鉄血のオルフェンズ 黒狼   作:妖牙

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 今回は日常(?)回となっているので、MSとかは殆ど出てきません。

 退屈に思われるかもしれませんが、読んで頂ければ幸いです。

 ※注意・人によっては、今回の話で主人公に不快感を抱かれるかもしれません。苦手な方はご注意下さい。


第三話

第三話彼を取り巻く者達

 

「――――――以上が今回の顛末となります。」

 

 報告書を提出すると共に口頭で今回の事件の報告を行う。三佐という階級に上がってもこの面倒な行為は必ずこなさなくてはならない。全く嫌になってくるねえ・・・。

 

 因みにアイツ等の処遇だが、主犯格は全員実刑は確実で、それ以外のメンバーは罪の度合いに応じて決めていくそうだ。

 

 ヒューマン・デブリが居なかっただけまだマシな方か。戦いを強制された被害者であるにも関わらずに処罰しなければならないというのは気分が悪くなる。まあ、ヒューマン・デブリは情状酌量が認められるケースもあるから、結局は本人の振る舞い次第か。

 

「ふむ、報告ご苦労だったラインベルガー三佐。もう下がってくれて良い。」

 

「はっ、失礼致します。」

 

 そんな面倒くさい報告を済ませ、退出を許可された俺はギャラルホルン式の敬礼をした後、部屋を退出する。ふう、これでやっと羽目を外せそうだ。

 

 廊下を歩きながら手首を回し、指の関節を一通りポキポキと鳴らす。リラックスしたいと思った時とかによくやる前世からの癖だが、パイロットをやるようになってからはこれをやる頻度が多くなった気がする。まあ、そんなことはどうでもいいか。

 

「三佐、此方におられましたか。」

 

 誰かから呼び止められる。この声はよく通信機越しに聞いているから、俺のことを読んでいるのだとすぐに分かった。

 

 声がした方へと首を向けると、そこには黒い制服を身に着けた黒髪の青年が居た。

 

「おお、アインか。何か用か?」

 

 アイン。この名前と黒髪という特徴でもうお分かり頂けるだろう。そう、俺の目の前に居る青年こそあの『アイン・ダルトン』その人なのだ。

 

 本来ならば火星方面に配属されていた人間であり、最終的には阿頼耶識システムの施術によって『グレイズ・アイン』という惨たらしい姿で復活を遂げるという末路を辿る筈の存在だ。

 

 当然そんな惨たらしい末路を見たくはなかった。そこで、権力も小さい俺に出来ることはないかと探していた時に、丁度小隊の人員候補として名前が上がっていたのを見てすぐに彼を俺の小隊員として引き抜いたのだ。

 

 結果として、アインは俺のスカウトを快諾してくれて今に至る。そんな感じだな。いやあ、最初は『グレイズ・アイン』エンドを回避する為に彼を引き抜いたのだが、今にして思えばそれを抜きにしても彼を引き抜いて正解だったと思える。

 

 人柄が真面目だし、ちゃんと命令には従ってくれる。おまけに訓練も欠かさないと来たもんだ。正直俺には勿体無いとすら思えてくるぐらいだ。大事にしないとな。

 

 出来ることなら、いつかクランク二尉のように名前で呼んでくれると嬉しいんだが・・・まあそこは気長に待つとしよう。

 

「整備班の方が機体について三佐に言いたいことがあるそうです。」

 

「うへぇ、またお説教か?」

 

 俺がそう言うと、アインは苦笑いを浮かべながら目を逸らす。お前のその反応=お説教という図式が俺の頭の中で成り立ってしまっているから、嫌でも理解させられてしまう。

 

 また、あの人なのか。この前は対艦ライフルを回収せずに帰ってきただけで大目玉だったしな。いいじゃんか、対艦ライフルの一丁くらい。少なくとも他の奴らはライフルとかアックスとかを俺以上に投げ捨てまくってるぞ。何故俺だけなんだろうか・・・何か恨みでもあるんか? 

