マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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前回のあらすじ
ディーヴァ「海馬ァァァ!!」







第210話 大舞台

 

 

「どうにも気が乗らねぇなぁ……」

 

 KCのエントランスにて、天頂だけ跳ねた赤い短髪に、ダルマのような体型の小柄な男が童実野高校の青い学ランに袖を通し、スマホ片手にぼやいていた。

 

 彼の名は「百済木(くだらぎ)」――童実野高校に通う生徒の一人であり、かつては気の弱そうな相手を集団でいたぶる様子を撮影してネットに配信しようとしていたクソ野郎である。

 

 

 だが、速攻で牛尾に見つかり更生処理がなされ、色々あってキレイキレイされた為、今は(一応)無害な童実野町の一市民だ。

 

 

 そうして気を落とす百済木の姿に周囲の4人の男――百済木軍団と呼ばれる4人の同志の中の、浅黒い肌に黒のトゲトゲヘアーの小柄の軍団員が、励ましの声を送る。

 

「ペンギンのオジキと話つけてきたじゃないっすか!」

 

「だがよぅ、世界を変革する(人気者)が見つからねぇ――こればっかりは妥協できねぇからよぉ」

 

「牛尾の兄貴に相談してみますか?」

 

「駄目だ。兄貴にゃ感謝してるが、あの人にスター(人気者)ってもんを見抜く目はねぇ」

 

 さらに続いた金髪のロン毛の軍団員の言葉にも百済木は首を振る。牛尾を頼ろうにもこの手の話題は専門外であることは明白。

 

 そう、今の百済木――いや、百済木軍団は自分たちが掲げた夢である革命(レヴォリューション)の為に、手を尽くしていた。

 

 ペンギンの人ことBIG5の大瀧の協力をとりつけ、「オジキ」と慕い、目標に向けて駆け出そうとしていた矢先に、つまづいたのである。

 

「こればっかりはオレの目で探さなきゃならねぇが……」

 

 それがスター(人気者)の不在。百済木の眼鏡に適う被写体が見つからない。

 

 あらゆる伝手を使い、更にはKCの協力も得たというのに未だ見つからず、スタートラインにすら立てぬ現状に百済木は大きく溜息を吐いた。

 

「運命はオレを選ばなかったのかもしれねぇなぁ」

 

 そうして遠くを見つめる百済木の姿に軍団員は慰めの言葉すら出せなかった。

 

 クズだった自分たちが、償いの為に何が出来るのか――それを見据え、各々の得意分野を活用した形で出した目標であったが、「償う」など虫の良い話だったとばかりに光明は見えない。

 

 

 そんな中、百済木の手から零れ落ちたスマホがガチャンという音と共に地面を転がる。それは、まるで彼らの夢がその手から零れ落ちたようだった。そうしてワナワナと震える百済木の無念は一体、如何なるものか。

 

「…………た」

 

「百済木さん……」

 

「スマホは無事っす」

 

 その百済木の無念を感じ取ってか、青の短髪のガタイの良い軍団員が百済木の肩に手を置き、日焼けした肌にグラサンをかけた軍団員が百済木のスマホを拾い、状態の確認後に差し出した。

 

 だが、差し出されたスマホを受け取る様子もない百済木は熱に浮かされたような有様で呟く。

 

 

 

「…………見つけた」

 

 

 

 今、彼のプロジェクトが動き出そうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プラナたちを連れてKCに舞い戻った神崎は、彼らをエスコートしながら今後の予定を語る。

 

「モクバ様はもうじきアカデミアから戻られるとのことなので、暫くはオカルト課にてお待ち頂くことになります」

 

 とはいえ、直に神崎の手から離れる為、話を通しておいたモクバ預かりとなるゆえに、この奇妙な関係性も此処までだ。

 

 シャーディーの忘れ形見とも言える彼らに何かしてやりたいと神崎が思おうが、相手から妖怪扱いされている以上、信頼できるモクバに託した後は距離を取るのが適切であろう。

 

 だが、そんな気配を感じたゆえか、ディーヴァがポツリと言葉を零す、

 

「…………おい」

 

「なんでしょう?」

 

「キミには一応、礼を言――」

 

 

「ア、アンタ! 名前は!!」

 

 

 しかし、そのディーヴァの声は何処からともなくクネクネした感じで下からキュインっと現れた百済木によって遮られた。

 

「きゅ、急になんなんですか!?」

 

「なんて名前だ!?」

 

「あ、藍神 ディーヴァ……です」

 

 そうして突如として襲来した百済木に引き気味なディーヴァだが、相手の勢いに負けた様子で皆で考えた苗字を交えて思わず名乗ってしまう。その途端に――

 

「『愛』の『神』! Diva(歌姫)!! イイ!!」

 

 百済木は跳ねたように身体を起こしながら、感極まった様子で自身の腕で己が身体を抱きしめるように内より溢れる感動を表現した。

 

 

 そんな百済木という訳の分からない生物の襲来に、マニは動揺しつつも神崎へと向き直る。恐らくKC関係者ではないかと。

 

「か、彼は一体……」

 

「確か……大瀧さんの元に出入りしている方ですね。エンタメ系の話を持って来た面白い人材との話を聞いたことがあります」

 

 だが、KCと直接的な関係はそこまでない。BIG5の《ペンギン・ナイトメア》の人こと大瀧が個人的に目をかけている程度だ。

 

「エンタメ……というと、テレビ番組ですか?」

 

「凡その方向性はそんな具合です。ただ、彼らは――」

 

「おっと、そこから先はオレの口から言わせて貰うぜ――お前らァ!!」

 

 やがてセラの詳細を問う声に、答えようとする神崎を遮り、百済木が4人の軍団員に向けて指をパチンと鳴らした。すると――

 

「マイクっす!!」

 

「照明いけてます!」

 

「台座OKです!」

 

「どうぞ、百済木さん!!」

 

 お立ち台代わりの箱に、それを後ろから照らすライトに加え、準備されたマイクを手に取った百済木は、軍団員がうちわで扇ぐ風によって前の開いた学ランを揺らしつつ演説さながらの様子で声を張る。

 

 

「アイドルとは何か!!」

 

 

 一際響いた声に己に注目が集まったことを理解した百済木は、まずは己が覚悟を語る。

 

 

「様々な言い分があるだろうが、オレは、その全てに反逆する!! そう、オレにとってアイドルとは――」

 

 

 そして一拍大きな溜めを入れ――

 

 

「『 (くぁみぃ) 』だ!!」

 

 

 力強く拳を握って宣言した。

 

 

「崇拝すべき神! そう、信仰すべき対象!!」

 

 

 そう、人を(スター)へと昇華させる――それこそが、百済木が目指す頂き。

 

 

「会いに行けるアイドルだぁ? 人間如きが神と直に謁見できると思うなよぉ!!」

 

 

 昨今、アイドルとファンとの距離が近づき過ぎていると、百済木は警鐘を鳴らす。

 

 

「オレが! いや、人類が目指すべき新たなアイドル次元は――」

 

 

 ゆえに今こそ新たな道を示す時なのだ。

 

 

「 会 い に 行 け な い ア イ ド ル !!」

 

 

 それは適切な距離――と言うにはあまりに離れた道。

 

