マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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圧倒的シリアスな今話



前回のあらすじ
闇遊戯「ゼーマンは我が軍の仲間だ!(邪悪フェイス)」

赤き龍「タイム――少し話し合おう」





第195話 スーパーウホウホタイム

 

 

 精霊たちの大群が、死骸に蟻が群がるようにゾークの身体中に纏わりつき、己が牙を、爪を、剣を、槍をと突き立てていく中、それらを無視してゾークは三幻神に向けて進軍する。

 

「行けッ! オベリスクの巨神兵!! ゴッド・ハンド・クラッシャー!!」

 

 だが、一番槍とばかりに拳を振りかぶったオベリスクの巨神兵の一撃が放たれた。その一撃に対し、ゾークはカウンターとして己の右拳を繰り出すが――

 

「何度こようとも同じこ――」

 

「カースド・ニードル!!」

 

「デュオス! オーラ・ソード!!」

 

 ゾークの左右の瞳を、人魚ならぬ馬魚(シーホース)に乗ったゼーマンの杖の先の刃と、セトの魔物(カー)デュオスの剣が貫いた。

 

「クッ、煩わしいわァ!!」

 

 顔に突き刺さった異物を掌で一蹴したゾークだが、その僅かな隙に顔面へとオベリスクの巨神兵の拳が叩きつけられる。

 

「この程度で我が倒れると――ぬっ!?」

 

 その一撃にたたらを踏むゾークだが、その程度では倒れない――が、僅かに浮いたゾークの足に組み付いた《ヴェノム・スネーク》や《スネーク・パーム》を含め、他の細長いドラゴンたちが長いロープ代わりとなり――

 

「引けぇえぇえええ!!」

 

 シャダの合図と共に空を飛べぬ魔物(カー)と、多くの一般兵たちがロープ代わりのモンスターを引き始めた。

 

 それによりゾークのバランスが大きく崩れるが、ゾークとてタダでやられる心算はもうとうない。自在に動く竜の頭の付いた尾をロープ代わりのモンスターを引く者たちへと向けて炎を吐く――

 

「小賢しい虫けら共が! 地獄の業火に焼かれるがいい! ゾーク・インフェルノ!!」

 

「尾の竜口を押さえろ!! 幻想の魔術師! 幻想の呪縛!!」

 

「アラクネー、援護を!!」

 

 よりも先にマハードの指示と共に六芒星の呪縛が竜の頭にかけられ、更に人ほどのサイズの蜘蛛に女の上半身が生えた《地底のアラクネー》を筆頭に、人間大な人型蜘蛛《蜘蛛男》や《ハンター・スパイダー》たちのような糸を吐くモンスターが、一斉にゾークの尾の先の竜の口を塞いだ。

 

 それにより、放たれる筈の炎が出口を失ったことで内側にて爆ぜ、ゾークの尾の先が消し飛ぶ。

 

「オシリスの天空竜! 超電導波! サンダーフォース!!」

 

「小癪なァ! グォオオォオオオ!!」

 

 さらにオシリスの天空竜がゾークの頭上から雷撃弾を落とし、崩れたバランスを立て直せなくなったゾークの巨体は砂漠に砂を巻き散らしながら倒れた。

 

「ゾークが倒れたぞ!!」

 

「今だッ!! 総員、畳みかけろッ!!」

 

 倒れたゾークはカリムの号令の元、童話の巨人のように地上から人間・魔物(カー)・精霊問わず攻撃を仕掛けられる。

 

「チクチクとうっとうしいわァ!!」

 

 だが、立ち上がりながら腕を振って槍使いや双剣使いを弾き飛ばすゾークの様子を見るに、さしたるダメージは与えられていない。

 

「ズムウォルト!! 転移魔術で皆を退避させよ!!」

 

 しかしそんな中、杖を持った黒いローブの幽霊のような魔術師の術にて、いつの間にかゾークの周辺にいた者たちはガラリと消え失せ――

 

「――今です、お二方!!」

 

「追撃せよ、エクゾディア! 怒りの業火エクゾード・フレイム!!」

 

「ラーの翼神竜! ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

 

 シモンの操る守護神と、闇遊戯の操る太陽神から、全ての邪を祓う二対の炎が大炎となってゾークを包み込んだ。

 

「ぐぅぉおおぉおおッ!! 無駄だ! 我は不滅! 我は不死! 闇がある限り、我が身は滅びぬ!!」

 

 だが、炎の中で未だ健在のゾークは炎を放つ無防備な二体の魔物(カー)に向けて腕を振りかぶり――

 

「ダーク――」

 

「拙い!」

 

「させぬ!!」

 

