前回のあらすじ
デュエルアカデミア「神崎……! 早く来……俺が、俺である内に……!」
吹雪たちも2年生に上がり、先輩としての自覚が求められるようになり、新入生の入学がなされた頃――
「アカデミア生徒、諸君!!」
檀上から響く地揺れでも起きそうな程のコブラの覇気のあり過ぎる挨拶に、入学したてのピカピカの1年生がビクッと肩をすくませる様子を2、3年生が「自分たちも通った道」と微笑ましい視線を向けられるが――
「私は前任の鮫島校長に代わり、このアカデミアの
続いた「校長就任」の挨拶に2、3年生たちも思わず顔をこわばらせた。一様に「ぇ?」と顔を見合わせ現実逃避する生徒たちを余所にコブラは、就任挨拶と新入生への歓迎の言葉を述べる。
「前年度に様々な問題がこのアカデミアに蔓延っていたという現実は、諸君らも知っての通りだろう。ゆえに私は5つの改革案を柱とし、一大改革を成すことを宣言する」
ニュースやら何やらで不確定な情報が交錯しまくっていたが、生徒からすればコブラは「失踪事件とアカデミアの風通しを良くする為に来た一教師」でしかない。
仮に校長が代わってもクロノス教諭辺りだと考えていた生徒たちの顔が重苦しいものとなる。なにせ――
「生憎だが、私は貴様たちに優しい顔など見せる気はない!! 前校長のご配慮を前に胡坐をかいた貴様たちに与えるものなど一つ!! 試練だ!! 飴が欲しければ這い上がって見せろ!!」
物凄い優しかった鮫島と違い、コブラは物凄い厳しい人なのだ。
やがて指を一本立てたコブラは、柱となる5つの改革案の説明に入る。
「1つ!! 学内情報の積極的開示!! 前体制の最大の問題は、外の目を意識できなかった面が大きい! ゆえに生徒諸君の試験の際のデュエルなどを情報発信していく!! プロを目指すキミたちにとって、衆目に晒される経験は決して無駄にはならない筈だ!!」
それが簡易的なプロの世界の再現などを盛り込んだ、アカデミアの情報発信。
生徒たちの保護者も含めて、積極的に子供が通う学び舎の現状を明かしていくオープンなスタイルの確立。
「2つ!! ペナルティの強化! リスペクトに反した者への牽制! 実力不足の生徒への発破! 職務を全うできぬ教師陣さえも例外はない! この学園に足りないものは『危機感』だ! 必要とあらば退学の処置も辞さない! 弛んだ心など社会の荒波の前では通じないと知れ!!」
そして罰則の強化。アカデミアにて内々で問題を処理することなく、きちんと然るべき機関で法的にも、常識的にも、厳正な処罰を与えていく旨の確約。
凄い普通のことのように思えるが、全くできてなかった過去がある以上、ことさら強調する必要がある部分だ。
1つ目の情報発信の改革を含めれば、学内での問題を包み隠さずさらけ出す行為に等しい。
ゆえに、生徒と教師の気も引き締まる。「見られている」との意識は、ことさら防犯的な側面では効果的なのだ。
「3つ!! 三寮と学年ごとに区分けした、色分け授業の実施!! 学びとは段階を踏んで行われるものだ!! デュエリストのレベルに沿った授業により、キミたちの土台を強固として貰いたい!!」
そして、此方も凄い普通のこと。デュエルは初歩中の初歩の部分のルールなら、凡そ理解は容易いが、「コンマイ語」などと揶揄される領域となれば、頭を抱える他ない。
言わずも知れたカイザーこと亮と、自分の使うカードの効果すらまともに理解していない生徒に同じ授業を行っていたのが、そもそもおかしな話なのだ。
「4つ!! 上述の件も踏まえ、ブルー女子の色分けを行う! 昨今は女性の社会進出が常識! なれば現在の一律で同列に扱う姿勢など化石同然である!! 淑女らには、その力を存分に振るって頂きたい!!」