 まさに偶像崇拝の境地。

 

 だが、同時に茨の道でもあった。なにせ距離が離れすぎると言うことは、心の距離も離れかねない。

 

 人心を握れねば意味はなかろう。

 

「そんなオレの自論は何処へ行っても一笑に付された――だが、ペンギンのオジキだけは違った!」

 

 しかし、そんな百済木にも理解者が現れ、茨の道に活路が見えた。

 

「どれだけ手を伸ばそうとも決して手は届かず! だというのに手を伸ばすことを止めることが出来ない!! その二律背反の狭間に悦楽を生み、その只中に包み込まれることを至福とし、享受する!」

 

 そうして熱く語られる理想論にすらなりえない百済木の自論は――

 

「オレはそれを可能とするスター(人気者)を探していた!!」

 

 今、この時を以て――

 

「それがお前だ、藍神ィ」

 

 羽ばたかんとしていた。

 

 ディーヴァを指さす百済木の指にも力がこもる。

 

「お前がいれば、オレたちの野望は始動する!! ゆえにこの計画にお前の名を添え贈ろう。まさに――」

 

 

 やがて指さした手を引っ込めた百済木は天で腕を交差した後、その両腕を神を迎え入れるように左右に広げ、宣言する。

 

 

 これこそがディーヴァに最初に贈る言葉。

 

 

 そして百済木の夢の始まりの一歩。

 

 

 

「――プ〇ジェクトディーヴァ(藍神)!!」

 

 

 いけない。それ以上はいけない。

 

 

「藍神ィ! お前を世界の人気者にしてやるよぉ!!」

 

 

 そうして高らかに宣言しながらディーヴァへと手を伸ばす仕草をした百済木。

 

「た、助けて! セラ!!」

 

 だが、その手は取られることはなく、トータルで恐怖が勝ったディーヴァはセラの背中に隠れた。そんな情けない兄の手をポンポンと軽く叩き、落ち着くように促すセラは、神崎へと現状把握を求める。

 

「どうどう――つまり、彼らは何が言いたいのですか?」

 

「彼らは『ディーヴァくんをアイドルとしてスカウトしたい』と言っています」

 

「アイド……ル? というと、テレビでよく見るアレか?」

 

「はい、テレビでよく見るアレです」

 

「神崎さん、彼らの話……」

 

 世情に疎いプラナたちを代表するようなマニに相槌を打つ神崎へ、セラが思案顔を見せ――

 

 

「…………お金になりますか?」

 

「――セラ!?」

 

 とんでもないことを言い始めた。事の中心であろうディーヴァもセラの背に隠れることを止めて一歩後退る。

 

 だが、その手は他ならぬセラに優しくかつ力強く掴まれた。

 

「聞いて、兄さん。わたしたちは無一文よ。社会経験も少ないし、現代社会に一切適合できていないわ」

 

「セラ!?」

 

 セラの言う様に、プラナたちの現状は芳しくない。世情に疎く、一般教養や学力も最低限を下回り、何より生活する為の土台が皆無だ。今までそれらを気にせずに済んだ「プラナの力」も今はない。

 

「その辺りは学業の最中で詰めていけば、よろしいのではな――」

 

「シン様はわたしたちに己の力で立つことを望んでおられる筈です」

 

 神崎の「その為のサポートでは?」という言葉をセラは小さく否定する。なにからなにまで受け取りっぱなしでは、シン様ことシャーディーに顔向けできないと。

 

「相手の厚意にいつまでも甘える訳にはいかない以上、動くのならば庇護下のある内に――早いに越したことはありません」

 

 そう、セラは最短での自立を目指していた。それもただの自立ではない。

 

「わたしは、みんなと離れ離れになるような最後は避けたいの」

 

「セラ……」

 

 

 苦楽を共にした「みんな」と共にいる為――そんなセラの想いを知り、ディーヴァも戸惑いから立ち直り、兄として力になることを静かに覚悟することを誓う。

 

 

「だから、わたしたちでアイドル事務所を立ち上げるの」

 

「セラ!?」

 

 しかし、その覚悟は速攻で揺らいだ。

 

「KCの幹部が一目置く人間のお墨付きが出たわ――兄さんにはアイドルの才能がある。これは活かすべきよ。社長はマニに勤めて貰います」

 

「成程。気心が知れた我々ならば、サポート役には適しているだろう」

 

「KCの後ろ盾を得つつ、わたしたちが一丸となり、実績を積み重ねれば、今の宙に浮いたわたしたちの立場も地に着くわ」

 

 ディーヴァを置き去りにしながらセラとマニでどんどん進んでいく話に、神崎はふと思う。

 

――計画の成否はともかく、凄いしっかりした子だな……

 

 社会復帰など色々な面で絶望的な状況に立たされているにも拘わらず、このハングリー精神――流石はシャーディーが見込んだ子供たちだと。とはいえ――

 

「お話中、申し訳ありませんが、まずはディーヴァくんの意思確認が先ではないですか? 無理強いはよくありませんよ」

 

「――神崎!!」

 

――此処にきて初めて名前呼ばれたよ……

 

 無理強いは良くないと諭した途端、ディーヴァは神崎へ縋るようにその名を初めて叫ぶ。心細さを感じていたディーヴァからすれば渡りに船だったのだろう。

 

 

「確かにそうだ! 神に至る試練は生半可なものじゃない――ゆえに、お試しと行こうじゃねぇか!!」

 

 しかし、此処で百済木が再度割り込んだ。彼とてディーヴァのスター性は簡単には諦められるものではない。ゆえに百済木は再びパチンと指を鳴らす。

 

「――お前らァ!!」

 

「ペンギンのオジキに話は通してきました!」

 

「ステージ代わりの場所の確保もOKです!」

 

「撮影機材準備、完了したっす!」

 

「いつでも行けますよ、百済木さん!!」

 

「――ヨシ!」

 

 さすれば4人の軍団員によって手早く準備が整えられ、その光景に満足気な表情を浮かべた百済木は、ディーヴァへ向けてデュエルディスクを差し出しながら宣言する。

 

「オレとデュエルと洒落込もうじゃねぇか――スクリーンに映った己の姿を観てからでも遅くはない。そうだろぅ?」

 

 かくして百済木の夢である「プ〇ジェクトディーヴァ(藍神)」の第一幕として、スター(人気者)の初舞台が幕を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 デュエルは全てを解決してくれる、とばかりに一同は、舞台代わりに「デッキの試運転や各種デュエル実験を行う場」であるKCのデュエル場に移す。

 

 その中の機材が立ち並ぶエリアを観客席代わりにしたセラたちが見守る中、市販品のデュエルディスクを装着したディーヴァがデッキをセットした瞬間に――

 

 

「 「 デュエル!! 」 」

 

 互いが勝負の開始を宣言し、先攻を得た百済木はこの舞台を盛り上げるべく、大仰にデッキに手をかけた。

 

「ショータイムの始まりだ! オレのターン! ドロー! メインフェイズ開始時に魔法カード《強欲で金満な壺》を発動! エクストラデッキを6枚を除外し、2枚ドロー!」

 

 そしてゴング代わりに壺が破裂する中、引いた2枚の手札の1枚に手をかければ――

 

