け、そこで製作されたタイプ・ゼロと呼ばれる2人の戦闘機人は管理局に保護されたと言う噂を聞いた。
また、ノーヴェの製作に当たってもこのクイントのDNAデータが参考とされた。
(この子達は、もしや‥‥だとすれば‥‥)
スカリエッティの中である仮説が生まれた。
「一応、聞くが、どちらを器として選んだんだい?」
「あの髪の長い女だ‥‥魔力、そしてあの力、機動力、器として申し分ない」
「フフ、そうかい」
「随分と嬉しそうだな?」
「いや、良い拾いモノが出来るかもしれないと思ってね‥‥それに私の仮説が正しければ、彼女達は只の人間ではない」
「ん?それはどういう事だ?」
その人物はスカリエッティの言葉に眉をひそめる。
「彼女達も、私の娘達と同じ存在‥‥戦闘機人と言う事だよ‥しかも私が造ったモノではない、別の誰かが私の理論も基にして造ったのだよ‥‥フフ、他人が造った別の戦闘機人‥‥フフ、益々興味深い‥一体どちらが優れているのかな?」
「さあな‥‥」
スカリエッティの隣に立つ人物は冷ややかな視線でスカリエッティを見ていた。
しかし、当のスカリエッティは気づいていなかった。
「スカリエッティ‥‥」
「なんだい?」
「器の件は私に任せてもらいたい‥‥この器を見つけて来たのは私なのだからな‥‥」
「構わないよ。確実に手に入れられるならね」
「今の言葉、忘れるなよ」
「ああ、分かっているよ」
相変わらずスカリエッティはその狂気な笑みを絶やす事無く、空間パネルとカプセルの中にある日本刀を見ていた。
それから暫くして‥‥
~side六課~
六課に地上本部から依頼が来た。
「地上本部から依頼?」
「そうや。しかも人選まで指定してきおったわ」
地上本部からの依頼についてはやて、なのは、フェイトは何とも腑に落ちない顔をしている。
元々六課と地上本部はあまり仲が良くない‥‥と言うよりも地上本部の本部長であるレジアス中将が本局所属の魔導師を物凄く毛嫌いしており、六課はその本局の魔導師が地上本部のテリトリーに入り込んできた異物。
彼は隙あらば、六課を潰そうと画策している節もある。
そんな彼が本部長を務める地上本部からの依頼だ。
疑うなと言う方が、無理がある。
もしかしたら、この依頼を失敗させて六課を潰そうとしているのか?
しかし、依頼を蹴れば、それを理由に六課を潰すかもしれない。
ならば、六課が助かる道はこの依頼を受け、それを成功させなければならない。
「それで、受けるの?はやて、この依頼」
フェイトがはやてにこの依頼を受けるのかを尋ねる。
「癪やけど、受けないと六課が潰されてしまうかもしれへんからな‥‥」
はやてはため息をつきながら地上本部からの依頼を受ける事をフェイトとなのはに伝える。
「それで、人選指定があるって言っていたけど、誰が行くの?」
「フェイトちゃんとツナ君や」
「えっ!?私とツナが!?」
「そうや‥なんでフェイトちゃんとツナ君なのかは私にも分からへんが、この2人以外の同行は認めずと言ってきおった」
「やっぱりその依頼怪しいよ」
「私もそう思う、けど、依頼を蹴ればそれを口実にあの本部長様のことや、命令不服従とか言って騒ぎ出しそうや。そうなれば、後見人のリンディさんやクロノ君にも迷惑がかかる」
「はやて‥‥」
「フェイトちゃん、すまへんが六課の命運‥フェイトちゃんとツナ君に委ねてもええか?」
「‥‥うん、任せて‥必ず私とツナで六課を救ってみせるよ」
「ありがとう」
「それで、どんな依頼なの?」
「資料によると、どうもあるカジノ船でロストギアをかけた違法取引があるみたいで、その中にレリックも取引商品として入っとるみたいなんや」
はやてはフェイトに今回の依頼の内容を映像と画像を見せながら説明した。
~sideスカリエッティ~
はやてがフェイトにその証拠画像を見せたのと同時刻、スカリエッティのアジトでは、
「随分と気前がいいんだな?レリックとやらを1つ差し出すとは‥‥アレはお前が固執して収集しているものではないのか?」
スカリエッティにある刀の情報を渡した人物が話しかける。
