いつか・・・   作:扶桑畝傍

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この国は、内陸に位置しており、

三方を丘、山に囲まれ、

川が作ったであろう盆地に、

国を構えていた。

ある日を境に、

川が汚れ、異臭を放ち、

疫病が瞬く間に広がり、

田畑も作物が育たなくなっていった。

次々と倒れていく国民を前に、

12代目ヴァールハイト帝国君主、

ルーペス・マガ・レジェンダ、

彼女は、

近隣諸国に、救援と、輸入品の関税などを、

下げて貰える用に、

使節団を派遣するも、

ことごとく断られ、

やむなく、

武力をちらつかせる、説得を始めた。

しかし、ヴァールハイト以外も、

似たような状況に追い込まれており、

戦争へ発展してしまう。

そんな時に・・・。



ヴァールハイト帝国

 

ルーペス・マガ・レジェンダ彼女は、

 

12代目ヴァールハイト帝国君主、

 

その指揮、戦闘から、

 

“閣下”と、愛称で呼ばれている。

 

「閣下っ!!レジェンダ閣下っ!!

 一大事にございます!!」

 

ルーペス

『何事か?こんな夜更けに。』

 

「は!ですが大至急お伝えせねばなりませぬ!!」

 

ルーペス

『話せ。』

 

「は!

 本日より20日前、

 エフェメール国を攻め落とした、ゲイト将軍が、

 敗残兵の追撃中に、討ち死に、

 全滅との報告が入りました!!」

 

ルーペス

『そんなっ!?

 おじさんがっ!?

 本当なのかっ!?ダラス!!』

 

ダラス

「はい、早馬にての報告なので、

 間違いはないでしょう、

 生き延びた兵士は、

 エフェメールにて、治療を行い、

 それから帰国の途につく予定です。」

 

そんな、幼少より、ずっと、

可愛がってくれた、おじさん、そんな。

 

ダラス

「そして、今回の被害は更に急を要します。」

 

ルーペス

『っ!?なんだ?申せ。』

 

ダラス

「はい、魔術師が全滅、生存者は無しです。」

 

ルーペス

『なんだとっ!?』

 

馬鹿なっ!?

 

治療を行える魔術師は、

 

どの国も暗黙の了解で殺されなかったのに。

 

ダラス

「それと、

 隠密部隊から“最後の報告”が入りました。」

 

ルーペス

『ムスクス公益国に潜っていた者かっ!?』

 

ダラス

「・・・新たな指導者が誕生し、

 ムスクス公益国は、

 クレースト、クラースヌイ、

 ケラス、ベルヴァ、シーミウス、

 我が帝国、ヴァールハイトへの、

 食料品全てを、輸出禁止とし、

 ヴァールハイトに、

 宣戦布告を発表いたしました。」

 

ルーペス

『それでは我が国民は飢え死にしてしまうっ!?』

 

ダラス

「直様、早馬にて、開門を願いましたが、

 その早馬も、帰ってきておりませぬ。」

 

ルーペス

『全地区長、将軍を集めよ!!

 緊急召集だ!!』

 

ダラス

「なら、お召し物を直され、

 もうまもなく、

 玉座の間へ集合いたします。」

 

ルーペス

『わかった、急ぎ支度する。』

 

 

ルーペス

『すまぬ、遅くなった。』

 

ダラス

「では、これより『まて。』は!」

 

ルーペス

『まずは、訃報を私から伝えよう。』

 

ダラス

「残念ですが、既に国中にそれは広まっております。」

 

!?

 

ダラス

「早馬が叫びながら城門を駆け抜け、

 各地区では、

 戦闘準備が着々と進んでおるからです。」

 

「閣下、皆を叱らんで下さい、

 貴女様は幼少より、

 ずっと叔父上どのに育てられ、

 誰よりも信頼を置いていた、

 だからこそ、我々がそれを『黙れ!!』」

 

ルーペス

『なぜ?私を最後にしたのだ?』

 

「我ら地区長、将軍達は、

 貴女様の成長を見守り続けていました、

 だからこそ、悲しませたくはなかったのです!!」

 

ルーペス

『そんなっ!?そんなのって。』

 

「我らはかの地、エフェメールへ兵を派遣、

 ムスクス公益国に開門を呼びかけ、

 せめてもの、食料品輸入を再開させるべく、

 既に準備は整えてあります。」

 

「後は、貴女様の、お声次第です。」

 

ルーペス

『よいのか?食料なんてもう、

 備蓄品も限界がある、

 田畑は腐れ果て、

 ましてや!!

 行軍の為の馬さえ、

 病死しているこんな状態でかっ!?』

 

ダラス

「だからなのですよ、閣下、

 国民は、老若男女問わず、

 従軍を申し出てきております。」

 

ルーペス

『・・・私に、国民へ、

 “死ねと命令させる気かっ!?”』

 

ダラス

「皆、閣下の成長を見守ってきた、

 家族(国民)なのです、

 幼き頃に、ご両親を失った貴女様は、

 小さき体で国内を周り、

 一人一人、声をかけ、

 それを国政に反映し、実現して来た、

 だからこそなのです!!

 皆、貴女様の為に、動きたいのです、

 戦いたいのです、

 貴女様が、笑顔でこの国を導けるように。」

 

ルーペス

『つっ!?皆は、どこに?』

 

ダラス

「既に、この城の広場に集まっております、

 何時でも。」

 

 

あぁ、

 

こんなにも重苦しい空気になってしまった、

 

かつては、緑は生い茂り、活気に溢れていた、

 

田畑は腐り、川も汚れ、

 

疫病も、留まる事をしらない、

 

それなのに、私に、私に。

 

ルーペス

『皆、すまない、私の力及ばず、

 こんな惨状になってしまった、

 そして、

 ムスクス公益国の輸出も止められてしまった、

 この場をもって、お詫びしたい。』

 

 

ルーペス

『皆・・・泣くな・・・、

 泣かれては・・・わたしは・・・、

 笑顔になれないではないか・・・・。』

 

《後の国民休息日、

 落涙の日が制定されるのは、

 まだ、時間がかかる。》

 

 

玉座

 

ルーペス

『ダラス、私自らが出る。』

 

ダラス

「では、私めが、命を賭け、

 ヴァールハイトをお守りしましょう。」

 

ルーペス

『死んではならん!!

 お前までいなくなっては、

 私は、本当に一人になってしまう。』

 

ダラス

「こんな老いぼれでも、

 まだ、家族と思ってくれるのですか?」

 

ルーペス

『他に、なにがある?

 父と母の最後を見取り、

 幼き私は、ゲイト叔父さん、

 ダラスお爺ちゃん、

 二人で育ててくれた、それを、

 家族以外になんと言うのだ!!』

 

ダラス

「自分の息子を、助けられず、

 その妻さえ助けられず、

 おめおめと生き延びたこの私を、

 家族と言ってくれるのか。」

 

ルーペス

『そうだ!!この国にいる皆が家族だ!!

 だが!!本当の肉親!育ての親は、

 ダラスお爺ちゃん、貴方しかいないの、

 一人にしないで。』

 

歩兵

 15万3972人

 

重装甲兵

 1万290人

 

騎馬隊

 3047騎

 

弓兵

 287人

 

治療魔術師

 36人

 

補給連隊

 3489人

 

エフェメールへ行軍開始

 

 

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