リオとコロナは練習を終え、小さな広場へと来ていた。
その広場は練習場から近いものの、夜になると誰も通ることすらない。
「ここだと思う。」
リオはコロナにそう告げると、広場へと一人の男が歩んで来た。男はベルトを装填し、彼女たちの前に立ちはだかった。
「やっぱり来たんですね。柳リョウヘイさん」
リョウヘイは変身し、クロスへと姿を変えた。
「やっぱり・・・ということはここにくることも想定済み。ということか。」
コロナは頷いて話を進めた。
「私たち、リョウヘイさんと分かり合えると思うんです。」
「何?」
コロナの言葉にリョウヘイは耳を疑った。自分の仲間を傷つけた者とまだ分かりあおうという考えに至るのだろうか?
「・・・悪いがお前たちとわかり合うつもりはない。」
リョウヘイは冷たくそう告げ、仮面ライダーオーズの武器であるメダジャリバーを召喚した。
「私たちは諦めませんよ!!」
「行こう!リオ!」
二人は変身魔法で18歳くらいへと変身。所謂「大人モード」へと姿を変え、クロスへと向かっていった。
「マイストアーツ!コメットブラスト!」
コロナは周囲の石に魔力を纏わせ放つも、クロスはメダジャリバーで弾いていく。
「雷光拳!!」
砂煙の中から現れたのはリオだった。リオは腕に纏わせた雷の一撃をリョウヘイへと当てた。
「っ!!」
リョウヘイは一撃を貰うも、メダジャリバーを振りかざした。しかしリオはそれを見事のすり抜け後ろへと引いていく。
「良い腕だな。通常の格闘技でも通用するほどに。」
「ありがとうございます。」
二人の純粋そうな姿にリョウヘイは重い口調で言った。
「なぁ、DSAAから退いてくれないか?」
「えっ?」
リョウヘイの言葉に二人は驚きを隠せなかった。
「奴らの元へと行けば俺と同じエンディングを辿ることになる。だから・・・。
その先を言おうとした瞬間だった。リオとコロナへと銃撃が浴びせられた。そこにいたのはもう一人のガンバライダーだった。
「ノアか。」
「助けに来たよ。リョウヘイ。」
ノアは片手に武器を持ち、リオたちへと銃撃を放った。
「君はいま退くべきだ。」
リョウヘイにそう告げると、リョウヘイはそれに頷き、彼女たちへと背中を向けた。
「待って!!」
リョウヘイは一瞬立ち止まった。彼の脳裏に様々な記憶が蘇っていく。その声はかつてのフーカに近いものを感じた。
「リョウヘイ!!」
ノアは少し声を荒げてリョウヘイを呼んだ。その声にリョウヘイも我に帰るように彼を見た。そして少しの間があって再び歩き出した。
リオとコロナは追おうとするも、ノアはその先へ行かせまいと銃を放つ。そして、ノアも懐からガンバドライバーを取り出した。
[Ganba driver stand by ready.]
「変身・・・!!」
ノアを黄金の光が纏い、黄色のガンバライダーへと姿を変えた。
「リオ!コロナ!!」
そこに来たのはリョウヘイとフーカだった。リョウヘイは見慣れないガンバライダーへと問いかけた。
「お前・・・誰だ?」
ノアは失笑しリョウヘイの問いに答えた。
「俺の名はノア・イスルギ。またの名をガンバライダー「イクス」。」
イクスはリョウヘイたちへと銃撃を放つも、その一瞬で変身したクロスに見事に弾かれた。
「お前たちの目的はなんだ?」
「計画の遂行さ。それ以上もそれ以下もない!!」
イクスは仮面ライダーファイズの武器であるファイズエッジを、リョウヘイはシンゴウアックスを召喚し、お互いの武器がぶつかり合い、火花が散った。
「ライダーメモリーを持つ俺たちに効くと思うなよ!!」
イクスは腹にファイズエッジを当てようとしたその刹那、リョウヘイは軌道スレスレで見事に回避した。
「軌道を読んだだと!?」
「さあ、まだまだこっからだ!!」
リョウヘイは一気に接近して、ライダーキックの要領で足に電撃を纏わせた。
「リボルバーブレイク!!」
リボルバーブレイクはイクスの頭に直撃し、端のフェンスへとぶつけた。
「あれって会長の技!?」
コロナがそう言うと、フーカは小さく頷いた。
「んじゃあ、ワシも特訓の成果を見せんとな。」
そう言って派知り出すと、立ち上がったイクスに綺麗な足技を決めた。
「図に乗るな!!」
イクスはファイズエッジを振りかざすも、フーカは片手でその手を弾き、旋風脚でイクスの顎を蹴飛ばした。
「その戦術・・・カブトとウィザードか。」
「これが修行の成果じゃ!!」
フーカとリョウヘイは互いの風を纏わせるように同じ構えを取り、イクスへと近づいた。
「覇王!断空拳!!」
二人が放った断空拳はイクスを先ほどのフェンスよりもさらに遠い砂地へと吹き飛ばした。
「くっ・・・。」
イクスは仮面ライダーカブトの力である「クロックアップ」を使用し、足早に去っていった。
「逃げたか・・・。」
リョウヘイは変身を解き、リオとコロナの元へと向かった。
「大丈夫か?」
「はい・・・。でも。」
コロナの不安そうな表情にリョウヘイとフーカは目を見合わせた。っそしてリョウヘイのタブレットに一つの通信が入る。
「何だ・・・。えっ?」
彼のタブレットに通信を入れたのはかつてリョウヘイと共に戦った盟友、朱崎 勇気からだった。
リョウヘイたちが戻ると、そこにはアインハルト、ユミナ、リンネ、そして見知らぬ少女が一人いた。
「えーと、彼女は?」
リョウヘイが聞くと、ユミナが口を開いた。
「ジークリンデ・エレミアさん。U-19のワールドチャンピオンです!」
「よろしゅうね。柳さん。やっけ?」
ジークがそう笑顔で言うと、リョウヘイは少し渋そうにを振って見せた。
「よし、集まったか?」
そこへ来たのは進之介だった。彼は他のメンバーとは違い少し神妙な面持ちだった。
「泊さん!」
「捜査報告。と言うやつか。」
リョウヘイの質問に答えるように、進之介はネクタイを締め直し、話を始めた。
「まず、柳リョウヘイのことだが、彼は確かに孤児院に入った後にGRZ社に配属していた。」
「た。ってことは今は違うってことか?」
進之介はリョウヘイの言葉に頷き話を続ける。
「ただ、その理由までが掴めないんだ。」
ジークは考えたように話した。
「目的なく無差別に。ってのもありそうやなぁ。」
リンネは首を振った。
「リョウヘイさんはきっと理由ありきでやってると思います・・・。そう信じたいです。」
リンネとジークの会話を聞いたフーカは少しばかり床を見つめた。
「そう言えばフーカは以前、仮面ライダーの名を聞いた時、暗い表情をしてませんでしたか?」
アインハルトがそう聞くと、フーカは俯きがちになった。その表情は誰が見ても話したくない。そう思わせた。
「話せることだけでいい。少し話を聞かせてくれないか?」
「フーちゃん・・・。」
リンネの心配そうな顔を見て、フーカは顔を上げた。
「分かりました。その時あったことをすべて話します。」
リンネはフーカを心配そうに見つめた。辛いのはわかってる。だけど・・・。