収録パート
Lda099~Lda104
Cou015
Lda105~Lda107
【Lda099】
[funeral]
[temple]
[cause of death]
知らせは、ひろゆきさんから教えてもらった。
告別式は、9月25日。週末。場所は岩手県紫波町のお寺さん。清寛寺。
東西戦で仲間だった金光さんのお寺。
ただ、変…。死因は何?ひろゆきさんも知らないって。
とりあえず、知っているのは日時と場所だけ。
どういうこと?
【Lda100】
[funeral]
[uncomfotable feeling]
[calm]
お父さんには悪いけど、葬式には行くことにした。
しげるおじさんの最後だもん。行かなきゃ。
けど、なんだろう。
おじさんが死んだら、私はショックで泣いたり、叫んだり、暗くなったりすると思ってた。
でもそうじゃない。
本当に死んだって信じられない。
何か引っかかるからかな?それとも私が冷たい人間だから?
とにかく、行かなきゃ。
【Lda101】
[funeral]
[endear]
[lie]
葬式にはすごい沢山の人が来た。
おじさんは、やっぱり凄かったんだ。
こんなにも慕われてて。
おじさんは、心臓発作で亡くなったんだって。
人は、死ぬ…。
例外なんてない。
【Lda102】
[corpse]
[body]
[lie]
怖かったけど、棺に入ったおじさんを見た。
死体を見るのは初めてだったけど、綺麗。
おじさんは…死んだんだ…。
【Lda103】
[vigil]
[exceptional]
[talk]
黒い服をした人が、話しかけてきた。
これから、親しいもの同士で通夜を執り行うって。
通夜?通夜って、葬式の前にするものじゃないの?
もしかして…。
【Lda104】
[wait]
[chief mourner]
[akagi]
四時間くらい、別の部屋で待たされた。
もう午後八時…。今日は、家に帰れないかな。
喪主が、入ってきた。
…やっぱり、しげるおじさんだ…。
【Cou015】
[akagi]
[funeral]
[exceptional]
「久しぶりだな…玲音」
「おじさん!…やっぱり…」
「おいおい、そんなにはしゃぐな」
「おじさん、どうしてこんな…」
「……。どうもこうもねぇ、今日は俺の葬式なんだ」
「え?」
「かといって…生きている間にやる生前葬とも、少し違う。生前葬ってのは、その後もまぁ、生きていくわけだが、俺はあと数時間後、死ぬ手筈になっている」
「死…ぬ?…それってどういう…」
「ククク…まぁ…前代未聞だわな。こんなこと、混乱するのも無理はない。詳しいことは、あいつらに聞いてやれ。知っているメンバーだ」
【Lda105】
[Alzheimer]
[suicide]
[memory]
部屋を移された。
東西戦で一緒だった人たちがいた。
金光さんが言ってくれた。
しげるおじさんが言ったことは、本当だって。
今日、死ぬんだって。
病院でよく見かけるレントゲン写真?それを取り出して言った。
おじさんは、アルツハイマーなんだって。
脳にはもういくつも傷がついていて、記憶が、どんどん消えていくんだって。
視界も三分の一は飛んでいる。単純な計算も出来ない。
それなのに、それほど破たんをきたしていないのは、奇跡だって。
だからおじさんは、自分が、本当に訳がわからなくなる前に、自分の人生を、自ら閉じようって。
自殺…。
おじさんは、自殺する。
おじさんらしい…。
【Lda106】
[suicide]
[talk]
[end]
おじさんは最後にここにいる九人、一人ずつ十分か二十分か語り合った後、死ぬ。
その死に方は、マーシトロンという装置を使ったもので、点滴みたいなものだって。
スイッチを押せば、特殊な液体がおじさんの血管を通って、心臓を止める。
痛みはないんだって。
……。
【Lda107】
[talk]
[Ego]
[lain]
……。
おじさんがこれから死ぬ。
ここにいるみんなはそのことにどう思っているんだろう。
私は?lainは?
これからの、おじさんとの最後の時間、どうしよう。
自殺なんてさせない、って止めに行く人もいた。
けど、おじさんは、そんな人じゃない。
自分の意思が、自分が何よりも大事だったんだから。
自分が、他の訳のわからない何かになるなんて、許せない。そういう人。
私も、おじさんにはそうなってほしくない。
だったら、これから何を話せばいいの?
lainは?ねぇ…lain…。