 腕の先にて高まる魔力(ヘカ)に大技の気配を感じたマハードの声を背にゼーマンが杖を手に、鍵爪の悪魔《モリンフェン》の手によって打ち上げられながらゾーク目掛けて空へ跳ぶ。

 

「ゼーマン! これを使え! オーラ・ソード!!」

 

 そしてセトのデュオスから託されたオーラが滾る一振りの剣と、ゼーマンがふんだんに魔力(ヘカ)を込めた槍の二刀が一つの太刀となって――

 

「かたじけない!! ハァ!!」

 

「――スラッシャー!!」

 

 腕を振り切ったゾークの放った闇の斬撃と接触した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな総力戦の様相を見せる一戦の最中、闇遊戯の王墓を進む城之内が陽気な声を上げる。

 

「いや~『王墓には罠が』って話だから心配だったが、爺さんの情報のお陰ですんなりこれたぜ」

 

 王墓には招かれざる侵入者を阻み始末する罠が盛り沢山であったが、この王墓で千年パズルを見つけた双六によって攻略法が判明していたことも相まって、一同の道中は順調そのものだった。

 

「まさか此処に遊戯のお爺さんが来たことあったなんて、知らなかったわ」

 

「でも、じいちゃんが来たのは此処までだから、此処からは慎重に――」

 

 杏子と表の遊戯のやり取りから察せられるように、現在彼らの立つ千年パズルがあった場所より先は双六も知らぬ未知の領域。

 

 どんな罠が待ち受けているか定かではない――そんな中、「ガコン」とフラグ満載な音が鳴る。

 

「なんだ今の音!?」

 

「わ、悪ぃ。なんか押しちまったっぽい」

 

 肩をびくつかせた本田へ、頭に手を置きながら申し訳なさそうな顔をする城之内を余所にゴゴゴゴゴと王墓の壁が音を立てて動き始めた。

 

「おいおい、城之内のヤツ! ひょっとして罠動かしちまったんじゃねぇか!?」

 

「嘘でしょ!? 慎重に行こうって言ったばっかりなのに…………って、隠し通路?」

 

 だが身構えた本田と杏子の視線を向けた壁が稼働し、先への道が開かれていく。

 

 そこに今までのような命を奪う類の罠の様子は見受けられない事実に表の遊戯は城之内の前で両手でガッツポーズしながら喜色の声を上げた。

 

「凄いよ、城之内くん! こんなに早くこの場所の謎を解いちゃうなんて!」

 

「あー、あはは! だろ! やっぱ此処が怪しいと思ってたんだよ! いや~俺の勘が冴え渡ってよー!」

 

 なにせ、先に続く道が分からなかった矢先の親友のファインプレーなのだ。当人も目を逸らしながら表の遊戯に胸を張りつつ隠し通路を通って先へと進んでいくが――

 

「……オメェ、ぜっってー適当に触ってただけだろ」

 

「ん、んなことねぇよ!!」

 

「なら、次はどう進むんだ、城之内先生よー」

 

「いや、そりゃぁ…………次からもっと慎重に行動します」

 

「全く、気を付けてよね」

 

 その道中に己の肩に手をついた本田の追及にガクリと肩を落とした城之内は自身の不用意な行いを反省。

 

 そして呆れた杏子の声を最後に一同は新たな一室の謎解きへと取り掛かる。

 

「えーと、この文字は……」

 

「遊戯、読めるの?」

 

「うん、全部じゃないけど――もう一人のボクの時代のことは色々調べてきたから」

 

「……遊戯」

 

 やがて床に記された細長い図形周辺に書かれた不可思議な文字を解読していく表の遊戯の隣に立った杏子は、表の遊戯の内に秘めた並々ならぬ決心が感じられる姿に言葉が続かない。

 

 未だ踏ん切りがつかない己とは違い、表の遊戯は闇遊戯との別れを受け入れ、その為に動いていたのだ。

 

 そんな中、壁から床の調査に移った城之内が表の遊戯の隣に立つも――

 

「それでなんて書いてあんだ? ……遊戯?」

 

「ボクが……千年パズルを解いた者が、手にした願いを返せば……扉が開くんだ……」

 

「おぉ! スゲェじゃねぇか! これで殆ど答えが分かったも同然だぜ! それでお前が願ったことって――」

 

「……他の方法を探そう」

 

 既に謎が解けていた事実に喜ぶ城之内。だが、一方の表の遊戯は顔を俯かせたまま言葉を濁す。

 

「なに言ってんだよ! もう一人の遊戯の為にも先は急がなくちゃならねぇだろ!」

 

「まさか……」

 

「遊戯が願ったのって……」

 

 やがて表の遊戯の肩に手を置いて詰め寄る城之内に対し、本田と杏子の顔色が察しがついたように青くなった。

 

「うん、ボクは『友達が欲しい』、そう願ったんだ」

 