「まずはコイツで行くぜぇ! 魔法カード《予想GUY》を発動! デッキからレベル4以下の通常モンスター1体――《鎧蜥蜴(アーマー・リザード)》を特殊召喚!!」

 

 青銅の如き甲殻を持つ二足歩行の大きなトカゲが現れ、デュエリストキングダム以来の大舞台に対し、主は変われど気合を入れるように左右の金属の如き固い爪をガチンとぶつけ合わせ威嚇する。

 

鎧蜥蜴(アーマー・リザード)》 攻撃表示

星4 地属性 爬虫類族

攻1500 守1200

 

「《古代のトカゲ戦士》を通常召喚! 更に永続魔法《暗黒の扉》を発動し、カードを1枚セットしてターンエンドだァ!」

 

 さらにその《鎧蜥蜴(アーマー・リザード)》の隣に音もなく降り立ったのは、緑の鱗に覆われた二足歩行の大きなトカゲ、《古代のトカゲ戦士》。

 

 その長く伸びた両手の爪をディーヴァへと向ける姿は、闘志に満ちていた。

 

《古代のトカゲ戦士》 攻撃表示

星4 地属性 爬虫類族

攻1400 守1100

 

 

 かくして2体の下級モンスターを並べ、ターンを終えた百済木。

 

 そのどちらも何の効果も持たない通常モンスターであることも相まって、ディーヴァには未だ相手の狙いが掴めていなかった。

 

 

百済木LP:4000 手札3

鎧蜥蜴(アーマー・リザード)》 《古代のトカゲ戦士》

《暗黒の扉》 伏せ×1

VS

ディーヴァLP:4000 手札5

 

 

「僕のターン、ドロー! 《風竜星-ホロウ》を召喚!!」

 

 だが、どんな小細工も踏み越えて見せるとばかりに呼び出されたのは、蛇のように細長い体躯に翼と手足に細い髭の生えたドラゴンこと東洋龍――いや、幻竜が一陣の風と共に空へと舞い上がる。

 

《風竜星-ホロウ》 攻撃表示

星1 風属性 幻竜族

攻 0 守1800

 

「そして手札・フィールドの風属性を含む2体のモンスターを破壊し、手札のこのカードを特殊召喚!! フィールドの風属性《風竜星-ホロウ》と手札のモンスターを破壊・結合し、降臨せよ!!」

 

 やがて疾風と共に《風竜星-ホロウ》が竜巻を起こしながら天へと昇れば、純白の羽根が空より振りまかれ――

 

「――幻惑の風の(おう)! 《真竜凰マリアムネ》!! そしてマリアムネが風属性2体を破壊して呼び出された時! 相手のデッキを上から4枚除外する!! 戒めの旋風!!」

 

 4対の翼を広げながら空より参る赤い2本の角の間に黄金のたてがみを揺らす純白の幻竜の周囲を渦巻く風が百済木のデッキを穿ち、4枚のカードこと爬虫類族たちが風に運ばれ消えていく。

 

 やがて、その幻想的な純白の幻竜は、グリフォンを思わせる四足の鳥の足で大地に降り立たった。

 

《真竜凰マリアムネ》 攻撃表示

星9 風属性 幻竜族

攻2700 守2100

 

 

「ふつくしい……使うカードすら輝いてやがる――逸材だ!!」

 

「いちいち大袈裟なやつだ……」

 

 その神秘的な《真竜凰マリアムネ》と並ぶディーヴァを指で作った額縁越しに見やる百済木を呆れ顔を見せつつも、ディーヴァは新たな自身のデッキの本領は此処からだと指を鳴らす。

 

「破壊された方の《真竜凰マリアムネ》の効果で風属性以外の幻竜族カードを――《真竜皇アグニマズドV(ヴァニッシャー)》を手札に! 更にフィールドで破壊された《風竜星-ホロウ》はデッキより『竜星』の仲間を呼ぶ! 来い、《地竜星-ヘイカン》!!」

 

 すると天よりディーヴァの手元へと舞う突風が収まると共に、大地を砕いて飛翔するのは、獅子の如き黄金色のたてがみを持つ土色の体躯に赤い瞳を持つ東洋龍。

 

 その細長い身体を払うように薙ぎ土を払う様は勇猛さに溢れていた。

 

《地竜星-ヘイカン》 攻撃表示

星3 地属性 幻竜族

攻1600 守 0

 

「バトル! 早々に終わらせて貰うよ! マリアムネで《鎧蜥蜴(アーマー・リザード)》を攻撃!! 鳳旋乱舞(ほうせんらんぶ)!!」

 

「ぬぅぉ!?」

 

 《鎧蜥蜴(アーマー・リザード)》のかたい身体も《真竜凰マリアムネ》の4対の翼を振るって放たれた風の刃の前には豆腐も同然に切り裂かれ、その風の余波は百済木を容赦なく打ち付ける。

 

百済木LP:4000 → 2800

 

「ヘイカンで《古代のトカゲ戦士》を――」

 

「待ちな! 永続魔法《暗黒の扉》により、互いは1体のモンスターでしか攻撃できない!!」

 

 そうして一気に攻勢に出たディーヴァだが、百済木の声に《地竜星-ヘイカン》が動きを止めたことを皮切りに、意気揚々と宣言する百済木の背後から――

 

「更にダメージを受けたことで、発動済みの永続罠《ダメージ=レプトル》を発動! 受けたバトルダメージ以下の爬虫類族を特殊召喚する! 俺が呼ぶのはコイツだァ! 《生き血をすするもの》!!」

 

 黄疸のような黄色がかった表皮の二本の腕が生えた吸血ヘビが現れ、何処か血走った目でディーヴァを見やりながら、長い舌を覗かせる。

 

《生き血をすするもの》 守備表示

星3 地属性 爬虫類族

攻 900 守 800

 

「後続を残したか――ボクはカードを1枚セットし、ターンエンド!」

 

 予定に反して攻め切れなかったディーヴァだが、そこに動揺はない。

 

 なにせ相手の百済木から繰り出すのは揃いも揃って攻守が高い訳でもない通常モンスターばかりであり、脅威足り得るものは何もない事実がディーヴァの有利を物語っていた。

 

 

 

百済木LP:2800 手札3

《古代のトカゲ戦士》 《生き血をすするもの》

《暗黒の扉》 《ダメージ=レプトル》

VS

ディーヴァLP:4000 手札3

《真竜凰マリアムネ》 《地竜星-ヘイカン》

伏せ×1

 

 

 

 そうして互いの1ターン目が終わったデュエルを観戦していた神崎は、ふと零す。

 

「おや? 『方界』デッキはどうなされたんですか?」

 

 それはディーヴァのデッキの変化。前回のデュエルで使用していた「方界」たちが影も形もないのだ。気になる部分である。

 

「あれら『方界』カードたちは量子キューブの消失と共に『暗黒方界』カードも含め、光と共に消えていきました」

 

「あのカードたちも、シン様の元へ還られたのだろう」

 

 だが、そんな疑問はセラとマニによってアッサリと明かされる。

 

 しかし、その内容は超常的過ぎて反応に困る代物であろう。不思議カードの出現・消失は人間如きが測れる代物ではないのだ。

 

――そ、そんなにアッサリ消えてしまうものなのか……

 