「なあに、仮に向こうに回収されてもスポンサーを通じて私の手元に再び戻って来る手筈になっているから、問題は無い」
「そうか、連中はその事を知らずにレリックとやらを必死に集めている訳か‥‥哀れだな」
「そうだね、全く滑稽な連中だよ」
スカリエッティ達が局員達を小馬鹿にしていると、
「ドクター‥セッテ、オットー、ディード、の3名、準備が出来ました」
空間パネルが開くと其処には銀髪で眼帯をつけた少女が映し出される。
「では、早速セッテ達を連れて、現場に向かってくれ、出来れば、彼とFの遺産の身柄を抑えることが出来れば良いのだが、今回の任務はあくまで、彼の能力のデータ収集‥それを忘れないようにね」
「はい」
「ドクター‥‥」
そこにトレディがやって来た。
「ん?何かな?トレディ」
「私も行こうか?」
戦いが不可避な事に夜兎の血が騒ぐのか、トレディが自分も志願するが、
「いや、トレディ‥お前は連中に顔を覚えられている。それに今回はセッテ達の初陣だ。お前が来ては全てお前だけで終わらしてしまう。それではセッテ達のためにならない。今回は我慢しろ」
「まぁ、そう言う訳だ‥チンク、3人をよろしく頼むよ。何せ彼女らはまだ起動して間もない。お目付け役の君がしっかりと引率をしてくれたまえ。トレディも其れでいいね?」
「了解しました」
チンクはスカリエッティの指示を聞き、空間パネルを閉じる。
「わかりました」
トレディもスカリエッティの指示に従い、今回は出動しないと言う。
「うん、いい子だ。トレディ」
スカリエッティはトレディの頭を撫でた。
「さあ、今夜は楽しいパーティーが起こりそうだよ」
スカリエッティは今夜、起きるであろうドンパチに胸を躍らせた。
~side六課~
そして、六課の隊舎では、
「わぁ、フェイトさんよく似合っていますよ」
「そ、そうかな?//////」
フェイトは管理局の背服では無く、ドレスに身を包んでいた。
FW陣らを始めとして六課の女性達はドレス姿のフェイトの
「フェ、フェイトさん、い、いいですか?入りますよ」
フェイトの部屋がノックされる。
今日の任務の相棒であるツナがフェイトを迎えに来た様だ。
「あっ、うん。どうぞ」
「失礼します」
部屋に入って来たツナも高そうなタキシードを身に着けていた。入ってすぐに目に入ったのはドレス姿のフェイトであった。ドレス姿のフェイト何とも美しくツナはじっと見とれていた。
「‥‥」
そこでリボーンから
ドン!
「イテッ!!」
「何じっとりみてんだ?男ならまず先に言う事をいえ。」
ツッコミと男の甲斐性を示せと忠告を受けた。
「う、うっさい/////わかっているよ‥‥フェイトさんその‥そのドレスとても良く似合っています。/////」
少し赤くなり目を背けて
「あ、ありがとう‥‥そ、その‥‥ツナもその恰好良く似合うよ‥とってもカッコイイ//////」
「そ、そうですか/////」
フェイトもツナも両者褒め合いながら
「そ、それじゃあ、行きましょうか?フェイトさん//////」
「う、うん//////」
ツナはフェイトに手を出しだし、エスコートし、フェイトは嬉しそうにツナの手を取った。
(((いいなぁ~)))
恋する乙女は皆が同じ事を思っていた。
シグナムが運転する車で今回の依頼の現場となるカジノ船が停泊する港へと着き、そのカジノ船を見上るツナ。
「でっかいなぁ~」
ツナ達の前には巨大な豪華客船が停泊していた。
その大きさにツナは感心する様に船の印象を口にした。
豪華カジノ客船『ディグニティ』。
この船が今回、フェイトとツナが仕事を行う現場である。
この船のどこかに違法取引されるレリックを含むロストギア。
それらの回収とバイヤー達の検挙、それは地上本部からの依頼だった。
ツナとフェイトは腕を組んで乗船タラップを上がり、搭乗口で船員にチケットを見せ、乗船した。
ツナは早速調査に入ろうとするが、そこをフェイトが待ったをかけた。
彼が言うにはまだ出港前で船内は何かとバタバタして警戒も厳重な筈、よって動くのは船が出港した後、船内でパーティーが行われる時間帯に動こうと言う。
その時間帯ならば、多少警備や警戒も緩むだろうと判断した。