 そう、表の遊戯の願いはこの場の彼らそのもの――それらを返すことがどんな意味を持つなど語るべくもない。

 

「そう……か。なら他の方法を探そうぜ――暗くなんなよ! また俺がさっきみてぇに秘密の抜け穴の一つや二つ、探し出してやるからよ!!」

 

 そうした非情な現実に対し、城之内は元気付けるように表の遊戯の背中を軽く叩き、親指をビシッと立てながら強気に笑って見せる。

 

 

 今の表の遊戯には、空元気とはいえ、そんな親友の真っ直ぐさはとても心強いものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 此処で舞台は王都前の戦いに戻り――

 

 その身を賭したゼーマンの一撃によって、あらぬ方向へと飛んでいったゾークの放ったダーク・スラッシャーが空の暗雲を割く中、空から力尽きたように墜落したゼーマンが砂漠に膝をつく。

 

 そんな中、ゾークは有象無象の奮闘を嗤う。

 

「くだらん足掻きだ! 貴様らなど、どれ程の数を以てしても所詮は我にかすり傷一つ付けるのに苦労する雑魚ども!!」

 

 そう、夥しい数の精霊たちが闇遊戯たちの味方となったとしても、実質的な戦力差は大して埋まっていない。

 

「頼みの綱の三幻神も、どれ程の魔力(ヘカ)を集めたかは知らんが、術者の負担は計り知れまい!」

 

 ゾークに対して、ダメージらしいダメージを与えられているのが、闇遊戯の操る三幻神、次点でシモンが操るエクゾディア――たったそれだけなのだ。

 

 神官たち、精霊たち、そして一般の兵たちが命懸けで出来ることは、闇遊戯の負担をほんの僅かばかり減らす程度。

 

「そんな有様で我を討とうなど片腹痛いわ!!」

 

「間に合ったようだな」

 

 

 

 

「■■ィ■■■ャ■■■■ォ■ォ■■ォ■ッ!!」

 

 

 だがカリムの肩を借りて立ち上がったゼーマンの声に、空を轟かせる重低音の響きと共にゾークの両腕を巻き込みながら胴体が大量の蜘蛛の糸の集合体によって、拘束される。

 

「何者だ、貴様!?」

 

「巨大な黒い蜘蛛?」

 

 突如として背後からゾークを拘束した身体に赤いラインの入った巨大な黒い蜘蛛の姿に警戒するように身構える闇遊戯だが――

 

「■ィ■■ィ■■ィ■■■■■ャ■ァ■ッ!!」

 

 両腕を胴体に拘束されるゾークの頭上から身体に黄色いラインの入った巨大な黒いサルが組んだ両拳をゾークの脳天に叩きつけ、

 

「■■■■■■ィ■ィ■ィ■■ィ■ッ!!」

 

 身体に青いラインの入った巨大な黒いフクロウ男こと、巨人が動きの取れないゾークのボディにフック気味にブローを叩きこみ、

 

「■ィ■ィ■ィ■■■■ッ!!」

 

 身体に緑のラインの入った巨大な黒いトカゲが、ゾークの背中に向けて振り切った脚で回し蹴りをぶちかます。

 

 

 

 そうしてアクロバティックな三者三様の攻撃を受けたゾークの身体に僅かにヒビが入る中、黒き乱入者たちに闇遊戯は「恐らく味方だ」と考えるが、そこから先の理解が追い付かない。

 

「なんだあの黒い巨大な生物は……魔物(カー)なのか……?」

 

「ファラオ――なにやら邪悪な気配を感じます……」

 

 黒き巨躯たちの襲来にマハードの魔術師としての鋭敏な感覚が警鐘を鳴らすが――

 

「ご安心なされよ。アレこそが我らが協力願った方々――地縛神!」

 

「じばくしん!?」

 

 カリムの肩を借りながら闇遊戯の元に参ったゼーマンが黒き襲来者たちの事情を話し始める。

 

「大地の穢れをその身に取り込むことで、星の邪を祓う神でございます。その身に邪悪な気配があるのはそれゆえです」

 

「神だと!?」

 

「貴方様の三幻神に比べれば、その格は大きく落ちますが頼もしき方々――どうかその身に取り込んだ邪に惑わされず、その行動より見定めて頂きたい」

 

 ゼーマンが色々と曲解させた説明の後にて、深々と頭を下げて願い出る姿に闇遊戯が返す言葉など一つしかない。

 

「構わないぜ! 今は皆が手を取り合い、ゾークを倒すことこそ優先するべきだ!」

 

 今、この状況において、闇遊戯たちにとっては心強い味方なのだ。疑う余地もなければ、断る道理もない。

 

「ダーク・スラッシャー!!」

 

