【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~   作:ただの名のないジャンプファン

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お久しぶりです。色々諸事情があり更新できずすいませんでした。


標的68 人には人のスタイルがある。

 

 

 

 

 

 

 

此処で時系列はあの公開陳述会会場である地上本部ビル、機動六課隊舎襲撃事件の日まで遡る。

 

 

~sideベルカ地区 某山間部 スカリエッティのアジト~

 

ギンガに被災者を装って紅桜を渡し、彼女を殺人兵器へと変え、雲雀を倒した朧はギンガと共にスカリエッティのアジトへと戻った。

地上本部ビル、機動六課隊舎を襲撃したスカリエッティ側の被害はガジェットが多数破壊されたが、所詮使い捨ての末端兵器で量産もすぐに出来る為、大した損害には当たらず、被害的被害と言えば機動六課隊舎襲撃の折、獄寺との戦いでディードとオットーが軽傷を負った程度であるが、それも半日もあれば回復する程度の傷であった。

首尾に関しては、主目的であった聖王の器であるヴィヴィオの奪取、そして紅桜の器として相応しい人物、ギンガ・ナカジマの確保が成功し、管理局全体の規模を考えると今回の襲撃事件は、スカリエッティ側の大完勝ともいうべき戦果であった。

唯一の心残りと言えば、フェイトとスバルの身柄が確保できなかったぐらいであるが、それも時間の問題だろうとスカリエッティはそう思っていた。

 

「やあやあ、朧君」

 

「むっ?スカリエッティか‥‥」

 

アジトへと戻って来た朧をスカリエッティと数の子達が出迎える。

 

「まさか、タイプゼロを無傷で手に入れてくるとは思わなかったよ」

 

スカリエッティはギンガの確保について、多少は荒事になり、ギンガの手足の一本は仕方がないと踏んでいた。

だが、例え手足の一本が無くなっても自分なら、一週間の時間があれば、切り取られた手足を再生させることが出来ると思っていたのだが、朧はスカリエッティの予想を上回り、ギンガを無傷で確保してきた。

これにより、スカリエッティはギンガの治療に割く時間を削る事が出来た。

この戦果は、ほんの僅かであるが、スカリエッティは時間的余裕も手に入れた事になる。

 

「あれが、タイプゼロ‥‥」

 

「私達とは違う戦闘機人‥‥」

 

ディエチとセインは自分達と違う創造主が誕生させた戦闘機人にちょっと興味津々の様子だった。

 

「こいつ、人形みたいになっちまっているな。本当に人間として暮らしてきたのかよ」

 

一方、ノーヴェは無口、無表情となっているギンガを見てその印象を口にする。

ノ―ヴェは以前、朧が録画してきた六課の演習場にて行われたギンガとスバルの模擬戦の映像を見た事があり、その時に見たギンガの様子と今のギンガの様子があまりにも違い過ぎていた。

彼女の言葉にはたかが刀一本を持たせただけで、あの人間味にあふれていたギンガが本当にこうなるものかという懐疑の意味も含まれていた。

確かに今、目の前に居るギンガは無口、無表情で人間性を感じさせない。

だが、実際には、彼女は純然たる殺人兵器としての自我を持っており、ガジェットの様な完全的なロボットとは異なる状態にある。

スカリエッティの手によって改良された紅桜にはちゃんと味方識別機能があり、無差別に襲い掛かったりはしない。それ故にギンガは朧の指示に従っており、こうしてスカリエッティのアジトに居る時もスカリエッティや数の子達に襲い掛かっていないのだ。

それにある程度自主的な行動も行える。だからこそ、雲雀を敵対者と認識して、彼と戦おうとしたのだ。

だが、感情の殆どを排斥されている今の彼女はセッテやオットー、ディード以上に機械的であり、人間性の欠如は同じ戦闘機人でも数の子達の中で最も大きい。

 

「早速ですまないが、朧君。タイプゼロのデータを取りたいのだが‥‥」

 

スカリエッティは自分以外の誰かが誕生させた戦闘機人のデータを取りたいので、ギンガを数の子達の調整カプセルにいれて調べたいと言う。

しかし、

 

「すまないが、スカリエッティ、それはもう少し待ってくれ」

 

「ん?何故だね?」

 

「器が紅桜を手にしてまだ、間がない‥紅桜が器に馴染むまでもう少しこのままにしてもらいたい。今、下手な事をすると、器と紅桜が拒絶反応を起こすかもしれない。そうなれば、データをとるどころではないぞ‥器も紅桜も使い物にならなくなってしまう」

 

「うーん‥そうか、それは残念~まぁ、楽しみは後に取っておくとしよう」

 

スカリエッティはこの戦いに勝利すれば、誰も自分の邪魔をする者はいない。

ギンガを詳しく調査するのは何時でも出来ると思い此処は朧の言葉通り、ギンガを調べるのを止めた。

 

「それで、こいつの戦闘能力はどのくらいだ?」

 

紅桜によって、ターミネーター化したギンガの戦闘力が気になるトーレは朧に現在のギンガの戦闘力を尋ねる。

 