それにまだ船内の詳しい状況を掴んでいないので、やみくもに動いても時間の無駄であり、失敗する可能性がある。
今は情報収集に務め、作戦を練る事になった。
「船倉は大きく分けて2つ、船首側と船尾側か‥‥」
フェイトとツナは船室でこの船の案内図を見て、船内の配置を掴む。
「かなり大きいし、2人で1つずつ確認して居たら、時間を大幅に失いますね。‥‥」
「ちょっと危険かもしれないけど、その時は、此処は二手に分かれよ」
「わかりました。‥‥それでいつ行きますか?」
「まずは、パーティーに出て、其処で少し時間を潰そう‥それにパーティー会場なら、もしかしたら、密売人がいるかもしれない」
「わかりました。」
そして、船は出港し、日没と共にパーティーが始まった。
フェイトとツナはパーティー会場を二手に分かれて見回った。
この会場内に密売人と取引相手がいるかもしれない。
ならば、その人物を見つけてマークすれば、ブツも発見しやすいし、すぐに検挙も出来る。
ツナがパーティー会場を見回っていると、彼の視線の先に、困った表情で辺りを見回している少女がいた。
年はティアナと同じ位で、栗色のストレートヘアに赤いカチューシャをしている。
着ているドレスもなかなかのモノで、何処かのお金持ちのお嬢さんなのだろう。
彼女が気になったツナはその困っている様子のお嬢さんに声をかけた。
「あの‥‥どうかしましたか?」
「あっ‥‥その‥‥実は連れとはぐれてしまいまして‥‥」
その少女は困った表情で事情を話す。
「お連れさん?」
「はい」
「それはお困りでしょう。どんな方なんですか?」
「身長は私と同じ位で髪の毛の色も私と同じ栗色で、髪型は貴方に似た方なんですけど‥‥」
その少女はツナにはぐれてしまった連れの特徴を説明する。
「この会場内にいるんですか?」
「多分‥‥」
「もしよければ俺も一緒に探しますよ。」
「ありがとうございます。あっ、私の事はリコとお呼び下さい」
「分かりました。俺の事は気軽にツナって呼んで下さい」
ツナにもやることがあったがこちらの方が最優先事項と思い協力する事にした。
ただ、ツナはこの少女に少し違和感の様なモノを覚えた。
その頃、フェイトも会場内で不審な人物がいないか探していると、
「お客様、お飲み物をどうぞ」
と、ピンク色の髪の毛をした長身の女性バーテンダーがフェイトに飲み物を差し出して来た。
「あ、ありがとう」
フェイトはその女性バーテンダーから飲み物を受け取った。
喉も乾いていたので丁度良かった。
フェイトはその女性バーテンダーに背を向けて再び不審者探しへと向かった。
故に彼女は気づかなかった。
その女性バーテンダーがフェイトの事を背後からジッと見ていた事に‥‥。
一方、ツナの方も密売人は見つからなかったが、今連れ添っている少女の連れは見つかった。
「リコ、見つけたよ」
「ジャン」
ツナとリコに近づくスーツ姿の男の娘?
確かに特徴はリコの言っていた連れの特徴と一致する。
「どうも、連れがお世話になりました」
「い、いえ、見つかって良かったです‥‥」
ツナはリコの連れ、ジャンに対しても言い表せない違和感を覚えた。
と言うか、連れを探している時のリコもそうであったが、連れのジャンと呼ばれるこの人もあまり感情を表に出さない人だった。
(違和感の正体はこの人達の感情の無さかな?‥‥いや、違う‥‥もっと別の何かだ‥‥でも、それが何なのか明確に答えを出せない‥‥)
連れと共に去って行くリコをツナはジッと見ていた。
それから暫くして‥‥
「どう?ツナ、怪しい人物とかはいた。」
二手に分かれてパーティー会場にて、密売人を探していたフェイトとツナは一度合流した後、フェイトはツナに首尾があったかを尋ねる。
「それらしい人は見かけませんでした。」
ツナの方も首尾なかった。
「ほかに見ていない場所は...」
とフェイトは船の船内案内図を見た。そしていよいよ本命である船の船倉を調査する事にした。
「ツナ、私は船尾の船倉に行くから、ツナは船首の船倉を頼んでいい?」
「わかりました。」
2人はそれぞれ船首と船尾に別れた。
・・・・続く
ではまた次回。