そのまま、彼女達を部屋まで送り、
近場にいた兵士に現在地を確認、
かろうじて部屋に戻れた。
「はぁ~、いろいろあり過ぎ、
流石にきっついわ。」
あ、メシ食ってねぇ。
「食堂、確か、二階だったな。」
やっぱり心細いので、
装備はしっかり着て行く。
「って・・・暗っ!?」
廊下に明かりがない、
え?ちょ、
部屋にはランタンもどきはあったけど、
は?まじ?
「うぇ~・・・これが新の闇、か。」
精々1m、それ以上は全然見えない、
こえぇ~、
ゲームじゃ明るく画面調整だけで済んだけど、
ぜっ!ぜん!!みえん!!
「でる、か?勘弁してくれよ?」
幽霊、ありえるだろうなぁ、
魔法が現実なんだ、
居ても何も不思議じゃない、
よく寝てられるなぁ~。
「階段、流石にここにはあるのか。」
ふへ~、マジこえぇって、
あれか?
灯りの魔法程度は誰でも使えたりするのか?
でも、攻撃用の魔法自体、
相当修練を積まないと出来ないって、
言ってたしなぁ?
次の戦闘に、来てもおかしくないのか。
「遠距離?いや、爆発系統だろうか?
それとも、
前線の兵士に怪我の遠距離回復や、
疲労回復なんてできるのだろうか?
あ~、らちがあかねぇ、
てか、食堂に人、いるのかな?」
しまった、思いっきり忘れてた、
不味い、本当に腹減ってきた。
「あの~、すいません?
誰かいる?」
灯りは?
あ、厨房に灯りと人影、
だ、大丈夫か?
(一応、手を添えとくか。)
なんだかんだ、
手放せないバスターソード、
どうも、日本刀は使いづらい、
日本人なのに。
「あの?夕食って、
まだありますか?」
『え?あら?あの子達、
いいわ、まかない程度だけど、
食べてく?』
「はい、助かります、
俺は『サイゲツ、だろ?』
あ、はい、貴女は?」
『あたしは、クローマ、
ムスクス公益国の
総料理長さ、聴いてるよ?
あんたの噂は。』
「あははは、
あんまり誇れませんよ、
“戦争”だから、とか言えません、
人を、相手の命を奪った、
それで生き延びている、
罪人と、なんら変わりませんよ。」
『へ~、不思議ね?』
「考え方の違い、ですかね、
これを聞いたら、
なんて甘ちゃんなんだろうって、
幻滅しますよ?」
こう、話しながらでも、
手が止まらないクローマさんって、
すげぇ。
『大概の奴はあたしの胸とか眺めるんだけど、
あんたは、手元を見てるね?』
「へ?胸?」
うひゃぁああっ!?
「すっ!?すいませんっ!?」
なんでっ!?なんでっ!?
厚手の布で
押さえつけてるだけなんだよぉおおおおおっ!?
『あははははは♪かわいいねぇ!
まじまじと見る奴はごまんといたが、
必死に顔を逸らす奴は初めてみたよ!!』
「恥ずかしぃ、死ねるほどに恥ずかしい。」
『ますます面白いねぇ!
ほら、できたよ!
この土地名産の炒め物、
ラケルタとコメの炒め物さ!
熱いうちに食べな?』
「っ!?コメ、米だ。」
お米が食える。
『おいおい、泣きながら食う奴があるかい?』
「仕方ないですよ?
俺の故郷で主食なんですから、
ましてや戦争に参加して、
生きて帰って、
もう、戻れないであろう故郷の、
コメを食えるんですから!
泣くなって言われても、
泣きますよ。」
『そうかぃ、
なら、今度あんたの故郷の味、
調理の仕方を教えてくれないか?』
「いいですけど、あんましできないですよ?」
『いいんだよ、これで、貸し借りなし、
どうだぃ?』
「わかりました、
覚えている範囲で、
できるだけ教えさせて下さい!」
『それじゃぁ、
貸し借りにならないじゃないか、
いいかい?あたしはね、食でしか、
満足させる方法を知らないんだよ、だから、
より良い物を提供したい、作りたいのさ、
だ!か!ら!
あんたには実験台になってもらうよ!』
「・・・ふぅ、望むところです!!」
『よし、それでいい!!
それと、さっき、
ぼそって、なんか言ったよね?
なんだい?宗教か、なんかかい?』
「・・・あぁ、
“いただきます”ですね?
まぁ・・・俺はあんまし言わないけど、
故郷の古くからの伝わってる物で、
“相手の命を頂いて今日を、
明日を生きながらえます”
そう言う意味を込めて、頂きます、
そして、“ごちそうさま”が、あります、
まぁ、大分廃れて来てますけどね。」
『なるほど・・・“命”か、
いい事聞いたね!よーし!!
朝飯から感想を聞かせてくれ!
あたしがもーっと!!
良い料理!旨いものを作ってやる!!』
「了解です、クローマさん、
俺の舌は、味にけっこう五月蝿いですよぉ?」
『あたしも、負けてらんないね!!
覚悟しな!!』
「はい!クローマさん!!」