そんな具合で、色分け授業をするとなれば問題となるのが「女子は例外なくブルー生徒」という学園のシステムだ。
寮分けする程の女子生徒がいなかったゆえの処置だが、そんなものはブルー女子寮の内部で分ければ住む話。今までの改革案と比べれば、さしたる影響はないと言えよう。
「5つ!! 新たな階級――『フォース』の制定! オベリスクブルーから、選りすぐりの優秀者に更なる特別待遇を約束しよう!! 今、青の制服に袖を通す面々も現状に満足せず! より高みを目指して貰いたい!!」
最後の改革はオベリスクブルーの上に新しく「色分け」ならぬ「区分け」を行うこと。
同じオベリスクブルーでも、カイザーこと亮と一般的なブルー生徒では、力の格差がエゲツない以上、「自分はカイザーと同じブルー」などと自惚れの原因になりかねない。
それに加えて、既存のデュエル授業では、カイザークラスの才能を埋もれさせてしまいかねないゆえの処置だ。
亮たちに良い経験を積ませられる・糧となれるデュエリストが果たして「学内にどれ程いるか?」と問われれば、片手で数えることすら暇になろう。
「他にも細かな改革がなされるが、今現在のキミたちに最も関係深いものがこの5つだ!!」
そうして5つの柱となる改革案を大々的にアピールするコブラの言に「まだ他にもあるのかよ」との突っ込みをする勇者もいない中、コブラは力強く宣言する。
「ゆえに、この後! 全校生徒に向けて再度試験を行うことを此処に宣言する!! 抜き打ち染みた真似をして申し訳ないが、キミたちならば問題なく乗り越えてくれることだろう!!」
再試験と言う名のふるい落としを。
乃亜たちの介入タイミングが、吹雪たちが1年後半の時期だった為、諸々の改革に必要な準備の関係から、新体制のスタートを次の年に持ってきたゆえの処置である。
新入生たちが、改革前に受験を終えてしまった影響から、もう一度試験することとなったが、悪いことばかりではない。
「そう心配することはない。キミたちが『色分け相応』の実力があるのならば、なんの問題もなくクリアできる筈だ! いや、むしろ――フォースと言う新たな頂きへの道すら開けるだろう!!」
なにせ、旧体制の「新入生がオベリスクブルーに配属されるのは中等部からの生え抜きのみ」の条件も解除される為、イエローより高度な授業を受けるチャンスでもあるのだ。
レッドもイエローに、ブルーも新たな階級「フォース」に――皆が皆、学園のスタートダッシュを切れるとなれば、良いこと尽くめであろう。
「入学・進級という勝利にかまけることなく、しかと兜の緒を締めたまえ!!」
まぁ、「実力があれば」との注釈はつくが。
「――以上だ!!」
そうして手早く挨拶を済ませたコブラの覇気溢れる姿に、赤い縁取りがされた白の制服に身を包んだ頭に二つ団子を作ったコアラのような髪型の恰幅の良い青年「
――なんか、凄いところに来ちゃったんダナ……
完全に気圧されている様子。
だが赤の縁取りがされた制服――アカデミアの最下層に位置するオシリスレッドである彼も、このチャンスを活かすことが出来れば、きっと夢である「カードデザイナー」の道の大きな糧となることだろう。
気張れ、隼人。
そうして学年全員の試験が再度行われ、結果発表まではつつがなく終了した頃――
『指名手配された大徳寺教員は未だ捕まっておらず、逃亡を続けていると思われます。KCが惜しみなく情報を開示し、捜査協力したことで生徒たちの保護などの早期解決ができたとのお話がありますが――』
アカデミアに新たに作られた一室――「フォース」に選ばれた面々がデュエルについて学ぶ、デュエルスペース付きの広々とした空間にて、テーブルの上の携帯端末に表示されたテレビから、ニュースをお茶の間に送る野坂 ミホの声が響く。
