【大空】と【白夜叉】のミッドチルダの出会い~改~   作:ただの名のないジャンプファン

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こう...しんです。


標的89 鴉宴

〜sideはやて〜

 

 

ゆりかごの進行を止めるために沢山の魔導士達をまとめあげて指揮を執っていたはやて、自分の部隊である機動六課と民間協力者の銀時やツナ達のことは時々雑音の中に混じって入ってくる連絡とリィンが教えてくれた。

今の所死人も負けたという連絡も入っていない。

皆、シグナムやなのは達やツナや銀時達だけじゃなく新人であるフォワード陣達も期待以上の働きと誇るべき勝利をしてくれたためにはやても気合を入れ直し激化する戦況の流れを渡さずに今まで持たせている。

そんな中、

 

「はやて!」

 

「炎真、無事やってんな!」

 

炎真の生きている姿し実際に見ると話だけで聞いた時の安堵感は全然違う。やはり本人を見たら今が戦闘中という中でもほつとする。

 

「良かった無事で。」

 

「お互い様やで、それは」

 

炎真が自分を見た時に笑顔を浮かべてくれたのではやても笑顔で答えた。

自分よりもボロボロで息遣いも荒く、多くの傷を負っているが相も変わらず優しく声をかけてくれる彼には本当に胸がドキドキしてくる。

これだけで自分の気力は完全回復できるから。本当に単純だな自分って。

 

「それでこっちの状況は?」

 

未だに魔導師たちは、ガジェットの軍団と交戦している。激しい団体戦はまだ終わっていない。

 

「ガジェット戦は押し切れそうなんやけど中の様子がな...。」

 

全員が命をかけてここを抑えてくれているおかげで、ここは何とか押し切れそうなのだが、中に入った人たちから未だに突入連絡しか入っていない。

ただ、ゆりかごはまだ止まっていない。任務継続なのかそれとも失敗か、失敗の場合は...。

中に入ったのは3人。管理局のエースとして有名な高町なのは、自分の八神はやてが信頼を置くヴィータ、それから民間協力者として作戦に参加した坂田銀時。このうちの2人は連絡手段の念話ができるのだが、魔力のない坂田銀時だけはどうやっても連絡ができない。

ただ、元々AMFの酷い所だ念話など届かない場合もある。1番はヴィヴィオを背負って戻ってきてくれればそれが1番なのだが...

 

「はやて、次来たよ。」

 

中の事ばかり気にしていたらいつの間にか波のように団体さんが流れ込んできた。

 

「うわぁ、団体様のお越しや〜。炎真はあとどれ位いける?」

 

ガジェットは魔導師の苦手とするAMFを常に放出している。

魔導師に多大なる負荷を与えるAMFは魔力の量に限らず魔法発動に不可を与えてくれるのでどんな魔導師もガジェットは弱体化をしられる。

だからこそ炎真が戦えるか戦えないかでこの先の戦いに大きく左右される。

魔力とは全く違う魔導師から見たら異質な力死ぬ気の炎は未知数で未知の領域だ。それはスカリエッティも同じ事だ、スカリエッティの計算には死ぬ気の炎何てものは思ってもみなかったことだろう、その証拠にガジェットは後付けで対策死ぬ気の炎のガジェットが作成された。でもそれ強度を上げたただけに等しい。

でもそれならば炎真からみたら壁を1枚挟んだ程度力制限をかけるタイプしじなゃい力の強いものから見たら壁とてただの紙と同じだ。

炎真が戦えたらここから掃討にうつる。

ガジェットを殲滅してゆりかごを畳み掛ける。

 

「ごめん、正直僕も結構きついんだ。炎も殆ど使っちゃって...」

 

だが現実はそんな上手くいかない。炎真は既に二つの戦場を駆け抜けている。

白蘭との戦いシャマルへの加勢、はやてのところに急いできたために気力を回復させてる時間がなかった。正直全力はもう出すことが出来ない。

やれてもはやて達のサポートぐらいである。

大地の重力もフルパワーとは程遠く魔力や死ぬ気の炎持ちの人を抑えられるほどは残っていない。

 