 だが、そんな中、巨大な黒いサル《地縛神 Cusillu(クシル)》がゾークの放った闇の斬撃により真っ二つに両断された。

 

「フハハハ! 地縛神だかなんだか知らぬが、所詮は我が敵では……傷が!?」

 

 しかし真っ二つに両断された筈の《地縛神 Cusillu(クシル)》は左右の手で身体が分かれぬようにグッと押せば、切断面は綺麗に繋がっていく。

 

「彼の神々には我らが魔力(ヘカ)を対価に協力願った! その力が尽きぬ限り、地縛神もまた不滅よ!!」

 

 種明かしするゼーマンの声に、ゾークは「再生しきれぬ程に攻撃すれば良いだけだ」と炎焼による継続ダメージを狙うべく再生し終えた己の先の竜の顎を開く。

 

「ならば、これを喰らうがいいッ! ゾーク・インフェルノ!!」

 

「■■■■ャ■■ャ■■ァ■■ァ■ッ!!」

 

 だが、炎が放たれる前に砂の中から飛び出した身体に紫のラインが入った巨大な黒いシャチ《地縛神 Chacu(チャク) Challhua(チャルア)》がゾークの尾を噛み千切り、砂の海へと潜って行き、

 

「三幻神! 地縛神たちと協力してゾークを攻撃せよ!!」

 

 尾が噛み引き千切られたことで怯んだゾークへと三幻神たちが、

 

「皆も続けェ!! 与えられる傷は僅かであっても、着実にゾークの身体から闇は消費される!! 行くぞ、デュオス!!」

 

「幻想の魔術師! 魔導波!!」

 

 魔物(カー)たちが、精霊たちが、それぞれ全力で攻撃を仕掛けていく。

 

「なれば、有象無象共から潰してくれよう!!」

 

 そんな一斉攻撃に晒されるゾークは、目標を人間の方へと向けるが――

 

「■■ェ■■ェ■■ェ■ィ■ィ■■ィ■ッ!!」

 

「■■ォ■■ォ■■■ォ■■■■ッ!!」

 

 身体に橙のラインが入った巨大な黒いハチドリ《地縛神 Aslla(アスラ) piscu(ピスク)》と、身体に桃色のラインが入った巨大な黒いコンドル《地縛神 Wiraqocha(ウィラコチャ)Rasca(ラスカ)》がゾークの両肩を掴み、飛翔。

 

「二羽の鳥!? まだいたのか!」

 

 ゾークの身体を人間たちから大きく引き離した場所で投げ放った。

 

「チィッ!! なれば、まず貴様からだ!! ダーク・フェノメノン!!」

 

 ならばと範囲攻撃を放つゾークだが、地縛神たちが三幻神の身代わりに切り裂かれつつも、有り余る魔力(ヘカ)任せに負傷を回復させて喰らいついていく中、三幻神の攻撃が隙をついて放たれ、着実にゾークの闇を削っていく。

 

 

 まさに怪獣大戦争な装いを見せるラストバトルが繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 此処で舞台は今一度、闇遊戯の王墓へと戻る。

 

 友の犠牲失くして開かれない部屋の仕掛けに、他の突破法を懸命に探す表の遊戯たちだが、残念ながらそんな夢のような方法は都合よく見つかりはしない。

 

 そんな中、本田が神妙な面持ちで表の遊戯の両肩を掴み、視線を合わして提案する。

 

「なぁ、遊戯――その方法、一回試してみねぇか?」

 

「駄目だよ、本田くん! そんなことしちゃ――」

 

「でもよぉ、未だに他の道は見つからねぇだろ? だから一回試してみて、そっから抜け穴みたいなもん探した方が良いだろ?」

 

 思ってもみない提案に驚く表の遊戯へ、本田は冷静に現在の状況を並べていく。

 

「だけど……」

 

「遊戯、時間だって無限にある訳じゃねぇんだ。こうしてる間にも、もう一人の遊戯は戦ってる――だったら、少しでも可能性のある方に賭けるべきじゃねぇか?」

 

 本田の言う様に時間は有限だ。外で戦っている闇遊戯たちがどんな状況なのかも表の遊戯たちには分からない。

 

 更に「闇遊戯の本当の名」を知ることが出来たとしても、それを伝える方法は未だ未確定なのだ。時間的猶予は多いに越したことはない。

 

 そんな現実に表の遊戯は一瞬悩むも、仲間を危険にさらすことなど許容できないと目を逸らす。

 

「……いや、やっぱり駄目だよ。みんなをこれ以上、危険な目に――」

 

「よし、覚悟決めっか!」

 

「うん、そうね。無理そうなら、他の道を探せばいいんだし」

 

「よっしゃ、決まりだな! でも『返す』ったって、どうすりゃいんだ?」

 