そんな中、椅子にそれぞれ座る3名の内の一人――亮は重ねた両の手を額につけ、項垂れた様子で力なく呟いた。
「師範が学園を追われたのは、これが原因だったのか……」
鮫島を「師範」と慕っていた亮からすれば、校長の交代劇が「教師の不祥事の責任を取った形」と言えども、すんなりと受け入れは出来なかった。
彼が如何に「カイザー」と呼ばれていても、その心は年相応の青年でしかない。恩師の失脚は堪えることだろう。
「ごめんよ。色々
「気にするな、吹雪。捜査協力をしていたのなら、『それ』は当然のことだ」
そんなカイザーに、コブラと共闘したことで凡その事情を知っていた吹雪が「親友に隠し事をしていた」旨を謝罪するが、一切責めることなく受け入れる亮。
だが、亮の痛ましい表情に件の騒動の渦中にいた藤原は懺悔するように言葉を零すが――
「すまない。僕の心の弱さが……」
「やめなよ、藤原。キミのせいなんかじゃない――キミの心の隙を利用した相手が諸悪の根源だって、斎王にも言われただろう?」
その懺悔は吹雪によって遮られる。
確かにダークネスの引き金を引いたのは藤原だが、「引き金を引くしかない状況に追い込んだ」相手がいる以上、吹雪や亮が、どうして藤原を糾弾できよう。
『その通りです、マスター。過度に己を責めるような真似は誰の為にもならない』
「でも、オネスト! 僕がしっかりしていれば、鮫島校長だってアカデミアを去らずに済んだかもしれ――」
「それなんだけど――クロノス教諭から聞いた話じゃ、前々からアカデミア生の質の低下が問題視されていたらしいよ。校長先生の交代劇も、その辺りが絡んでいるんじゃないかな?」
そうしてオネストの励まされるも、自罰で心が潰れそうな藤原に吹雪が「校長の交代劇まで背負う必要はない」情報を明かすが――
「――師範の教えが間違っていたとでも言うつもりか!!」
今度は亮が常らしからぬ様子で声を荒げて椅子から腰を上げた。
校長の交代劇の理由が鮫島のリスペクトデュエルにあるように言われれば、亮とて心穏やかではいられまい。だが、そんな心揺れる親友たちの板挟みに合う吹雪は、亮の肩に手を置きつつ、首を横に振る。
「それはないよ。だって、今の新体制でも『リスペクトデュエルの理念』は引き継がれているじゃないか。なら、現校長も問題は別に考えている証明だろ?」
なにせ、就任挨拶の際に「前校長のご配慮を前に胡坐をかいた貴様たち」や「リスペクトに反した者への牽制」などの発言から、コブラは鮫島の方針を引き継いでいることが読み取れる。
いつもの亮ならば、この程度のことを見落とす筈がない。
「亮、一度落ち着こう。いつものキミなら、このくらい直ぐに分かっていた筈だ」
「…………すまない」
「そこは『ありがとう』の方が嬉しいかな。こういう時こそ、このブリザードキングことフブキングの懐の深さを思う存分味わってくれて構わない――よ!」
そうしてなだめられた亮は、今度は友に八つ当たり染みた真似をしてしまった事実に落ち込むが、吹雪は茶目っ気を見せてウィンクして見せる。
吹雪とて、藤原の苦しみに気づけなかった過去の過ちを繰り返す真似など御免だろう。
「ハハ……そうだね。うん、吹雪の言う通りだよ、亮。丁度良い機会だし、新しい階級『フォース』で心機一転頑張っていこう!」
「とはいえ、ボク的には特待生寮のみんなもいない3人だけなのは、寂しく思うね。ガラガラな会場じゃ盛り上がりに欠けちゃうよ」
「この新体制も、師範の意思なのか?」
かくして、空元気ながらも前向きさを見せる藤原と、いつものムードメーカーっぷりを発揮する吹雪、そして常の平静さを懸命に取り戻そうとする亮。