 それに加え、神崎の内心が示すように共犯者の形見と言うべき入手経路がアレなカードを持つ身としては、中々に他人事とは思えぬ話であろう。

 

 

 

 

「オレのタァーン! ドロー! 再び魔法カード《強欲で金満な壺》を発動! エクストラを除外し2枚ドローだァ!」

 

 だが、そんな神崎の懸念を余所に、百済木の気合の入った声が壺が砕ける音と共に木霊する。

 

「魔法カード《苦渋の決断》デッキからレベル4以下の通常モンスターを墓地に送り、同名カードをデッキからサーチ!! 選ぶのは《ワーム・ドレイク》!」

 

 そうして意識を向ければ、百済木のデッキより口内に目玉を覗かせる緑の蛇が、黄金のリングで覆った身体の節々をくねらせながら手札に飛び跳ね――

 

「此処で魔法カード《スネーク・レイン》! 手札を1枚捨て、デッキから4枚の爬虫類族カードを墓地に送る! オレは《ヨルムンガルド》と《くちばしヘビ》を2体ずつ墓地へ!」

 

 更に百済木のデッキより、非常に長い体躯の目のない海蛇と、鳥の頭を持つ蛇が、雨霰な様子で多くの爬虫類族こと蛇たちが百済木の墓地へと送られて行く。

 

「魔法カード《儀式の下準備》を発動! デッキから儀式魔法《合成魔術》を手札に加え、そこに記された儀式モンスターを手札に!!」

 

 やがて最後の準備とばかりに2枚のカードを手札に加えた百済木は大仰に両の手をクロスさせた。

 

「さぁ――」

 

 そう、此処からが百済木のデッキの本骨頂――彼のエース格モンスターの出番である。

 

「――儀式を始める!!」

 

 そして勢いよく両の手を広げた百済木は高らかにショータイムを宣言。

 

「儀式魔法《合成魔術》発動! フィールドの《古代のトカゲ戦士》と《生き血をすするもの》を贄に捧げ儀式召喚!!」

 

 途端に《古代のトカゲ戦士》と《生き血をすするもの》が大地に溶けるように消えていけば――

 

「平穏に満ち過ぎた世界に刺激と言う名の痛みをもたらせ! 《ライカン・スロープ》!!」

 

 その地を砕き、灰色の毛並みを持った二足歩行の狼こと狼男が現れ、月夜があるであろう空に向けて遠吠えを響かせた。

 

《ライカン・スロープ》 攻撃表示

星6 地属性 獣戦士族

攻2400 守1800

 

「そして装備魔法《『焔聖剣-オートクレール』》と、装備魔法《月鏡の盾》を《ライカン・スロープ》に装備!!」

 

 その《ライカン・スロープ》の右腕には早速とばかりに手甲のように盾が装着され、更には爪が真っ赤な熱を帯び始める。

 

「そして装備魔法《『焔聖剣-オートクレール』》の効果! 俺が選んだモンスター1体が2回攻撃可能になる!! とはいえ、選んだモンスター以外の攻撃が封じられ、この剣も破壊されちまうが、些細な問題よぉ」

 

 やがて火花を弾けさせながら灯った炎を迸らせる右手で大地を焦がす《ライカン・スロープ》は――

 

「バトル!! 2回攻撃を受けて貰うぜぇ――今回のテーマは『痛み』だァ! 行けっ! 《ライカン・スロープ》!!」

 

「だが攻撃力はマリアムネの方が上!!」

 

 大地を削り溶かしながら突き進み、《地竜星-ヘイカン》と《真竜凰マリアムネ》を切り裂かんと腕を振るう。

 

 だが、ディーヴァの言う様に攻撃力2400の《ライカン・スロープ》では《地竜星-ヘイカン》はまだしも攻撃力2700の《真竜凰マリアムネ》には届かない。

 

 しかし、此処で《ライカン・スロープ》の右腕に手甲のように装着された盾がギラリと鈍く光る。

 

「装備魔法《月鏡の盾》を装備したモンスターはバトルするモンスターの攻撃力を100だけ上回る!! そして2回攻撃だ! ツイン・クロー!!」

 

 すると真っ赤に燃える《ライカン・スロープ》の爪から光の刃が伸び、《真竜凰マリアムネ》が盾のように広げた翼諸共その巨体を切り裂き、その先の《地竜星-ヘイカン》をも両断した。

 

「くっ……!」

 

ディーヴァLP:4000 → 3900 → 3800

 

 

「ふっふっふー、刺激的な一撃だろぉう?」

 

「ふん、たった100ポイント2回分で『痛み』がテーマとは、随分と大きくでたね」

 

 そうしてディーヴァが従える2体のモンスターを破壊した百済木は満足気ににやりと笑って見せるが、対するディーヴァは堪えた様子はない。

 

 シンプルにダメージが200と軽微だったこともあるが、なによりも「竜星」たちは破壊されようとも仲間を呼ぶ力を持つのだ。実質的な損失は殆どないと言っても過言ではないだろう。

 

「そいつは挨拶代わりよ――メインはこれからさ!!」

 

 だがメインディッシュは此処からだと示すような《ライカン・スロープ》の雄叫びが天に木霊する。

 

「《ライカン・スロープ》の効果! コイツが戦闘ダメージを与えた時! オレの墓地の通常モンスターの数×200のダメージを! 『痛み』を! 藍神ィ――お前に与える!!」

 

「なっ!?」

 

 さすれば《ライカン・スロープ》の全身に黒いオーラが立ち昇り――

 

「墓地の通常モンスターは9体! さぁ、お前に極上の刺激を! 痛みをプレゼントだ!! シャドウ・ダンス!!」

 

「――うわぁぁぁぁああぁああッ!!」

 

 踊り狂うようにディーヴァの元へ殺到し、その黒き衝撃に呑まれたディーヴァは苦悶の叫びを上げた。

 

ディーヴァLP:3800 → 2000 → 200

 

「んん~いい声だァ……」

 

 一気にライフが残り僅かとなったディーヴァのリアクションへ満足気な表情を見せる百済木。

 

 

 だが、ディーヴァとてただ相手を侮って大ダメージを受けた訳ではない。

 

「くっ、発動しておいた永続罠《竜星の具象化》により、僕のモンスターが破壊された時、デッキから『竜星』モンスター1体を特殊召喚!」

 

 先も言ったが、ディーヴァのデッキにとって破壊は終着ではなく、分離と再構築へと至る序章。

 

 その証拠に破壊されたディーヴァの2体の幻竜(族)たちの身体が霧のように漂い再収束を始め――

 

「さらに破壊された《地竜星-ヘイカン》の効果もだ! 自身以外の『竜星』を特殊召喚する! 2つの効果により舞い上がれ! 2体の《炎竜星-シュンゲイ》!!」

 

 発火し、空に猛った炎より、赤い獅子の如きたてがみを持つ赤き東洋龍が2体現れ、鏡合わせのようにディーヴァの背後で宙を舞った。

 

《炎竜星-シュンゲイ》×2 守備表示

星4 炎属性 幻竜族

攻1900 守 0

 

「はっはっはー! せめてもの抵抗かぁ? ――藍神ィ、お前ホントに可愛いなぁ!! ターンエンド!!」

 

