【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~ 作:ただの名のないジャンプファン
~side炎真~
空中に二閃の真紅の赤とオレンジ色の光が飛び交りぶつかり合う。
炎真と白蘭の空中戦では、炎真の炎である大地の重力操作を上手く躱している白蘭の方に軍杯がある。
幾ら大空の対をなす大地の炎と言えど、タネがバレていると効き目も失う。
前の戦いで白蘭はほぼ完全に炎真の能力を学習しており対炎真戦については攻略していた。
その上、戦闘力に関しても差があった。
炎真が使えるのは大地の炎一つだけ‥‥対して白蘭は精度の低いリングとはいえ大空の炎+魔力(しかも管理局員ではないので、なのは達とは違い普段からリミッターをつけている訳ではない)更に物量的にも炎真は不利なのだ。
「くぅぅぅ」
「ははは、僕を止めたのは勢いだけかい?そんなんじゃあ僕には勝てないよ」
白蘭の技である『白指』を飛ばしてくると炎真はそれを躱す。
炎真が躱したのを確認すると白蘭はビルの隙間を飛んでいき炎真もそれを追ってビルの隙間を入っていくとその間には、飛行型のガジェットⅡ型が5機も飛んできていた。
「なっ!?」
炎真は急ブレーキをかけて、
「大他の重力!!」
重力をかけてガジェットを地に落として白蘭をすぐに追う様にするが、
「遅いよ」
側面のビルの窓ガラスが割る音共に白蘭の声と動物の様な声が聞こえてくると、
「っ!?」
白蘭の相棒である白龍に顔を噛まれそうになり咄嗟に腕でガードするがその後にきた白蘭の拳をモロにくらい、その次に腹に回し蹴りを入れられる。
「ガバッ!」
更に白龍の尾を持ち遠心運動で投げ飛ばされた。
炎真はビルの壁にめり込んで動きを取れず重力操作の解けたガジェットドローンが目の前に来てビームを発射しようとしてきた為に自分の腕だけでも出して重力操作でやり過ごそうと思ったが、
(くっ、ダメだ‥‥間に合わない‥‥)
そう判断した炎真は敢えて自分に重力をかけてやり過ごした。
「へぇ~なかなかの判断力だね。まさに肉を切らせて骨を切るってヤツだね」
地面に膝をつく体勢から白蘭を睨みつける。そして、白蘭も炎真のその眼光から一切の負の感情が見受けられないので彼は炎真に対して、
「ねぇ、何で君は必死に管理局の味方をするの?」
と、単純な質問をした。
「貴方には関係の無い事です」
炎真は何故敵である白蘭にそんな事を応えなければならないのかと白蘭の質問を突っぱねる。
「よく分かんないだよねぇ~綱吉君はまぁ分かるよ、彼のお人好しは全平行世界共通だったからね。まっ、それが彼の美徳でもあるんだけどねぇ~‥‥」
炎真はそれを聞くと警戒心を少しといたのかフフと笑みを零して賛同している事を雰囲気で表す。
白蘭はそんな炎真を不思議に見つめて、
「何がおかしいの?」
「いや、ツナ君の事を聞いたらね、やっぱり何処でもそうなんだね、彼は‥‥」
楽しそうにそう言いながら続ける。多分この事は沢田綱吉と関わった人物全員が思う共通認識なのだろう。
「確かに、僕は此処に最初に来た時は確にツナ君に判断を任せたよ。でも今なら僕も即答するかな、『助ける』って」
「何故だい?」
「僕自身此処に助けたい人が出来たからね」
炎真も思い出している彼がここに来て関わってきた人達や自分が1番関わってきた彼女、そんな彼女の少しでも助けになりたい為に自分は此処に立っていると言い張る。
その答えが気に食わないのか白蘭は苦虫を噛み潰した表情をして体が少し震わせて炎真に言う。
「それは助ける価値もない犯罪者混じりの組織の事かい?あんまり調子のいい事ばかりだね、何も知らず、何も知ろうとしないくせに、いい気なもんだ。教えてあげようか?さっきの彼女の正体、矛盾だらけのこの世界の真髄を‥‥「知っているよ」」
「ん?」
白蘭は、今度は驚いた表情で炎真を見て、
今の炎真の瞳に嘘を浮いていると思えない。
「彼女達が色んなものを乗り越え今を掴んでいることは‥‥」
はやてはよく笑う、エリオ達FW陣達は勿論フェイトやなのはの様な親友の前でもシグナム達家族の前でも、僕達の様に余り繋がりのなかった人の前でも、別に彼女が強がりって訳でもない。
戦いの場面では類希ないリーダーシップで皆に指示を出している。
たまにお巫山戯が過ぎて周りの人から怒られている時もある。
それでも彼女は頼れるリーダーであり、皆と隣にいる普通の女の子でありとても幸せに見える。
でも以前見た彼女の辛い過去が露になり孤独にやられかけた時に見せた弱さを...彼女は自分の強さと同じ位の暗闇を持っている。
炎真も同じだ、過去に友達を傷つけてしまった。
だからなのだろう‥彼女に親近感みたいなのが湧いているのは、でも多分僕よりもっと深いんだろうね、その闇は‥‥
だからこそ彼女達が言葉で語れないぐらいの大きな暗闇に居た彼女の為に出来ることを全力でやる!