そんな何時もの3人組で、新たな階級「フォース」での日々がスタートすることとなった。
「雁首揃えて、辛気臭いわね」
かと思いきや、フォースの4人目が来たる。
3人の視線の先には、青の縁が入ったノースリーブの白の制服に青のスカートに身を包んだ黒のボブカットの女子生徒の姿。
「キミは!?」
「小日向か。珍しいな、キミが本気を出すなんて」
「当たり前でしょ」
その4人目のフォースメンバーに対照的ながらも驚きの声を漏らす吹雪と亮。
なにせ件の相手は、普段は進級に影響が出ない程度に軽く流すデュエルしかしないのだ。それがフォースに選ばれる程の力量を見せたとなれば、どんな風の吹き回しか気になって当然であろう。
そんなフォースの4人目たるオベリスクブルーの女生徒――『
「旧体制じゃブルー女子は頑張ろうが、頑張らなかろうが、色分けされないんだから、本気を出すだけ無駄だもの」
しかし、理由は実にシンプルだった。今までのアカデミアの女子生徒は、どれだけ実力を示そうとも「寮の格付け」に何も反映されないのだ。なにもしなくても「オベリスクブルー」の待遇が約束されている。
なら、一々本気を出すなど、小日向からすれば「無駄な労力」と思いたくもなろう。
だが、「女子生徒の学力別の色分け」と新しい階級「フォース」の前では「無駄」ではなくなるとなれば、話は変わる。
「これでやっと『花嫁修業』なんて揶揄されることもなくなるんだから、本気出すに決まってるじゃない」
そうして空いていた座席に座り「フォース」に贈られる特別待遇について記された冊子を上機嫌な様子で眺め始める小日向を見て、亮は考え込むように呟いた。
「新しい風……か」
「そうだよ、亮! 新しい試みにチャレンジしつつも、リスペクトの心も引き継ぐ! 鮫島校長の教えは今もアカデミアに息づいているんだ!」
「うん、吹雪の言う通りだ! そうしてリスペクトの教えが広まれば、鮫島校長が戻って来る可能性だってあるんじゃないかな!」
『確かに、リスペクトデュエルの第一人者である方なら、是非とも教えを受けたくなりそうだ』
やがて吹雪、藤原、オネストが三者三様――とはいえ、残念ながらオネストの声は、藤原以外には届かないが――な具合で亮に励ましの言葉を送る。
こうして一時は地の底だった3人の雰囲気が大幅な上方修正を果たし、空気も明るいものとなって行くのであった。
「そんな訳ないでしょ」
と思いきや、特別待遇についての冊子を眺めていた小日向からの声に、その空気は霧散した。やがて、冊子から目を離すことなく小日向は続ける。
「阿鼻叫喚よ、下の連中」
強者の理屈は、弱者には通じないのだと。
「えーと、此処で良いのかな~? あっ、初めまして~ぼく『
そんな緊迫した空気に意を介する様子を見せないフォースの5人目――青の長袖の制服を肩にかけたボロボロの水色シャツの小柄な短髪の青年「
三度、場の空気は違う意味で一刀両断された。
『!?』
『もけもけ~!』
「精霊が見えるんですか!?」
それに対し、白いはんぺんに三本線の目口が浮かぶ白いはんぺんのような天使《もけもけ》の精霊に肩を叩かれたオネストと共に、藤原も驚きを隠せない。
よもや、自分以外に精霊が知覚できるものが学園にいたなど、彼にも初耳だったのだから。
ところ変わって、コブラの行った再試験の結果が張り出されていた場所にて、教師たちと生徒たちがごった返す中――
亮と同学年の2年生であり、何故かテニスウェアで活動する茶髪の爽やか青年こと「
「フォースに至るどころか、イエローに落ちてしまったぁぁあぁぁあ!! だが、この程度で挫けては駄目だ!! 今、頑張らなくてどうする!! 今日と言う日は今日しかないんだぞ! この悔しさ涙は明日の糧になる! 美しき青春に向けて駆けだす時!