 しかし城之内と杏子の決心の籠った声に、本田は決まりだと表の遊戯から離れ、部屋の中央へと歩を進めた。

 

「……この天秤の左右にボクと、得たものを乗せるんだ」

 

 やがて表の遊戯の指示に従い、床に描かれたシーソーのように細長い天秤の画のそれぞれの先端へと移動する一同。すると――

 

「おぉ!? 地面が!?」

 

「残った足場も動いて……!?」

 

 天秤以外の床が崩れ、床材が底の見えない大穴に落ちていく中、壁の一面から入口が一つ現れた。そしてその前に立つのは片側の天秤に立つ表の遊戯。

 

「あれがファラオの名前があるっていう本当の部屋か!」

 

「そうか! 手に入れたものを返す……遊戯があの部屋に行けば天秤の片方にいる俺たちは……」

 

 城之内と本田の推察は的を得ていた。

 

 表の遊戯が、先へと進む扉をくぐれば、天秤のもう片側にいる城之内・本田・杏子の3名は底の見えぬ奈落への大穴に落ちていく。

 

 そう、表の遊戯に選択が突きつけられていた。

 

 友を見捨て先に進むか、友と共にこの場に留まるか――そんな不条理な二択が。

 

「やっぱり駄目だよ! 此処からでも他の道を探そう!」

 

 だが、表の遊戯に友を見捨てる選択など出来よう筈がない。

 

「いや、行け、遊戯!」

 

 ゆえに城之内が親友として、友の背を言葉で押す。

 

「出来ないよ! そんなこと出来る訳ないよ!」

 

「良いから行け! お前が行ったら直ぐに俺らも走って向こう側に飛ぶ! これで全部、解決だ!!」

 

 だが、それは「友を、自分たちを犠牲に」との話ではなかった。

 

 完璧な秘策によって成り立つ「どちらも助かる道」――そう、第三の選択肢。

 

「流石に無茶苦茶じゃない!?」

 

「いや、今まで頭使うもんばっかりだったから、この方が手っ取り早くて助かるぜ!」

 

 しかし完璧な秘策の割りには、フィジカル任せな装いに杏子と本田が、戸惑いつつも覚悟を決めていくが、それでも表の遊戯は首を縦には触れなかった。

 

 友の命がかかっているというのに、脳筋過ぎる策が上手くいくと、とてもではないが楽観できない。

 

「駄目だよ! それで、もし、みんなが――」

 

「――俺たちを信じろ!!」

 

 だとしても、表の遊戯へ強い視線を向ける城之内の決意に満ちた表情に、根負けしたように表の遊戯はポツリと零す。

 

「…………カウントは三つで行くよ」

 

「よっしゃ、来い!! 杏子は前だ!」

 

 そうして一世一代のスプリント(短距離走)が――

 

「 1 」

 

 今、

 

「 2の 」

 

 此処に、

 

「 3 !!」

 

「 「 うぉおおおおぉおおおおおおッ!! 」 」

 

 始まる。

 

 表の遊戯が先へ道に踏み込んだ途端に崩壊を始める最後の足場の上を懸命に走る3人。

 

 さして長い道のりではないにもかかわらず、彼らにはその一歩一歩がやけにゆっくりに感じる中――

 

「やったぁ! 早くアンタたちも――」

 

「 「 あっ 」 」

 

 なんとか表の遊戯の元まで駆け抜けた杏子の背後に響く2人の間の抜けた声。そして足場が完全になくなり、最後の一歩の余韻で宙に一時浮く城之内と本田。

 

「えっ」

 

 先程までのやり遂げた感溢れる杏子の顔もピシリと固まる。

 

 やがてゆっくりと穴の底に落ち始める城之内と本田が必死の形相で身体を動かしながら宙をジタバタしていたが、やがて力尽きたように落ちて――

 

「――二人とも手を!!」

 

「 「 うぉぉおわぁああわあぁあッ!? 」 」

 

 いく前に、二人に向けて飛び込んだ表の遊戯の左右の手が彼らの手を掴む。そして杏子は慌てて表の遊戯の胴体を掴んだ。

 

 

 やがてビタンと壁に張り付いた二人は表の遊戯と杏子の手を借りて何とかよじ登り、一人も欠けることなく苦難を乗り切った中、城之内と本田は緊張の糸が途切れたのかへたり込む。

 

「セーフ、危なかったぜ……」

 

「やべぇ、まだ足が震えてやがる」

 

「全く、脅かさないでよ」

 

「フフッ」

 

「おい、笑うなよ、遊戯! プッ!」

 

 暫し先程の恐怖を忘れるように一同の間に笑い声が響いた。

 

 