「本当にこの世界の人は罪を償う辛さを知らないで!!!自分の価値観だけではやて達を図るな!!」
額とグローブの真紅の炎が弾け飛び彼の周りの地面がとてつもない重りが乗ったようにめり込んで飛び散る破片は宙に浮き、
「はァァ!!」
炎真の手に呼応して破片は一気に白蘭の方に飛んできた。
先程から俯きながら何もやってこない白蘭。
だが、さっきのほんの僅かな瞬間、眩いほどの白い光に炎真も堪らず目を閉じてしまう。光に飲み込まれた破片は塵となり光が消えたとともに空へと消えていった。
「君こそ自分の知っている事だけでこの世界全てを知っているみたいに言わないでほしいね。力があるものだけが重宝されて地べたで頑張る人達の事なんて眼中にも入れないこのクソ溜めみてぇな世界の事をね」
自分の友達がどれだけ頑張っていたかも知らず、それを認めない、見ない、見ようともしない、知ろうともしない、この世界の上っ面の平和には白蘭も反吐が出る位嫌悪感を抱いているようだ。
「この世界は1度壊れないといけないんだ!!そして、破壊の後、彼等が夢見た真の平和な世界を彼等に変わって作ってあげるんだ。それはこの僕にしかできない!!」
ギュン!とスピードをあげて炎真に飛んでくる。
炎真も炎圧をあげて、
2人の拳がぶつかり合う。
2人は拳を離して息付く暇もない激しいぶつかり合い。
これはいわば誇りと誇りの戦いでもあった。
炎真が白蘭の顔面に1発入れるとそれに対してお返しと言わんばかりの様に白蘭も炎真の顔面に1発打ち込む。
(ん?何だ?この違和感はっ!?)
だが白蘭は炎真の攻撃に違和感を感じていた。
何故なら炎真の拳は異様に重い。まるで重りのリストバンドでも付けているように彼の拳から考えられないぐらいの重さにそれだけでないスピードも速い。
(くそっ、一体、彼の何処にこんな力が!?)
