悪魔になった俺の異世界物語   作:青空 優成

5 / 7
the newLife

 

 

「うぉおおおおおらぁぁあ!!」

 

もうギルド目前まで迫っている生物、よく見ると角らしきものが生えているようにも見える。

そしてその迫り来る先には先程同様、右手をその生物に向けているアークさん

 

「今日こそぉおおおおお!!」

 

バッ!

アークさんに向かって勢いよく軽やかに飛び、拳を突き出す角生物。

 

____危ない!!

 

と思った瞬間、

 

「バリア、展開ッ!」

 

小声で詠唱したアークさんの右手からブワァーンと何かが展開され…

 

「ぐぼぁふっ!___ぅ」

 

ギルドを壊さんと迫っていた角生物を、見えない壁で弾いた。

 

「っぅ〜〜!」

 

角生物はそのまま地面にバタりと倒れ、悔しそうに、だが嬉しそうに__

 

「____ぁー、まぁた俺の負けか。チクショッ!次こそは……」

 

ブツブツと何かを言っていた。それに反応するように

 

「ま。今回も俺の勝ちってわけだ、問題児…クエストお疲れさん。」

 

「問題児じゃねぇつっの…、いい加減に【アギル】って俺の名前覚えろよなまじで!」

 

「ぁあ、はいはい、分かったよ問題児、俺に勝てたらなぁ…」

 

っざけんな、と、地面からムクリと体を起こして、アークさんに向かって指を鳴らす

 

「じゃあいつか、てめぇのバリアぶっ壊してやるよ。」

 

「そうか、それではそん時は俺も問題児の本名を呼んであげるとしますか 」

 

フードを被ってアークさんは不敵に笑い

 

「まぁ、問題児って永遠に呼ぶことになりそうだけどね。」

 

「ハッ、言ってろ…、次のクエスト帰ってきた時にはもう【アギル】って呼んでることだろぉよ!」

 

永遠に終わらなそうな張合いにメティアさんがやれやれこの2人は…、と方を竦め

 

「あの〜、アーク様、アギル、張合いはそこまでにして、クエスト報告を頼みますわ」

 

疲れ気味の様子でそう告げると、アギルが「ぁー」とやる気が見えない様子でギルド内に入ってきた

 

ギルド内に入ってきたアギルが俺たち2人に気付いたのか

 

「あ?んだ??新入りか?」

 

「あ、おう、よろしく、えっと__アギル」

 

アークさんとメティアさんとは違い、いつもの友達に話しかけるように好意的に返した

 

「ああ、よろしくな___ぁーっと?ん、名前は?」

 

「____タイチとライトですよ……ほら、友好関係を増やすのは後でにして、今はクエスト報告を!」

 

メティアさんにそう急かされ、俺達に目配せして、後でな!と付け足して渋々クエストカウンターの方へと歩いていった___

 

あれ、見た目以上にいい奴かもしれない!

 

そう思ったのもつかの間

 

いつの間にかギルド内に入っていたアークさんに

 

「アイツとは関わんない方が身のためだよ、確かにいい奴なんだけど…、戦いとかのことになると話は別だ…豹変するから___」

 

と、言われて、アギルを戦いとかの時は頼りにしようと心に決めた。

ライトの雷人ってエクストラジョブも強そうだし頼りになるだろけど、俺は全く戦闘に関して宛にならない。

 

そう、俺の戦い方は、まあ普通の人よりかは剣道習ってたから出来るだろう剣術と、知能で戦ってやる!!エクストラジョブは宛にならん!ゾンビで一体どう戦うというのか___死んだ時しか役立たずなエクストラジョブでどうやれと…

 

そんなことを考えていた俺の横で、ライトはウズウズしていた。

 

「どした、ライト?」

 

そう問うと、手をワキワキし始めて…

 

「もう、限界だァァァア!!!」

 

ジタバタし始めてしまった__!!!?

 

「もう限界だァァ!!いつになったら突っ込めんだよおおおお!!」

 

ああ!!ライトのキャラが!!平和なキャラだと思ってた方ごめんなさい!!

 

 

____実はライトのキャラって…【ツッコミキャラ】なんです!

 

今まではここに来て色々あったし、ワチャワチャしてたから突っ込めなかったんだろうけど、とうとう限界がきてしまったみたいだ!

 

「エクストラジョブとか、悪魔とか…!何なんだよぉおお!」

 

「え?エェ?え??」

 

アークさんが、え、コイツってこんなキャラ?みたいな顔で困惑してる

 

「あ、僕としたことが……おっといけない…」

 

ライトは普段は優しいキャラ、温和なキャラ、……だけど、突っ込みキャラなんだ…!

 

「けどダメだァ!僕は、僕はァァ!」

 

「お、落ち着くんだ、タイチ!!」

 

アークさんが落ち着けと肩を叩いたが。

 

「ライトだァァァアッ!!!」

 

名前を間違えられたのに突っ込んでる___と同時に右手を振りかぶって

 

「どうやって僕のエクストラジョブって使うんだァァ!使い方くらい教えてくれェエ、説明くらいしてくれてもいいんじゃないの!?異世界召喚された僕にとって説明不足だと思う!!」

 

「うぉぉぉぉイィ!ライト!ちょ、なんか手が!手がバチバチってなってる!なってるからァァ!!」

 

「せいぃいいい!!」

 

バチバチと雷光が光出した右手をそのままギルドの外へ向け…

放った!