「まだお前程ではないが、其処の赤髪よりは明らかに上だ」

 

朧は現時点では、ギンガの強さはまだトーレ程ではないが、ノーヴェよりも上だと告げる。

 

「なっ!?アタシよりも、コイツの方が上だって!?」

 

ノーヴェはギンガが自分よりも強いと言われて朧とギンガに食って掛かる。

 

「当然だ。コイツは元々お前よりも稼働年月があり、更にお前達の創造主であるスカリエッティが製作した紅桜を装備しているのだぞ」

 

「くっ‥‥」

 

朧の言葉にノーヴェは苦虫を噛み潰したように顔を歪ませる。

 

「まぁ、いいじゃないっスか。 今は強い味方が必要な時っスよ、ノーヴェ」

 

ウェンディがノ―ヴェを諌めるが、

 

「うるせぇ!!だったら、テメェが言っている事が本当かどうか試してやる!!」

 

「ほぉ~、つまりそれはお前とファーストが戦うと言う事か?」

 

「当然だ!!」

 

「ドクターよろしいのですか?」

 

ウーノがスカリエッティに止めなくていいのかと尋ねる。

 

「面白いじゃないか。朧君、今のファーストは戦闘をさせても問題はないかい?」

 

「ああ‥戦闘だけなら、問題ない」

 

朧は下手に解析機にかけると不味いが、模擬戦ならばやっても問題はないと言う。

 

「そうかい。それじゃあ、やってみようじゃないか」

 

「へっ、そうこなくっちゃ!!」

 

朧が戦闘に関しては紅桜と器(ギンガ)の関係に問題ないと言うとスカリエッティはギンガの戦闘データを取るためにもノーヴェに戦わせてやると許可を出した。

そして、ノーヴェ自身もやる気満々であった。

 

「ノーヴェ、本当に大丈夫ッスか?」

 

しかし、ウェンディは心配そうな様子。

今のギンガは仲間とは言え、なんだか怖いからだ。

戦闘機人からくる本能で今のギンガを敵に回してはならないような気がしていた。

 

「大丈夫だよ!!あんな道具に頼っている奴なんか一捻りにしてやるぜ!!」

 

だが、ウェンディの心配を余所にノーヴェはウェンディが感じていた危機感を感じていない様子だった。

ノ―ヴェはあくまでも強気だ。

 

「では、その前に少し準備をして来る‥今のコイツの服装はどうも紅桜を使うにしては似合っていないからな」

 

朧はギンガのバリア・ジャケットは紅桜の器として相応しくないと言う。

 

「えっ?防護服なら私が用意したのだが‥‥」

 

スカリエッティはすでにギンガの為にバリア・ジャケットを用意していたと言うが、

 

「お前が用意したのはどうせ、そいつらと同じ服装だろう?」

 

朧がスカリエッティに用意したのは数の子達が身に纏っている青いボディースーツだろうと尋ねる。

 

「そうだよ」

 

朧の言う通り、スカリエッティはギンガ用に数の子達が今着ているボディースーツを用意していた様だ。

 

「この防護服は一見薄そうに見えて防御力もあり、その分、軽状だから動きやすい、まさに合理的な機能を持っていて‥‥」

 

スカリエッティが数の子達のボディースーツの素晴らしさを朧に語るが、語られている彼自身はそんなモノに興味無さそうな様子で、

 

「兎に角、そいつらの服装も紅桜の器には相応しくないので、此方で新たに用意する。赤髪、お前は先に練兵場で待っていろ」

 

そう言って朧はギンガを連れ、その場から去って行く。

 

「ふん、アイツ何様のつもりだよ」

 

遠ざかっていく朧とギンガの後姿を見てノーヴェは独り毒づく。

ノ―ヴェはスカリエッティの協力者達に対してあまりいい印象を抱いていなかった。

戦闘機人の自分がこういうのもなんだが、どいつもこいつ胡散臭そうな連中か薄気味悪い連中ばかりで、自分が信じられるのは精々チンクとウェンディぐらいだった。

そして、そんな薄気味悪い連中たちと親しくするスカリエッティに対しても不安視というか疑問視をし始めていた。

因みにノーヴェの主観でセインは自分よりも下の存在だと思っていた。

やがて、練兵場で待つノ―ヴェの下に黒い着物袴を纏ったギンガが姿を現した。

 

「へっ、やっと来やがったか!」

 

ノーヴェの強気な態度とは裏腹に静かに紅桜を構えるギンガ。

 

「ファースト、本来ソイツはお前の味方であるが、今回はお前の強さを知らしめるため、戦ってやれ、だが、決して殺すなよ」

 

「‥‥はい」

 

朧がギンガに命令を下すと、ギンガは無表情のまま答える。

 

「ちっ、気に食わねぇ、気に食わねぇ、気に食わねぇ、その能面みてぇなツラを泣きっ面に変えてやるよぉぉ!」

 

ノーヴェはギンガを上から蹴りを入れるが紅桜でガードするノーヴェはすぐ様次の行動に移り地に手をつけムーンサルトのように飛んで距離をとるもののギンガの行動を移すスピードはそれを許さない。

 

「ち、鬱陶しいなぁ!」

 

 

ギン!