「はァァ!!」
両腕を大きく広げ近くのビル2つから大きくコンクリートを抉りとり2つで板挟みにして。更に多く四方八方からも瓦礫で包み込み1つの球体になった。
「大地の牢(カルチェラ・デッラ・テラ)」
隙間からの光も中の人には届かない位ガッチガチに固めて次に本命の、
「うぉぉぉ!!」
自分の拳に重力をかけた真紅の鉄槌を振り下ろし球体事地面に叩きつけ瓦礫の檻も壊れ白蘭にもそれなりのダメージを与えるがあると思われたが、
「白拍手」
大地の収容所は翅で自分のスペースを作り白蘭の絶対防御技である白拍手、手のひらの圧力で攻撃を止めるこの技で攻撃を受け止めていた。
「なる程ね、君は自分の力をよく使いこなしているね。自分の拳に重力をかけているとは‥‥振り下ろす時は重力をかけて重く振り上げる時は重力を外して速くなる様に緩急を付けていた。だからあたかも速くなり重くなった様に感じたんだね。でもタネさえ分かれば対処は簡単なんだよ」
「それはどうかな?この時点で僕は君を拘束している‥大地の重力!!」
自分の体重の3倍にも4倍にもどんどん重くして白蘭の動きを封じる。
「フン、温いね‥君は魔力の凄さを全然分かってないようだね‥‥魔導師を舐めるなよ!!」
白蘭は指を地面に立てる。
炎真は更に重力をあげて動きを止めようとするが、
「無駄だよ」
口角が上がったと同時に地面から白い光柱が地面から伸びてきた炎真はそれに少し動揺してしまう。
「君、今動揺したね?」
その動揺が炎真の重力操作に支障をきたして白蘭がその隙を逃す訳はなく頭突きを入れ蹴り上げて炎真は光柱に飲み込まれた。
「ぁ ぁ ぁ」
光柱が消えて炎真が地面に落ちたら今度は透明な腕が炎真を掴み、
「ははは、そのまま握り潰してあげるよ」
炎真を握る腕に力が入り炎真から声にならない叫びが上がる。
その時ふと白蘭は何かを感じたのか炎真を握る腕から視線を逸らす。
「っ!?ゼスト君‥‥君も逝ってしまったんだね‥‥レジアス君とは話せたかい。後は僕が君達の夢を‥理想を受け継ぐから、天国から見ていてくれ!!」
その時、白蘭の口からたらりと血が流れる。そしてすぐに掴んでいる炎真を見る。
「君もすぐにあの世に送ってあげるよ、君だけじゃない、君の仲間も‥あの科学者も…そして、彼等が夢見た『陸』を!!ミッドの平和を僕が実現する!!」
まるでカエルを握り潰すかの様に力を加えていく。
余程の力を入れているのか白蘭骨もミシミシと音を立ててきている。だが炎真の表情からまだ抗う意志は消えていない。
炎真は握る力に必死に抗い続ける。
(お願いだ。せめて腕がだけでも...腕だけでも出てくれたら...ツナ君、皆.....力を)
「無駄だよ、今の君じゃどうすることも出来ないんだから」
(あの時のツナ君の様に.....はやてをはやての思いも全部守りたいんだ!!)
「ぐぐぐ」
少し少しだが隙間が出来てきた。
(むっ?炎圧が少し上がったか‥‥?)
「なら僕ももっと力を込めよう」
白蘭も炎圧をあげて魔力で強化して炎真に対応している。
だが、
「まだだ!!」
少しずつであるが確実に手を押し返して来て遂には白蘭の力を上回る。
「ば、バカな!?彼にはもうこんな力は残ってはいない筈!?」
これは単純な力ではない。
リングから発する死ぬ気の炎の強さは人やリングにもよるが最後にたどり着くのは『覚悟』その覚悟が強ければ強いほどそれに比例するように炎も大きくそして純度を増しその炎の特性をより引き出す。
炎真の守りたいと思う覚悟が炎真に秘めた力を引き出した。
そして先に片手だけ出して、
「大地の重力」
だがそれは白蘭にはかからず、外してします。
「ははは、外してんじゃん、もうへばってきたのかな?」
だが炎真は笑う。
それは希望を見たかのように‥‥
「いや、僕達の攻撃はこれからだよ」
「なにっ!!?」
「うぉぉぉぉぉ!!」
その瞬間蒼光が空から地に一閃を描いて落ちてきた。
その蒼光は翼を切り裂き、
「き、君はっ!?」
「もう1つ!!貰い受ける!!!」
次は弧を描いてもう片方の翼を切り裂こうとする。
「させないよ!!」
白蘭は飛び上がりそれを回避する。
「すいません、遅くなりました。」
白蘭との戦場に現れたのは、茶色い短髪でブーメランに似た武器を使い、額には武器と同じ色の青い死ぬ気の炎を灯している少年‥‥
「いや、タイミングバッチリだよ。バジルくん」
「彼はたしか.....門外顧問の」
バジルの登場は流石の白蘭も予想してなかったようだ。
