「ふぅ…着いた」
毎回のように毎週日曜日は公園に体作りをやり来ていた達生。
だが、今日はいつもいるはずの人がいない。おばあちゃんがいなかったのである。何故いないのか…
それは少し前のことである。
1時間前…
いつものように公園に行く準備をする達生。だが、いつも見るはずのおばあちゃんの姿が見当たらなかった。心配して、おばあちゃんがいる部屋に行ってみると…おばあちゃんはベッドでぐっすり寝ていた。多分疲れているのだろう。無理に起こすのはやめといた方が良さそうだ。
しょうがない…一人で朝のトレーニングに行くか
達生は持ち物を準備して、公園に向かった。
辺りを見渡しても、毎回のごとくお年寄りが多かった。
この暑い夏。セミは毎日仕事のようにミーンミーン鳴いている。熱中症だけにはなりたくないため、あらかじめ持参しておいたスポーツドリンクで水分補給をする。
ゴクゴク…ゴク
暑い夏にはスポーツドリンクは最適だ。
「よしっ…始めるか」
達生は公園でランニングをすることにした。
走ろうとした瞬間…
ひーーっ ひーーっ
?何だこの音?何かの動物の鳴き声?
音がした方向に振り向いてみると…
ドカン
ある人がぶつかってきた。
「すすすみません」
「いえ。大丈夫です」
何が起こったのかわからない。でも、何かがぶつかってきたのはわかる。
ぶつかってきた人を見ると……
「あっ!」
「あ……」
それはジャージ姿の海老名ちゃんだった。
「海老名ちゃん。おおはよう」
突然の見知った人に驚いてしまった。
「達生くん…。おはよう」
海老名ちゃんはたくさんの汗をかいており、いつもより顔が赤いように見える。
「海老名ちゃん。水分補給した?」
もしかしたら、水分補給をしていないのかもしれない。もしも水分補給をしていなかったら、少しヤバイと思う。
「ううん。ししてないよ」
それはマズイ。この暑い日に水分補給をしないのは、もうヤバイ。熱中症になる前に何とかしないと…
海老名を見る限り、バックなどを持っているようではなかった。
「熱中症になるかもしれないから、水分補給しないと」
達生はそう言って、さっき飲んでいた自分のスポーツドリンクを海老名ちゃんに渡す。今は間接キスなどを気にしている場合ではない。一刻を争うことになっている。
「えええ…いいいの?」
海老名ちゃんは戸惑っているようだ。彼女は今、自分の状態を知らないのだろう。
「いいから、早く!」
そう言うと、海老名ちゃんはゴクゴク飲み始めた。30秒ほどで450ミリリットルの(少し飲んだから)スポーツドリンクが無くなってしまった。よっぽど水分が欲しかったのだろう。
「ぷはー…美味しかった」
海老名ちゃんは満面の笑みを見せる。顔もいつもの色に戻ったように見える。そして、海老名ちゃんはあることに気がつく
「あああっ…ごごめんなさい。ぜぜんぶ飲んでしまって」
海老名ちゃんは慌てている。そんなに焦らなくてもいいのに。
「大丈夫。それより、海老名ちゃんが熱中症にならなくて良かったよ」
海老名ちゃんが熱中症にならなかったことが何より嬉しい。もう少し遅かったら、熱中症になっていた可能性は十分あり得る。
「最近始めたの?ランニング」
「う…うんっ…」
海老名ちゃんは恥ずかしそうに言う。
……その反応は何か理由がありそうだ。何の理由かまではわからないけど
「じゃあ…一緒に走る?」
達生は海老名ちゃんのことが心配だった。また、熱中症の前触れ的なのになっていたらヤバイ。海老名ちゃんは自分がどうなっているか認識していない点も危ないと思う。
「えええ…」
海老名ちゃんは驚いている。
これは失敗だったかな…
「いや…一人で走るよりも2人で走った方が楽しいかなと思ったんだけど、余計だったかも」
「いいいえ……一緒に走りたいです」
それなら、良かった
こうして、2人で町をランニングすることにした。
海老名ちゃんのペースに合わせて走ること10分ほど……
少しでも、楽しくなるように会話をしながら走ることにしていた。だが、女の子と一緒に走ることは良いのだろうか……ということは置いといて
「10分ぐらい走ったけど大丈夫?」
「だ大丈夫です。はぁ……はぁ……」
少し、息が切れている。
少し休もうか……そう思った時
「あれっ?達生くん?」
聞き覚えがある声が前の方から聞こえてきた。その声はうまるちゃんだった。タイヘイさんも一緒だった。
一旦ストップ
達生はストップする。だが、海老名ちゃんはそのまま走っている。
そして、石につまずいて転けてしまった。
大丈夫だろうか?
