マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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詰め込んだ_(´ཀ`」 ∠)_



前回のあらすじ
トラゴエディア「記憶編はよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン」





第178話 リベンジマッチ

 

 

 

 海馬ランドUSAの水中観覧車のエリアにて、そのアトラクションの主(という設定)のペンギン伯爵がドン引きする程にソリッドビジョンの炎が立ち昇っていた。

 

「俺は墓地の儀式魔人4体を除外し、儀式魔法《レッドアイズ・トランスマイグレーション》発動! 手札から《ロード・オブ・ザ・レッド》を儀式召喚し、俺に装備(した体を取る)!!」

 

 その炎に呑まれているのはヴァロン。

 

 そして周囲に浮かぶ黒いアーマーが宿主を求めるようにヴァロンの元に飛来。

 

「うぉおおおおお!! フルアーマー・グラビテーション!!」

 

 やがて黒き竜を思わせるアーマーを全身に装着したヴァロンは雄叫びと共に背中の翼を広げ、己が身体を覆っていた炎を弾き飛ばす。

 

ヴァロンに装備された(気がする)

《ロード・オブ・ザ・レッド》 攻撃表示

星8 炎属性 ドラゴン族

攻2400 守2100

 

「デュエリストに装備するカードだと!?」

 

 そんなヴァロンの意味☆不明な理論を受けて驚愕の声を漏らしつつ、一歩後退るのはかつてグールズのレアハンターと呼ばれていた男――「エクゾ使いの人」と仮称しよう。

 

「俺の戦いはただのデュエルじゃなく、リアルファイトなんでね!  一撃一撃が貴様の精神をえぐり、気力を削り取る!」

 

 だがエクゾ使いの人の反応など意に介した様子もないヴァロンは拳を握り宣言し――

 

「しかと味わうがいい――アーマーモンスターの真の力を!! 俺は墓地の《ADチェンジャー》を除外し、効果発動! 貴様の《岩石の番兵》には攻撃表示になって貰うぜ! チェンジ・ブラスター!!」

 

 己の肘をノコギリを構えるゴーレム――《岩石の番兵》へと向けると、アーマーの肘部分から一筋の光弾が放たれ、目がくらんだ《岩石の番兵》は思わず攻撃姿勢を取った。

 

《岩石の番兵》

守備表示 → 攻撃表示

守2000   攻1300

 

「そしてカードの効果が発動したとき! 《ロード・オブ・ザ・レッド》のアーマー効果が発動し、お前のモンスター1体を破壊する! 裏側守備表示の《禁忌の壺》には消えて貰う! バスターパイル!!」

 

「くっ……!」

 

 更にヴァロンが身を翻して放たれたアーマーの尾の部分がエクゾ使いの人のセットモンスターを穿ち、守りの壁を削って行く。

 

「バトル!! 俺の攻撃!! バーニングナックル!!」

 

 そして《ロード・オブ・ザ・レッド》を装備したヴァロンは背中の翼を展開しながら地を這うように駆け、《岩石の番兵》に拳を振りかぶった。

 

「デュエリスト自身が攻撃するとは珍妙な――だが、攻撃は攻撃! その攻撃をトリガーに罠カード《聖なるバリア -ミラーフォース-》を発動!! これでお前の攻撃モンスターは全滅だ!」

 

 しかしエクゾ使いの人もタダでは通さないとばかりにリバースカードに手をかざし、発動された鏡の壁がヴァロンの拳を弾き返す。

 

「無駄だ! 儀式召喚の素材にされた《儀式魔人ディザーズ》の効果で《ロード・オブ・ザ・レッド》は罠の効果を受けない! うぉおおおぉお! ビッグバンブロー!!」

 

 かと思われたが、鏡の壁に接触したヴァロンの拳は肘のブースターが火を噴いたことで貫通力が増し、押し込まれた拳によってパリンと鏡の壁は砕け散った。

 

「そしてカード効果が発動された瞬間! もう一つの《ロード・オブ・ザ・レッド》の効果発動! 魔法・罠カード1枚を破壊する! フィールド魔法《岩投げエリア》を穿つぜ! パイルシュート!!」

 

 更に鏡の壁を砕いたヴァロンの腕のアーマーの上部からパイルバンカーが放たれ、大地を砕きフィールド魔法を瓦解させた。

 

「おのれっ!? ならば罠カード《岩投げアタック》を発動! デッキから岩石族1体を墓地に送り、お前に500ダメージ! 更に墓地に送られた《タックルセイダー》の効果でご自慢のアーマーを裏側守備表示にしてくれる!!」

 

ヴァロンLP:4000 → 3500

 

 だとしても負けじとエクゾ使いの人はリバースカードを発動させ、岩石の礫をヴァロンにぶつけ、裏側守備表示とすることで襲来する拳を防ごうとするが――

 

「無駄ァ! 儀式召喚の素材にされた《儀式魔人デモリッシャー》の効果で《ロード・オブ・ザ・レッド》をお前の効果の対象には出来ない! アクティブガード!!」

 

「なんだと!?」

 

 飛来した岩石はアーマーから噴出した炎が焼き消し、ヴァロンの拳を止めるには至らない。

 

「そして墓地の《タスケルトン》を除外して俺自身の攻撃を無効化!! ブラックホールシールド!!」

 

 だが、此処でヴァロンの拳は他ならぬアーマーの防御機能によって強制停止させられた。廃熱するかのようにアーマーの各種関節部から煙が漏れる。

 

「な、なにを!?」

 

「攻撃が無効化されたことで速攻魔法《ダブル・アップ・チャンス》を発動! 攻撃力を倍にして再度攻撃できる! 更にチェーンして墓地の罠カード《スキル・サクセサー》を除外して800パワーアップ! グレイトチャージ!!」

 

 しかしその攻撃停止は更なる一撃を放つ為の溜め――廃熱したエネルギーが周囲に漂い、ヴァロンの全身を炎で包み込む。

 

ヴァロンもとい《ロード・オブ・ザ・レッド》

攻2400 → 3200 → 攻6400

 

 やがて黒きアーマーの全身を包む炎によって不死鳥の如き姿となったヴァロンは再度拳を握り――

 

「さぁ、俺の魂の一撃を受けろ! うぉおぉおおおぉ!! フェニックス・グレイトブロー!!」

 

 《岩石の番兵》を殴りぬいた。

 

 炎の拳によって地に沈む《岩石の番兵》。そして不死鳥のいななきと共に襲来した炎の余波がエクゾ使いの人を焼き尽くす。

 

「これは一体なんぬわぁのだあぁぁあああぁ!!」

 

レアハンター改め、エクゾ使いの人LP:4000 → 0

 

 そのエクゾ使いの人の断末魔は世の理不尽を呪うかのようなものだった。

 

 

 

 

 

 

 

「……なんなんですかね、あの人間」

 

 そんなヴァロンVSエクゾ使いの人のデュエルをモニター越しに眺めていたシモベが困惑の声を漏らすのも無理はない。

 

 一応デュエルのルールは守っているとはいえ、デュエリスト自身がモンスターを殴り始めれば誰だって困惑する。

 