だがそれほど驚きがあったわけでもなく、
「へぇ~まさか君もこの世界に来ていたんだ。バジル‥ボンゴレ門外顧問組織の一員。」
やはりバジルの役職は知っているらしい。
「拙者もお主の事は知っている。だが同一人物と考えて良いのか?」
「別に好きに捉えていいよ、でも君が知っている僕と捉えて負けても僕は知らないからね」
はははと笑い余裕な事を示す白蘭。
翼が1つ無くなっても全然動揺していない。
「大丈夫ですか?古里殿」
「うん」
炎真も立ち上がり構え直しバジルの横に並び立つ。
「ふん、今更子供2人で何が出来るのさ?」
手にオレンジと白の混ざった光が炎の様にゆらりと灯しバジルと炎真を見る。
「「貴方(お主)に勝つ事!!」」
2人は叫び、炎真はグローブに炎を灯してバジルは自分の相棒であるアルフィンに乗り、白蘭に突撃して彼をコンクリートへと叩きつけると周りには砂煙がおきる。
白蘭は地につき煙立つ中、正面からバジルが飛び出した。バジルの刃を躱しバジルの腕を掴む。すると後ろから炎真が飛び出してきた。
白蘭はそれを回りながら躱してバジルを炎真に投げつける。
「ぐはっ」
「ぐっ」
炎真とバジルの2人は衝突し、痛そうに顔を歪める。
だが、バジルは咄嗟に自分の武器を白蘭に投げつけるが、
「はは♪そんなの当たんないよぉ~」
白蘭は少し体勢をずらしてそれを躱す。
炎真はそれを見ると手を白蘭に向ける。球体が数個飛び出し白蘭は球体から離れると、
「ん?重力がかかってない‥‥!?ま、まさか!?」
炎真が重力をかけたのは白蘭を抑えるためではない。バジルの武器に重力をかけて白蘭を追いかけている。
(さっき翼をやられたから上手く抗えない。)
その場から離れたいのだが離れようにも翼が片方の為、離れようにうまく力が働かず、引き寄せられないようにするので一杯一杯であった。
「今だ!!」
重力で白蘭を地に這いつくばせた。膝を付き地面もメリメリと音をたてながらめり込んでいた。
「チャンス!!」
バジルが自分の武器を掴んで炎真と共に地を蹴り、白蘭を攻撃しようとするが、不気味にも白蘭の口角が少し上がったように見えた炎真はすぐにバジルを引っ張りその場を離れようとした。
「古里殿!!?」
「すぐにこの場を離れるんだ!!」
「ふふ...もう遅いよ」
白蘭の威嚇の笑みと共に白蘭から白い光が放ち更に掌に凝縮していった。周りの不気味な地鳴りと共に心臓がなり勢いが止まず胸騒ぎも消えない。
これは、あの時の‥‥
「白の架け橋」
白い光に飲み込まれたら最後光が消えてもそこには白が残る。大空の調和の中に魔力を込めて放つこの技は空間内全てを石化させて最後は風と共にすべて消え去るというぐらい恐ろしい。
凝縮された光は途轍もない域を覆い光の中は眩しすぎて見ることが出来ない、炎真達は背後を見る余裕もないがそその場を離れようとしているがこれじゃ無理だしかも以前と違いスピードが段違いこれでは飲み込まれてしまう。
「かん―――!!」
光に声も飲み込まれて暫く光は消えなかった。
「ハァハァ」
白蘭は一息ついてから
「待っていてね」
スタミナ全てを持っていかれたようで疲れきっていた。彼はその身を引き摺るように地上本部に行こうとした。
その時、
「何処へ行く!!」
「僕達はまだ倒れてないぞ」
「!?」
大声が白蘭の耳に届くと振り返り声の持ち主を探す。すると青い炎が弾け飛んで赤い拳が白蘭の腹に入る。投げ飛ばして思いっきり重力をかける。
「く、な、何故‥‥」
「僕達の炎...いやバジル君の形態変化のお陰だよ」
バジルは咄嗟に形態変化をして単純な炎の出力アップだけでなく純度をあげた炎と炎真の炎でシールドを張り、命を繋いだ様だ。
「以前の時もそうだったね、その攻撃をした後君は大分疲れきっていた‥‥白蘭!!この勝負、僕達の勝ちだ!!」
「君だって体力と魔力をひどく消耗している。大人しく降伏してくれ」
「くっ‥‥」
悔しがる白蘭を見ながら拘束の力を少し緩め
「バジル君、大丈夫?」
「はい、何とか‥‥」
2人は話し合いとりあえず人を呼んで白蘭の拘束を変わってもらい他の人の援軍に行こうと言う話となった。
そんな2人の背中を見ながら
「負けない‥‥負けないよ‥‥僕は‥‥負けるわけにはいかないんだ‥‥」
白蘭がブツブツと何かを呟く。
(負けないよ...この嘘と欺瞞で出来たメッキの世界を壊して...ぐちゃぐちゃにして新しい僕達の世界をバカな人間でも単純な人間でもそんな人が苦労しない。本当の平和な世界の為に...)