そうして綾小路ミツルがテニスラケットを片手に、素振りを始める光景は熱血を超え、周囲に気温すらも上げる程の熱量を感じさせる。
だが、そんな綾小路ミツルを押しのけ、3人の人影が教師たちに迫った。
「綾小路先輩ちょっとどいてください! どうしてブルーの僕がレッド落ちなんですか!!」
「幾ら何でもおかしいでしょう!!」
「そうだ、そうだ! 我らオカルトブラザーズが、レッドと同レベルだなんて!」
そうして、ロン毛眼鏡の青年「
「お、落ち着くノーネ! さっき話した通りナーノ! これは――」
「くっ、やはり此処ぞという時のドローが俺には足りない! イエロー落ちは己が未熟を知らされた天啓と思うべし! 天は俺に告げている! 今こそ『究極のドローを目指せ』と!!」
おかっぱ頭の大柄な1年生の青年「
「騒がしくてよ!! そこをお退きなさい! ――クロノス教諭、わたくしがイエローなどと……亮様と同じブルー以外ありえませんわ!!」
その大山を含めて周囲の面々を押しのけたクロノスに詰め寄った2年の左右に分かれた赤紫の長髪の一部分を耳元で三つ編みを編んだ独特な髪型の2年生の女生徒「
それらの騒がしさは、つい最近赴任してきた教師である佐藤を含め多くの教員たちが事態の収拾に動く程だ。
「新体制に伴い、ボーダーラインに大幅な修正がかかっています」
「だとしても、佐藤教諭! ブルーからレッドは落ちすぎじゃないですか!?」
「本当にそうでしょうか? 貴方が格上だと思っていた相手は、一様にして上の階級にいる――そう感じてはいるでしょう?」
「うっ……」
「それは……」
「そうかもしれないけど……」
そんな中、繰り出された佐藤の論に、高寺、向田、井坂がローテーショントークで認められない現実にばつの悪い顔を見せるが、クロノスは己の頭上で手をパンと叩き注目を集めて、この場に集まった生徒たち告げる。
「安心するノーネ! すぐに退学になる訳じゃなイーノ! カリキュラムをしっかり受けなおセーバ、きっと直に上がれルーノ!」
「親御さんを巻き込んで抗議したいというのなら、ご自由になさってください。此方も説明の場を用意しますので」
そんな彼らの血気盛んと言わざるを得ない姿に、少し離れた場所で取り残されたBIGなコアラボーイこと隼人は、赤い制服のままに思う。
――本当に凄いところに来ちゃったんダナ……
この地獄もかくやな争乱の只中で、果たして自分は生き残れるのだろうか――と。
気張らないものに道は開けないぞ、隼人。
そうして迎えた大量の寮格下げに阿鼻叫喚を上げる生徒たちを余所に、その辺りとは無縁のフォースの面々は、新たに増えた2人のメンバーに話題が移っていた。平和である。
「もけ夫先輩!? あの伝説の!?」
「ああ!」
亮と吹雪が、のほほんとした現在とは違いバリバリのデュエリストだった頃のもけ夫の噂話を思い出す余所に――
『もけもけ~』
『は、はぁ、よろしくお願いします』
「どうして、此処に!?」
もけもけに肩をパシパシ叩かれ絡まれるオネストが挨拶を交わす中、藤原が「何があったのか」を問えば、もけ夫はあくび混じりに返して見せる。
「う~ん、ぼくがいると、みーんなやる気なくなっちゃうからって、バカンス用意して貰ったんだけど~『お金が沢山かかるから~』って、学園に復帰することになったんだ~」
「成程、もけ夫先輩には不思議な力があった訳ですね。その力は今どうなっているんですか? ……あのー、聞いてますか先輩?」
「むにゃむにゃ……」
「どう見ても寝てるわね」
だが、小日向の言うように会話の途中で速攻で眠った。圧倒的マイペースこと究極の自由人――それがもけ夫。
「このタイミングで!?」
『もけー! もけけー!』
『成程。マスター、どうやら特殊なトレーニングを積み、能力を制御できるようになったとのことです』
「へぇー、なんだか超能力みたいで凄いな……」