「わかった、なら」

 

炎真に指示を出そうとした。

数を縦に一対三を1番低い数にして炎真は遠くからサポート兼自分のボディガードをして貰う。

ここからなら炎真補助できる範囲内だろうし、視野が全体に広がり力を必要としている人を見つけやすいだろう。

炎真に先にゆりかごに侵入して中の人達の脱出経路を確保しながら中の人達の保護をしてもらいたいが、中にいるのは自分の自慢の騎士ヴィータと管理局のエースである高町なのは、そして歴戦の猛者の坂田銀時だ。生きていると楽観する訳では無いが、死ぬ姿を想像できない。嫌な予感はしているが...ここを押されてしまったら彼女達が脱出できたとしても意味なくなってしまう。

だからここを一刻も早く切り抜けて自分彼女達を迎えに行く。

はやては早速炎真に指示を出し手に持つ杖を高らかに振り上げて声を張り士気を高めようとした。

だが、その声は兵士に届けることができなかった。

はやての声を吹き飛ばしたのは空気を震わせる大砲の音、それと同時に雲の上から大きな黒船がやって来た。

「なんやあれ...」

この光景にはやては唾を飲み込み、炎真は空を覆う黒い物体を愕然と見ていた。

兵士達も動揺を隠せない。

この第三勢力の登場に空気が完全に固まった。

スカリエッティ軍の援軍なのか、少なくとも自分の勘はこの船は味方出ないと訴えている。

ゆりかごよりは小さいとはいえ、そこら辺の船よりも大きなこの船はこの世界の技術でできてている船じゃないと気がついた。

魔力を感じず質量兵器の代表と言ってもいい大砲をいくつも備わっているのが見えた。

ゆりかご相手もしんどいのにまだあんなのが出てきたら、

船に積まれている大砲に粒子が集まる。

あの砲台は圧縮粒子法だ。普通の砲撃魔法並みの威力が溜め込まれている。それを見た兵士達は顔を青ざめてその場を離れる。将であるはやての指示を聞かずに恐怖に突き動かされたのだ。

 

そんな人たちを気にせず、砲門全てはあたりを気にせずゆりかごを狙った。

 

このことは今ある全戦況に何らかの影響を与えていた。

 

〜side獄寺〜

 

「てめぇ待やがれ!」

 

獄寺は白蘭達の協力者であるシノビと交戦している。

怪我持ちの獄寺にはきつい機動力を囮とした一発タイプだ。風を操る、いや風を発生させる体質とそれを組み合わせた体の動き、に対してひとつの好きを確実につこうとする暗殺者の戦い方という組み合わせ今の獄寺にとってぶつかりたくないタイプの相手である。

 

ただ、どことなく違和感を感じていた。攻撃に転じるのは、本当の本当に一瞬という感じで殆ど攻めてこようとしない。しかも中長距離型の武器の獄寺に対して距離をとって逃げ回っている。

その違和感には獄寺も一応気がついていた。気がついていたのだが...

 

「おいおい、精度の低いダイナマイトだな。銃よりも速くないのにコントロールまで終わってちゃ話にならんぜ。ほらここだよここ。」

 

「っ!?やろうぶっ殺してやる!果てろ!!」

 

余裕のひけらかしか、もしくは他になにかあるのか...