白蘭から不吉なオーラが漂い初めその気に当てられ後ろを見ると、
「彼らの夢をかなえる為、僕は頑張なければならないんだ!!」
ズドーン!!
「うぉぉぉぉー!!」
白い羽が吹っ飛び黒い液体みたいなのが飛び出した。炎真達は首根っこを捕まれ白い砂とかしたビルを何個も貫き、終いにはバジルは投げ飛ばされ、
「バジル君!?」
「はははは、死んじゃいなよ♪この腐った世界を理解できない不要物が!!」
指を向けて白指を放とうとしたので炎真は暴れて、
「止めだ!?」
抵抗するが白蘭の指から、
「白指」
ズドーン
だが、
「匣兵器に助けられたね」
アルフィンが雨の炎でガードしてくれた。だが炎が切れたのかバジルの武器からアルフィンが離れて指輪に戻った。
炎真は噛みつき、
「っ!?」
白蘭は慌てて炎真を離して、
炎真はバジルを回収して離れた場所に寝かせておいた。
「バジル君‥ありがとう。」
とまた白蘭を睨みつける。
ドス黒い羽と雰囲気の白蘭を睨みつけ合いながら両者ビルから飛び出して上空高くまで飛んで、
「行くよ。こっからは全力だ、君か僕が落ちるまで終わらないよ」
「僕に落ちる気はありません。例え落ちるとしても貴方より後です」
まずは炎真が風を切りながら白蘭に向かう。白蘭も炎真を迎え撃つ。二人の拳から激しい衝撃波がたちながらも止めることなく殴り続ける。そしてまた球体を出す炎真。
「重力」
白蘭の腕が黒い龍へと変化して炎真の腕に噛みつき少し後ろに下がってしまい白蘭が下から上へと回し蹴りを喰らわせて、
「はぁぁ!!」
白い光線を飛ばしてくる、だけど左に逸れて擦れるもすぐに白蘭を殴る。まだ星の重力が生きているようだ。
(あれが動くならここは彼のテリトリーか‥でも、さっきので確信したよ。あれは彼の腕があってコントロールできる)
今度は3匹翼から飛び出す龍達。
(これで誘導すれば)
この3匹に重力をかける炎真、だが龍の後ろから黒い腕が自分の首根っこ掴んだ。炎真はその腕を焼き切り、炎を纏った腕で白蘭を殴り飛ばす。
白蘭がビルに叩き付けられ白い煙が立ち込める。
「まだ、後もう少し」
炎のブーストで突入して行く。まだ煙が立っている中動きはまだ無く、
ブぉお!!
