【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~ 作:ただの名のないジャンプファン
此処で時系列は元に戻る。
突然のラブコメ現場に出くわしてしまった獄寺とティアナ。
そして、その現場を見られてしまったツナとフェイト。
4者は気まずさと恥ずかしさで固まる。
そこへ何も知らないスバルもやって来て現場は尚混乱する。
「じゅ、10代目‥‥/////」
「ご、獄寺君‥‥こ、これは‥‥その‥‥//////」
「フェイトさん‥‥//////」
「ティアナ‥‥あの‥‥これはね‥‥//////」
「どうしたの?何があったの?」
病室で出入り口を固めていた獄寺とティアナの姿に首を傾げたスバルは背伸びをしてツナの病室を覗く。
すると、スバルの目にリンゴを食べさせようとしたまま顔を赤くして固まるフェイトとフェイトからリンゴを食べさせてもらおうとしたままの姿勢でフェイト同様、顔を赤くしたまま固まるツナの姿があった。
「‥‥ティア、獄寺、どうやら私達、お邪魔だったみたい‥少し時間が経ってから出直そう」
「そ、そうね//////」
「10代目、ごゆっくり//////」
ティアナ達がツナの病室から出て行こうとする。
「「ちょっ、ちょっと待って!!」」
ツナとフェイトが声を揃えてティアナ達を止める。
変に気づかいされた方がかえって気まずい。
その後、ティアナがフェイトの買って来たリンゴを剥き、みんなでリンゴを食べながら、フェイトがさっきの事情を説明した。
「ツナ、今腕が上手く動かないから食べさせていただけなの!!」
「そ、そうですよ!!獄寺君達が思っている様な事は一切ないよ!!」
「そうなんですか…むしゃむしゃ‥‥」
ティアナが剥いたリンゴを頬張るスバル。
リンゴの殆どがスバルによって消費されている。
フェイトの話を聞いてティアナは何か思いついた様でニヤッと口元を歪めると、
「獄寺、アンタも食べさせてあげようか?」
爪楊枝で刺したリンゴを獄寺に差し出すティアナ。
「ばっ、お前突然何言ってんだよ!?そんな恥ずかしい事出来るか!?」
「あら?でも、ツナはさっきフェイトさんにしてもらっていたみたいだけど?」
「むっ?」
「尊敬する人がアンタの言う恥ずかしい事をしたのに、アンタは平気なんだぁ~」
「うっ‥‥」
(ティア、獄寺を完全に操作している!?)
(あんなに慌てふためく獄寺君、初めてかも‥‥)
(ティアナ、凄く大胆だ)
(く、くそ、10代目だけに辱めを受けさせるわけにはいかねぇ‥‥)
「こ、今回だけだからな!!」
「えっ?」
獄寺のこの予想外の返しに悪ふざけをしたティアナは一瞬フリーズした。
(えっ?なんで?なんで?受けるの?コイツの性格なら、絶対に突っぱねると思ったのに‥‥)
自分の予想が外れテンパるティアナ。
(ど、どうしよう~は、恥ずかしい‥‥で、でも此処まで来て今更やらない訳にもいかないし‥‥あぁ~私のバカ、なんでこんな事をやっちゃったのよぉ~)
心の中で頭を抱えるティアナ。
(くっ、こうなったら、やるしかない!!女は度胸よ!!ティアナ!!)
ティアナは自分を奮い立たせ、
「じゃ、じゃあ、いくわよ‥‥あ、あーん////」
「‥‥////」
ティアナの差し出すリンゴに獄寺は無言のまま口を開ける。
その様子を見ているフェイト、ツナ、スバルはドキドキしながらその様子を見ている。
(なんで、リンゴを食べるだけで、こんなにもドキドキしなきゃならねぇんだ?別にロシアンルーレットをしている訳でもねぇのに‥‥)
(なに?なんなのよ!!この公開処刑は!?もう、私のバカ!!)