 そうしてひとしきり笑い終えた一同が進んだ先に出迎えるように佇むのは、床も壁も天井すらも黄金に包まれた神々しい一室。

 

 部屋の先には古代の言葉で王の名が示されていた。

 

「これがもう一人の遊戯の名か……よし! しかとこの目に刻んだぜ!」

 

 やがて王の名の文字の文様を覚えた中、見つけた帰りの通路を後方でかける本田はふと零す。

 

「つーかよ、もう一人の遊戯の名はしっかりこの目に刻んだけどよ……あれって何て読むんだ?」

 

「えーと、あれは――」

 

「待て、遊戯。そっから先は喋んな」

 

 だが、表の遊戯が解読した名を呟く前に、先頭を行く城之内が待ったをかけつつ足を止め、後ろの3人を守るように腕を突き出す。

 

「どうしたの、城之内? 私たちも知ってた方が――」

 

「お待ちしておりました、皆様方」

 

 王墓を出た先には、炎の悪魔が尾を揺らし待ち構えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 ゾークは《地縛神 Cusillu(クシル)》の猿顔をカウンター気味に殴り飛ばしながら、ふと考える。

 

 一体どれほどの時間が経っただろう、と。

 

「ゾーク・カタストロフィー!!」

 

 両腕から放たれた闇の衝撃が大地を砕き、その衝撃でかなりの数の精霊たちが砂に還っていく光景は一体何度目だろうか、と。

 

 

 長期戦の様相を見せてきた最後の一戦の只中、ゾークは精霊たちをどれ程に屠っただろうか。千か? 万か? 億か? 数えることすら億劫な程に打ち倒した筈だ。だが――

 

「■■■ィ■■ァ■ッ!!」

 

「括りつけた糸に油を放ち、火をかけよ!!」

 

 《地縛神 Uru(ウル)》の蜘蛛の口から放たれた糸がゾークの右腕に絡みつき、空を埋め尽くす程に飛ぶモンスターから油が大量に降りかかり、火を吐く大量のモンスターの攻撃が放たれ引火――火柱が迸る。

 

 そんな火柱を腕の一払いで容易く掻き消すゾークだが、その脳裏に容易く拭えぬ焦燥が浮かんだ。

 

 

 一向に数が減らない。

 

 

 どれだけ屠ったかも分からぬ精霊たち未だ夥しい数を誇り、何度その身体を砕いたか覚えがない程に傷を負わせた地縛神たちも未だ動きが鈍る様子もない。

 

「何故だ……何故だ。何故だ! 何故だ!!」

 

 おかしい。何かが、おかしい。

 

「何故滅しきれない!!」

 

 困惑が混じった怒声を上げるゾークを無視して戦況は動き続ける。

 

 《地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)》の巨人の左拳と、オベリスクの巨神兵の右拳がシンクロしたように同時にゾークに叩きこまれる中、ゾークの脳裏を占めるのは戦況ではなく、現状への言い得ぬ不可解さだった。

 

 

 気合や根性などの精神論ではどうにもならない程の現象が今、目の前で起きている。

 

 幾ら魔力(ヘカ)を「集めた」とはいえ限度がある。地縛神の再生に使用されるであろう魔力(ヘカ)が尽きる様子が一切見えない。

 

 精霊たちの数が一向に減らない点は、デュエルディスクによって召喚された可能性も脳裏を過ったが、究極の闇のゲーム内では破壊されたモンスターの攻撃力分だけ使用者のライフが失われる。

 

 つまり4000のライフなど即座に消し飛び、召喚主の死亡から召喚が追い付かなくなっていなければおかしい。

 

 

 

 だが、声が響いた。

 

 

 

『《黒蛇病》というカードを知ってるかい?』

 

 

 

 

「――ッ!?」

 

「《地縛神 Aslla(アスラ) piscu(ピスク)》の攻撃に合わせよ!!」

 

 己にしか聞こえていないであろう声に、僅かに意識を取られるゾークだが、内に渦巻く不可解さから、知るべきでなかった情報がひも解かれて行くように氷解していく。

 

――誰の声だ……いや、待て《黒蛇病》だと!? まさか!