「ダーツ様、少々お耳に入れておきたいことが」

 

「入れ」

 

 だが、ノックと共に響いた声にシモベはすぐさまダーツに扮し、先程の困惑などなかったかのようにキリッとダーツとして振る舞うが、パタンと入室者によって扉が閉められた瞬間にボフンと煙を上げながら元の炎の悪魔の姿に戻った。

 

「おかえりでしたか、我が主!」

 

「ただいま戻りました。早速のところ申し訳ありませんが、頼んでいたものは?」

 

 そのシモベの前で此方もパラディウス社の社員に扮していた神崎も変装を解きつつ、早速とばかりに本題に入る。

 

「此方に用意させておりますが……島の所持者の記録など何にお使いになるので?」

 

「念の為ですよ――ところで、お任せした大会の方は問題ありませんでしたか?」

 

 そうして促されるままにシモベが手渡した紙の束はひとりでに宙に浮かび、神崎の影から這い出た数多の目玉が内容を確認していくが、零れたシモベの疑問を神崎は誤魔化しつつ、別の話題を振れば――

 

「それはそれは勿論ご報告した通りに問題なく処理できましたとも! 最後にあの人間がなにやら喚いておりましたが、万事滞りなく終えたんだYO!」

 

 上機嫌にシモベは己が働きを誇る。世界に莫大な影響力を持つ「ダーツ」という仮面を任された事実は、己が「頼りにされている」証明だと。

 

「流石です。貴方に任せて正解でした」

 

「あははのは! この程度の結果、出せて当然です! ワタシの手にかかれば児戯に等しいんだYO!」

 

 そんな相手の感情をシモベの内に仕掛けた数多の細工から読み取った神崎のおだてに悠々と乗るシモベ。

 

「心強い限りです。では引き続きお願いしても構いませんか?」

 

 やがて書類を確認しおえた神崎はにこやかにシモベへ向き直る。

 

「それは……かまいませんが、この大きな立場を持つ人間を放っておいて良いので?」

 

「ええ、もうさして必要ありませんし」

 

「そ、そうですか……」

 

 神崎の指示に僅かに疑問を覚えるシモベだが、相手の「必要ない」の声に矛先を失ったように口ごもった。

 

 とはいえ、シモベが如何に理由を並べようとも、神崎にもパラディウス社を維持していく気は一切ない。なにせ――

 

――原作で解体されているであろう組織である以上、今後も残しておくのはリスクが大きい。

 

 本来の歴史ではパラディウス社はダーツがいなくなった段階で瓦解している為、神崎としてもこれ以上の原作崩壊は避けたいのだ。例え焼け石に水だとしても。

 

「では大会の方はお任せしますね」

 

「お任せください! ……それで主の方はどうなさるのでしょうか?」

 

 やがて、この一室から立ち去る神崎の背へ引き留めるようなシモベの声に対し――

 

「私は少しばかり手続きを整えておかねばならないので、其方に回ります」

 

 神崎は僅かに顔だけ振り返り、にこやかな笑みを作ったパラディウス社の社員に扮した顔を覗かせた。

 

 

 

 

 

 

 かくして大会そっちのけであれやこれやと動き回る神崎を余所に流れた日々の傍らで、海馬ランドUSAの《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》を模した巨大迷路のアトラクションにて二人の大会参加者が対峙していた。

 

「我は手札から《未界域のワーウルフ》の効果発動! このカードを含めた我の手札から相手がランダムに1枚選び、それがこのカード以外であれば選択されたカードを捨て、自身を特殊召喚し1枚ドローする! さぁ、オヌシに課せられた運命の選択だ!」

 

 その内の一人、迷宮兄弟の兄が扇状に広げた手札を突きつける対戦相手――羽蛾は悩む素振りもなく相手の手札に向けて指さす。

 

「なら、右から2番目のカードだ!」

 

「……そのカードは――残念だったな! モンスターカード《ジェノサイドキングサーモン》! ハズレだ! よって《未界域のワーウルフ》を特殊召喚!! そして1枚ドロー!」

 

 さすればその隣のカードから遠吠えと共に人狼の影が飛び出し、フィールド上で赤土色の毛を震わせながら空に咆えた。

 

《未界域のワーウルフ》 攻撃表示

星7 闇属性 獣戦士族

攻2400 守1000

 

「此処で装備魔法《再臨の帝王》を発動! 墓地の攻撃力2400・守備力1000のモンスター1体を復活させ、このカードを装備する! 我が選ぶのは《ジェノサイドキングサーモン》!!」

 

 更に空からやたらと神々しい光と共に茶の鱗に覆われた巨大なシャケが地面に着地し、水辺を求めてピチピチと跳ねる。

 

《ジェノサイドキングサーモン》 攻撃表示

星5 水属性 魚族

攻2400 守1000

 

「装備魔法《再臨の帝王》を装備したモンスターは1体で2体分のアドバンス素材とできる! 《ジェノサイドキングサーモン》を2体分のリリースとし、アドバンス召喚! 現れよ、三魔神が一柱! 《雷魔神-サンガ》!!」

 

 やがて《ジェノサイドキングサーモン》が一際大きく跳ねた後、謎のスパークがその身に走り、雷光の只中から鎧に包まれたような上半身だけが浮かぶ異形の魔神が現れる。

 

《雷魔神-サンガ》 攻撃表示

星7 光属性 雷族

攻2600 守2200

 

「アドバンス召喚に成功した時、永続魔法《帝王の開岩》の効果と、手札の《イリュージョン・スナッチ》の効果を発動! さらにチェーンして速攻魔法《サモン・チェーン》を発動!」

 

 そんな《雷魔神-サンガ》の登場を皮切りに迷宮兄のデッキは一気に動き始め――

 

「これにより我はこのターン3度の通常召喚が行え、手札からアドバンス召喚されたカードのレベル・属性・種族をコピーした《イリュージョン・スナッチ》が特殊召喚された!」

 

 次に現れた何処か個を感じさせない特徴の少ない白い巨人の身体が侵食されるように《雷魔神-サンガ》の姿を模していく。

 

《イリュージョン・スナッチ》 攻撃表示

星7 闇属性 → 光属性

悪魔族 → 雷族

攻2400 守1000

 

「さらに永続魔法《帝王の開岩》の効果で攻撃力2400、守備力1000のモンスター1体――2体目の《イリュージョン・スナッチ》を手札に!」

 

 やがて迷宮兄は手札の2枚のカードを手に、フィールドの2体のモンスターをカードで指し示し宣言する。

 

「さぁ、連続アドバンス召喚といこう! 永続魔法《アドバンス・フォース》の効果でレベル5以上のモンスターは2体分のアドバンス素材となる! 我は《未界域のワーウルフ》と《イリュージョン・スナッチ》をそれぞれリリースし、連続アドバンス召喚!!」

 

 そして《未開域のワーウルフ》と《イリュージョン・スナッチ》の身体がそれぞれ風と水に包まれて行き――

 

「並び立て! 《風魔神-ヒューガ》! 《水魔神-スーガ》!!」

 

