翌日、クローマに捕まり、
朝食から豪華にされ、
クシェ、ナハトの質問攻めに合うサイゲツ。
そして?
うん、どうしてこうなった?
クリフ
『あ!サイゲツ殿!!』
朝起きて、
クローマさんに色々責め立てられ、
クシェ、ナハトには、問い詰められ、
今、クリフに捕まった。
砕月
「クリフか、まだ昼には?」
クリフ
『違いますよ!!
見てください!!
石碑が完成しましたよ!!』
は?石碑?
まぁ、廊下から外を、
うん、死ぬほど恥ずかしい、
あの戦場で言った事やら、
昨日、クリフ達に言った言葉が、
石碑に刻まれている、
てか、なんで読めるの?
三角やら、記号だらけの文字が、なぜ?
砕月
「クリフ?あれは誰が作ったんだ?」
クリフ
『はい!
ジョパンニさんが一晩でやってくれました!!』
え゛っ!?
あのネタの本人いるのっ!?嘘だろっ!?
砕月
「そ・・・そうか、
そうだ、どれだけ人数が集まるんだ?」
クリフ
『え?ムスクス公益国のほぼ“全部です”』
砕月
「なんだ、全部か・・・は?
全部?」
クリフ
『ですので、
講演会は外でやる事になりました、
魔術師達も興味心身で、
なんでもやるから、是非とも!!と。』
砕月
「りょ、りょうかい。」
メンタル・・・もたねぇ・・・。
▽
ムスクス中央広場
砕月
「逃げたい。」
クシェ
『諦めなさい。』
ナハト
『サイゲツ様!頑張ってください!!』
砕月
「ぉ~。」
演説台へ足を進める。
砕月
「う゛っ。」
見渡す限り、人、人、人、人、人、死ねる。
ほとんどが犬耳、猫耳、きつね耳、
少なめで、エルフ耳、
あ、普通の人間の耳も居るなぁ。
魔術師
『サイゲツ殿、どうぞ、この筒に向かってお声を。』
砕月
「あぁ、ありがとう。」
って、何言えばいいんだよ!!
メモ書きもなけりゃ、
指示もねえしっ!!
砕月
「まずは、一言。」
や・・・やってやる!やってやるぞ!!
砕月
「今日は、こんな弱者一人の為に、
時間を裂いてくれて感謝する、
これから、答えられる範囲で返答、
打開策を提案しよう。」
地響きに近い声・・・、
背筋が張り詰めるって、
この事かぁ~っ!?
クシェ
『凄い・・・なんて声援の声。』
ナハト
『国中が震えています・・・。』
砕月
「・・・あ・・・。」
声・・・でねぇ・・・こえぇ・・・。
魔術師
『静粛に!!』
もうひとつの筒に声を出す、魔術師。
魔術師
『これより一問一答を行う!!
クリフ第2師団長殿!!質問を!!』
クリフ
『はっ!!』
《グルッペ街道迎撃戦》
砕月
「え?」
クリフ
『はい!あれはいかなる教典にも先代の騎士達も、
思いつかなかった戦闘方法、
いかにして、それを思いつき、
実行に至ったのか!
詳しくお聞かせ願えないだろうか!!
帝国以外にも!
様々な国々が被害を受けている!!
だからこそ!!それを打ち破り!!
ましてや大将首を打ち取られたのだ!!
是非!!ご教授願いたい!!』
砕月
「クリフ、わかりました、
まず、
第1条件、狭い街道
第2条件、双方が丘、または、崖に挟まれている事、
第3条件、戦車を捨てる覚悟、
第4条件、尾根に展開する部隊は、
“死守”これが絶対条件です。」
クリフ
『死守、死んでも守れ、と。』
砕月
「それに、最低でも五つの部隊が必要です、
騎馬隊、重装甲兵、歩兵、
尾根を死守する部隊、各方面の支援部隊、
騎馬隊は、その圧倒的な機動力を活かし、
敵後方を叩き、
魔術師による治療を阻止する事が前提です、
重装甲兵は、常に耐え続けねばなりません、
その為、2回から3回、
斬撃、または突撃を耐えたのち、
前後で配置を交代、
常に最前線を維持し続けねばこれは成り立ちません、
歩兵は重装甲兵の援護です、
隙間から絶え間く湧き出てくる敵を、
確実に仕留めねば重装甲兵に被害がでます、
最低、2対1を、
3対1でもいいので敵兵を減らし、
進撃を遅らせます、
尾根を守る、これは絶対必要不可欠です、
これを抜かれれば、我々が挟まれ、
全滅してしまうでしょう、
そして、各方面の支援部隊、
尾根が押されそうになる前に現着、
直様押し返す、重装甲兵の前後交代時の援護、
歩兵の疲労回復の為の交代要員、
そしてここに弓兵が入っています、
最大射程、重装甲兵の前方への支援射撃、
そして、これらには大きな欠点があります。」
クリフ
『欠点?ですが、現に我々は勝ったのです!!』
砕月
「敵に、
長距離攻撃を行える部隊がなかったからこそ、
狭い街道を狙い撃ちされずにすんだのです、
今回迎撃した、帝国の追撃部隊には、
幸いにも治療を担当する魔術師だけでした、
遠距離、攻撃魔法を習得するには、
相当な修練が必要の為、
数は少ないでしょう、が、
次の戦いにいないと言う保証はありません、
戦争に、戦場に、
保証、確実、絶対はありえません、
ですから、
クシェ隊長や、クリフにも、
“賭け”だと、伝えたのです、
そして、全ての兵達が、
士気高揚、ある種の、発狂状態だからこそ、
今回の迎撃は成功したのだと、
そう、思えます、
現に、私は、この迎撃戦が初陣、
その空気に飲み込まれ、
死に絶えた味方兵士を盾に、10人を殺し、
最後の一人は、敵の大将でした、
足をくじき、動けなくなっていた所を、
味方兵士の死体ごと、剣で突き刺し、
それを打ち取りました。」
クリフ
『・・・。』
砕月
「だから、最初に私は弱者だと、言ったのです、
ただただ、死にたくない、
そして、戦場の空気に飲み込まれ、
賭けに撃って出た、英雄と言われても、
嬉しいとは思えない、それを、おかしいと思うなら、
笑ってくれ、臆病者、と、罵るがいい。」
そうだ・・・臆病者、弱者、それで・・・。
『サイゲツ様~っ!!』
『水くせえぞ~っ!!』
『俺達も同じだ~っ!!』
『やはり、貴方に賭けてよかった!!』
『共に戦い抜きましょうぞっ!!』
砕月
「あははは。」
にげらんねぇ、
完全に、
この国の歴史の一部になっちまった。