 

 

 バクラとして生きた記憶が《黒蛇病》とのカードの情報を導き出す。

 

 永続魔法《黒蛇病》

 

 発動されてからスタンバイフェイズが訪れる度に200のダメージを与えるカード。とはいえ、別に神に関するカードでもなければ、伝説の存在が関わっている訳でもない。

 

 ごくごく普通のカードだ。

 

 特筆すべき点として、発動プレイヤーのスタンバイフェイズ毎に与えるダメージを倍化していく為、十数ターン維持できればダメージはトンでもない数値になるくらいか。

 

 

 

 

 

 話は変わるが、究極の闇のゲームを始め、ゲーム内時間で――

 

 

 

 

 

 

 

 

 何日経った?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎LP:

5%90$03q&1#85q29(とっても沢山)~~~~98%8454#57&%@6886

950%&$59qp82q8q‘(タップリいっぱい)~~~~%$789357y7%6&“#73

 

黒蛇病カウンター:

9y847y023(なんか大量にある)~~~~3q90う89w2@7

9y847y023(なんか山ほどある)~~~~3q90う89w2@8

 

 

 効果ダメージをライフ回復に変換する《マテリアルドラゴン》の隣の神崎のライフは、この究極の闇のゲームの最中で増大し続けている。

 

 そして現実と異なる時間軸を行く究極の闇のゲームの舞台で、それぞれの陣営のぶつかり合いは数度だが、そこに至る移動の時間を鑑みれば、どれだけ少なく見積もっても1週間以上は経過しているであろう。

 

 計算の簡略化の為に、仮に1分を1ターンと考えた場合――その数値はとうに「数値」の範囲を大きく逸脱していた。

 

 

 つまり神崎には時間経過に伴い(毎ターン)、天文学的なライフが供給され続けている。

 

 

 

 まさにゾークの闇より得られる無限の力の如く――果たしてそうだろうか。

 

 

 

 

 

 

 やがてゼーマンがカースド・ニードルをゾークの肩に突き刺しながら語り始める。

 

「汝は無限と評したな? だが、先程から何故苦悶の声を上げる?」

 

 痛覚とは喪失を伝える為のシグナルだ。

 

 つまりゾークには痛覚が存在する。

 

「痛覚など、汝が真の意味で無限であるのなら必要ない機能の筈だ」

 

 だが、無限の闇を持つ者が、喪失を知らせるシグナルが必要なのだろうか?

 

 不要の筈だ。何故なら「減らない」のだから。知らせる意味がない。

 

 無限とは増減しない概念の筈だ。だというのに何故、ゾークには喪失を、減少を伝える痛みに苦悶の声を上げる?

 

 簡単だ。

 

「つまり汝の無限には限りがある――違うかな?」

 

 

 減少の限界が、無限の限りがあるのだ――そんな仮説が成り立つのではなかろうか?

 

 

 やがて己の身体を這いまわる数多の精霊たちが、極僅かずつならも確実にゾークの力を削っていく中、ゾークの動きはある感情ゆえにピタリと止まった。

 

 

 

 

『キミの無限と、私の有限』

 

 

 

 誰かも分からぬ声がゾークにだけ響く。

 

 

 

『どちらが先に尽きるかな?』

 

 

 

「汝の無限は後いくつだ?」

 

 

 

 

「黙れぇえええぇえええぇえええ!!」

 

 重なるように告げられたゼーマンの声に、ゾークは己が内に生じた感情を否定するように闇の波動を全方位に向けて――

 

「――ダーク・フェノメノン!!!!」

 

 放つ。

 

 三幻神すら屠るその攻撃の奔流は、夥しい数の精霊たちによって減衰され、地縛神がその身を犠牲にしながら削り切り、削りに削って減衰されきった状態で三幻神の攻撃によって相殺。

 

 

 そして倍々ゲームで増加していく神崎のライフを《友情 YU-JYO》によって受けとったオレイカルコスソルジャーたちによって召喚された夥しい数のモンスターが消し飛ばされた精霊――否、召喚されたモンスターたち――が、その穴を埋めるように補充されて行く。

 

 

 これはゾークの最大火力によって減るモンスターの数よりも、相手がモンスターを補充する方が勝っていることを意味していた。

 

 

 先程、振り切った筈の感情が、絶望が、ゾークの胸中に再び過る。

 

 

 

 今のゾークがどう足掻いたところで、神崎のライフを削り切る手段がない事実が、夥しい数のモンスターと、再生し続ける地縛神たちとして眼前に広がっていた。

 

――負ける? 我が? 無限の闇を持つ我が負ける?

 

「怯むなァ!! ヤツの動きに焦りが見える!! 限界は近いぞ!!」

 

 動きが鈍ったゾークへ、セトの号令により魔物(カー)たちが猛攻を仕掛けるが、未だゾークの限界は遥か先のそのまた先よりも遠い。

 

 未だ無限の闇は尽きる様子など欠片も見えない。

 

 だが、ゾークはそんなことを論じている場合ではなかった。

 

 文字通り、際限なく供給し続けている魔力(ヘカ)の源である神崎を直接叩こうとも この広大な究極の闇のゲームの舞台から探すのは不可能に近い。

 

 

 そしてこのままでは、相手の魔力(ヘカ)が、ライフが、数値上の無限を超え続け、ゾークの力と並び立つ可能性すらある。

 

 そうなれば、万が一すらあり得た。

 

――まだ終わりではない!!