単純な挑発もまた獄寺の調子を崩すためか、それとも他から気を反らせるためなのか...。

そんな時にここにも同じ砲撃音が聞こえる。

 

「な、何だ。」

 

「ついに来たか。」

 

〜side土方〜

 

沖田や神楽たちは撤退して、トレディも大きな傷が負っててしまい命の保証もしかねるが、まぁなるようにしかならない。

だがこの問題よりも土方の目は目の前の敵しか捉えていない。ギンガに紅桜を渡した犯人が目の前にいる。自分が不甲斐ないために前は煮え湯を飲まされたが、今度はこいつを地獄の窯に叩き込んでやる。

 

「さてと、さしの勝負だ。てめぇをぶった切ってやる!」

 

「生憎だな、俺にお前と付き合ってやる気はない。」

 

「知るかァ!俺は返さないといけない借りがあんだよ!!」

 

朧の元まで走り込んで上から叩き切るように振り下ろす土方に、朧は飛び上がりさらに距離を離れた。

 

 

 

「何をしようと無駄なことだ。もう余興は終わった、貴様達の運命は八咫烏の爪に引き裂かれる。」

 

 

~saidはやて~

 

 何処から来たのか、東の空からゆりかご並みにでかい船が何隻飛んでくる。

やばい、この状況とあの飛翔してくる船たちには嫌な予感しかしない。はやては知っている。この勘は最悪で最も信頼できる勘だ。

 

「炎真、ごめんやけど中の人らを迎えに行ってくれへんか?」

 

「いや、僕も「いいから早く行って。」え」

 

炎真はここに残ってはやてを守ろうとした。

この船の狙いはわからない信用なんてできない。敵かもしれないが味方では決してない。

はやても同じだった。読み切れない、はやてはこの先は予知も情報もない誰もが想像できないこの先の状況に最悪の状況を想像してそれを避けるために選択をする。

 

「はやく頼むわ、中の人がヴィータがなのはちゃんが危ない気がすんねん。大丈夫私が抑えるから、炎真は中の人を助けたって。」

 

震えそうな声を必死に抑えてはやては炎真に指示を出した。

前までの自分なら最悪を予測して心が折れていたかもしれない。

炎真がいてくれて本当に助かった。

シグナムたちだったら鼓舞をしてくれる彼女達に甘えていたかもしれない。

なのはやフェイトが近くにいたら一人で行かさせていたかもしれない。自分は動けずになってしまい全員に逃げることを指示していたかもしれない。

炎真だからこそ自分は部隊長として正しい指示を出せた気がする。格好の悪い姿を見せたくない、彼の前なら彼に頼られる人でありたい。

単純で不純な動機かもしれないが、自分の中にある女の子の部分が引っかかって私に勇気をくれた。

 

「わかった。」

 

炎真は短い返事をして私を信じてくれた。

そんな炎真を見送りながら何故か攻撃の手を止めている新しく来た船の方を見つめた。

なのはや銀時は炎真に任せた。ちゃんと皆をヴィヴィオを連れて出てきてと願う。

 

誰も死なせない、誰も失わない。

離れ離れなんかさせへん。

理不尽になんて負けへん。

勝ってくれる。みんな勝ってくれる。

私も勝つ!炎真そっちは頼んだで!

 さて、私は腰の重そうな重鎮様方と目線合わせてお話せなあかんなぁ。

 私は、何がどうなっているかわからずに呆けている全員に一旦様子見させるように指示を出して彼らを待機さえて私は彼らの船に乗る。

 

「私は機動六課の部長をしている八神はやてと言います。私達の事を助けてくれた事に礼を言いに来ました。と同時に貴方方は何者ですか。」

 

「これはこれはご丁寧にどうも、私達は天導衆。こことは違う世界の統治者です。突然の無礼申し訳ない。」

 

「さてと、腰を据えて話したい所ですが、何やら争いごとのようだ。どれ私達も少々手を焼かさせてもらいましょうか?」

 

「いえ、その点は大丈夫ですよ。いいから座ってください。」

 

はやては魔力を高め、威圧をする。

魔力を感じられるかどうかわからないが戦闘経験のあるものならば、牙を向けた猛獣を野放しにはしないだろう。

それも有能な番犬なら特に。

奈落達はすぐに反応してはやてに一斉に武器を構えたが、天導衆が手で合図を送ると全員引き下がった。

 

「まぁ慌てずとも良い。私達もそなたらと剣を交わるつもりは無い。牙を収めよ、その状態で話を受けるとでも?」

 

「...ふぅ。」

 