 風が収まった先からは緑の球体上の身体を持つ風の魔神が左右に伸びる腕で握りこぶしを作り、

 

《風魔神-ヒューガ》 攻撃表示

星7 風属性 魔法使い族

攻2400 守2200

 

 水が収まった先からは蒼いローブから顔部分だけ出した水の魔神がズシンとローブの中の巨大な足を降ろした。

 

《水魔神-スーガ》 攻撃表示

星7 水属性 水族

攻2500 守2400

 

「バトルだ!! フィールド魔法《真帝王領域》によりアドバンス召喚した我が三魔神の攻撃力は攻撃時のダメージ計算時に800上昇する! 行け、三魔神たちよ!!」

 

 そうして三魔神が羽蛾のフィールドの人擬きの上半身を持つ巨大なアリのモンスター《インセクト女王(クイーン)》と、その《インセクト女王(クイーン)》をより攻撃的にかつ、美しく進化した《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》に突撃。

 

「無駄ピョー! 永続罠《DNA改造手術》発動! 俺は『昆虫族』を選択! これでフィールドのモンスターは全てインセクト化するぜ! これでお前の昆虫族モンスターは俺の永続魔法《虫除けバリアー》によって攻撃できないピョー!」

 

 だが、その進軍は突如として三魔神の身体から這い出た虫の足や触覚が光の網によってからめとられたことで阻まれ、敵陣に討ち入ることが出来ずに終わった。

 

《雷魔神-サンガ》

雷族 → 昆虫族

 

《風魔神-ヒューガ》

魔法使い族 → 昆虫族

 

《水魔神-スーガ》

水族 → 昆虫族

 

「さらにフィールドの昆虫族が増えたことで俺の《インセクト女王(クイーン)》もパワーアップ!!」

 

 現在互いのフィールドには迷宮兄の三魔神の3体と、羽蛾の《インセクト女王(クイーン)》と《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》を合わせた5体の昆虫族がいる。

 

 その同胞たちの存在に《インセクト女王(クイーン)》の身体に更に力が漲り、その体躯を一回り大きくさせた。

 

《インセクト女王(クイーン)

星7 地属性 昆虫族

攻2200 守2400

攻3200

 

「くっ、小癪な……なら我はカードを3枚セットしてターンエンドだ!」

 

「待ちな! お前のエンド時に《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の効果で『インセクトモンスタートークン』を特殊召喚するぜ!」

 

 忌々し気にターンを終えた迷宮兄の声を合図とするように羽蛾のフィールドの《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の腹の先からポコリと楕円形の卵が産み落とされ、黄緑の体色の芋虫がその殻を破り現れた。

 

『インセクトモンスタートークン』 守備表示

星1 地属性 昆虫族

攻 100 守 100

 

「俺のターン、ドロー! ヒョーヒョッヒョ! 俺は墓地の昆虫族《共振虫(レゾナンス・インセクト)》と《応戦するG》を除外して手札からコイツを呼び出すぜ! 来なァ! 《デビルドーザー》!!」

 

 やがてカードを引いた羽蛾が繰り出したのは、地面から大地を砕き飛び出す背に黒い甲殻を持つ薄い赤の巨大なムカデ――《デビルドーザー》が獲物を探すように頭頂部の2本の触覚をチロチロと動かす。

 

《デビルドーザー》 攻撃表示

星8 地属性 昆虫族

攻2800 守2600

 

「此処で除外された《共振虫(レゾナンス・インセクト)》の効果発動! デッキから昆虫族を1体墓地に送る! 俺は《B(ビー)F(フォース)-毒針のニードル》を墓地へ!」

 

「フッ、新たに強力なモンスターを呼び出し、三魔神を突破する腹積もりか」

 

 迷宮兄の言う通り、フィールド魔法《真帝王領域》による攻撃力アップは自分が攻撃する際にしか適用されない為、羽蛾の3体の最上級昆虫族の攻撃力があれば、三魔神を突破することは可能だ。

 

「だが、オヌシは不条理な三択を選ばねばならぬ! どの三魔神を攻撃するかという三択を!」

 

 しかし、三魔神には相手に攻撃された際に1度だけ、相手モンスターの攻撃力を0にする効果がある。ゆえに突破可能な三魔神は多大な反射ダメージを受けた上で精々一体が限度。

 

「ハァ? なぁに言ってんだぁ? 俺はお前の思惑になんか乗ってやんないピョー!」

 

 とはいえ羽蛾には三魔神を――いや、迷宮兄を倒す手段を既に整えていた。

 

「バトルの前に、俺は罠カード《リバイバル・ギフト》発動!! 俺の墓地のチューナー1体を効果を無効にして復活させる! 甦れ、《B(ビー)F(フォース)-毒針のニードル》!」

 

 ブンブン羽音を鳴らしながら宙に現れた橙色の身体を持つ何処か機械的なフォルムの蜂型モンスターが迷宮兄を挑発するように舞う。

 

B(ビー)F(フォース)-毒針のニードル》 攻撃表示

星2 風属性 昆虫族

攻 400 守 800

 

「効果が無効化されているにも拘らず、低い攻撃力を晒すだと?」

 

 明らかにパワー不足のモンスターの出現にそう不審がる迷宮兄。

 

 だが、そんな彼のフィールドに何処かカエルっぽい2体の全身真っ黒な悪魔が小さく手を上げて挨拶しながら三魔神の隣に並ぶ。その身体からは虫の羽やら触覚が伸び出していた。

 

『ギフト・デモン・トークン』×2 攻撃表示

星3 闇属性 悪魔族 → 昆虫族

攻1500 守1500

 

「なにやつ!?」

 

「罠カード《リバイバル・ギフト》のもう一つの効果さ! 俺のチューナーを復活させる代わりにお前のフィールドに『ギフト・デモン・トークン』をプレゼントするピョー! ありがたく受け取りな!」

 

 こうしてモンスターが、昆虫族が増えたことで――

 

「そして、これでフィールドの昆虫族は10体に! 女王様の攻撃力はフルパワーだ!!

 

 同胞の力を受け、この世の春とばかりにメキメキと巨大化していく《インセクト女王(クイーン)》。

 

《インセクト女王(クイーン)

攻3200 → → 攻4200

 

「バトル!! 《インセクト女王(クイーン)》が攻撃するには俺のモンスター1体をリリースしなきゃならないが、これだけいれば選り取り見取り!」

 

 やがて羽蛾は意気揚々とこのデュエルを終わらせにかかる。

 

「『インセクトモンスタートークン』をリリースした女王様の攻撃と、《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の攻撃が『ギフト・デモン・トークン』共を襲うぜ!!」

 

 お仲間が生んだ幼体へ《インセクト女王(クイーン)》が容赦なくかぶりつきながら、攻撃の為のエネルギーとする中、《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》もそれに続くように大口を開き――

 

《インセクト女王(クイーン)

攻4200 → 攻撃4000

 

「女王様'sの攻撃ィ!! クイーン's・インセクト・ブレイザァアァアア!!」

 

 2体の巨大女王昆虫に互いに肩を抱き膝を震わせる『ギフト・デーモン・トークン』たちを余所に迷宮兄はリバースカードに手を掛けるが――

 