だが、精霊仲間ができたゆえか、テンション高めなもけもけの言葉を受けたオネストが藤原に伝言ゲームをする中、小日向は今の今までスルーを続けてきた「虚空に語り掛ける藤原」に対して触れる。
流石にこれ以上、無視し続けるにはあまりに大きい事柄だ。
「アンタは誰と喋ってるのよ」
「そういえば小日向くんは知らなかったね。そう! なにを隠そう藤原は――『カードの精霊』が見えるのさ!!」
「はいはい、すごいすごい」
しかし華麗に解説を買って出た吹雪の言を、興味なさげに一刀両断する小日向。そんな夢見がちな乙女的ファンシーな答えなど求めていないのだ。
「――ブリザードの名を持つボクのお株を奪う冷たさ!? 信じてないよね!?」
だが、何処から取り出したウクレレ片手に謎のポーズを取ったまま固まる吹雪には、他に説明しようがない。真実は時として虚構に劣るものなのである。
かくして、フォースの面々が各々やいのやいの騒ぐ中――
「シニョール、シニョーラ! 静粛にするノーネ! 特別授業を始めルーノ!!」
この場に入出したクロノスの声に、第一期生のフォースの初授業が幕を開ける。先のレッド及びイエロー生徒の騒動は他に任せてきたらしい。
「特別授業? フォースのデュエル講義は、やはりブルー時代とは大きくことなるのですか?」
だが、The優等生な亮のスタンスに、
「(もけ夫先輩! 起きてください! クロノス教諭が来ましたよ!)」
『もけー!』
『こうなると暫く起きないそうだよ、マスター』
完全に寝てしまったもけ夫を頑張って起こす優しさを見せる藤原と、
「うーん、むにゃむにゃ、後6時間と66分……」
「それ、7時間6分じゃない……」
「ボクもマイペースな自覚があるけど、もけ夫先輩はそれ以上だ――世の中は広いね」
未だにガン寝を続けるもけ夫に、頬を引くつかせて呆れ顔を見せる小日向と、なんか悟りだした吹雪、
「……シニョール茂木は相変わらずなノーネ」
そんな一癖も二癖も、三癖四癖と延々に続きそうな面々の姿に大きくため息を吐くクロノス。果たして自分は、こんなハチャメチャな面々を導けるのかと、唯々不安だった。
デュエルの実力に関しては、お墨付きなのがせめてもの救いか。
「順番が来た時ーニ、起きていてくれたら良いカーラ、先に説明を始めちゃウーノ」
だが心を入れ替え、ついでにマッスルも心なしか増強されたクロノスは怯むことなく、話を進めていく。
「学園内から選ばレータ、スーパーエリートたる『フォース』の貴方たちには、一般生徒デーハ相手にならないノーネ。我々教師陣が相手をするにも、教師の数が限られているカーラ、偏った経験になっちゃいマスーノ」
「つまり学園の外の相手と戦うということですか?」
「その通りなノーネ、シニョール藤原――高名なデュエリストの招致ーや、大規模ーな大会、後は分校との交流試合などーで、世界の広さを知って貰ウーノ!」
そうして、相槌を打ってくれる藤原をありがたく思いつつ、クロノスは「学園の外に学びの目を向けること」こそがフォースのデュエル授業なのだと語った。
「でも今回ぃーは、お出かけの準備も出来てないだろうカーラ、デュエリストをお呼びしたノーネ!」
とはいえ、今日選抜されたばかりのフォースの生徒たちを、今から率いて移動するのは現実的ではない。
ゆえに、最初は「招致したデュエリストに教えを受けること」こそが授業との旨を明かされたことで、亮たちは「テレビの向こう側」だった著名なデュエリストを思い描き内心でワクワクを募らせる。
やがて、クロノスが身体全体で指し示した扉を向けば――
「サイバー流師範代、マスター鮫島なノーネ!!」
「亮……」
「師範!?」
凄い見慣れた人物――鮫島の登場に、亮は大いに動揺した様子を見せた。
亮の脳裏に「校長の座を追われた鮫島が何故ここに?」との疑問が占め始め、「よもや自力で復権を!?」などと飛躍し始めるが――