警戒心は切らず緊張の糸は保ちながら力を抜くように息を吐いた。

そうすると天導衆は船の中を案内してとある部屋にはやてを連れ込んだ。

ここに入れと言ってくるが罠が仕掛けられているとしか思えない。だけどはやてには断る断るという選択肢はできない。

中に入るしかないのだ。

部屋の中に入ると傘の集団達は部屋に入らず1:1で話してくれるようだ。

椅子と机だけというシンプルな部屋だが罠が仕込めそうな作りだ。

ただ一点でラッキーなのが、ここには全くAMFが通っていない。つまり、はやてを制限するものは何も無い。

 

「少し警戒しすぎかと思われるが?」

 

「無礼やったらすみません。ただ、私耳はいい方なんです。天導衆...聞いたことがありましてね、確か宇宙を支配...いや大きすぎたかな。地球の幕府を裏から支配している組織が天導衆と」

 

「ほぉ、我らのことを既に耳にしているのか。耳を自慢するだけはありますな...ただ、少し偏りすぎて耳に入ってますぞ、我等は支配などしていない。我らが行っているのは共存だ。地球人とそしてあなた方と共に共存したいのでね」

 

「共存...それはどのような感じでの共存ですか?」

 

「何、そなたらの技術はたいへん素晴らしい。我らが望むのはそれらの提供、そちらが望むものはなんなりと要求してもいい。要は簡単な外交ですよ。」

 

「なるほど、要求は分かりました。ですが私も舞台を率いる長ですが何分末端中の末端このような大きな事で簡単に首を振ることはできません。」

 

「まぁ、そうでしょうな。」

 

「わざわざ御足労いただいたうえに待たせるなんて申し訳ない。」

 

「構いませんよ。国の行く末にも関わることですから色々な事情が介入することでしょう。」

 

「ありがとうございます。あのうその間にこちらからも尋ねてもいいでしょうか?」

 

「先程のそちらの兵士達。皆さん変わった刺青してはりますね。三足の鴉、八咫烏ですか?珍しいですね。それは組織にくみしてる人達は皆付けてるんですか?」

 

「えぇ、私らの剣であり盾であり足にもなってくれる。組織名は奈落と言います。それがどうかしましたか?」

 

「こちらミッドチルダでは八咫烏の刺青なんて見ませんから、それともう1つ目撃情報があるんですよ。...確か紅い日本刀を所持している女の人とどこかに行こうとしている姿を、いや〜こちとらミッドには八咫烏何てものはないからわかりやすいわ〜。そちらさんの組織に所属してる人なんですよね。」

 

不覚にも天導衆は同様を見せた。

そしてその動揺ははやてが引き出したかったもの。

実は言うと目撃情報何てのは嘘だ。そんなものを見た人もいないし話すら来ていない。

だけど、このタイミングの良さ、そして暗躍していた人物が浮かんできた瞬間のタイミングが合いすぎて、彼女は勘だけど何かあると考えていた。

そして繋がった、彼らとスカリエッティ一味との間には繋がりがある。

利害一致の同盟みたいなものだろうが、だからこそこの人達は黒である。

そしたらそれでひとつ疑問が浮かぶがそれは今はいいだろう。彼らが敵だと言うならばここから出て早く次の指示を打って先手を打つ。

 

「はやて殿、そう慌てるな。こちらとてやり方があり言い分がある。」

 

「その返答、貴方方はうちの兵士に手ぇ出したことは認めるんですね。」

 

「最初に言った通り我々はそなたらとことを荒立てるつもりは無い。」

 

「まだ言いますか!?私の部下の家族を攫って、私ら預りの子供達の仲間にも手を出したんですよ。しかも攫われた彼女は犯罪組織の一員として働かされてる。これで荒立てる気はないと!もう割れてるんですよ。私らの追っているスカリエッティとあんたらは繋がっているということは!!」

 

「スカリエッティ?...あぁあの科学者ですか。いやはやはやて殿早とちりの上にひとつ勘違いをしておりますぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