そんな思いを抱きつつ獄寺はティアナの差し出したリンゴを食べた。
「‥‥////」
一方、食べさせたティアナは茹蛸の様に顔を真っ赤にした。
何しろギャラリーのフェイト、ツナ、スバルがティアナと獄寺の様子をジッと見つめていたからだ。
(ティアってば顔を真っ赤にしちゃって可愛いなぁ~)
スバルはリンゴを食べながら、ティアナの様子に苦笑した。
今回、ティアナは悪ノリをするのも時と場所を考えろと言う事を学んだ。
リンゴを食べた後(ほとんどスバルが消費した)エリオやキャロの様子が気になったフェイトは『エリオ達の病室に見舞いに行く』と言い、ツナやティアナ、スバルもそれに付き合い、ツナが行くなら当然、『俺も行く』と言って獄寺も付き合う事になった。
~sideエリオ キャロ~
六課襲撃時、ヴィヴィオを助けようとして、トレディの妨害により、海へと叩き落とされたエリオとキャロは偶然近くを通りかかった漁船により救助され、事なきを得た。
その2人の下にフェイト達が見舞いに訪れた。
エリオとキャロも海に叩き付けられた衝撃で身体を強く打ったのか、身体の彼方此方に打ち身と打撲を負い、エリオに至っては肋骨に罅が入っていた。
頭や身体の彼方此方に包帯を巻き、ガーゼを張り付けたその姿は痛々しかった。
「すみません、フェイトさん。私達の到着が遅れて‥‥ヴィヴィオを‥‥」
「きゃ、キャロは悪くないよ、ヴィヴィオを助けられなかったのは僕の責任です。僕があの時、トレディに気づいていれば、こんな事には‥‥」
2人とも目の前で攫われて行くヴィヴィオを見つけながらも彼女を救うことが出来なかった事に対してやはり、負い目を感じており、フェイトに頭を下げ、謝罪する。
「ううん、ヴィヴィオが攫われた事は確かに辛く悲しい事だけど、今はエリオとキャロがこうして無事だったことが私にはなにより嬉しいと言うか安心したよ。スカリエッティはこの後、必ず行動に移す筈、その時にヴィヴィオは必ず取り戻す。だから、今は治療に専念してね、2人とも」
「は、はい」
「わかりました」
フェイトに励まされて少しは持ち直したエリオとキャロの2人だった。
フェイト、ティアナ、スバルの3人はこの後まだ被害調査があるため、六課の隊舎へと戻って行った。
獄寺ももう少し、ツナと一緒に居たかった様子だが、ツナ自身が獄寺に「獄寺も今は治療に専念して」と言って病室に戻した。
そして、1人になったツナは‥‥
(リボーンは俺が行っても何もできないって言っていたけど、やっぱり、ジッとなんてしていられないよ)
リボーンから言っても無駄だと言われた集中治療室のある病棟へと足を運んだ。
(雲雀さんの居る病室は‥‥ん?)
雲雀が居る病室を探していると、ガラス越しに集中治療室の中をジッと見ている栗毛色の髪をした男を見つけた。
(あっ、あの人は‥‥)
その男は、以前雲雀と市街地でドンパチしていた沖田と言う名の男だった。
「沖田さん‥ですよね?」
「ん?」
ツナは恐る恐る沖田に声をかけた。
「なんでぇい雲雀の連れの確か‥‥ロープだっけか?」
「ツナです」
沖田のボケに速攻でツッコミを入れるツナ。
「んで、どうした?アンタ、まだ怪我が治りきっていないんじゃないか?」
沖田はツナの姿を見て、まだ彼が完治していないにも関わらず、どうして此処に来たのかを尋ねる。
「その‥‥雲雀さんの様子が気になって‥‥」
ツナは沖田に自分の怪我を押してまで此処へ来たわけを話す。
「そうかい、随分と友達思いなこって」
「い、いえ」
「でも、奴がそれを知ったら、きっと感謝なんてせず、『余計なことを』なんて言っていたかもしれやせんぜ」
「うっ‥た、確かにあの雲雀さんならそう言いそう」
自分が怪我をしてまで雲雀の見舞いに来ている事を知った時咬み殺して来そうだ。
反対に自分が怪我をしていない場合でも雲雀の場合、怪我をした姿を見せまいと『態々見舞いなんてして来るなんて随分暇なんだね、そんな事をしている間にも何かやる事はあるんじゃないか?』なんて言って、自分の怪我よりも事件の解決を優先させるだろう。
「お前さんは雲雀の奴と同じ世界からきて、アイツとは知り合いなんだろう?」
「は、はい」
ツナが雲雀の事を思っていると沖田がツナに確認するかのように雲雀との関係を聞いてきた。
「お前さんから見たアイツはどんな奴だ?」
すると、沖田はツナに雲雀の事を尋ねた。
「えっ?僕から見た雲雀さん‥ですか?」
「おう」
「うーんと‥‥そうですね‥‥」
ツナは自分が抱いた雲雀のイメージを思い浮かべる。
「雲雀さんは真っ直ぐですね」
「ん?真っ直ぐ?」
「はい、どんな事があっても自分の誇りを曲げずにどんな事がしがらみとなっても自分を貫いてる」
「ふっ、確かに、自分のやり方しかして無かったな」
沖田は苦笑する。
「でも、雲雀さんは僕にとっては憧れの人でもあるんです」