 

ガン!

 

 

紅桜の刃とノーヴェの拳がぶつかり合い火花を飛ばす。

ノーヴェはギンガの刃を躱すように体を低くして足を引っ掛けてギンガを倒すと、ノーヴェはギンガの足を掴み投げ飛ばす

 

ズドーン!

 

ギンガは壁に衝突して土煙が上がりノーヴェはすかさず、

 

「貰ったぁぁぁぁ!!」

 

飛び込んで拳を入れる...だが、

 

「い、いねぇ!?くそっ、あのヤロー、何処に行きやがった!?」

 

ノーヴェの風圧で煙が晴れそこにはギンガは居らず、

 

「はっ!?」

 

自分の背後から禍々しい殺気に気づき後ろに目をやる前に自分の首元に紅桜が当たる。

 

(や、殺られる‥‥)

 

ノ―ヴェが死を覚悟したその時に、

 

「そこまでだ!」

 

スカリエッティがギリギリで止めが入った為に助かった。

 

「どうだ?赤髪。少しは身の程をわきまえたか?」

 

「くっ‥‥」

 

朧の言っていたことが正しく、今の自分では目の前の相手には勝てない現実を突きつけられ、それを指摘された事にノーヴェは顔を悔しさで歪める。

 

「いやぁ~凄いねぇこれは、彼女の動きどんどん研ぎ澄まされていたよ、まさにそれは『完璧な人型兵器になれた』の一言では説明がつかない位にね。まさに、私の理想とした戦闘機人本来の姿だったよ」

 

スカリエッティは今回の模擬戦におけるギンガの動きを見て、大満足した様子で少し興奮した様子で朧に語りかける。

紅桜のデータをくれた事、そしてその紅桜の器として自分以外の誰かが誕生させた戦闘機人を無傷で確保してくれた事など、スカリエッティは珍しく朧に感謝していた。

他人に感謝すると言うこの行為は、もしかしたら、彼が生まれてからこれが初めてのことだったかもしれない。

 

「フン、当たり前だ。それが紅桜と言うものだ。では、俺はそろそろ消える。奴らと鉢合わせになるのは避けたいからな、お前達も紅桜のデータや製造方法を奴らに漏らすような事は...」

 

「わかっているよ、そんなヘマはしない」

 

朧は立ち去り再びノーヴェに場面は移る。

練兵場からギンガが立ち去り、入れ替わりにウェンディがやって来てノーヴェに近づく。

 

「いやぁ、危なかったスねぇ~もうちょっとで、ノーヴェの首が斬り落とされるかと思ったスよ~」

 

「あぁ、...?」

 

ノーヴェはウェンディの言葉を適当にあしらいながら立ち上がると首に違和感があった。なんだと思い触ると触った指は血で赤く染まっていて首にはさらに流れ落ちていた。

 

「ノーヴェ、それって‥‥」

 

ウェンディが息を殺した様に驚きながらノ―ヴェに尋ねる。

 

「黙れ、言わなくてもわかってらぁ!」

 

またノーヴェの表情は歪みノーヴェの心の中ではスカリエッティが止めなかった場合の自分の姿が脳裏をよぎりそれに少し震えてしまう自分にまた虫唾が走る。

ノ―ヴェの脳裏には確かに自分の首が切断されるヴィジョンが鮮明に浮かんだのだ。

それとは別の姉妹では、

 

「すごかったね、あのファーストの動き‥ん?どうしたの?ディード」

 

オットーは隣に立つ妹が何の返事もしないのでどうしたんだろと思い覗き込むとディードは

 

「あれだ、あれさえあれば私は‥‥」

 

「ディード?」

 

「あれさえあれば、私は‥‥私は完璧な兵器になれる‥‥無敵になれる‥‥」

 

「‥‥」

 

ディードは隣に立つオットーには目もくれずギンガの持つ紅桜をジッと見ていた。

そんなディードの様子をオットーは心配そうに見つめていた。

まだ、稼働してから間もないが最近のディードはオットーから見ても何かおかしかった。

スカリエッティがギンガの事を『完璧な人型兵器になれた』と言ったように、ディードの目標は自分も完璧な兵器となる事だった。

思えば、カジノ船でツナに敗北し、今回の機動六課隊舎襲撃においても獄寺に敗北し、神威から嫌味と哀れまれた事が戦闘機人としてのディードのプライドを著しく傷つけていた。

だが、今ディードの前に彼女が目標としていた理想的な完璧な兵器が現れた。

しかもそれはあの彼女が手にしている一振りの日本刀が決め手だと言う。

自分の武器も2本のビームサーベルなので、きっとあの刀と相性はいい筈。

ギンガは1本だが、自分はきっと2本使える。

2本使えれば、自分はギンガ(タイプゼロ・ファースト)よりもより完璧な兵器になれる。

その思いが今のディードを突き動かした。

 

 

 

 

・・・・続く




ではまた次回
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