「タダでは通さん! 罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動! これにより、このターン我が受けるダメージは全て半分になる!!」

 

 そんなものなどお構いなしに仲間の血肉を力に変えた《インセクト女王(クイーン)》と《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の口から放たれた二つの炎がまじりあい、2体の『ギフト・デーモン・トークン』を消し飛ばした。

 

「ぐわぁあぁあぁぁああ!!」

 

迷宮兄LP:4000 → 2750 → 2100

 

 

「ヒョーヒョッヒョ! どうだ! 俺の女王様たちの一撃――いや、二撃の味は!」

 

「くっ、我の三魔神の効果から逃れる為にトークンを送りつけたのか……!」

 

「その通ーり! だが、トークンがいなくなったと安心するのは早いぜ! 《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》がバトルで相手モンスターを破壊した瞬間、効果発動!」

 

 生じた衝撃に膝をつく迷宮兄を余所に羽蛾の《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の足の一本が自軍のモンスターを貫く。それは――

 

「俺のモンスター1体をリリースして追加攻撃できる! 《B(ビー)F(フォース)-毒針のニードル》をリリース!! ご飯の時間だ、女王様!」

 

「フッ、そのカードで我が三魔神を攻略しようというのか!」

 

 更なる追撃前の腹ごなし――だが、迷宮兄からすれば望む所だった。

 

「違うピョー! 俺は手札の《寄生虫パラノイド》の効果発動!」

 

 しかし羽蛾は小馬鹿にするようにおどけながら手札の2枚のカードに手を掛けた。

 

「コイツを相手モンスター1体――《雷魔神-サンガ》に装備し、種族を昆虫族にする! ――おっと、もうお前のモンスターは永続罠《DNA改造手術》の効果で昆虫族だったなー!」

 

 深い青に目玉のような模様が見える細長いムカデのような昆虫が《雷魔神-サンガ》の腕に巻き付き、根を張るように尾の先を魔神の身体に穿って行く。

 

「さらに速攻魔法《超進化の繭》発動! コイツは装備カードを装備した昆虫族1体をリリースし、デッキから昆虫族を1体、召喚条件を無視して特殊召喚するカード!」

 

 もがく《雷魔神-サンガ》から《風魔神-ヒューガ》が《寄生虫パラノイド》を引き剥がそうとおっかなビックリ触っていたが、《雷魔神-サンガ》の身体を覆う様に大量の糸が噴出したことでお手上げだとばかりにサッと離れた。

 

「更に墓地に送られた《寄生虫パラノイド》の効果でレベル7以上の昆虫族を召喚条件を無視して特殊召喚だ!」

 

 やがてもがく《雷魔神-サンガ》がグッタリ動かなくなると、その身体を覆う糸は繭となり、全容伺えぬ内側で新たな命が育まれ――

 

「つまり! お前の《雷魔神-サンガ》を喰い破り、俺のインセクト軍団が羽ばたくのさ!! ヒョーヒョッヒョッヒョー! 現れろ! 《グレート・モス》!! 《究極完全態・グレート・モス》!!」

 

 《雷魔神-サンガ》の命を喰らい、2体の毒蛾が空を舞う。

 

 巨大な芋虫に羽根が生えた《グレート・モス》が毒鱗粉を巻き起こし、

 

《グレート・モス》 攻撃表示

星8 地属性 昆虫族

攻2600 守2500

 

 毒々しい羽根を広げ、角と牙が並ぶ頭で奇怪な鳴き声を漏らしながら、毒々しい羽根を広げた《究極完全態・グレート・モス》も並ぶように空を舞う。

 

《究極完全態・グレート・モス》 攻撃表示

星8 地属性 昆虫族

攻3500 守3000

 

「だとしても、未だ我がフィールドには2体の魔神がいる!」

 

「だ・か・ら! お前のモンスターになんか攻撃しないピョー! 罠カード《ナイトメア・デーモンズ》を発動!」

 

 しかしトークンがいなくなった以上、三魔神の効果で耐えきれると断じた迷宮兄の言葉を羽蛾は一蹴する。

 

「こいつの効果で俺の自軍のモンスター1体をリリースし、相手フィールドに3体の『ナイトメア・デーモン・トークン』を特殊召喚するぜ!!」

 

 やがて羽蛾インセクト軍団1体の身体がバラバラに散り、その肉片が迷宮兄のフィールドで棒人間程に細い身体を持つ三体の白髪の悪魔となった。

 

 そんな『ナイトメア・デーモン・トークン』は身体の節々から伸びた虫のパーツを揺らして挑発するように笑い声を漏らす。

 

『ナイトメア・デーモン・トークン』×3 攻撃表示

星6 闇属性 悪魔族 → 昆虫族

攻2000 守2000

 

「またしても!? まさかオヌシのデッキは元々――」

 

「そうさ! 俺の女王様はグルメなんでな! マズイ(厄介な効果を持つ)獲物(モンスター)食べない(攻撃しない)のさ!」

 

 そう、これは迷宮兄の弱点を突いた――という面もなくはないが、羽蛾のデッキは元々相手モンスターと戦う気がないデッキなのだ。

 

 相手がどれ程に強力なモンスターを呼び出そうとも、その隣に雑魚を放り投げ、其方を攻撃するのが羽蛾の新たなスタイル――本人の性格が如実に現れた戦法である。

 

「そして《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の追撃の前に良いこと教えてやるぜ――この効果に回数制限はない! この後どうなるか……もう、分かっちゃうよな~」

 

 無論、放り投げた雑魚を相手に利用させない為に確実に葬り切るだけの手数も既に用意済みだ。

 

「我がフィールドの『ナイトメア・デーモン・トークン』は3体!?」

 

「さぁ、《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の攻撃を受けて貰うぜ! クイーン・アルティメット・ブレス! 三連打ぁああぁあ!!」

 

 そして止めだとばかりに叫ぶ羽蛾の声に《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》が攻撃姿勢を取ろうとするが――

 

――くっ、このカードは永続魔法《進撃の帝王》で三魔神に破壊耐性を与えてから使うつもりだったが……致し方無し!!