急に煙が晴れると2人は拳をお互いの顔に拳を構えた状態で止まっていた。
炎真も白蘭も距離を取り直してビルに降りる。
もう2人ともスタミナが残ってないのだ。
飛んでいるのもぎりぎりなぐらいに、息遣い荒くなる2人。
心なしか炎真の方の炎が小さくなっている気がする、白蘭はさっきの魔法でスタミナの殆どを使ったようだ。
お互いスタミナ切れに近い状態でもうこれ以上戦いが長引くことはないだろう。
でも2人はお互い息を切らしていても、少し震えていてももう殴り倒せるぐらい弱っている、でもお互い雰囲気がそれを感じさせない。
「1つ疑問に思ったんだけど聞いていいかな?」
白蘭のいきなりの問いかけに炎真は少し気を緩める。
「今の君を見ていてどうしても聞きたいんだ。君の覚悟の源って何?」
「.....」
「僕は君より炎の出力は抑えられている。ここのリングの制度じゃこれで精一杯なのさ、でもその分あまりある魔力が僕にはあった。だから綱吉君でも勝てると踏んだ。それが君に抑えられた。君は僕を抑えられるぐらいの覚悟がある。それが何なのか気になるんだよね」
と笑みを浮かべて炎真に聞く。
炎真に答える気配が感じない。
「愚問だったね。確かにそれが何なのか、今は関係ないか」
白蘭の薄いオレンジ色に右腕が輝き始めた。どうやら片腕に力を集中している様だ。更に黒い魔法陣が浮かんでいる。
炎真は右手を前に出すが白蘭に重力がかからない。
「ふふ、僕の勝ちだね!!消え失せろ!!!」
空間を引き裂く大きな魔力と炎の混合砲が物凄いスピードで撃たれた。魔法陣を通してそれは更に大きくなり炎真は飲み込まれた。
周囲に黒い煙が立ち込める。
やがて、大きな煙が晴れると全てが吹き飛ばされて景色の見晴らしが良くなっていたがそこには二人となった人影があった。
「なっ!?お前は闇の書の‥‥」
「シグナム...さん」
炎真を守ったのはいつもの濃いピンクの髪ではなく、薄いオレンジそれに燃えたぎる炎を纏った剣からでた鎖が炎真を守った。
炎真は驚いてシグナムを見ているとその視線に気づいたようで、
「すまない、余計な手助けだったな」
優しく微笑んだ。
そして、
「まだ終わってないのだろ?」
炎真はすぐに切り替えて、
「バジル君!!」
その呟きを最後に空から地面に落ちていった。
それと…
「はい!」
「!?」
「死炎隕石」
青い彗星の如く一つの隕石が解き放たれる。
先程炎真が重力を掛けたのは前に出した球体にバジルを吸い寄せた。
その後バジルは重力の切れた球体を足場にメタルエッジの刃の部分を白蘭に向けて突進する。
バジルは最大の炎を出し続ける。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」
黒い翼は消えて、バジルと白蘭は地面に直下した。
炎真はシグナムに肩を借りながら下に降りてバジルの様子を聞いた。
「バジル君!」
「ここです。古里殿、それにシグナム殿も助太刀感謝します。」
「良かった。」
ホッと息をついて一安心するが...
「ははは♪闇の書の守護騎士まで来ちゃったか、あっちの2人は...って聞くまでもないか、君が此処にいるのだから」
全てを悟ったように白蘭は笑う。シグナムもそれに答えるように黙って頷く。
「あの2人は‥‥あの2人の最後は幸せそうに逝ったかい?」
目を閉じたまま何も言わないシグナムに白蘭は怒りをぶつける訳でもなく、ただシグナム達に彼らの事を語る。
「そう。あの2人はいつもバカみたいな理想主義者だった。最初は僕も笑ったさ、そんな事、出来っこないって‥‥でも、それでもあの2人はそれでも語り合う事を止めずにそれに向けて努力していたんだ。僕はそんな彼等を見ていて最初は興味本位だったんだけどさ、少しずつ興味が湧いてきてね。ホント、馬鹿な人程人を惹きつける。まるで漫画か小説みたいなんだけど、実際彼等と話すと本当に楽しかった。そんな事が実現できたらどれだけ楽しいか、まるで超難解なゲームするみたいで面白くってね、僕も全力でやったんだ。でも何処からだろうレジアス君が力とかに固執しちゃって、チートな力を手に入れようとしたんだ。僕もゼスト君も彼を止められなかった。彼を止めきれずに関係が壊れていったんだ。そこから僕は能力に目覚めてきてそれが何なのかわからずに一旦、管理局を辞めてその後ゼスト君の事を聞いた」