〜side医療部隊〜

 

 

ここには戦闘により傷ついたものや、非戦闘員が沢山密集している。

戦況が長引けば長引くほど、戦いを続行するのが不可能な人が増えてきてその陣営の弱点となる場所でもある。

ここを敵陣営が落とせば一気に崩れ落ちる場所であるが今は管理局側に流れが来ている。殆どの人はここを人数でおして殲滅しようとするために医療部隊の守りが弱まっていた。

スカリエッティはその一点をガジェット軍で叩いてきたのだ。

AMFは医療魔法にも影響を与えてしまうかもしれない。少しだが魔力の戻ったティアナとスバルが2人でガジェットに立ち向かった。

ドローン型から最新のガジェットまで迫り来ていたが、スバルのIsを軸にしてティアナが補助をしながら耐久戦に持ち込めた。

その間に医療班をできるだけ遠ざけるつもりなのだ。

先導はギンガに任せた。

ギンガにも戦って貰いたいところだが紅桜のダメージはまだ抜け切っていないためにまだ戦える状態ではない。

幸い2人でもそこそこ持っていた。避難完了の連絡が来たら自分達も退却するつもりで戦っているからこその現状だ。

昔のティアナならこんな場面は任せられない。功に焦って無駄に命を散っていただろう。

だけど今のティアナは、自分の一番の武器である冷静な判断を活かしてこの場面の被害を最低限に抑えようとしている。

そんなティアナだからこそスバルは100%の信頼で答えられる。

この2人はこの死地をコンビの成長で乗り越えようとしている。

 

「いくわよスバル!」

 

「うんティア!」

 

そんな二人にデバイス達も最高の結果を与えようとする。

ティアナの周りにはいくつもの魔法弾が浮かび上がり、スバルの目の前には一つの魔法陣が組み上がっていた。

 

「クロスファイアー...シュート!」

 

「ディバインバスター!」

 

スバルの一撃を邪魔しようとするガジェット達を撃ち落とすティアナの乱弾は全てを撃ち落とせるように計算されて放たれていた。

スバルの魔法は憧れの象徴、自分を救ってくれた大好きな人のように強くなりたいと誓い、歩み続けた証だ。

彼女の様に魔法を使いたい。誰かを助けるために放ってくれた魔法を自分も明日を見るために放った。

 

「ナイス!」

 

「さすがティア!」

 

二人はバトンタッチを交わして、土煙が立ち込める間に撤退し始める。

「ギン姉、時間稼ぎはもう十分だよね。」

 

「十分よ、ありがとうスバルそしてティアナも」

 

「いえ、まだなのはさん達も戦っているんです。自分も負けてられませんから。」

 

聞いてるだけで頼りになる。

今の二人にはそれだけの力がある。

ちょっと前までし自分の後ろで守ってあげる存在だったのに...本当に時間の流れは早いものだ。

 

「二人とも本当に強くなった。」

 

「ギンガさん。」

 

「ギン姉...」

 

「さてと、この先は後でね。移動地点を伝えるわ!」

 

「はい!」

 

「りょ、了解!」

 

「そこから数キロ地点にある○座ひょ...2人とも上を見て!」

 

ギンガは今ティアナ達がいるであろう地点にあるビルの上にいつの間にか黒服の集団が編成を組んで矢を構えていた。勿論下を狙って弦を引いていた。

 

そして放たれた。

 

 

「ふぁあ、はあぁ!」

 

矢に向かって飛び上がったスバルは利き足に力を貯めてできるだけ引き付けて、まるで砲弾を放つように空気を蹴り飛ばした。

矢は空気の壁ぶつかり、何とかスバルもティアナも無傷で済ますことが出来た。

 

「大丈夫ティア?」

 

「あんたこそ、まだ戦える?」

 

(この黒服集団、何者かはわからないけど相当の手練たちだと思う。私はもうファントム・シルエットは使えない。使えてもフェイク・シルエットだけ、でも無理をしすぎたら魔力はすぐに無くなる。)