 

「かくなる上は――リバースカードオープン! 罠カード《激流葬》!! これでフィールドの全てのモンスターを破壊させて貰おう!!」

 

 待ったをかけるように『ナイトメア・デーモン・トークン』の特殊召喚をトリガーに発動された迷宮兄のリバースカードによって大地から間欠泉のように噴き出た激流が生き物のようにフィールドの全てを薙ぎ払おうと牙を剥くが――

 

「無駄ピョー! 《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》が他の昆虫族と共にいる限り、俺の昆虫族は相手の効果の対象にも、効果で破壊もされないのさ!」

 

 《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》が羽根を広げ、超振動させることで生じた音波が激流を弾いていく。

 

「つ・ま・り! お前のモンスターの無駄死にで終わるんだピョー! ヒョーヒョッヒョ!」

 

「更に永続罠《帝王の溶撃》を発動!」

 

「ヒョ?」

 

 だが、大地から噴き出した灼熱の溶岩が《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》を含めた羽蛾のインセクト軍団に降り注いだ。

 

「このカードが存在する限り、アドバンス召喚したモンスター以外のフィールドの表側モンスターの効果は無効化される!! よって《究極変異体・インセクト女王(クイーン)》の効果も無効!!」

 

「ギョェエエェェェー!? じょ、女王さまぁぁぁあぁぁ~!!」

 

 やがて溶岩によって活力を奪われ、更に激流も合わさり急激な温度変化に耐えられなかったのか、フィールドのモンスターの身体が陶器のように砕け散って行く光景に絶叫を上げる羽蛾。

 

「くっ、此方の2体の三魔神も水面へと沈む……そして『ナイトメア・デーモン・トークン』が破壊されたことで我はダメージを負うが、今のオヌシにそれ以上の追撃は出来まい!」

 

迷宮兄LP:2100 → 900

 

 無論、迷宮兄も無傷とはいかなかったが、一先ずの窮地は脱したと言えよう。

 

「くっそ~! よくも俺のインセクト軍団を~!」

 

 リセットされた盤面に互いに別の意味で歯噛みする両者。勝負はまだまだこれからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 更に日々は流れ、《ゲート・ガーディアン》に殴り飛ばされた羽蛾の断末魔も過去の話となった頃――

 

「――これで良し、と」

 

――記憶編の準備はこれで問題ないだろう。やれるだけのことはやった……と思う。

 

 最後の準備を終えたことを通信で確認した神崎は小さく息を吐き、肩を軽く回していた。とはいえ、肩が凝っている訳ではないので、気分的なものだが。

 

「ワールドグランプリも残すところ後、数日……」

 

――ワールドグランプリも滞りなく進行しているし、名もなきファラオも順調に勝ち進んでいる……(バー)も洗練されているとなれば、後は消化試合だろう。

 

 そう、今の神崎は恐るべき事態に見舞われていた。まさに奇跡とも呼べる瞬間。

 

 この世界に来て、幼少期に忘れてしまった感覚に神崎は戸惑いを覚えていた。

 

――時間も少し出来たし、久々にデュエル観戦でもしようか。

 

 そう! 仕事の無い(フリーな)時間を神崎は得ていた! 休暇と言っても過言ではないだろう。

 

 更におあつらえ向きに、遊戯王シリーズのファンであった神崎からすれば、このワールドグランプリは原作ではありえなかった夢の対戦カードの宝庫。

 

 これを直に見ずに何がファンか。

 

 

 ……今まで見ていなかったのは彼にも仕事があったゆえなので許して上げて欲しい。

 

 

 そうして立場的にタイムスケジュールをほぼ把握している神崎は気になる対戦カードのハシゴ旅だと何処か軽くなった足取りで進み始める。

 

 

 一番槍は「浄化したパンドラVS闇遊戯」の「本当の意味で真の《ブラック・マジシャン》使いを決める一戦」――これは外せない。

 

 

『少々お耳にいれておきたいお話が』

 

 だが、そんな神崎の背後で虚空から現れた《猿魔王ゼーマン》が膝をついた。おい馬鹿やめろ。

 

「なんでしょう?」

 

『ハッ、伝説の三騎士の方々から新たなる脅威の存在を知らされ、ご指示を頂くべく推参しました』

 

「新たな脅威……ですか」

 

 だが《猿魔王ゼーマン》から語られた言葉に神崎の緩んでいた気は一瞬にして引き締まり、さして回転の良くない頭で可能性を総当たりする。

 

――誰だろう。『氷結界』の竜たちは『ワーム』の襲来で戦場が荒れなければ引っ張り出さないだろうし、太古に封印された『インヴェルズ』か、休眠した『魔轟神』あたりかな?

 

 なにせ精霊世界は争いに満ちている。なまじ特異な力がある分、人間が住まう物質次元以上に矛を収める機会に恵まれない。

 

 そして精霊世界は原作では語られ切られていない情報も非常に多く、原作知識を頼りにし難い現実がある以上、細心の注意を払わねばならないのだ。

 

『お話によりますと、自分たちを封じた邪悪なる龍がいるとのこと。今は動きが見られないそうですが、いずれ精霊界を脅かす結果を生むと警戒しておられました』

 

――そ、そっちかー

 

 しかし《猿魔王ゼーマン》から告げられた内容に神崎の張りつめていた気が霧散する。思いっきり既に済んだ(オレイカルコスの神の)ことだった。

 

 情報共有していない弊害である。とはいえ、神崎も《猿魔王ゼーマン》に必要以上の情報を与える気がそもそもないのだが。

 

『強大な力を持たれた伝説の三騎士の方々を封じる程の相手となれば、今後の神崎殿のご計画の妨げになることは明白。此処は相手が動く前に討って出るべきかと具申致します』

 

 神妙な表情で事の重大さを語る《猿魔王ゼーマン》に神崎は返すに詰まる。何処まで話して良いのやら、と。

 

――うん、それ、もう終わった――けど、明かすには情報が漏れた時がなぁ……最悪の場合は後の為にも「ゼーマンはあくまで騙されていた被害者」で通せる程度のポジションは保持したい。

 

 神崎が原作主人公や世界から敵視された場合を考えると、「精霊界の将来を憂う精霊」の《猿魔王ゼーマン》の立場は残しておきたかった。

 

 それは善側の精霊としての立場さえあれば、原作主人公の精霊として同行させることで、原作での事件は大抵なんとかなる為だ。

 

 何だかんだで地縛神の眷属なのだ――邪悪な存在のことは熟知している。ついでにスパイとして逃げ回るであろう己に情報を流して貰えればなおのこと良しであると神崎は考えていた。

 

「では其方の方は私が対処します。精霊界で動きを見せるまでは捨て置くように――未知の脅威よりも、今問題となっている脅威にこそ注視すべきです」

 

『……では、そのように進言しておきます』

 

 ゆえに情報を伏せる選択をした神崎。《猿魔王ゼーマン》も、何やら察したように追求せず、もう一つの報告に移ろうとするが、神崎が人の気配を感じ、足を止めた瞬間に――

 

『それでもう一件、此方は朗報なのですが――』

 

「神崎ー!」

 

 《猿魔王ゼーマン》の背後からモクバの声が響いた。

 

『……時を改めましょうか?』

 

 後ろを振り返りながら、精霊である自身を知覚することなくモクバが己を通り過ぎるのを目で追った《猿魔王ゼーマン》が、そう提案するが、その心の内に神崎の声が響く。

 

『いえ、報告を続けてください』

 

『保養地との話でしたが、観光の目途であれば立てることが出来ました』

 

「ちょっと良いか!」

 

「これはモクバ様、どうかなさいましたか?」

 

 そうして腰を落とし、モクバと目線を合わせながらにこやかに応対する神崎に《猿魔王ゼーマン》は「朗報」を告げる。

 

『どうやら我らが拠点に選んだ森には珍しい薬草や鉱石などが豊富なようで、それらを《魔法都市エンディミオン》に卸すことになり、その際に通行手形なるものを頂きました』

 

「あのさ、実はお前に頼みたいことがあるんだけど……」

 