3人は黙って彼の‥彼らの過去を聞いていた。
その間白蘭は顔を手で覆い隠して震えながら喋り続ける。
彼らが強いられた理不尽な行為に対して悲しみを堪えるかのように‥‥
「ゼスト君の情報聞いて居ても立ってもいられず、彼に会いに行ったんだ。彼がレリックウェポンでも何でも彼にまた会えたのは嬉しかった。それでも彼には時間が無い。だから僕は彼の最後の望を聞いてあげたんだ‥‥何にさぁ‥‥何で‥何であんな風に‥‥」
声を震わせて静かに言う白蘭、それだけでも心に刃が突き刺さる位痛く悲しいのが伝わってきた。
「レジアス君も同じだ‥‥彼はただ純粋にミッドに住む人々の平和を望んでいただけなんだよ.....それだけで最高評議会と関わりを持ったせいでアイツらの玩具のコマみたいに扱われて死んだんだ‥‥そこまで彼を追い詰めたのは一体誰だ!?」
最後は少し声を荒らげて言った。バジルと炎真はじっと白蘭を見て、シグナムは静かに目を閉じる。
本局に務めるシグナムは白蘭の言葉を聞いて思い当たる節は多々あった。
しかし、本局の所属で魔導師と言う立場上、レジアスに意見には賛同できない部分もあったが、それは只の言い訳‥自己保身に過ぎなかったのかもしれない。
「おかしいと思わないのか?子供でもわかる正しい事をやっている人が辛い目に遭い虫けらのように死んで、大義名分だけは立派な私欲の無能な連中が生き続けるなんて!!だから僕はせめて彼等の無念を晴らしてあげようと.....」
白蘭の言葉を聞いて炎真は深く考えさせられる。
正しいってなんだろう?
今回の事件‥法を正義としたら悪いのはテロ行為をした彼等だ。
法を破りこんな騒ぎを起こした。
でも、その法って誰のためなんだろうか?
白蘭は悪いと思う。
自分の夢を叶えたいと言う欲望のために関係の無い大勢の人を巻き込みすぎた。
でもそれなら彼の全てが悪なのだろうか?
いやそんな訳ない。
彼が思った事には共感できるし同情もする部分もある。
もし、自分の大切な人が白蘭の友人の様な目に遭えば、自分も白蘭と同じ事をしたかもしれない。
ならば管理局が悪なのか?
だが、管理局の中に法を守り平和を守る為に力を尽くした人達だっている‥‥彼の言うゼストやレジアス、はやてやなのは、フェイトの様に‥‥
今回の戦いはそれを考えさせられた。
そして、彼に対して『自分の価値観だけではやて達を図るな』と言った自分が今は恥ずかしい‥‥
彼の言う通り、自分は何も知らなかったし、知ろうともしなかった。
これでは彼の事を偉そうに一方的な悪と決めつけるに分けにはいかなかった。
「古里炎真だったね、改めて聞きたい。君にとってこの世界を‥‥いや最高評議会や無能な管理局上層部を守りたいと思う気持ちは少しでも残っているかい?」
白蘭に改めて聞かれた。
悩んでいる事を実直に聞かれた。
しかし、流石の白蘭も既にこの腐敗の元凶でもある最高評議会のメンバーが既に殺害されている事については知らなかった。
「古里殿」
「古里、好きに答えろ、答えを強制する事はできんし、その答えを否定したりせん」
「シグナムさん」
炎真はシグナムに聞きたいことがある。
「シグナムさんは彼の言う、最高評議会や管理局の存在に疑念を抱いたことは?」
何秒か間を開けてシグナムは答えてくれた。それも自分と似た答えを
「あるにはあるさ、組織というのは色々な思想があり、色々な人が集まる。上が常に正しい何て思わないし、元々管理局には信じられるぐらいの信頼もない。それでも主は...主はやてはここを守りたいと言ったのだ。だからこそ私は主はやてを信じ、主はやての意思に従い剣を振るう...それが私だ。」
シグナムの目は真っ直ぐでいつも以上に綺麗な瞳をしていた。バジルから見たらそれは炎真にも言えた。
「僕も同じです」
答えに驚く白蘭はまるで裏切られたみたいに炎真を見る。
「な、何でさ‥君なら‥「わかっている」」
「多分はやてもね‥はやてはその1番上の人に従っているんじゃないと思う。貴方の友人と同じと思うよ」