 

「大丈夫、ティア立ってるだけで辛そうだよ。」

 

ティアナが強がっていることなんてスバルから見たら直ぐにわかった。

だけどティアナもティアナで、スバルが自分のことを置いて気を使っている事をすぐにわかる。

 

「アンタもだいぶやられてんでしょ。」

 

「私は大丈夫だよ。普通の人よりも頑丈だし、でもティア魔力もまだ回復しきっていないんでしょ。」

 

「あんたがいけるならあんたの隣にずっといるわよ。私たちコンビなんでしょ。」

 

泣いても嘆いても助けが来る可能性なんて殆どない。

確率の少ない希望よりも、しっかりと敵を見て生き抜いてやる。

2人は臆すことなく戦闘体制を整えて敵軍団の前に立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜sideスカリエッティ〜

 

 

静かな睨み合いが続いていた。

今現在、シャッハが爆破された洞窟の中を探索している。その目的は中で戦闘を行って取り残された沢田綱吉救出だ。

生存確率は正直低いかもしれない。でも彼ならば生きているとフェイトは信じていた。

だからこそフェイトはスカリエッティを睨み据えていた。

生きて自分のもとに来てくれる事を...こんな犯罪者の余興のために彼が死ぬわけない。

スカリエッティはフェイトとは全く逆、睨みつけてもいなければ、戦意もあまり感じられない。まるで映画を見てるように、ただ次のシーンを楽しみにしている。

爆破した基地の中に生き埋めになっていると知った時のフェイトの崩れ落ちる心を...

シャッハが洞窟から出てきた。

1人の女性を担いで、その他に人を確認することはなかった。勿論背負われているのはツナでもリボーンでもない見たことの無い若い女性だった。

 

「ふふふ、生存は確認できたみたいだね。」

 

皮肉な笑をフェイトに向けるスカリエッティ。フェイトは歯を噛み締めてに彼を睨みつけた。

 

「ツナ...ツナは」

 

現実に希望を残すように彼女はシャッハに訊ねた。

すがりつく希望は見せかけとして崩れるのか...それとも

 

「どうやら、状況からみたら彼女を助けて岩の下敷きになったというところかね。」

 

スカリエッティの言ったことは正解だ。今に至るまでの現状はそのままの通りでツナは彼女が助かるためにさらに危険な道に行った。

自己犠牲を簡単に行う人間性を下に見るのを通り越して、哀れに感じた。

 

「っ!?」

 

「大丈夫、彼を信じてください。彼らほどに生きるという意志のお強い人を私は見たことありません。必ず生きてまた会えます。」

 

「さてと、まぁ生きていても、死んでいてももう意味はないと思うけどね。」

 

フェイトの絶望顔も見れたことだし、スカリエッティにとってはもうツナの命に微塵も価値も感じていなかった。

 

「何!?」

 

黒服の傘をかぶった集団。暗殺組織奈落だ。

群れのように大軍でスカリエッティの背後に現れた。

 

「お迎えだ君たちは、天国に私たちは天にカラスが迎えに来た。」

 

フェイトの中では遂に点と点が繋がった。

ツナの仲間である雲雀恭弥をやったのはあの集団だ。

これが繋がったのならギンガを攫ったのも、スカリエッティはやはり1枚だけにかんでおらず、更に背後に違う組織と繋がっていた。

 

「カラス」

 

「新手!?」

 

シャッハとエリオは現れた敵に武器を向けて臨時戦闘態勢をとる。

フリードも高らかに咆哮をあげて敵を威圧する。

 

「さてと、後は頼んだぞ。」

 

スカリエッティの逮捕、後一歩の所まで追い込めたのにそれでもまだ届かなかった。

ここで彼を逃がしたら、また一般市民に被害が起きる。まだ届かない、管理局が総力を上げて殲滅作戦も彼の興になるだけなのか...自分自身の決着も未決着をつけることがてできないのか...