 だが《ライカン・スロープ》の効果を恐れ、高い攻撃力を捨て低い守備力を晒してまで守りを固めたディーヴァの精一杯足掻く姿に、嗜虐心をそそるとばかりに百済木は嗤う。

 

 

百済木LP:2800  手札0

《ライカン・スロープ》

《月鏡の盾》 《暗黒の扉》 《ダメージ=レプトル》

VS

ディーヴァLP:200 手札2

《炎竜星-シュンゲイ》×2

《竜星の具象化》

 

 

 

「ディーヴァが押されているようだな……」

 

 そうして残りライフ200と後がないディーヴァの姿にマニは心配気に呟くも、その横で神崎は此度の急な話をいぶかしんで見せる。プラナたちにはそれ程までに追い詰められているのかと。

 

「しかし、今回のお話――流石に性急過ぎるように思えますが、時間的猶予があなた方に残されていないのですか?」

 

「いいえ、ただ今回の話は良い機会だと思ったのです」

 

「と、いうと?」

 

「私から話そう」

 

「マニ……」

 

 その答えはセラの口からは言い出し難かろう、と引き継いだマニから語られる。

 

「ディーヴァはあの時のことをずっと悔やんでいた。復讐心に囚われ、暴走した結果、シン様の教えを忘れ、血を分けた妹にまで手をかける寸前だった」

 

 それは過去の量子キューブの暴走にディーヴァが巻き込まれた件。

 

 最終的には犠牲者なく収束したとはいえ、及ぼした行為が消える訳ではない。そしてディーヴァもまた「それ」を十分理解していた。

 

 ゆえにディーヴァに残るのは失意と罪悪感。

 

「あの一件以降、祈りと自罰ばかりで見ていられなかった程だ……素直には言えないようだが、止めてくれた貴方に感謝もしている」

 

「お気になさらなくて構いませんよ――争いの発端は此方にありましたから」

 

 そして百済木の合流によって遮られたディーヴァからの礼が、マニにより告げられるが、神崎は何でもないように返す。

 

 いや、実際問題として結果的に暴走の原因の大部分を担った身としては、神崎にそれ以外の何かを言えた義理ではなかろう。

 

「気遣い、感謝する」

 

「だから、わたしは兄さんの心が今回のことで少しでも和らげられたらと……」

 

――成程。あの話は、あくまで建前だったと。

 

 

 そう、セラは百済木の話自体にそこまで執着はしていなかったのだ。

 

 

 ばか騒ぎの一つや二つでも起きれば、ディーヴァの気持ちが紛れるかもしれない。上向くかもしれない――そんな思いやりがあった。

 

 

 デュエルなら、過去のわだかまりを吹き飛ばしてくれるに違いない、と。

 

 

 

 

「そして、あわよくばお金の種になれば、と」

 

――建前だった……んですよね?

 

 そして「ひょっとしたらビッグウェーブになるかも……」なんて思惑も…………なくはなかった――かどうかは神のみぞ知る。

 

 

 

 

 そんな妹の打算が見え隠れした気がする献身を余所に、腕を突き出したディーヴァの背後にて火柱が立ち昇る。

 

「炎属性である《炎竜星-シュンゲイ》2体を破壊して特殊召喚された《真竜皇アグニマズドV(ヴァニッシャー)》は相手フィールドか墓地のモンスターを除外する! 消えろ、《ライカン・スロープ》!!」

 

 その火柱より顕現するは、灼熱の赤き体躯を持つ幻竜が二足で大地に立つ。

 

 やがて黒き装甲に覆われた両腕を広げ、頭部の白き宝玉が輝きを放てば、一陣の閃光が《ライカン・スロープ》を撃ち抜き、その身を一瞬で消し炭と化した。

 

《真竜皇アグニマズドV(ヴァニッシャー)》 攻撃表示

星9 炎属性 幻竜族

攻2900 守1900

 

「オ、オレの《ライカン・スロープ》が……!!」

 

百済木LP:2800 → 2300

 

 そしてライフを代償に《月鏡の盾》が、その効果により百済木のデッキの一番下に送られる中――

 

「フィニッシュだ!! 《真竜皇アグニマズドV(ヴァニッシャー)》でダイレクトアタック!! ヒート・V(ヴァニッシャー)!!」

 

 《真竜皇アグニマズドV(ヴァニッシャー)》は己の赤い翼と白き羽の計4対の翼に炎を立ち昇らせながら百済木へと突撃。

 

「ぐぁぁぁぁあぁあぁあああぁあ!!」

 

 広げた翼で描かれたVの字に猛る業炎に呑まれた百済木の断末魔が辺りに響き渡った。

 

百済木LP:2300 → 0

 

「 「 「 く、百済木さーん!! 」 」 」

 

 

 そしてライフが尽きたことを知らせるブザーが鳴る中、膝をつく百済木へ軍団員が駆け寄っていく。

 

 

「イイ絵は撮れた……かよ……?」

 

「バッチリっす!!」

 

「パーフェクトっす!!」

 

「流石っす!!」

 

「お見事っす!!」

 

「――ヨシ! なら、藍神ィ! お楽しみの鑑賞タイムと行こうじゃねぇか!!」

 

 そんな具合に軍団員の鼓舞を受け、気分良さ気にスッと立ち上がった百済木たちは、プラナたちの前にてスクリーンを広げ、先のデュエルの上映会を始めだした。

 

 

 

 そうして、スクリーンに映し出されたカメラワークなどの様々な演出がなされたデュエル映像をやいのやいのと、プラナたちが楽しむ中、そんな彼らを離れて見守る神崎へ、何処からともなく現れたギースが急な案件だと耳打つ。

 

「神崎殿、来客が――」

 

「後に――とは、行かないようですね。済みません、マニさん、席を外します。此処からは彼、ギース・ハントと、あちらの彼女、北森 玲子が案内致しますので」

 

「了解した。忙しいところ済まない」

 

「構いませんよ――ギース、後のことは頼みます。彼らのことはくれぐれも丁重に」

 

「ハッ」

 

 やがて鑑賞会に目を輝かせるプラナたちの中のマニに一言告げた神崎は、小さく会釈する相手を手で制しながら、速やかにその場を後にした。

 

 

 

 

「これが……僕……?」

 

――ククク、もう一息だぜ、藍神ィ。

 

 スクリーンに映る己へ、戸惑いと高揚感を見せるディーヴァの反応に、内心ほくそ笑む百済木を置いて。

 

 

 

 プラナたちの明日は本当にどっちだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オカルト課の一室にて慌てた様子で駆けこんだ神崎は、席に座ることもなく佇む遊戯へ向けてペコリと頭を下げる。

 

 

「お待たせしてしまったようで申し訳ありません、武藤くん。デュエルキングである貴方にとんだご無礼を――」

 

「気にしないでください。急な仕事だったんですよね」

 

 だが、そうして社交辞令染みた謝罪は遊戯によってピシャリと止められ、先を促されている様子を感じた神崎は、促されるままに此度の要件へと話題を移す。

 

「ええ、少々思わぬトラブルがありまして……それはともかく、今回はどういったご用件ですか?」

 

