ダビレンシア一件の最中、
近隣諸国では・・・
クレースト国▼
はぁ。
この半年、ため息ばかりだ。
『はぁ。』
「長(おさ)、
何ゆえに動かないので?」
『気がのらん。』
「いけません!
ヴァールハイト、
エフェメール、
ムスクスの三国が、連合を組み、
食料品の輸出を止められて早半年!!
いい加減にしてください!!」
そうなのだ、
大半はこちらの不手際が原因で、
ムスクスを怒らせたのだ。
『じいや、元はと言えば、
おぬしらが、
勝手に関税をまけろだの、
品質を上げろだの、
文句ばかり言うから、
こうなったのだろう?』
「それは、国の生活向上!!
しいては!!
軍備の増強!!
列強国に対する優位性をですね!!」
『もう良い、
これ以上勝手に動いてみろ?
公開処刑でもして、黙らせるぞ?』
「そっ!?そんなっ!?
我々元老院は、
国民と、国の発展を思ってこその!!」
『そう言えば、
新しい指導者の情報はなにか入ったのか?』
「それが、
例のグルッペ街道以前の
情報が全くないのです。」
『やはり駄犬は、駄犬か、切り捨てろ。』
「御意。」
『そうだ、
できたら、会談を頼んでみてくれ。』
「正気ですかっ!?」
『なんだ?長の願いすら、
ないがしろにするのか?』
「いっ!?いえ、滅相もございません!!
近日中に会談ができるように!!」
『失礼のないようにな?』
「はっ!!」
▽
あの戦、
指揮官一人変わるだけで、
勝てるような戦力差ではなかったはず、
一体、誰なんだ?何者なんだ?
『建国してまだ10年、
ただの村の集まりが国として、
名乗りをあげたまでは良かったが、
なんとも、退屈だな。』
できたら、戦いたいが、
使える戦力は、たいして多くない、
連合戦力に比べたら
完全に物量で押し切られる、
ふむ?身体を動かしたいなぁ、
長って、こんなにヒマだったのか。
ケラス王国▼
「陛下!!陛下は何処へ!!」
誰が行くかっての!!
俺様を閉じ込めて、
毎日書類なんぞ見てられるか!!
『あらよっと!』
「陛下、またですか?」
『あぁ!お前には感謝しきれん!』
「でしたら、
ちゃんと夕刻までにはお帰りください、
パンテル様?」
パンテル
『わかっておる、って、硬てぇ~、
行ってくんぜ!!』
「はい、行ってらっしゃい。」
▽
夕刻、か、まいったな。
国外れの村に来たはいいが、
まさか、野盗に襲われてるなんてな、
ひゃっは~っ!!
パンテル
『てめぇら!!
国王様自ら相手してやるから、
覚悟しなぁあああああっ!!』
「なっ!?陛下っ!?」
「なんで国王がこんな場所にっ!?」
パンテル
『さぁ!!国境兵よ!!
荒ぶる戦神を呼び寄せ、
自らに宿せ!!
野盗如きに遅れをとるな!!
さぁ!!狩りの始まりだぁあああっ!!』
▽
「ですから!!なんでまた!!
このような国境村にいらっしゃるのですか!!」
パンテル
『え~っと、散歩?』
「散歩?じゃないですよ!!
三日前から書類作業は
溜まりに溜まっております!!
国家事業ですら、
貴方様の捺印待ちなんですよ!!
いい加減お戻りください!!」
パンテル
『じゃぁ、休みをくれよ~。』
「駄目です!!そう言って、
7日間も行方不明になったのは
どこのどなたでしたかっ!!
小規模とは言え、
野党の一つを壊滅するのはいいですけど!!
貴方様は国王!!国の王なのですぞ!!」
パンテル
『はいはい。』
「ちゃんとお話を聞いてください!!」
「あ、国王。」
パンテル
『よ、テラス、なんか用か?』
テラス
『なんか用か、ではなくて、
私兵から面白い情報が上がって来たのよ。』
「女王陛下!!貴女様まで!!」
パンテル
『どれどれ?へぇ~。』
テラス
『面白そうじゃない?
すこし小突いてもいいんじゃない?』
パンテル
『あぁ、面白そうだ!!
じじい!!戦の準備だ!!
それと、書類を並べておけ!!
一日だ!!一日で片付けてやるから、
戦の準備だ!!』
「もう、好きになさって下さい。」
この際、
滞ってる書類が片付くならよしとしよう。