 

「それについては何とも・・・。」

 

「いや、もういい。概ね把握した。済まんな態々伝えてもらって。」

 

 苦笑いを浮かべながら口を開いたアインに労いの言葉を掛けつつ肩を優しく叩き、そのまま格納庫へと移動し始める。

 

「クランクと一緒に待機していてくれ。良いな?」

 

「了解しました。」

 

 俺の言葉に敬礼を返してくるアイン。因みに今の会話で分かったと思うが、『クランク・ゼント』も一緒に引き抜いておいた。やっぱり、この二人はセットでいた方が落ち着くだろうしな。腕も確かだし。

 

「はあ、格納庫行きたくねー。」

 

 そんな愚痴を呟きながら、格納庫を目指す。やれやれ、今日は一体何を言われるのかねぇ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう、たでーまー。」

 

「お帰りなさいませ、レオナルド様。」

 

 所変わって無事家へと帰ったぞ、と。え?格納庫での遣り取りとか、それ以降の出来事はどうしたって?ふふっ、世の中にはな『キングクリムゾン』というものがあってだな・・・という冗談はさておき、ぶっちゃけて言うとあんまり大したことも無かったから飛ばしただけなんだよな。

 

 因みに格納庫で言われたのはどんなことかって言うとだな、『お前の機体、無茶のし過ぎでガタガタだからオーバーホールな。ついでに休暇も兼ねて自宅待機してろ。』ってことだ。お陰で久方振りに家に帰ることが出来たという訳さ。まあ、最近無茶ばかりさせてきたからな。偶には時間を掛けての整備も必要だろう。

 

「親父は?」

 

「旦那様なら、今は書斎の方です。」

 

 親父、つまりはこの世界での俺のパパ上様は何処にいるのかを出迎えてくれた執事に聞く。書斎ということはこんな時間まで仕事か、大変ですわねパパ上殿は。

 

「ありがとう、爺や。」

 

 それだけ告げて、家の中の階段を登っていく。パパ上の書斎は二階にあるから、こうして階段を登らないといけないのが辛いなぁ・・・。

 

(俺の書斎は一階に作ろっと。)

 

 そんなことを考えながら階段を登り切った・・・のだが。

 

「―――――――お帰りなさいませ、レオ様。」

 

 不意打ちで聞こえてきたその声に、登ってきた階段を転げ落ちそうになった。え、なんで居るの?

 

「ア、アンジェ!?何で此処に!?」

 

 アンジェリーナ・ルーベル。通称アンジェ。艶やかな金色の長髪と非常に整った顔立ち、そして抜群のスタイルが特徴的なギャラルホルンに名を連ねる名家『ルーベル家』のご令嬢だ。弱小下級貴族である『ラインベルガー家』の長男である俺なんかとは住む世界の違う、『本物』の貴族という存在だ。一応、『ラインベルガー家』も貴族だけどな・・・。

 

「あら、婚約者である私が此処に居てはいけませんか?」

 

 口元に手を当て、大抵の男を虜にしてしまうだろう極上の笑みを浮かべながらそう言うアンジェ。そう、彼女と俺は将来を共にすることを『強制された』関係なのだ。

 

 名家に相応しい格式と伝統を持つ『ルーベル家』と弱小下級貴族である『ラインベルガー家』。本来ならば成立する筈のない婚約だが、『ルーベル家』の権力と財力が衰退し始めていたところに、丁度勢いを増し始めていた『ラインベルガー家』が現れたことで利害が一致、互いに手を組むことになった。その意思表示というか、お互いに手を組んだことを証明する意味合いも込めて、俺達の婚約は成立することになった。

 

 無論抗議はしたが、親父も義父上も『これは両家の為に必要な婚約なんだ。』と言われてしまい、俺の意見は一蹴されてしまった訳だ。いや、別に結婚するのが嫌な訳じゃないし、婚約という行為そのものが貴族には必ず着いて回る宿命みたいなものだと割り切ってもいる。ましてや相手が不満な訳でもない、寧ろこんな美人と結婚していいのか?とさえ思っている。

 