「なんなりと」

 

「ホ、ホントか!」

 

「はい、存分にお申し付けください」

 

 言葉を濁しつつ願うモクバを笑顔で肯定する神崎。モクバの顔が明るさを取り戻す中で――

 

『ですので定期的な卸しの際に、街を見て回る程度は可能かと』

 

『時期と頻度は?』

 

 《猿魔王ゼーマン》と今後の「ペガサスとシンディアの精霊界旅行」の計画を神崎は本格的に練って行く。

 

『定期的に行き来しておりますので、かなり自由が利く状況です――客人の都合に合わせて問題ありません』

 

――今は記憶編で忙しいだろうし、GXの問題も立て込むとなれば……一先ずは情報を匂わせるに留めて、空いた時間に「今なら!」な方針にしておくか。

 

 《猿魔王ゼーマン》が一先ずの報告を終えた後、笑顔の裏であれやこれやと頭を回す神崎に「いやー、助かったぜい」などと呑気な声を漏らすモクバだが、此処で慌てた様子で自身の口元に指を立て、注釈する。

 

「あっ、でも他言無用で頼むぜい……今回の話はちょっと、アレなんだ」

 

「BIG5の皆様方には反対されることだと?」

 

――ペガサス会長側が無理なタイミングなら、また別の機会を設ければ良い話だ。

 

 そうして白紙だった計画が凡その形を成した頃、モクバが態々己を頼った理由に当たりを付ける。

 

「……うん。それにアイツらだけじゃなく、兄サマにもなんだ。表立って動かせない話だから……」

 

「成程、内緒話ですか」

 

「ああ、そうなんだぜい。実は――」

 

 そうしてモクバから語られ始めた段階で神崎は《猿魔王ゼーマン》に一先ずの方針を伝え――

 

『なら相手側に「何時か客人を――」との話だけでも通しておいて貰えますか?』

 

『御意に。では、これにて失礼します』

 

 それを受け、《猿魔王ゼーマン》が姿を消した後、己の頼みを真摯に聞いているポーズを取る神崎にモクバは力強く今回の願いの重要性を語っていた。

 

 

 

 とはいえ、内容はそこまで裏側めいたもの(内緒話)でもなかったが。

 

 

 

 

 ということで――

 

 

 はい、神崎の休暇終了! 解散!

 

 

 

 

 

 

 そんなモクバの願いを「任せて下さい」と笑顔で応えたことも過去になった頃、海馬ランドUSAの《Em(エンタメイジ)トリック・クラウン》と一緒に回る空中ブランコエリアにてデュエルが佳境に入っていた。

 

「魔法カード《融合派兵》で呼び出した《クリッター》と《レスキュー・ラビット》で呼び出した2体の《メルキド四面獣》の内の1体をリリース! 2体の生贄を喰らい来ぉい! 秘められし暴虐の獣! 《仮面魔獣デス・ガーディウス》!!」

 

 このターンで決めるとばかりに光の仮面は、三つ目の毛玉《クリッター》と4つの面が四方に張り付いた《メルキド四面獣》を贄に捧げ、己が切り札を呼び覚ます。

 

 やがて現れたのは3つの仮面が並ぶ鋭利な爪と骨が剝き出しの巨大な身体を持つ悪魔が大地を踏み砕き現れた。

 

《仮面魔獣デス・ガーディウス》 攻撃表示

星8 闇属性 悪魔族

攻3300 守2500

 

「攻撃力3300のモンスターデスートー、ピ、ピンチなノーネー」

 

 相手の切り札の登場に、棒読み感溢れる狼狽える声を漏らすのは対戦相手であるクロノス・デ・メディチ。

 

 彼のフィールドには自慢の《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》が永続魔法《古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)》と永続魔法《一族の結束》で4000の攻撃力を誇っているが、過信は出来なかった。

 

 なにせ、《仮面魔獣デス・ガーディウス》にはフィールドから墓地に送られた瞬間に《遺言の仮面》が発動され、相手モンスターを奪う強力な効果を持っているのだから。

 

「……チッ、墓地に送られた《クリッター》の効果で攻撃力1500以下の――《魔犬オクトロス》を手札に加えるかんな」

 

 しかし光の仮面はクロノスの大根芝居に苛立つ。

 

――白々しい演技しやがって……ヤツが発動した魔法カード《古代の採掘機(アンティーク・ギアドリル)》の効果でセットされたのは速攻魔法《リミッター解除》だ。迂闊に攻撃しちゃあ一発でお陀仏だかんな……だが!

 

 クロノスのフィールドには今の今まで発動されていない機械族の攻撃力を倍化される速攻魔法《リミッター解除》が伏せられているのだ。

 

 自爆特攻で《仮面魔獣デス・ガーディウス》をぶつけようものなら、《遺言の仮面》が発動する前に倍化された相手の攻撃力に自身のライフが削り切られることは明白。

 

 

 そう、このままでは光の仮面は攻撃することすら難儀な状態だ。しかし、既に突破の為のキーカードは引いている。

 

「俺は魔法カード《融合》を発動するかんな!!」

 

「!? ここで《融合》デスート!?」

 

 発動されたカードに先程の大根演技を置き去りにしたクロノスの驚愕の声が響いた。なにせ光の仮面が今までに使用してきたカードとは明らかに毛色が違う。

 

「フィールドの闇属性《仮面魔獣デス・ガーディウス》と手札の《E・HERO(エレメンタルヒーロー) クレイマン》を融合!! 来なぁ! 《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》!! 墓地のE・HERO(エレメンタルヒーロー)の数×100パワーアップだかんな!」

 

 大半がThe悪魔なモンスターばかり使用していた光の仮面が己のエースを捨ててまで呼び出したのは黒き刃のような四対の翼を広げる漆黒のヒーロー。

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》

星8 闇属性 戦士族

攻2500 守2000

攻2600

 

 攻撃力も《仮面魔獣デス・ガーディウス》に比べれば些か見劣りする。だが、光の仮面の狙いはこのHERO自体ではない。

 

「そしてこの瞬間、墓地に送られた《仮面魔獣デス・ガーディウス》の効果発動! デッキから魔法カード《遺言の仮面》がお前のモンスターに装備される!」

 

 光の仮面の狙いは墓地に《仮面魔獣デス・ガーディウス》を送る一点。

 

 やがて死の淵より這い出た《仮面魔獣デス・ガーディウス》の怨念――といっても、今回の場合は八つ当たり染みているが――により、なにかが這い出ようとしている仮面が浮かびあがり、クロノスのエースに憑りついた。

 

「フヒャヒャヒャヒャ! これでお前の《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》は貰ったかんな!! 相棒の仇は取らせて貰うぜ!」

 

「デスーガ、ワタクシのフィールドを離れたことで永続魔法《一族の結束》の強化が途切れるノーネ!」

 

 やがてクロノスのフィールドの唯一のモンスター、《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》が光の仮面の元に地響きと共に歩み出る光景に光の仮面は相手の注釈など気にした様子もなく得意気に笑う。

 

「だとしても、お前のモンスターは0! 更にお前のモンスターお得意の効果で、コイツがバトルする時に魔法・罠は発動できないかんな! バトル!」

 

「だったらこうするノーネ! バトル開始時に永続罠《古代の機械蘇生(アンティーク・ギアリボーン)》発動ゥ! 墓地の『古代の機械』と名の付くモンスター1体を攻撃力を200アップさせて復活させるノーネ! 来るノーネ! 《古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)》!!」

 

 そうして《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》が《遺言の仮面》の怨嗟の声に逆らえず拳を振りかぶろうとするが、その前に歯車仕掛けの巨大なドラゴンが割って入るように空から降り立った。

 

 3種のカードの強化を受け、その攻撃力は1200ポイント増大する。

 

古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)》 攻撃表示

星8 地属性 機械族

攻3000 守2000

攻4200

 

――あれは前のターン、魔法カード《トレード・イン》で墓地に送っていたカード……!