「……………今回、海馬くんから『計画に協力した報酬』を受け取りに来たんですけど――今、大丈夫ですか?」

 

 此度の遊戯の要件は、「海馬がアテムに別れの挨拶を告げる」為に、遊戯と海馬がデュエルした件のことだ。

 

 遊戯たち一同には海馬から「アテムとの一時の再会」を手渡された形になるが、それとは別に「歯ごたえのあるデュエルをした遊戯」に対し、海馬が個人的に遊戯に謝礼を送るとの話になっている。

 

 

――えっ、「武藤くんの希望に沿った形」とは聞いていたが、まさか私の方に来るとは……

 

 

「構いませんとも。何でもお申しつけください」

 

 

 当然、それはツバインシュタイン博士ごしに計画に参加した神崎も知っていた。とはいえ、「遊戯が海馬を満足させれば」との前提と「海馬が出来る範囲で」との注釈がつけられていたが。

 

 

 そして今回の遊戯の願いは他ならぬ「神崎にしか」果たせない願いの様子が見えるゆえに色々思案を巡らせながら神崎が問えば――

 

 

 

 

「ボクとデュエルしてください」

 

 

 

――ぇ?

 

 神崎の中で時が止まった。

 

 

 しかし神崎とて幾度となくヘマをやらかしてきた身、この程度の想定外の事態など慣れたものとばかりに瞬時に再起動。

 

――!? いや、待て待て待て。落ち着け。

 

「デュエルキングのご指名とは光栄ですね。しかし随分、急な話でもある――理由をお聞きしても?」

 

 そうして慌てふためく脳内を余所に神崎は必殺の社交辞令と共に訳を問いただす方向へと舵を切る。

 

 なにせ遊戯の思惑が「貴方の悪行を知ったので、捨て置けません! ですから(ブラック・マジシャンなどの)精霊パワーでぶっ倒します!」だった場合は、脱兎の勢いで海馬に辞職届けを出した後に逃げねばならない。

 

 

 だが、そんな最悪の事態を想定する神崎とは違い、遊戯は動きを見せないまま意を決した様子で拳を握り、静かに語り始めた。

 

「……ボクはもう一人の――ううん、アテムと約束したんです」

 

 それは闘いの儀の前夜、アテムからの最後の「頼み」の件。

 

 

 

「記憶の世界で、墓守の一族として使命を全うしてアクターさんは死んだ……アテムはそう言っていました」

 

 それがアクターと呼ばれる一人のデュエリストのことだった。

 

 アテムからすればアクターというデュエリストは文字通り「その全てをファラオの為に捧げた忠臣」である。

 

 その類まれなるデュエルの実力があれば、プロデュエリストとして華々しい未来もあり得ただろう。

 

 大邪神ゾーク・ネクロファデスにすら「強かった」と評される神官としての技量があれば、幾らでも身を立てる術があっただろう。

 

 叶えたい夢の一つや二つ、共にいたい誰か、過ごしたかった日常、そして人生――その全てをアクターはファラオの為に捨てた。

 

 

 

 そうして全てを捧げた最後は、大邪神ゾーク・ネクロファデスによって殺されるという何の救いもないもの。

 

 

 記憶の世界での究極の闇のゲームの最中、アテムが戦の準備を整える時間稼ぎの為に、誰にも知られることなくたった一人で死んでいった――いや、当人も誰かに知らせるつもりはなかったのだろう。

 

 

 現に、大邪神ゾーク・ネクロファデスの本体であったバクラが気まぐれで話していなければ、アテムはその働きを一切知ることなく何の憂いもなく冥界に旅立っていた。

 

 アテムの最後の憂いになってはならないと、その存在も、働きも、功績すらも語ることなく消えていった忠臣に対し、アテムが出来ることは唯一つ。

 

 

 王として――いや、一人の人間として冥界で再会した時、相手がアテムの為に捨ててしまったものを共に集めていくことだけ。

 

 

 だというのに、アテムはアクターのことを「何も知らなかった」。名も、顔も、男か女かさえ知らぬ有様である。たとえ隣を通り過ぎたとしてもアテムは決して気づけない。

 

 文字通り、その素顔は誰の記憶にも残っていないのだから。

 

 

「アテムに頼まれたんです。彼のことを知りたい……知らなくちゃいけない。それが自分に出来る唯一のことだって」

 

 ゆえに現世に留まれぬアテムは遊戯へと最後に願ったのだ。

 

――アクターが墓守の一族!?

 

 そう沈痛な表情で語る遊戯を余所に、神崎の脳内は混乱の只中にあった。

 

 アクターという虚構の存在が一人歩きどころか世界を飛び越え、宇宙へテイクオフしていたのだ。端的に言えば「どうしてこうなった」――この一言に尽きよう。

 

 

 

――アクターが墓守の一族って、何故そんな話に!?

 

「ボクなりに調べてみました、色んな伝手を頼って調べて貰いました」

 

 やがて混乱から立ち直れていない神崎を余所に、遊戯は懺悔するように喉から声を絞り出す。

 

「でも、なにも分からなかった」

 

 そう、遊戯は闘いの儀を終えてから凡そ1年の間、顔の広い双六や、今迄巡り合ったデュエリストからアクターの情報を集めに集めたが、その正体は分からず終い。

 

 

「あの人が生まれた場所も、育った場所も、生きた軌跡も――何もかもが分からなかった」

 

 手掛かりどころか、取っ掛かりさえ見つけられなかった。とはいえ、その性質上「存在しない人間」である為、無理からぬ話なのだが。

 

「唯一分かったのが、あの人の情報がある日を境に、パタリと止んだ」

 

 やがてアクターというデュエリストを最も知っているであろう神崎へと視線を向ける遊戯が念押しするように告げるが――

 

「たった、それだけでした」

 

「そうですか」

 

――武藤くんは私にどうして欲しいんだろう……いや、私はどうしたらいいんだろう。

 

 神崎はそう、短く返すだけである。当人としてもどうすれば良いか分からなかった。

 

 アクターのことを教えてやればいい?

 

 であるのならば、何故、最初に神崎の元に聞きに来なかったのか――この疑問が立ちはだかる。

 

 アクターがオカルト課に属していたことは遊戯も知っていた以上、凡そ1年も後に尋ねた事実が神崎を惑わせる。果たして相手が求めているのは本当にアクターの情報なのかと。

 

 

「どうして……」

 

 そう思案を巡らせる神崎へ、堪え切れぬ思いの籠った遊戯の声が零れた。

 

「仲間だったアクターさんが死んだんですよ! どうして! どうしてそんなに平然としていられるんですか!!」

 

 そしてその「思い」は「想い」となって神崎を糾弾するように遊戯から溢れ続ける。

 

 

 仮にも仲間だった相手の死に、何故これ程までに無関心でいられるのか。

 

 バトルシティの後、関わりがなかったと語っていた以上、その死を今知ったからと言っても、こうも冷淡に返せるものなのかと。

 

 どうして「そうですか」なんて言葉で仲間の死を片付けられるのかと。

 

 

――えぇ……そんなこと言われても困るんですが。

 

「やっぱり迷宮兄弟さんたちが言っていたようにあの人を利用していただけなんですか! アーサー教授が言ってたみたいに、墓守の一族が管理していた光のピラミッドが目当てだったんですか!!」