 

スカリエッティの為に黒服の集団は二つに割れて歩いて行けるようにスペースをあけた。

1歩、また1歩と遠のいていく。そして踏みしめる度にさらに口元が緩んでいた。

この世は全て自分の思い通りになっている感覚だ。フェイトも沢田綱吉も管理局も全てスカリエッティの手の平の上で踊らすことができた。

笑を浮かべるなと言う方が無理だろう。

レジアスは死にそれと共に倒れたゼスト、戦闘機人ではフェイト捕らえることはてできなかったが、まぁ彼らに頼めばあのような少女簡単に捕らえることはできるだろう。

ゆりかごはまだ動き自分の目的はまだ潰えていない。娘達の奪還は直ぐにできるだろう。

 

 

 

勝利目前、敗北寸前この戦いは管理局の敗北に終わってしまう。

フェイトもシャッハもエリオもスカリエッティを逃してしまったらそうなってしまうのはわかっている。だけど未知数の戦力を前にして1歩も動けずに三人は脳裏に最悪の二文字が浮かんでいた...

 

 

だがこの時フェイト達も戦闘機人達もここにいる全員誰もが思わなかった事が起きた。

 

 

 

 

ブシュリ!

 

 

 

スカリエッティの腹のあたりに鈍い痛みを感じた。

彼の白衣がどんどん赤く染まっていく、

鈍い痛みは、腹に刀が刺さったから。腹からどくどくと流れて血が流れて白衣をどんどん染めていく。

 

 

「「「「「!!?」」」」」

 

当人も、フェイト達も、勿論ナンバーズの全員もこの現状が飲み込めない。

笠を頭にした異形な集団は、スカリエッティの腹に一刺しすると次々ととどめを刺すかなように刺していった。

そのあまりの光景にフェイト達は思考がついていけず、彼らは何なのか本気でわからなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜sideはやて〜

 

「勘違い、この世に及んでまだそないな事言いますか?」

 

核心ついて攻めている...とはやては思っている。状況証拠はつながりを見せて真実を紡ぎ、はやての目には天導衆が黒く卑しい烏のように見えてきている。

引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、全てが思い取りになると思っているその傲慢の皮を引き剥がす。

 

「...ふふ」

 

「ははは」

 

「くくっ」

 

だが零れてくるのは皮ではなく、笑いだった。嘲笑、道化を見ている気分だと小言で言ったのをはやてには聞こえなかった。

鴉の羽は魔導士ですら掴むことすら出来ない。

 

「くくっ...いや失礼はやて殿。貴公は若すぎますなぁ部隊を率いるには肩の荷が重すぎやしないか?」

 

言葉は優しいがこれはまるで「図に乗るな小娘!!」と言われているように感じる。含まれている嘲りを感じた。

 

「何が言いたいですか!?」

 

「まず1つ貴女は早とちりをしている。言ったであろう我らの目的は友好関係にある。」

 

「故に我らは或手段を取って1人をスパイに送った。」

 

「我らの目的はただ一つスカリエッティ一味の討伐である。」

 

運命は交差された。絶対に交わることの無い並行世界は、奇跡という形で結ばれ、誰も予想しなかった脅威が全てを黒く染め上げる。

脅威は見下ろす。天に座す神のように人々の争いを見ていた。

脅威は嗤う。自分達の手の平の上で踊っている彼等を見て。

脅威は何食わぬ顔で侵略する。彼らが求めるものを手に入れるまで進軍を止めることは無く、命を蹂躙して心をへし折り自分達の思い通りになる人形を作り上げ命付き果てるまで吸い尽くす寄生虫である。

鴉の羽は果てしなく黒く広い。人は光を見失い黒に染め上げれる。

鴉が飛び立った後に残るのは荒野骨の残骸のみである。死体を啄み、骨をしゃぶり肉片すら残らない。

雑食で大食らい賢く強かな鴉の羽を見たら既にもう遅い。鴉の羽に魅入られたら最後人は陽の光を見ることは無い。

 

 

・・・・続く

 

 




では.....また次回。
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