 

「まだだ! まだ! 名もなきファラオさえ殺せば!」

 

 だが、ゾークにも突破口が残されていた。究極の闇のゲームを終わらせてしまえばいい。

 

 勝利条件さえ満たしてしまえば幾らライフがあろうとも関係ない。

 

 

 ゆえに己の再生能力任せに全ての攻撃を無視してでも闇遊戯を殺すべく一気に駆け出すゾークだが――

 

「■■■■■■■■■■■■■■ッ!!」

 

 その歩みを砂から顔を出した《地縛神 Chacu(チャク) Challhua(チャルア)》が尾に噛みつき、引っ張って妨害し、

 

「■■ォ■■■■■■■オォ■■■ッ!!」

 

「■■■■ャ■■■■■ァ■■■■ッ!!」

 

 《地縛神 Cusillu(クシル)》と《地縛神 Ccarayhua(コカライア)》がスクラムを組んでタックルし、ゾークの歩みを止め、

 

「■■■■■ゥ■■■■■■■■ッ!!」

 

「■ィ■■■■■■■■ィ■■■■■ッ!!」

 

「■■ェ■■ェ■■■ィ■■」

 

 《地縛神 Uru(ウル)》によって身体中に巻きつけらえた糸を空を舞う《地縛神 Aslla(アスラ) piscu(ピスク)》と《地縛神 Wiraqocha(ウィラコチャ)Rasca(ラスカ)》がけん引し、ゾークの身体が宙を舞う。

 

「■■ィ■ァ■■ァ■■■ァ■ッ!!」

 

 そして大きく跳躍した《地縛神 Ccapac(コカパク) Apu(アプ)》から繰り出された拳の一撃がゾークの巨体を砂漠に叩きつけた。

 

「邪魔をするなァアァアァァアアアアアアアッ!!」

 

 再び、全方位斬撃技たるダーク・フェノメノンを放ち、纏わりつく地縛神を切り裂くゾークだが、切り裂いた先から再生していく地縛神たちの猛攻は止まらず、随所随所に遠距離から放たれる三幻神の攻撃が着実にゾークにダメージを与えていく。

 

 

 

 そう、ゾークは闇遊戯を殺せば、あらゆる条件を無視して、この究極の闇のゲームを勝利できる。

 

 

 

 しかし、それは当然相手も理解していることだ。

 

 ゆえの天文学的なライフの供給。

 

 ゆえの地縛神たち。

 

 ゆえの夥しい数のモンスターたちの召喚。

 

 ゆえの三幻神との共闘。

 

 

 

 そう、この状況を完全に整えてから、ゾークは復活()()()()()()()

 

 

 万が一の可能性すら与えぬ為に。

 

 

 

 だとしても、ゾークはそれを諦める訳にはいかない。己の能力をフル動員して闇遊戯を殺す計略を立てるべく、全意識を総動員して集中する。

 

 

 

 ゆえに見逃した。

 

 

 

 炎を纏う赤き馬が引く馬車が、ゾークに見つからぬように大きく迂回して王宮側から闇遊戯の元に停車。

 

 

 炎の悪魔の誘導に従い出会った表と裏の二人は確かめ合う様に名を叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

「もう一人のボク!!」

 

「相棒!!」

 

 

 文字通り、身を共にした無二の親友の声に、闇遊戯は表の遊戯の手を握る。

 

 

「キミの名は――」

 

「我が名は――」

 

 

 

 そして告げられた己が名を胸に、千年パズルが今までにない程の輝きを放つ中――

 

 

「 「 ア テ ム !!」 」

 

 

 王の名の元に三幻神が光となって一つに重なって行き、闇色の空を裂き、天をも照らす女神たる光の創造神が顕現し――

 

 

「 ジ ェ セ ル 」

 

「 ふ ざ け る な ァ ア ア ア ア ァ ア ア ア ア ァ ア ァ ァ ア ア ァ !!」

 

 暖かなる聖なる光が全てを終わらせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神崎LP:

53p20q9p0&54$3#5(す げ ぇ た く さ ん)~~~~39%6#&29q79%69g&3

 

 

0.

 

 

 

 

 






黒蛇病「究極の闇のゲーム中、ずっと神崎の身体を蝕んで効果ダメージを与えていました」

マテリアルドラゴン「究極の闇のゲーム中、ずっと神崎の傍で、効果ダメージをライフ回復に変換していました」

友情 YU-JYO「天文学的な数値のライフの半分を、モンスターを召喚するオレイカルコスソルジャーたちに供給し続けていました」

ゾーク「なにこのクソゲー」


最後に――
本田くんを疑ったものは手を上げなさい(。・ω・)ノ'`


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