「ん?髪型とかか?」
「いえ、其処じゃなくて‥‥」
「じゃあ、あのおっかねぇ、ヤクザの若頭みてぇな顔か?それとも似非っぽいヤンキースタイルか?」
「いえ、其処でもなくて‥‥」
「じゃあ、どんなところでぃ?」
「雲雀さんの強くて、自分の信念を曲げずにただひたすらその信念を信じて突き進む所です」
「ほぉ~」
ツナの回答に沖田は目を細める。
「俺自身、何かにつけて弱気で逃げ腰かつ諦めがちで、知り合いから『おまえはヒーローになんてなれない男』なんて言われる始末で‥‥でも、雲雀さんは、僕がある策略で厄介事に巻き込まれていく内に色々協力してくれたりして、頼りになる人なんです。最初はその‥‥怖かったですけど‥‥」
「確かに奴は普段から『弱くて群れる草食動物は嫌い』とか言っているが俺のバイト先でもなんだかんだ言って面倒は見ているツンデレ野郎でさぁ」
「ツ、ツンデレ!?」
「あぁ、俺のバイト先にもアイツそっくりなツンデレ野郎がいるんだよ。アイツを含めて2人だ‥付き合うこっちも大変なんでさぁ」
「へぇ~雲雀さんにそっくりな人‥なんですか?」
ツナは沖田の言う雲雀そっくりなツンデレ野郎に興味を持った。
「ああ、面もどことなく似ているな‥‥んで、ソイツは口下手で不器用で‥でも、自分の仕事には信念を持っている実直な奴だ。俺と違って仕事も一切サボらねぇし、そういう面では雲雀の奴同様、融通が利かない堅物だな」
「確かに雲雀さんと似ていますね、その人‥‥でも、雲雀さんではないんですよね?」
「ああ、別人だ。ソイツはこの前、1人の女に対して自分の思いも素直に言えないどうしようもねぇ腰抜けでな」
「へ、へぇ~」
女性関係という面に関してツナも沖田の言うその雲雀に似ている人の気持ちが何となく分かる。
それと同時に、
(うん、確かに雲雀さんじゃないな)
ツナはあっさりと沖田の言う雲雀に似ている人と雲雀は別人だと判断した。
あの雲雀が女の人に惚れるなんてありえない。
もしも、彼のハートを射止める様な女性が居るのであれば、是非会ってみたいものである。
「でも、ソイツは不器用な所が災いして、大事なモノを永遠に失っちまった‥‥だからこそ、女に関してはより一層不器用になっちまったのかもしれねぇな」
「えっ?」
沖田の表情には哀愁が漂っていた。
「まぁ、二度も逃げて相手を傷つける様な奴だったら、俺が叩き切ってやろうと思ったが、今度はちゃんと向き合うみてぇだ‥‥ただそうするには、肝心なあの人を取り戻さねぇといけねぇが、そこまで面倒は見切れねぇ‥惚れた女を取り戻すのはあのヤロウの義務だからなぁ」
(その人は、ちゃんと前へ踏み出そうとしているのか‥‥でも、取り戻さないといけないってどういう意味なんだろう?)
ツナは沖田の言葉の中で気になるワードが出てきたが、沖田の纏う雰囲気に圧されて気軽に聞けなかった。
それに人様の恋愛に他人である自分が深く突っ込むのは野暮と言うモノである。
これもリボーンの教育の賜物なのかもしれない。
「ただ、訓練の相手にはなってやるつもりだ。俺も今回、奴等のしたことにはちょっと堪忍袋の緒が切れかけているからなぁ」
沖田がニヤリとサディスティックな笑みを浮かべる。
その笑みを見て、ツナは、
(この人も決して敵には回してはならない人だ)
と沖田の危険性を肌で感じた。
「雲雀の奴も今のところは安定しているみてぇだし、それじゃあ、俺はこれで、戻るわ」
沖田は集中治療室の中の雲雀をチラッと見た後歩き出すが、途中で立ち止まり、ツナの方へ顔を向けると、
「‥‥おい、マグロ」
「だから、ツナです」
最後までブレない沖田に最後までツッコミを忘れないツナ。
「この先の奴等との戦いで決して死ぬんじゃねぇぞ」
ボケを入れていた時の沖田とは打って変わって、真剣な表情でツナに言葉をかける沖田。
「は、はい。沖田さんも死なないで下さいね」
「おう」
沖田はツナに激励をした後、片手をあげて去って行った。
(好きな人‥か‥‥)
ツナは沖田の言葉を聞いて何故かフェイトの事を思い浮かべる。
(あれ、何でフェイトさんが...?)
首を傾げるツナ
もし俺達の帰り道が見つかったらどうしよう?フェイトさんとはもうお別れか...何か寂しいな
自分はこの世界の人間ではない。
いつか、自分の世界へ戻る日がくるかもしれない。
その時、自分はどうする?
この世界に残るか?
いや、フェイトを自分の世界へ連れて行くか?
でも、自分の世界では、元の自分の生活がある様に、フェイトにもこの世界での生活がある。
大切な友達が‥仲間がいる。
自分のエゴのように感じるでも別れたくないな
「銀さんも同じ思いなのだろうか?」
ツナの脳裏にはふと、ヴィヴィオに好かれ、なのはが思いを寄せている銀髪の侍の姿が思い浮んだ。
・・・・続く
ではまた次回。