「どうして、師範が……」
「色々あって校長を辞したんだが、別の形でアカデミアに携わることになってね」
「現校長のコブラ氏ーガ、直々に頭を下げてお願いしたとのことナノーネ!」
「現校長が……?」
その内実は鮫島とクロノスによってアッサリと明かされた。リスペクトの教えを守っていくことが方針にある以上、その道のスペシャリストの存在は無視できないことだろう。
そうして鮫島の服装が校長の時のものではなく、サイバー流としての中華風の道着になっている様から、かつての道場の日々を思い出させ、師弟の感情再会の空気が流れる。
しかし、そんなことなど気にした様子もない小日向は、クロノス教諭に先を促した。
「で、なにするんですか? デュエル?」
「師範ほどの相手ならば、確かに得難い経験になるだろうが……」
そうして、師範とのデュエルに若干心躍らせる亮だったが――
「いいえ、今回はリスペクトの精神についてのお話を頼まれました」
「パス」
鮫島から明かされた授業内容に、小日向は速攻で軽く手を上げ、踵を返した。
フォースの授業は強制ではない。受けたくないのなら拒否しても問題はない――要は「フォースに相応しい実力」こと心技体を示し
だが、その小日向の道を塞ぐ形でクロノスは立ちふさがる。
「待つノーネ。貴方たちーは確かにデュエリストとして、とっても強いノーネ。デモデーモ、心の方は未成熟な学生デスーノ」
「そういうの間に合ってるんで」
「だ、駄目なノーネ! 学園としても外面くらいはちゃんとして貰わないと困ルーノ!」
「――教諭、言い方ァ!!」
そして説得を続けるクロノスだが、段々と雑になっていく内容に思わず藤原が突っ込みを入れるも、クロノスとて退く訳にはいかない。
今のアカデミアは「成果」を求めている。不祥事続きだった過去から、華麗な転身を遂げた「証」を見せる為――ゆえに、最低限の立ち振る舞いは覚えて貰いたいところ。
「それにリスペクト的な行いをしている方が、覚えも良くなるカーラ、シニョーラ小日向にーも、損はないノーネ!」
「クロノス教諭! 流石にそのような物言いは看過できま――」
「構いませんよ、亮。リスペクトは強制されて行うものではありません」
そうして若干失礼なアプローチ方法に逸れたクロノスの言い分を咎めようとした亮だが、それは他ならぬ鮫島に止められた。
そう、「立ち振る舞い」という点ならば、なにも「リスペクトの精神」を学ぶ必要はないと、鮫島は続ける。
「小日向さんが『不要』だと判断されるのであれば、私はその意思を尊重――リスペクトします」
「師範……」
「ですが、話も聞かずに耳を塞ぐことは、貴方の未来の選択肢を狭める可能性も含む――そのことだけは心の片隅にでも残してくだされば幸いです」
そんな具合に最低限の心得を手短にまとめた鮫島の姿に、小日向は足を止めて暫し悩む素振りを見せた後、大きくため息を吐いた。話も聞かないのは角が立つだろう。
「ハァ…………わかりました」
やがて他の面々に倣い席に座った様子をクロノスに見送られた小日向だが、先に自論を述べる。
「でも、私――『
そう、小日向とてリスペクトを嫌っている訳ではない。単純に亮づてに語られるリスペクトの精神がどう考えても「自分の性質に合わない」と理解しての行動なのだ。
「そうでしょうか? デュエルに勝敗がある以上、勝ち負けへの感情があるのは当然のことです。それはサイバー流のリスペクトデュエルでも同じ」
しかし鮫島は小日向の在り方をリスペクトして見せる。サイバー流とて、その部分はさした違いはないのだと。鮫島だって「勝てば嬉しい」のは同じだ。
そうして小日向に「リスペクト」への敬遠を見た鮫島は、まずはサイバー流を知って貰うべく――
「それにリスペクトを極めた先には、より高み――強さの秘訣があります」
「――詳しく」
「凄い食いつきなノーネ……」