 だが、向こう―――――――アンジェはそう思ってはいないだろう。少なくとも、アンジェにだって希望はある筈だし、不満も持っていることだろう。今でこそ俺の目の前でニコニコ笑ってはいるが、内心では俺に対する不満を零しているかもしれない。何せ俺は格下の弱小下級貴族の長男だ。貴族としては格上である彼女がそんな俺に嫁がされるというのは、彼女にとって屈辱の極みだと思う。

 

 それを思うと素直にこの状況を喜べないし、怖くも感じてしまう。勿論、彼女のことは愛しているし、大切にも思っている。でも、大切に思ってしまうからこそ、もし彼女から拒絶されてしまったら?今俺が抱いている感情は独り善がりなものであって、一方的に押し付けているだけだったとしたら?俺だけが勝手に舞い上がっているだけだったとしたら?そんなことが頭の中に次から次へと思い浮かんでは消えていってしまう。そしてそれらが現実のものとなってしまったら、と考えるだけで夜も眠れなくなる。

 

 これが俺自身の我儘、俺自身が勝手に招いた問題だと言うのは重々承知している。だからこそ、いずれはケリを着けたいと思っている。 

 

「別に居ちゃダメじゃないが、無理して来る必要は無いんだぞ。」

 

 アンジェの言葉に対して、そう返事を返しておく。何かこの言葉だけ聞くと、『別に来ても良いけど、出来れば来てほしくない。』と言っているように感じてしまう。これは言葉選びをミスったかもしれん。

 

「つまり、レオ様は私と居たくはないと、そうおっしゃるのですね・・・。」

 

 俺の言葉を聞いたアンジェは、表情を悲しげなものへと変えながらそう呟く。その言葉が本心なのか、それを推し量ることが俺にはまだ出来ない。

 

(くっ、また俺って奴は・・・!)

 

 いい加減、自分のヘタレさと気の利かなさ、そして弱さに殺意を覚えてくる。そんなんだから前世で結婚どころか彼女すら出来なかったんだ俺よ。

 

 クソッ、こんなことならもっと友人に色々と相談しておくんだった・・・。

 

「い、いや違うんだ!俺が言いたかったのはだな!」

 

「―――――――なぁーんてね。冗談よ。」

 

 俺が両腕をジタバタさせながら言い訳をしようと口を開いた瞬間に、それを制するように口を開いたアンジェ。その口調はさっきまでのものとは違い、かなり砕けたものになっていた。

 

「か、揶揄うなよ。驚くだろ。」

 

「いいじゃない、偶には。元はと言えば揶揄われるような事を言ったレオが悪いんだし。」

 

「そりゃそうだが・・・。」

 

 俺の言葉にそこまでダメージを受けていないと分かって安堵すると共に、揶揄われたことに少しムッとする。まあ、これくらいは日常会話みたいなものだから別に気にしていないが。

 

「・・・やっぱり、まだ私を信じられない?」

 

 さっきまでの明るい表情が鳴りを潜め、悲しげで心配するような表情を浮かべながら俺を見つめるアンジェ。彼女には一応、俺の今回の婚約に関する考えとかを話してある。本当なら話すつもりはなかったし、その話をすることで俺が嫌われる可能性もあったが、それでも今後を共に過ごすことになるのならやはり知っておいて貰いたかった。

 

 そのことを話した後に聞いた彼女からの返事は、『信じられるようになるまで待ってる』という一言だけだった。こんな俺と向き合ってくれて、しかも待っていてくれるとまで言ってくれたんだ。勿論ちゃんと責任は取る。でなきゃ俺は只のクズになっちまう。

 

 ・・・尤も、現在(いま)も待たせてる時点で十分クズなんだがな。

 

「そんな訳じゃないんだ。只、俺は・・・。」

 

 彼女を未だに待たせてしまっているという罪悪感とそんな自分に対する怒り、それから彼女に悲痛な表情をさせてしまったことに言葉が詰まる。掌に爪が食い込みそうな程に右手を握り締めながら、アンジェから視線を外す。

 