 

バチバチィィ!!と流れるように飛んでいった雷光が、通りゆくゴブリンに当たりそうになる___

 

そこでようやく吾に帰ったのか

 

「あ…ゴメンなさい!!そんなつもりじゃ……!」

 

「っ!バリア!!」

 

当たりそうになった雷光を、アークさんのバリアによって防ぐ!

 

当のゴブリンは「___ぇ?ん?」

 

と何があったか分からない、という様子で、その場に立ち尽くしている。

 

「危ないじゃないか…、ライト、雷人は強力な能力なんだ…、そうむやみやたらに使ってはいけない」

 

それに、と付け足し

 

「なんの意味もない場所で放つなどの、ただの馬鹿だ、能力を使うことにより、どんどん自分の体力は減っていく、使いすぎると体力が底を尽きて死ぬぞ……ほら、これを食べな」

 

ズボンのポケットから何やら木の実のような物を取り出し、ライトに差し出す

 

「これは?」

 

「____『タイリョケ』……、これを食べると、体力が微力ながら回復する、ほら、食べて」

 

受け取り、口に含んで、ゆっくりと噛む……

 

コリ、コリ……

 

「………少し苦いです…」

 

「まぁ、良薬は口に苦しというからな…だが、どうだ?体力は回復しただろう?」

 

「____確かに……うん…回復しました」

 

それを横で見ていたタイチは

 

「_____なんかいいな、そういうの……、俺も消費型能力だったらなぁ……、てかライト上手く使えてたんじゃないのその雷人って能力…初見とは思えなかったよ?威力的にも」

 

「_____あ、うん……、なんか思いっきりやったらいけたよ」

 

手をブンブン回したながらそう言うが、アークさんは渋い顔だ

 

「いや……、ライト、あれは思いっきりやりすぎだ、制御が出来ていないな…」

 

「…課題は制御って所ですか」

 

話にまあ一段落ついたところに

 

「___じゃあ、ライト、タイチ…、クエストを受注してきな」

 

「んだな、行くかーライト!」

 

クエストカウンターでは丁度アギルのクエスト報告が終わったらしく、アギルは直ぐ近くの椅子に腰掛け、紅茶を飲んでる

 

「さて、と、ではお2人さんにはまず簡単なクエストから受注していただきます」

 

と言って差し出されたのは何やら色んな事が書かれている紙…

 

「__のですがその前にもし死なれたりしたら全ての責任を負うことは出来ませんのでこちらにサインをお願いします」

 

何やら契約書みたいらしい…!

 

サラサラー…キュッ

 

横を見ると既にサインを書き始めてるライト…

…………キュッ…キュッ___

ライトがサインしてるんなら俺もしない訳には行かないじゃないか…

まぁ死なない体だし別にいいんだけど…

 

「はい、ではお2人にはこちらを」

 

「え、あぁ……それでモンスターを狩ってくるんですね」

 

初期装備みたいなのとめちゃくちゃ弱そうな木の剣を渡される。

 

「はい?モンスター?なんですかそれは、それで殺してきてもらうのは勇者達、つまり人間ですよ」

無理だろ。

無理だろぉ…

 

こんな木の剣で死ぬやつなんているわけないって……

 

と、半ば既に諦めモードに入っているタイチをよそに

「よーっし、これで殺すんですね!」

ノリノリのライトである。。

 

「こんなので…人間って死ぬもんですか?」

そう疑問を口にするが、メティアさんは何を言ってるんですか?みたいな顔で

 

「まぁ、工夫すれば死にますし、なによりライト様の雷人能力があれば余裕だと思いますが」

 

「俺は雷人とかそういう戦闘系能力じゃないんでキツいと思うんですが…」

必死に自分の無力さを伝えるが分かってくれない…ライトに関しては

 

「タイチって喧嘩とか強くなかったっけ??なら大丈夫だって」

 

俺が強いと勘違いしている___いや、確かに喧嘩が多少他の奴らより強かったのは認める、だが今回は喧嘩じゃなく命懸けの戦い、つまり緊張で本気を出せない可能性がある…

 

「では、行ってきてもらいますね」

 

メディアさんが手をかざすと、俺たちの下に魔法陣のような物が浮かび上がり、そのまま俺達の身体も浮遊し始める。

 

「え?ぇぁ??」

 

急な現象に俺達は戸惑うが、見慣れているのかアークさんやアギルは驚いた様子を見せない

 

「こちらの転送機でクエストを行う地点まで送ります、帰りは自力で帰ってきてもらうのですが。。」

 

「あ、了解です、いよいよだね、タイチ」

「あ。ぁぁあ……そう、そうだなぁ!!」

 

緊張感が高まりすぎて、いよいよかと思うと汗が止まらない

命懸けとは言っても現世に再降臨するためだ仕方ない。

頑張ろう俺のnewLife!newworldで、newnewLifeを手に入れるために___ッ!

 

 

ぶぅうううううんと機械音のようなでも違うような音がして、指先より転送されていく。

 

「うわぁぁああああああああ」

 

その声は最後までその空間で続くことなく、野原のような場所でその声は驚きから興奮へと変わったのであった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。