 

 

 遊戯が伝手を頼りに手に入れた神崎とアクターの関係性の噂を並べて見せるが、神崎は何も返さない。

 

 

「あの人がどうなろうと、知ったことじゃなかったんですか!!」

 

 

 そんなことは嘘だと言って欲しかった。だが今の神崎のアクターへの反応を見れば、噂の真実味が帯びてしまう。

 

 

「答えてください!! いや、答えろ、神崎 (うつほ)!!」

 

 

 そうして遊戯が強い言葉を以て宣言するが、そう一人で盛り上がられても神崎は乗れる筈もない。

 

 

 

 

 

 

「ボクに、貴方を信じさせてください……」

 

――年貢の納め時か……

 

 だが、表情を悲哀に歪ませる遊戯の姿に神崎は内で小さく諦めるようにため息を吐きながら覚悟を決めた。

 

「実は――」

 

「実は?」

 

 

 そして――

 

「――アクターの正体は私だったんですよ」

 

「いい加減にしてください!!」

 

――今まで隠していて申し訳ないです……

 

 神崎から明かされた真実が届くと共に遊戯の怒声が響き渡った。無理もない。今までずっと騙し続けていたのだ。遊戯の怒りは尤もである。

 

「確かに貴方からすれば、ボクは世間を知らない子供なのかもしれない――でも、そんな言葉で誤魔化される程、馬鹿じゃない!!」

 

 だったのに、なんか思ってもいない方向に話が飛び始めた。

 

――え、えぇ…………えぇ……

 

「神崎さんがアクターなら、パラドックスさん相手に、ボクたちを頼る必要性がないことくらいボクにだって分かる!!」

 

――む、武藤くんの中のアクターの評価高ぇー

 

 神崎が色々葛藤しつつも明かした「神崎=アクター」という真実は、遊戯から欠片たりとも信じて貰えなかった。もはや神崎には内心で乾いた声を漏らす他ない。

 

 とはいえ、これに関して遊戯を責めることは出来ない。

 

 なにせ遊戯の中で神崎とアクターのデュエル情報は「神崎 VS パラドックス」と「アクター VS 闇マリク」の2戦しかないのだから。

 

 となれば、当然、二人の実力はその2戦より判断される。

 

 

 つまり、パラドックスにフルボッコにされるレベルの神崎と

 

 三幻神の最高位である『ラーの翼神竜』を、神のカード抜きで下したアクター。

 

 

 この二人の実力を遊戯にイコールで結びつけて貰うことは叶わなかった。無理もない話である。

 

「実は、実力を隠して――」

 

「まだ誤魔化す気ですか!! KCは実力主義! 力を隠す理由なんてない!! 海馬くんが社長とデュエリストを兼用している以上、周りの声もその理由にはならない!」

 

 だが、諦めずに誤解を解こうとする神崎の奮闘は、遊戯が並べる正論に封殺される。

 

「それにパラドックスさんを警戒していたのなら、彼の手が自分に伸びた段階で力を隠す理由はなくなる!!」

 

 そう、誰が考えても「遊戯が考えているアクターレベルのデュエルの力量があるのならば、遊戯たちを頼る必要ないよね」という論を、神崎の主張で覆すことが叶わないのだ。

 

――どうする、どうするんだ、私!?

 

 神崎は苦悩する。正直に話したら「ふざけた嘘をつくな!」と怒られてしまった為、苦悩する。

 

 己の原作知識にない程に、遊戯が凄まじい怒りを見せている事実が神崎には恐ろしくて仕方がない。怒りは人を容易く凶行に奔らせるのだから。

 

――くっ、アクター……余計な置き土産を……!

 

「答えてください、神崎さん!! 貴方が抱えているものを!! そして教えてください、アクターさんのことを!!」

 

 やがて「いや、お前だよ」と言われかねないことを考えている神崎を余所に、遊戯の怒りは僅かに鳴りを潜め、懇願するような口調に変化しつつある中、神崎は一つばかり問う。

 

「知ってどうするおつもりですか?」

 

 そうして神崎の雰囲気の変化を感じ取った遊戯は、意を決した様子で返した。

 

「できれば、力になりたいと思います。でも内容次第じゃ――」

 

「争うことになる、と」

 

 だが、その言葉を途中で先回りした神崎に、遊戯は小さく頷いて肯定を示し、相手の言葉を待つ。

 

 やがて今の遊戯の精神状態と、己が持ちうる手札を鑑みた神崎が出した答えは――

 

 

 

「――ではお引き取りを。これ以上、貴方にお話しすることはありません」

 

 沈黙と拒絶。

 

「話さなければ、この玉虫色の関係が続く。私にはそれで十分です」

 

 神崎が最も避けねばならないのは「遊戯との敵対」の一点だ。そして遊戯は悪事の証拠がなければ、誰かを害する行いをしないとなれば、現状維持こそがベストだとの判断。

 

「ボクの協力は……いらない、と」

 

「ええ、必要ありません――と言えれば良かったのですが、仕方のないことだと諦める他ありませんね」

 

 たとえ、それにより「遊戯の協力」が得られなくなっても、世界の危機には優しい遊戯は立ち上がらざるを得ない事実を知る神崎からすれば、さして問題にしていない。

 

「とはいえ、手ぶらでお帰り……という訳ではございません。手間賃代わりの情報なら差し上げますよ」

 

 しかし、神崎としても遊戯が今抱いているであろう「神崎への不信感」は多少なりとも晴らしておきたいこともまた事実。

 

 ゆえに遊戯が満足しそうな情報を開示する。

 

「私が差し出したのは、社会的影響力――情報しかり、表の力」

 

 だが、その内容は虚偽に塗れ、

 

「私が望んだのは、デュエルの腕と一族が管理する力」

 

 誠実さとはかけ離れたもの。

 

「我々はあくまでビジネス的な関係です。武藤くんが言うような『仲間意識』と言ったものはありませんよ」

 

 しかし、固唾を呑んで見守る遊戯の瞳には、それが真実に映っていた。

 

「私があちらを利用していたように、あちらも私を利用していたに過ぎない」

 

「だから、パラドックスさんとの戦いの時、アクターさんは貴方を助けなかった」

 

 やがて辻褄を合わせるように語る遊戯の声に、神崎は内心でポンと手を叩き納得を見せる。

 

――あー、そういう認識になる訳か。成程、これまで身体を張ってきたアクターが「見捨てた」事実は、私が疑われる理由としてかなり大きいな。

 

 そう、遊戯の中でアクターの評価が上がれば上がる程、「そんなアクターが助けなかった神崎」の評価は地に落ちる。

 

 こんな状態で「神崎=アクター」との情報を開示しても「アクターが積み重ねた信頼を掠め取ろうとしている」と受け取られかねないだろう。

 

「知らぬ間に怒りを買ってしまったのやもしれませんね」

 

 ゆえにお手上げだと、降参するように両の手を上げて軽口を叩く神崎は明かすものは明かしたとばかりに、遊戯の反応を待つが、相手は反応を見せない。

 

 

 そう、遊戯は神崎から自発的に語られる言葉を待っていた。優しい遊戯は強引に追及するような真似は趣味ではあるまい。

 

 

――んー、此方の言葉を待っているな……とはいえ、これ以上なにを話せと言うのか。沈黙が痛い。

 

 だが、神崎=アクターの図式を一切信じて貰えなかった段階で神崎に話せるのは「神崎がこれまで行ってきたこと」しかなく、それらの醜聞の悪さが重くのしかかる。

 

 話せば良いだろう――だって?