「ごめんな・・・こんな弱い男で。」

 

「そんなこと、ない。」

 

 いつの間にかアンジェに抱きしめられていた。アンジェの声は震えている。

 

「貴方は、レオは弱くなんかない。それは私が一番良く知っているから。」

 

「アンジェ・・・。」

 

「私ずっと待ってる。レオが答えを出せるまで、ずっと傍に居るから。だから、もうそんな顔はしないで。」

 

「・・・ありがとう。」

 

 アンジェの言葉に感謝を述べると共に彼女の体を抱き締める。全く、俺には勿体無いよ・・・。

 

「おお、いつも通りラブラブだねえ。これなら孫も早く見れそうだ♪」

 

 ・・・そんな俺達のムードに茶々を入れる(というかぶち壊しにしてくれた)声が聞こえる。アンジェと同じタイミングでその声が聞こえてきた方角へと首を回す。振り向いた先には、七三分けにされた黒髪が特徴的なスーツを身に纏う紳士と呼びたくなるような男性が立っていた。しかも、柔和な笑みを湛えながら微笑んでいるのがまた似合っている。

 

 ・・・何てこった。よりにもよって、一番見られたくない人に見られちまった。

 

「おお、タイミングもピッタリだねえ。やっぱり君達はお似合いだよ~。」

 

 誰か、などもう言わなくても分かるだろう。そう今世における俺の親父であり、『ラインベルガー家』の現当主のヴィルヘルム・ラインベルガーだ。

 

 仕事はバリバリ出来る有能な人なのだが、如何せん性格が曲者でな・・・。まあ、一人の人間としても父親としても付き合いやすいから良いんだけど。

 

「お、御義父様!?い、いつから此処に!?」

 

 アンジェが取り乱しながらそう言う。おいこらアニメキャラみたいに首を振り回すな、髪が顔に当たってくすぐったい。しかもいい匂いだ。ん?この香りもしかして。

 

「アンジェ、今更だけどシャンプーとか変えた?」

 

「え?あ、うん変えたの・・・って今はそれどころじゃないでしょ!?」

 

 俺の言葉に対してまたも髪をふわりと舞わせながらこっちを向いてそう言うアンジェ。口ではそう言っているが、顔は何処か嬉しそうだ。大方気付いて貰えて嬉しかったのだろう。

 

「ははは、良いねえ。若かりし頃の妻との遣り取りを思い出すよ。それだけ心置きなく話し合えるならもう問題ないだろう、この書類にサインをしてすぐにでも夫婦になろう!そして早く孫を――――――」

 

 最後に本音が出てるぞ!結局は孫が見たいだけじゃねえか!

 

「アンタはいい加減すっこんどれ!このポンコツ親父!」

 

「ん?言っちゃったな?『ポンコツ』という禁句を言っちゃったな?幾ら可愛い息子であるレオでも、その言葉を言った以上殺っちゃうよ?でも今の私は気分が良いんだ。今ならまだこの書類にサインをするだけで許――――――」

 

「どんだけ婚姻届にサインさせたいんだよ!?そんなに孫が見たいんか!?」

 

「勿論さ!さあアンジェちゃん、この書類にサインをしてレオと夫婦になっておくれ。」

 

 ダメだ。何言っても向こうのペースにされてしまう。いっそのこと肉体言語による説得を試みるか?

 

「認めんな!ちったあ否定しろや!ってあのアンジェさんや?何で親父の所に行こうとしておられるのかな?」

 

 ニコニコとした笑顔で手招きしている親父の方へと向かおうとしているアンジェの肩に手を置いて引き留める。アンジェは振り返ると、少し申し訳なさそうな顔をしながら口を開いた。

 

「サ、サインするだけなら良いじゃない。役所に提出しなければ只の紙なんだし。」

 

「・・・それもそうだな。」

 

 言われてみればそうだ。結局のところ出すべき所に出さなければそれは只の紙でしかない。あれ?別にサインしても問題なくね?問題なのはその紙を手にしているのが親父なだけで、後で五寸釘でもぶっ刺して動きを牽制しておけば・・・。