「海老名ちゃん?」
うまるちゃんが心配そうに言う。海老名ちゃんは起き上がり
「あ……うまるちゃん。お兄さんも……」
海老名ちゃんを見る限り大丈夫そうだ。
「達生くんは走ってるのは知っていたけど、海老名ちゃんは最近始めたの?体力作り?」
やっぱり、うまるちゃんも達生と同じく海老名ちゃんが走っていることに疑問を持つようだ。
「う…うんっ…」
さっきの時と反応は同じだった。何の理由で走っているのかは今もわからない。
「偉いじゃないか。夏休みも終わりだしうまるも走ったらどうだ?」
タイヘイさんが言うとうまるちゃんの顔が曇る。うまるちゃんは走るのは好きではないようだ。まぁ、走るのが好きな人なんてそうそういないだろう。誰だってえらいことはやりたくない。
「いえ。うまるちゃんは大丈夫ですよ」
海老名ちゃんはそう言ったが…体がふらふらしている。
マズイ…この状態は…
達生は海老名ちゃんの側にかけよって、倒れてくる海老名を支える。
「ええっ!?海老名ちゃん大丈夫!?」
うまるちゃんは心配している。
「熱中症か!?」
タイヘイさんも心配している。
「そうっ…ぽいですね」
「とりあえず、家まで運ぼう」
「わかりました」
タイヘイさんとうまるちゃんは買い物袋で両手が塞がっているため、海老名ちゃんを運ぶことは出来なさそうだ。
それなら……しょうがない……
達生は気を失っている海老名ちゃんを背中におんぶして、うまるちゃんの家まで向かうことにした。
「あっ起きたよお兄ちゃん」
うまるちゃんが一番最初に海老名ちゃんが起きたことに気がついた。
「大丈夫?海老名ちゃん」
達生は心配する。顔色も戻っているから、多分大丈夫だろう。
海老名ちゃんは起き上がる。
「冷やし茶漬け作ったんだけど……冷たくて元気になるよ」
タイヘイさんと達生はさっきまで一緒に冷やし茶漬けを作っていた。この冷やし茶漬けも勉強になった。
4人で冷やし茶漬けを食べることにした。
ずず……
!!ひんやりして美味しい。ひんやりしている物の定番はアイスだが…アイスより食べやすくて、美味しい。
「最近ご飯あんまり食べてなかったからすごく美味しいです」
海老名ちゃんは微笑みながら、タイヘイさんに言う。
「え!?夏はちゃんと食べなきゃ」
そう。夏はちゃんと食べなきゃいけない。夏だからこそ栄養と取らないといけないと思う。
「あっ…は…はい」
海老名ちゃんは表情を曇らせている。ランニングの理由の時の表情と似ているため、ご飯をあんまり食べてないこともその理由に関係しているんだろう。
「あっ…わ…私お片付けします!」
海老名の冷やし茶漬けはもうなくなっていた。
早っ…!よっぽどお腹が減っていたのだろうか?
「え?大丈夫?」
タイヘイさんは海老名ちゃんを心配している。
「あ…でも床に気をつけて」
タイヘイさんは海老名ちゃんに言うと…
海老名ちゃんはびくっ とさせて
「え!?」
「コーポ吉田も古いのか、床が弱くなってるのかな?ぬける事はないけど、たまに音するんだよね」
なるほど。このアパートも古いんだ。
「それって直してくれないの?」
うまるちゃんがタイヘイさんに言う。
「さーーどうだろう?」
タイヘイさんが言うと…
「そっか…よかったぁ…」
海老名ちゃんは何故か嬉しそうな表情をしていた。
海老名ちゃんは嬉しそうな表情をしながら、体が停止している。
何か良いことがあったのだろうか?
何があったのか達生にはわからない。
タイヘイさんはもう台所で食器を洗っていた。ジャーと水の音がここまで聞こえる。
「あっすいません。手伝います!」
海老名ちゃんが急いで台所へ行くと…
バキッ
?うん?何の音?木が折れる音?
音がした方向に達生とうまるちゃんは見てみると…
「ひゃーーっ!!や…やっぱり私ダイエットを…」
焦っている海老名ちゃんがいた。
「い…いや床が古いから…」
タイヘイさんは苦笑いしながら言う。
何故、ランニングや最近ご飯を食べてなかった理由がわかった。
ダイエットとは…なるほど…
単に床が古いだけだと思うけど…
ずず……
冷やし茶漬けを味わっていた達生とうまるちゃんだった。
急いで書いたので、誤字脱字があるかもしれないです。