収録パート
Cou007
Lda037~Lda045
【Cou007】
[heart]
[efficiency]
[impression]
「おじさんはなんで、悪い待ちばかり選ぶの?」
「そんな印象か?」
「うん。絶対おじさんおかしい。三面待ち蹴って単騎待ちなんて、玲音には理解できない。学校の先生も、それは良くないって」
「先生?」
「麻雀部の先生」
「…なるほどな…まあ、先生ならそう言うだろうな…。ところで玲音、この世で最も美味い食いもんってなんだ?」
「うーん…。お父さんの目玉焼き!」
「ハハハ!…正解だ…。やはりお前はセンスがある」
「え…そうなの?」
「なんでだと思う?なんで、お父さんの作った目玉焼きはおいしい?」
「…なんでだろう…。作るのが上手だから?」
「……お前のために作ったもの、気持ちのこもった目玉焼きだからだ」
「それで、おいしくなるの?」
「なるさ。つまり…この世で最も美味いのはな、人の心なんだ」
「うん…それで、それがおじさんの悪待ちと関係があるの?」
「大ありさ。相手がアレでもないコレでもないって、一生懸命選んだ牌…魂の入った牌…それ以上に美味いものがあるか?悪待ちは、その結果さ」
「牌は、食べれないよ?」
「ハハハ。その通りだ。だが玲音も、そのうち分かるさ」
【Lda037】
[misato]
[club]
[team]
麻雀部は私と美里ちゃん、あと三人の三年の先輩で五人だけ。
去年は人数不足で出れなかったけど、今年は団体戦にも出れるんだって。
一年の私たちも今年から出れる。
顧問の原村先生もうれしそうだった。
頑張ろう。
優勝して、お父さんやおじさんに自慢するんだ。
【Lda038】
[misato]
[beautiful]
[amazing]
美里ちゃんは綺麗な手を作るのが好きみたい。
三色や清一。もちろん門前。
そのせいで、手は遅いし、振り込むことも多いんだけど、一発の破壊力がすごい。
緑一色四暗刻、すごかったなぁ。
【Lda039】
[club]
[team]
[depraved]
顧問の原村先生は、忙しいのかあまり部室に来ない。
そのせいか、部室にしまりが無いっていうか、先輩たちがダラダラしてる。
美里ちゃんはそのことを先輩たちに言ったら、面倒くさそうに、ハイハイわかったよ、って。
この部に全然人が入ってこないのって、先輩たちのせい?
先輩たち、全然強くないし、今年は団体戦、出るんでしょ?
これじゃ全国いけないよ?
【Lda040】
[misato]
[club]
[lie]
ひどい。
先輩たちが美里ちゃんをいじめてる。
イカサマをしたって。嘘だ。
美里ちゃんに負けてるからって、そんなのないよ。
美里ちゃんをいじめるな。
【Lda041】
[fraud]
[exceptional person]
[territory]
六回の半荘の総合で私が一位だったら、もう美里ちゃんをいじめないって条件で、先輩たちと打った。
予想通り、先輩たちは独自のサインを使って協力してかかってきた。
エレベーターも当然のように使ってきた。
だけど、運が悪かったね。
そういった小賢しいことと無関係の所に、強者はいるんだよ。
先輩たちはサマをするために平台の方を選んだんだろうけど、ここは私のテリトリーだよ。
【Lda042】
[wastepaper]
[misato]
[club]
私に負けた先輩たちは、この勝負を無かったことにしようとした。
私への暴力で。
けど、その瞬間を先生に見つかってしまって、最終的に三人は退部した。
部には、私と美里ちゃんだけになってしまった。
けど、二人でも頑張ろう、美里ちゃん。
【Lda043】
[misato]
[parting]
[scared]
短い幸せだった。
美里ちゃんが転校した。
私には連絡先も教えてくれなかった。
どうして?
もしかして、私のこと、怖くなったの?
【Lda044】
[club]
[loneliness]
[empty]
一人になった。
一応、部は誰も入らなくても今年いっぱいは存続できるらしいけど、団体戦には出れなくなった。
部室ではネットで打つことくらいしか出来なくなった。
この部屋は、私一人には広すぎる。
とても静かで、とても虚しい。
【Lda045】
[loneliness]
[empty]
[tournament]
個人戦には出れた。
一応優勝したけど、つまらなかった。
原村先生や大人たちは誉めてくれたけど、私は、美里ちゃんと一緒に、ここに来たかった。
私は優勝台に立った時、あまりの虚しさに、涙を抑えることが出来なかった。