 

 法に触れるギリギリの研究を行い、

 

 霊的な存在な悪人とはいえ、人権を無視した行いを成し、

 

 滅しておくべき邪悪な存在を喰らいに喰らい化け物になりました。

 

 などと正直に話せば、どうなるかなど語るべくもない。人として踏み越えてはならぬラインを神崎はとうの昔に通り過ぎているのだ。

 

 

「これは困った――まるで納得しておられない様子だ」

 

「どうして……どうして……!!」

 

 

 ゆえに「語らない」のではなく、これ以上「語れない」と困ったように肩をすくめて見せる神崎に遊戯は歯噛みする。

 

 親友の城之内の恩人でもあり、個人的に味方だと思っていた人物への不信感が募っていく。アクターの死はそれ程までに遊戯とアテムの心を揺さぶっていた。

 

 

 そんな遊戯の様子を見やった神崎は大きく溜息を吐きながら子供をあやすように告げる。

 

「仮に私が『アクターは生きている。貴方は何も心配することはない』とでも言えば、納得しますか?」

 

 いいや、納得しない。「アクターが死んだ」とのアテムの言葉は遊戯には嘘だとは思えなかった。

 

「『アクターは精霊的な存在な為、使命を終えた後は還るべき場所に還りました』と言えば、引き下がりますか?」

 

 いいや、引き下がりはしない。そもそもの遊戯の目的として「顔も名前も知らないアクターをアテムが見つける為の情報」を求めているのだ。そこから先に踏み込まねば意味がない。

 

「『私はアクターという無二の友人の死を悼んでおります』と言えば、満足されますか?」

 

 いいや、満足しない。心の機敏に聡い遊戯ならば、神崎がアクターの死を文字通り「何とも思っていない」ことが良く分かる。

 

「それは……」

 

「今の貴方は私を『疑惑』というフィルター越しに見ている」

 

 そうした問いかけに遊戯がまごつく間に神崎は人差し指を一本立てて遊戯の前に向け、告げる。

 

「私が何を語ろうとも、『騙される訳にはいかない』『誤魔化される訳にはいかない』――そんな疑念が前提にある」

 

 そう、今の遊戯の心は疑念に満ちていた。

 

 信じていた相手から裏切られたと感じた時、相手が何を語ろうとも信じられなくなるように、神崎の言葉が全て己を煙に巻く為の嘘に思えて仕方がない。

 

 実際、最初以外は「そう」なのだから、なおのこと性質が悪い。

 

「そんな状態では私が何を語ろうとも、貴方は満足しませんよ」

 

「でも、ボクは貴方を――」

 

「――信じたい?」

 

 そんな疑念に満ちた遊戯の心の機微を(バー)越しに見透かした神崎は、先回りしつつ己が都合の良いように誘導していく。

 

「『己の都合の良い言葉しか信じる気はない』の間違いではないですか?」

 

 そうして、遊戯の心にありもしない罪悪感を植え付けた神崎の言葉に、遊戯は小さく息を呑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり甘かったのかもしれませんね……」

 

 やがて肩の力を抜きながら小さく息を吐き脱力した遊戯は諦めたように呟く。

 

「貴方の話を聞いてデュエルすれば、きっと分かり合えると思っていた……」

 

 そもそも遊戯は、神崎の仕事に語れないことが多いことは分かっていた。守秘義務なんてものを考えれば、当然であろう。

 

 それゆえに言葉を交わさずとも相手の心の内を感じ取れるデュエルを選択したのだ。

 

 だが、「デュエルの理由」を問うた神崎と話している内に、その前提がいつの間にかあらぬ方向に進み――

 

「でも、やっぱりボクは、貴方のことを何もしらないボクは……疑ってしまった。信じ切れなかった……」

 

 遊戯が気付いた時には、親友の恩人を疑った罪悪感を植え付けられており、そしてその植え付けられた罪悪感から逃れるように、立ち去る選択肢が脳裏を過る有様。

 

「貴方は嘘が上手くて、ボクなんかより、ずっと長く騙し合いの世界で偽って」

 

――今なら、ボバサが言っていたことも少し分かる気がする……

 

 ボバサが語った「全てが虚ろ」――その意味を遊戯は身を以て実感していた。

 

 神崎の「偽ること」を生業にしているような在り方ゆえに、海馬との仲がよろしくない点も理解できる。

 

――いや、普通に過大評価ですけど……

 

「始めからボクがすべきことは一つだったのかもしれません」

 

 そんな相手の評価に神崎が内心で戸惑いを見せる中、遊戯は神崎と視線を合わせた後、右手を差し出した。

 

 

 

 それは握手を求めるような友好の証染みたもの。

 

 

 やはり言葉で惑わせる相手の本音を知るには、実際に手を取り合うことが重要なのだ。

 

 

 今は話せなくとも、互いを知り、心の距離が縮まれば、自然と話せる日が来るかもしれない。

 

 

 かくして、此度の会合は一先ずの終息を見せ、時間をかけた歩み寄りを目指していくこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――起動」

 

――ッ!?

 

 かと思われたが、()()()()より摩訶不思議な鍵が顔を覗かせる。

 

 

 

 本気でぶつかり合わねば分かり合えぬこともあろう。

 

 

 






死 刑 宣 告







~今作の百済木さんのデッキ~
「儀式を始める!」との彼の発言から「儀式デッキ」が確定し、
「今回のテーマは『痛み』だァ!」との発言から、「痛み」→「ダメージ」→「効果ダメージ」との連想ゲームを得て――

【爬虫類軸《ライカン・スロープ》ワン(ショット)キル】に。

禁止カード《苦渋の選択》の通常モンスターVerこと《苦渋決断》と爬虫類Verの《スネーク・レイン》で素早く墓地に通常モンスターを溜め、

装備魔法で補助した《ライカン・スロープ》の攻撃からの効果でバーンを狙う。


Q:なに!? 《ライカン・スロープ》はGXの異世界編にて登場する覇王軍の五人衆の1人こと《スカル・ビショップ》のエースカードではないのか!?

A:《スカル・ビショップ》さんは、GXに登場した《人造人間サイコ・ショッカー》さんを見習って、精霊としての自分自身を交えたデッキを使ってください(懇願)


~今作のディーヴァデッキ(プラナパワーありきであろう「方界」が使えなくなっちゃったので)~

「方界帝(or獣)」の分離・合体を繰り返す戦法に近しく、なおかつセラの「幻竜族(を交えた)デッキ」とお揃いにするべく、

「竜星が合体(破壊)して、真竜皇(凰)になるドン!!」デッキに。

破壊による分離(っぽいの)と再生の後の合体(っぽいの)を繰り返す姿はまさに「方界」っぽいのではなかろうか?(疑問形)


Q:方界たちや、暗黒方界たちは何処にいったの?

A:量子キューブと共に還るべき次元へ還られました(具体的な場所は知らぬ)





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