 

 どうしよう、俺サインすることに前向きになり始めとる。

 

「だからほら、レオもサインしよ?」

 

 うぐっ、そうやって上目遣いで頼み込まれるとつい頷きたくなる。だが此処は心を鬼に――――――

 

「そうだよ!コレにサインするだけで皆ハッピーになれるんだレオ!大丈夫、ちゃんとこの紙は私がしっかりと管理しておくから安心してサインするんだ!」

 

「わーそれなら安心してサイン・・・出来るかぁ!絶対にサインした後で役所に提出(シュート)するつもりだろ!?」

 

 ――――――――するまでも無かったわ。このクソパパ上が全て台無しにしてくれるから断り易い。

 

「そんなことはしないさ、はーっははははは!」

 

「その反応が何よりの証拠だろうが!」

 

 絶対にやる。これは確実だ。いつも嘘吐く時は必ず両目を閉じてから高笑いし出すから分かり易い。これで商談とか交渉とかキッチリ纏めるっていうんだから不思議だ・・・。

 

 公私は別物ってことなのかね?

 

「ねえ、レオは私とじゃ嫌・・・?」

 

 あの、だからですねアンジェさん。そうやって上目遣い+腕に抱き着きをセットでしながらのお願いは俺に効くんですってば。俺の理性が一瞬で崩壊しちゃうんだってば。

 

「い、いやそういう訳じゃ・・・。」

 

「ははは、なら問題ないね!早くこの書類にサインを―――――――」

 

 くっ!このままでは親父に勢いで丸め込まれてしまう!それだけは何としてでも防がねば!

 

「テメェはいい加減に黙ってろ!爺や!このポンコツを書斎に押し込んでくれ!」

 

 困った俺はいつもの如く爺や―――――――セバスチャン・ウデルを呼び出し、親父を隔離するように頼む。すると一階から恐ろしい速さで階段を駆け上がってきて、後ろから羽交い締めをしながら親父を引き剝がしていく。

 

「旦那様!どうかお許しを!」

 

「ええい!離せセバスチャン!私にはあの二人を結び付けるという大事な使命が―――――――」

 

 そんな押し問答を繰り広げながら書斎のある方角へと消えていく二人。傍から見ると、貴族の当主とその執事とは思えない漫才のような遣り取りで滑稽に見えてくる。

 

 まあ、嵐は過ぎ去った。後は・・・。

 

「えっと・・・ウチの親父がごめんな。」

 

「レオが謝ることないわよ。寧ろ御義父様が元気そうでホッとしたわ。」

 

 俺の謝罪にそう返してくれるアンジェ。相変わらず良い子だよ。

 

「そうだ。もう夜も遅いし、今日は俺が送っていくよ。」

 

「ありがとう、疲れてるのに。」

 

「良いさ。これぐらいはお安い御用だ。」

 

 ついでに夜のドライブにでも繰り出そうか。あんなこともあったし、埋め合わせもしとかないと。

 

 まあ、単純に少しでも長くアンジェと居たいだけなんですがね。

 

「それではお姫様、僭越ながらエスコートさせて頂きます。」

 

「ええ、お願いね。」

 

「お任せを。」

 

 アンジェの腕が俺の腕に絡み着いたのを確認してから、彼女を送るために外に止めてある車へと向かう――――――――

 

『ええい!幾らお前でもこれ以上邪魔をするなら―――――――――』

 

 ――――――――書斎の方から聞こえてくる物音から逃げるように。セバスチャン、俺が帰るまで無事で居てくれ。




 今回はここまでです。一体いつになったら原作に入り込めるのだろうか・・・。(遠い目)

 今回の話の中で出てきた、主人公の考えや立ち振る舞いなどに不快感を抱かれた方もいらっしゃるかと思いますが、決して主人公はクズではありません。只々相手が大切過ぎて、『自分では釣り合わないのでは?』『拒絶されたらどうしよう・・・。』と考えているだけなのです。

 どうか今後もこの作品を読んで頂ければ幸いです。
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