微笑みながら白蘭に言う炎真。
「百歩譲って彼女があの2人と同じだとしても、彼女も地位と権力を手に入れたら変わるかもしれないよ。あの最高評議会のメンバーがそうだったようにね」
声に疑心暗鬼が感じる。
でもそれは無いそれは考えなくてもわかる。
「それはないと思います。だって彼女が間違えそうになったら僕やシグナムさんが彼女を怒るからさ」
少し赤くなった頬で宣言しバジルは待っていた答えが来て満足そうなそして輝く目で見て、シグナムもまた満足そうに微笑む。
「僕に聞いたね、僕の覚悟が何なのか、それが信じる証拠になると思うよ」
白蘭は諦めたのかいつもの様にいつも以上に高笑いする。
「はははははは♪アハハははは、これは1本取られたね確かに炎は嘘をつかない。管理局は信用できない、でも僕を倒したしこれだけ信じられるものを並べたんだ、いいよ、君は信じてあげる。でも君の思い通りになるとつまんないし僕もイタズラしたくなるよ」
とポケットの中をゴソゴソと漁る。そして何かUSBみたいなものを取り出した。
「これ何だか分かる?」
『分かる?』と言われても何かの記憶媒体と言う事しかわからない。
「これはね~僕のいる世界のデータを収集したもの‥僕の能力を使って並行世界の謎と並行世界があるという証拠を掴もうとしたんだ。そのデータにはデータ状の座標位なら入っているよ~♪もちろん、あの銀髪の侍の世界もね~♪」
と炎真達が驚いている。急に帰れる目処が立って今自分の気持ちを整理していた。帰りたい気持ちは確かにある、あそこには待っているファミリーがいる。でもここでも別れたくない人がいる。
「立場って言うのはそう簡単に割り切れるもんじゃないのさ~♪」
白蘭はUSBを投げつけて炎真はそれを慌てて受け止める。
同時に
「それじゃあね~♪」
「何!?」
白い光が自分の視界を遮る。それが消えるとそこにはもう白蘭はいなかった。
「くっ!逃げられた。」
「どうします?」
白蘭を追うか、それとも彼を見逃すかシグナムに意見を求めるバジル。
シグナムは少し考えて、
「深追いはよそう、白蘭も弱って入るだろうがそれはお前達も同じだろう?」
シグナムが言うようにもうスタミナが切れてもうガス欠状態に近い。
いくら白蘭もスタミナが切れかけており、人数も此方が多い有利性はあるが、相手はあの白蘭‥誘い込まれた先に罠がある可能性もある。
此処はやはり、シグナムの言う通り深追いは止そう。
それに元の世界に戻れるかもしれない情報を自分に与えてくれた事を差し引いても白蘭には借りが出来た。
ならば、今回は見逃そう。
「すまんな、私を行かせるために無理をさせた」
「いえ、大丈夫です。あの‥シグナムさんその髪は?それに鎧の色も違っていますし、リィンさんの姿も見えない様ですが‥‥」
炎真がシグナムの髪の毛の色とバリアジャケットの色が変わっている事に質問する。
「ん?あぁ色々あってな‥あと、リィンは先に主はやての所に行かせた。そんな事よりお前達はシャマルの所に行って‥‥「あの‥‥」ん?なんだ?」
「僕もはやての所に行きます。」
「だが、お前は‥‥」
「シグナムさんのお陰で防御用の炎を使わなくてすみました。だから‥‥」
真に迫る勢いでシグナムにまだ戦えると伝える。
その後諦めた様に言葉をため息と同時に吐く。
「はやてに言われたんですよ、こき使うってだからまだ動けるうちははやての手助けをしないと後で何されるか...だから僕は‥‥」
「...わかった、だが無理ならすぐに戻って治療を受けてもらう。いいな?」
「はい」
「バジル。お前はどうする?」
「拙者は騎士カリムの元に行きます。預かってもらっている立場なのであの人の指示で動かせてもらいます」
「そうか、わかった。では行くぞ、古里」
「はい!!」
シグナムと炎真ははやての下へと向かい、そしてバジルはカリムの下へと向かった。
・・・・続く
ではまた次回。
補足
バジルの形態変化はワールドトリガーのレイガストと思ってください。シールドモードで守る範囲を大きくするのではなく、死ぬ気の炎で守を固めるみたいな感じだと思ってください。
ワールドトリガー早くやってくれないかな〜