その無限なる時の旅路~無限の空~   作:黒水 晶

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第55話:大成功

引き金を引くとフルオートで次々と弾丸が発射される。彼が選択した弾種はバードショット、主に鳥や小動物狩猟につかわれる中に数十~数百の弾丸を発射するモノだ。その弾丸も特別性で魔力を込めることによって弾丸と弾丸との間に真空の刃が発生させる紋様が1つ1つに掘り込んである。

 

連続して放たれた弾丸の1つ1つは直進することなく彼を中心とした直径2mの円を描くように連続して流れる様に移動していく

 

隙間なく、1つ1つが並んでいき1周するとその30cm程下に更に円を作っていく。邪神信奉者達が姿を見せ始めるがそんな事お構いなしに連射を続け、その間もじりじりと距離を詰められるが上下2段の弾丸の円が完成。弾丸に魔力を込め射出

 

円周上に放たれた弾丸の1つ1つの間に発生した刃と弾丸によって彼の周囲にあるすべてのものが裁断されていく。

 

だが、屋敷側には転移門が用意され傷をつけることなくその奥の空間に繋がり弾丸が屋敷を傷つけずに周囲3kmの空間が円状に切り取られた。ついでと言わんばかりに膨大な魔力をまき散らし辺り一遍は暴風も吹き荒れている(無論屋敷には被害は無い)

 

円の中心に立つ彼は探査術式で周囲を確認し、反応が存在しない事を確かめると『ハスター』を倉庫に収納した。だがしかし、彼の勘がまだ何かあると告げている。

 

(空間に異常)

 

「ですよねー」

 

 当然の様に彼の前方の空間に罅が入る。彼らが信奉していた神が、信奉者の魂と九桜がそこらじゅうにまき散らした魔力をもとに、信奉者の声無き呪文により召喚されようとしていた。

 

「だけどなぁ、簡単に出てこれると思ってるのか?出てくるなら刹那も間をおかずに出てくるんだな」

 

 罅に掌をかざし、目の前の空間と繋がっている空間に

 

「g9」idr/」

 

 神言詠唱によって虚無を瞬時に作りだし召喚されようとしていた存在を消し去った。召喚される対象が居なくなった為、空間の罅も跡形も無く消える。周囲の魔力もある程度散らし、裁断された空間を邪神信奉者を除外し木々だけをもとに戻し

 

「よっと」

 

飛び上がり屋上に戻る。篠ノ之博士によって貼られていた結界はそこそこの強度を持ったいたようだがボロボロになっており彼がまき散らした魔力がいかに凄まじいかが一目見て分かる。

 

ボロボロになった結界を消し篠ノ之博士がトコトコと歩いてくる

 

「いやはや凄いもんだねぇ……この障壁にはちょっと自信があったんだけどボロボロになっちゃった」

 

「ならば修練を続けることだ。アレが入っていたのだから適正は底上げされている筈だからな」

 

それと、と彼は付け加え

 

「次は極々微小の魔力が漏れただけでこうならないようにな」

 

肩を手で軽く叩きカツカツとデュノアの方に近寄っていく。

 

【今現在ここに居る魔力を持たぬものの発言と行動を認めぬ】

 

小さいがよく通る澄んだ声が風にのってその場の大多数を縛った。よく見るとISの待機状態である鎖に縛られた魔導書状態のオウルが光を放っている

 

「お、ナイスナイス」

 

その言葉に1度強く発光し、また収まる。その反応に頷きながらデュノアの前に立ち、額に指をかざす

 

「ま、ちょっと不快な気持ちになるかもしれんが辛抱してくれや……最悪俺はお前を殺さないといけなくなる」

 

軽い口調だったが、絶対にやるという気持ちも籠った声だった。デュノアが疑問の声を漏らす前に九桜は彼女の記憶を読取始めた。

 

普段ならしない行為なのだがつい先ほどの邪神信奉者達の襲撃……と呼べるほどのものでも九桜にとっては無かったが、とにかくそれが彼にとって気がかりとなった。

 

デュノアの母親がもしも奴等の仲間だった場合、魔力は親に似るモノでありそれを頼りにIS学園にでも団体様が来たらたまったものではない。実際にそういった例を知っている彼としては万が一があった場合は即座に首をはねる覚悟でいた。

 

読み取っている記憶に写っている彼女の母親の姿を見て、記憶は流れ、確認し終わった時、彼の表情は苦々しいものだった。

 

「そうか、死んでたのか……」

 

九桜の口から洩れたのはその声は何とか吐き出したような声だった。デュノアの記憶に写っていた彼女の母親を彼は知っていた。

 

ヨーロッパ方面での任務の際にはよく立ち寄り師匠の真似事のようなことをし魔術を教えていた女性、確かに子持ちだと聞いていたが会ったことは無かった。

 

ほんの2年ほど前に教えて使える様になるものは教えつくしてしまったので会いに行くことは無くなってしまった為近状がどうなっているか分からなかったし、会いに行く余裕もないほどこき使われていた。

 

占術師としてこのまま修練を積めばいい線行くだろうと思いなんとなく気まぐれで教えていただけだったがそれでも苦いものが彼の胸に広がる

 

「えと、大十字……さっきのは」

 

「記憶を読み取っただけだ。なんか記憶が抜けてるとか具合が悪いとかは無いか?」

 

「いや、そういうのは特には無いけど……」

 

「ならいい。ほれ、感動の対面だぞっと」

 

九桜が体一つ分右横にずれると屋敷内から屋上に繋がっている扉が目に入る。その扉がゆっくりと開き、長身の痩躯が姿を見せる。短く切りそろえられた鳶色の髪に整った顔。それは少し前までは時々テレビにも出ていたものだった。

 

「お久しぶりですデュノア社長あとでこれの母親の墓を教えてください花でも添えてきますので」

 

くるりと後ろを振り向き一息で言った。それに苦笑交じりに

 

「別に構わないが……知り合いだったのか?」

 

「ええ、いい占術師になると思って教えていたことが」

 

そうか、と返す声はこちらに近づきながらのものだ。彼の近くに膝をついているデュノアが怯えているのが良く分かる。追い出したも同然にIS学園に男として入学させた本人が近づいてくるのだから無理はない。

 

動けぬ、喋れぬと分かっていても周囲の学友、歩きつつそんな彼らを見渡し

 

「また君はこういうことを……」

 

「やったのはオウル(コイツ)ですよ。まぁ俺が動きやすいようにしてくれただけですが」

 

「君がやったのも同然だろうそれは」

 

足音が止まった。デュノアの前にまで来たデュノア社長はその場に片膝を付き

 

「もう大丈夫だ」

 

デュノアを抱きしめ、優しい声で

 

「もうここに居ていいんだよ」

 

こういった感動的シーンだが隣で九桜すごい笑顔でドッキリ大成功の看板を出し掲げている

 




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