 

「くっ!? なら永続罠《デーモンの呼び声》の効果発動! 墓地の悪魔族1体を手札から悪魔族――《魔犬オクトロス》を捨て復活させるかんな! 再び降臨せよ、《仮面魔獣デス・ガーディウス》!!」

 

 新たな機械族モンスターの出現に光の仮面はならばと発動済みの永続罠カードの効果により悪魔の声を地の底から響かせ、その声に引き寄せられた《仮面魔獣デス・ガーディウス》が大地から瘴気を噴き出しながら舞い戻った。

 

《仮面魔獣デス・ガーディウス》 攻撃表示

星8 闇属性 悪魔族

攻3300 守2500

 

「さらに手札から速攻魔法《瞬間融合》発動! フィールドの《仮面魔獣デス・ガーディウス》と《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》を融合して、2体目の《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》を融合召喚するかんな!!」

 

 舞い戻ったのだが、速攻で《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》に溶け合い、2体目の《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》がさしずめ転生融合召喚とばかりに4対の翼を広げた。

 

E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》 攻撃表示

星8 闇属性 戦士族

攻2500 守2000

攻2700

 

「そして再び墓地に送られた《仮面魔獣デス・ガーディウス》の効果でデッキから2枚目の魔法カード《遺言の仮面》がお前のモンスターに憑りつき、俺のしもべとなる!!」

 

 そうして再び八つ当たりの《遺言の仮面》が地面に落ち、怨嗟の声と共に《古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)》に憑りつけば、またもクロノスのモンスターが光の仮面の手に堕ちた。

 

 先程の苦悩は何だったかと言った具合にハイタッチする2体の『古代の機械(アンティーク・ギア)』たち。

 

「今度こそお前のモンスターで――」

 

「ナラーバ、永続罠《連撃の帝王》の効果を発動ゥ! バトルフェイズ開始時にアドバンス召喚するノーネ!」

 

 仕切り直しとばかりに《遺言の仮面》をつけた《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》が拳を振り上げるが、またもや頭上から影が落ちる。

 

「馬鹿な!? お前のフィールドにモンスターはいない筈!?」

 

「永続魔法《古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)》を墓地に送ることで自身に乗ったカウンターの数、アドバンス召喚のリリースの代わりに出来ルーノ!」

 

 状況的にこれ以上の増援は無理な筈と戸惑う光の仮面を余所にクロノスが天を指させば――

 

「来るノーネ! 《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》!!」

 

 2体目の《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》が空から永続魔法《古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)》を踏みつぶしながら降り立った。

 

古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》 攻撃表示

星8 地属性 機械族

攻3000 守3000

攻3800

 

「ほ、本当にしつこいヤツだかんな!?」

 

 空から飛来した巨大なモンスターの襲来に揺れる大地に足を取られるように怯んだ光の仮面の声が戦況の変化を何よりも雄弁に物語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、つわものたちが熾烈な戦いを経て数を減らし続け、生き残った参加者の数がかなり絞られてきた頃、海馬ランドUASのシューティングゲームエリアにて、一際ごった返す観客の中で城之内が肩の力を抜くように小さく息を吐く。

 

「いやー、一時はどうなることかと思ったけどよ。ワールドグランプリも後少しで終わりとなると、寂しいもんだぜ」

 

「そうよね。それに、心配だったレベッカの試合の騒ぎも直ぐに収まって良かったわ」

 

「海馬くんとモクバくんの頑張りのお陰だね!」

 

 城之内の声に杏子が一時はどうなることかと釣られて溜息を漏らすが、御伽の返したようにKCの尽力の結果、ワールドグランプリはようやく終わりが見えて来たところだった。

 

「王様の遊戯もどんどん勝ち進んで――ダーリンも鼻が高いわね!」

 

 そんな終わりが見えたワールドグランプリに勝ち残った闇遊戯の存在にレベッカは傍らの表の遊戯の肩に頭を乗せつつ誇る姿に――

 

「うん! それに、もう一人のボクのデュエルを最前列で見られるからね。スゴク勉強になるよ!」

 

 表の遊戯も文字通り、間近で闇遊戯の快進撃を眺め続けた身ゆえに心に熱を灯したとばかりに自身の拳を握る。

 

 この大会で戦った誰もが並大抵の相手ではなかったと。

 

 しかしその遊戯の姿に本田は「だからこそ」と脱力を見せる。なにせ――

 

「んで、いよいよか……リベンジは決勝戦――って、訳にはいかねぇとは運命の神様がいるんなら気が利かねぇ奴だぜ」

 

 もうじき始まるであろう好カードが、ワールドグランプリの締めではないのだから。

 

「馬鹿やろう、本田! んなもん関係ねぇよ! 海馬のヤツも言ってただろ? てっぺんを決める大会だって――最初で当たろうが、最後に当ろうが、大事なのは其処じゃねぇんだよ!」

 

「うん、そうだね。城之内くんの言う通りだよ!」

 

 だが、そんな本田の背をバンと叩きつつ顎を尖らせる城之内に表の遊戯も肯定を返したのち――

 

――もう一人のボク、そろそろ出番だよ。

 

――ああ。

 

「みんな――行ってくるぜ」

 

 表の遊戯は闇遊戯と人格交代し、仲間たちの声援を背に戦いの舞台へと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな、キース」

 

 今宵は現決闘王(デュエルキング)がチャレンジャーの立場である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな大会の最高潮とも言うべき熱気が海馬ランドUSAに立ち込める中、ヨーロッパのシュレイダー社――いや、シュレイダー社()()()場所で慌ただしく人の行き来による喧噪から逃れるように非常階段に座り込んだ死人もかくやな顔色のジークが頭を抱えていた。

 

 今のジークには文字通り何もなかった。

 

『お前はシュレイダー家を終わらせたのだ!!』

 

 そんな怒声と共に己の頬を平手で打った父の姿にジークは膝をつくしか出来なかった。自身の見通しの甘さが招いた破滅だ。今、その光景が脳裏を過ったことで更に気分は沈む。

 

 その後は、持ちうる力を諸々様々な方面から悠々と引き千切られるも、辛うじて残った力でなんとか猶予をもぎ取ったが、残ったのは莫大な負の遺産のみ。

 

 

 会社を失い。

 

 実家を失い。

 

 父と母の期待を失い。

 

 弟との絆すら失いそうになっている。

 

 

 これも己の醜態を全世界に知らしめた親切なペンギン好きのおじさんの働きの賜物。

 

 

 そう、ジークには失ったものがあまりに多すぎた。

 

 

 レオンは「諦めなければ何時かきっと何かを掴むことができる」とジークに語っていたが、今のジークにはその言葉が呪いにしか聞こえない。

 

 優しい弟の言葉が「諦めてはならない」と強迫観念のようにジークを責め立てる。

 

 

 だが、ジークにはどうすれば良いのか分からなかった。

 

 

 最後の希望とばかりに人格者で知られるペガサスを頼ってI2社に身を寄せようともしたが、クロケッツと名乗った執事に遮られた。無理もない――現在、厄の塊となり果てた彼を主人の元に近づかせる訳もないのだから。

 

 

――何をすればいい……私に何ができる……! 何を! 一体何を!!

