学園不思議倶楽部   作:Aco@blue

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ちょっとずつの更新ですが、お読みいただけたら幸いです。


二限目≪世界よりうちの夕飯≫

 学校の帰りにスーパーに寄ろうと、脇道に入ったところでパトカーが止まっていた。

 普段は人通りの少ない静かな住宅街なのだが、辺りは野次馬でごった返している。

 

 ふと、側にいたおばさん達の声が耳に届く。

 

 

「なんでも"能力者"が出たらしいわよ」

「やあねぇ。最近"能力者"の犯罪が増えて」

「怖いわぁ。早く"機関"が連れてってくれればいいのに」

 

(能力者か…)

 

 

 "能力者"

 

 

 今では、そんなに珍しい単語ではなかった。

 二十年前までは、テレビでスプーン曲げや透視程度で、あとは小説や漫画の中のファンタジーだけの、眉唾ものの存在だったらしいが……。

 

 

 だが、二十年前淡路島に小隕石が落ちて以来、常識では説明できない力を持った人々が確認されだしたのだ。

 その力は、岩を素手で壊せるもの、空を飛べるもの、触れただけで記憶を読み取れるもの、多種多様だった。

 最初はテレビで持て囃されはしたが、能力を悪用する者もいた為、常人には理解できないその力は、やがて畏怖の存在となっていく。

 能力者を代表とするレジスタンスが結成されたり、神の子と崇める宗教団体ができたり、能力があると分かると子供を捨てる者まで現れた。

 最初国は、厳しく能力者を管理・隔離しようとしたが、そんなおり、政府関係者の子供にも能力者が生まれる。

 

 

 能力者にも人権を与えねばならない。

 

 

 国は"能力管理庁"という特殊機関を、急遽立ち上げることを決定した。

 機関が能力者に対する不信回復のため最初に行ったのは、能力者による社会貢献だ。

 普通の人では難しいとされる所での人命救助や、凶悪犯の逮捕、治癒に優れた能力を持つ者は医療機関への従事、能力により捨てられた子供達のために孤児院の建設・運営や、能力者が必要な所への海外派遣などーー。

 

 それによって世界は能力者の存在を認めていく。

 

 次に機関は、「能力を活かして就職しよう!」という名目で、能力者の登録・管理に努めた。ただし、人権を尊重するため任意的にである。

 登録したものの中には、官僚や特殊機関に就職したという勝ち組の話も聞くが、登録だけして普通に生活するものもいた。

 

社会的には人権を与えられた能力者達だったが、やはり未知のものに対する不信は拭えなかった。

 

学校では理解を示すための授業が設けられ、力を入れていたが、能力者による事件はやはり目立ってしまうため、能力者に対する社会の風当たりは冷たいものだった。

そのため、登録もせず、能力をひた隠しに生きる者も少なくない。

 

 

なぜ、隕石落下で世界中に能力者が増えたのか?

 

 

地殻変動がどうの、隕石に付着していたウイルスがこうの、学者や研究者たちは言っているが、未だ解明されていない。

 

 

まあ、高校生の俺の知ったところではない。

 

今の学生に関係あるとすれば、歴史の授業が変わり、道徳の授業が増えたということだ。

 

 

(俺も気を付けないとな……。)

 

 

そう思いはしたが、今は夕飯が出来ていないと、うちの女共にどやされることの方が恐ろしかったので、足早にその場を後にした。

 

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