 

 何もしなければシュレイダー家が抱えた負の遺産は、心優しいレオンが兄の代わりに背負ってくれることだろう。例え、その身が破滅しようとも。

 

――ふざけるな!! そんなことがあっていい訳がない!

 

 そんな最悪の可能性に怒りを見せるジークだが、頼る寄る辺もない彼ができることなど高々知れている。

 

 

 デュエルモンスターズ市場を、デュエル界を支えるKCとI2に唾吐いた愚か者を誰が助ける?

 

 タブー視されるパラディウス社に喧嘩を売った戯けに誰が手を差し伸べる?

 

 世界に喧嘩を売った愚か者に誰が関わろうとする?

 

 

 そんな都合の良い存在がいる筈がない。いる筈がないのだ。

 

 

 

 本当に?

 

 

 だが、ジークの脳裏に()()()()()()()()()()が過る。それはあまりにも()()()()()()()

 

 

 やがて携帯電話片手に夢遊病のようにフラフラと番号を押してくジーク。耳に何度かコール音が響いた後、通信が繋がったことを辛うじて把握したジークは覇気のない声で呟いた。

 

 いたじゃないか。ずっと己を泳がし続け、嘲笑っていたであろう影が。

 

「私……だ。ジークハルト・フォン・シュレイダーだ……」

 

 過去の海馬への復讐心に囚われていたジークは気付いていなかったが、件の相手の提案は「シュレイダー社に都合がいい」ものばかりだったじゃないか。

 

 しかし、それらの対応をジークが冷静に見えるようになっただけに「より相手の考えが分からなくなった」こともまた事実。

 

 

 相手の狙いが今の頭の冷えたジークにすら分からない。 だが今の彼にはそれしか選択肢がなかった。

 

 

 そして藁にも縋るような面持ちでジークは声を震わせる。

 

「弟を……父上を……母上を……」

 

 今の彼には文字通り、藁に縋るしかない。

 

「………………助けてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――喜んで』

 

 彼の耳元で悪魔が囁いた。

 

 

 

 

 







この話中にかなりの日数が経っています――巻き展開で済まねぇ!





~今作のヴァロンデッキ~
ヴァロンのアーマーモンスターがOCG化されないので、城之内のアーマーこと《ロード・オブ・ザ・レッド》を拝借。盗んだアーマーで走りだせ!

とにかく墓地を雑多に肥やし、墓地の「儀式魔人」で効果を与えつつ儀式召喚。

《ロード・オブ・ザ・レッド》の効果のトリガーは肥えた墓地から墓地誘発のカードを使用していく。他は装備カードの補助が少々。

なお、攻撃するのは「ヴァロン=《ロード・オブ・ザ・レッド》」オンリーなのがポリシー


~今作の迷宮 兄のデッキ改~
新たなテーマ「未界域」によって温めていたデッキ構築が開花した為、大幅変更(肝心の「未開域」は《未界域のワーウルフ》しか入ってないけどな!)

墓地からレベル6のモンスター扱いで復活する永続罠《真源の帝王》や
永続魔法《帝王の開岩》のサーチに対応した俗に言う帝ステータスを持つ《未界域のジャッカロープ》、《ジェノサイドキングサーモン》、《イリュージョン・スナッチ》を

蘇生したカードを2体分のアドバンス素材にできる装備魔法《再臨の帝王》や
永続魔法《アドバンス・フォース》のアドバンス素材軽減効果などで

強引に三魔神のアドバンス召喚を狙っていく。目指せ、《ゲート・ガーディアン》!

なお、デッキに下級モンスターが「 0 」な無謀――もとい強気な構築なので手札事故率が非常に高く、事故った際は速攻魔法《帝王の烈旋》で《ジェノサイドキングサーモン》をシャケ召喚して、シャケビートするしかない。シャケ旨ぇー!(十代感)



~今作の羽蛾デッキ改~
リメイクカード《寄生虫パラノイド》と《超進化の繭》によって最上級昆虫族が展開しやすくなったが――

その結果、生じた問題「《インセクト女王(クイーン)》いらなくね?」な事態を避ける為にトークン軸に舵を切ったデッキ。

具体的には相手のフィールドにトークンをばらまき、永続罠《DNA改造手術》で強引に昆虫族にして《インセクト女王(クイーン)》の攻撃力を最大限に高めるプラン。

なお《インセクト女王(クイーン)》が攻撃力100のトークンを攻撃表示で産むうっかり屋だが、相手ターンでも発動可能な《B(ビー)F(フォース)-毒針のニードル》の効果のコストで妨害ついでに退かしたり、
永続罠《DNA改造手術》と永続魔法《虫除けバリアー》のコンボで守ったり、

罠カード《ナイトメア・デーモンズ》でリリースして相手フィールドにトークンをプレゼントで打点+的を増強だ!

他は《代打バッター》やら《共鳴虫(ハウリング・インセクト)》やら《共振虫(レゾナンス・インセクト)》やら《応戦するG(ジー)》やらの昆虫族サポートの力を借りる普通な構築。



~今作の光の仮面デッキ改~
《仮面魔獣デス・ガーディウス》の召喚コストの2体が通常モンスターゆえに
通常モンスターサポートをふんだんに盛り込んだバニラビート風デッキ。

そこに「初期手札が通常モンスター一色……だと!?」という脅威の手札事故を回避すべく《融合》を放り込み、上述の状態でも《始祖竜ワイアーム》を呼べるようにした。

更に《融合》ついでに魔法カード《融合派兵》に加え、通常モンスターHEROも混ぜて、闇属性を融合素材に含む《E・HERO(エレメンタルヒーロー) エスクリダオ》+指定素材HEROのアクセスも増設。

《融合派兵》で《仮面魔獣デス・ガーディウスデス・ガーディウス》の仮面モンスター以外の召喚コストを賄ったり

フィールドの《クリッター》や《魔犬オクトロスオクトロス》、《仮面魔獣デス・ガーディウスデス・ガーディウス》の闇属性’sを通常モンスターHEROと融合すれば、各種効果が能動的に発動できる。

まさにマスク(仮面)HERO(ヒーロー)デッキ――と言えるかもしれない。



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