小日向が望みそうな話題を振れば、クロノス教諭が思わず零す程に相手の反応が変わった光景に、オネストは思わず呟く。
『とても負けず嫌いな方なのか……』
「僕も初めて知ったよ」
「小日向くんもやる気になってくれて、ボクも嬉しいところだよ!」
やがてオネストと藤原が置いてけぼりな気分の中、吹雪が親指を立てて歯をキラリと光らせる謎エフェクトを放つ横で、亮が「初耳だ」と会話に割り込んだ。
「俺が習得したサイバー流の教えが全てではなかったのですか?」
「いいえ、亮も知っての通りです」
しかし、鮫島は「本質は亮が知るものと同じ」だと説明に移る。
「リスペクトは相手への理解です。どんな想いでこのデュエルに臨んでいるか。それを汲み互いに尊重し合うことで、勝敗の垣根を超えた領域を目指す」
「でもそれって、ようは相手に『優しく』って話でしょ? 相手を倒す強さとは対極にあると思うんですけど」
とはいえ、その辺りの教えは亮が身を以て示している為、リスペクトの精神に明るくない小日向ですら、凡そ理解できる範囲だ。
ゆえサイバー流師範代として語る「強さの秘密」に結びつかない小日向へ、鮫島はヒントを出した。
「では、一つばかり例を上げましょう。『このターンで決める気だな』――と、相手の攻め気などを感じたことはありますか?」
「勿論です、師範」
「まぁ、それくらいはあるけど」
「うん、誰しもが遭遇するよね」
「亮とデュエルしてると毎ターン感じるよね」
『マスターも大概だと思うよ』
『もけ~』
投げかけられた問いかけに、亮、小日向、吹雪、藤原、オネストたちが納得を見せる中、鮫島はそれこそが「真髄」なのだと語る。
「全てをリスペクトした先に、見えてくるもの――それは『相手への究極の
リスペクトを極めた先には、相手を尊敬し思いやった先には、「相手の全てを理解」する領域があるのだ。
ただの理解と侮ることなかれ、相手への理解に至るということは当然――
「相手がどんな戦術を好むのか、無意識に選択してしまう戦法、そしてドローするカードさえ」
相手の考えが読めると同義。デュエルにおいて、これ程のアドバンテージはあるまい。
「相手を尊重した先には、その相手以上の理解を得られる。まさに『一心』となるのです」
「なにそれ、机上の空論じゃない」
それこそが、サイバー流の――というよりは、リスペクトの精神に付随する「副産物である」と語る鮫島だが、小日向の言うように「それが出来れば苦労しない」話であろう。
「誰もなしえたことのない理想は、頂きに立つ者がいない限りは空論染みたものですよ」
「基本こそが奥義……」
だが、鮫島は、スタート地点は常に「出来ない」から始まるのだと返す。
過去は行けぬとされた海の果てにも、雲の上の大空にも、その先の宇宙にだって飛び立てるのだ――人々の日々の精進が不可能を可能にしてきた。空論を実現してきた。
そう未踏の地に思いを馳せるような鮫島を感慨深く眺めていた亮が「師範は目指した先のどの辺りにいるのか」と問うが――
「師範はその頂きに辿り着けたのですか?」
「ハッハッハ、とんでもない。この年になっても、未だ道半ばすら遥か先の先――これっぽっちも辿り着けていない有様です」
鮫島は朗らかに「恥ずかしながら」と言った具合で軽く笑って見せながら、「自分にできるのは」との前置きで限界を己のスキンヘッドをさすりながら語って見せれば――
「今の私では小日向さんが、亮たちへ疎外感を覚えているのが辛うじて分かる程度です」
「急になに言ってんだ、このハゲ」
――そんなこと思ってませんけど?
「小日向くん!? 多分だけど、本音と建て前が逆だと思うよ!?」
途端に鮫島へと飛んだ小日向からの失礼極まりない罵倒に、吹雪は待ったをかけた。
「吹雪は小日向の状態を読んだ――これがリスペクトか……」
「違うんじゃないかなぁ……」
『マスター、僕も同意見です』
『もけけー』
やがて検討違いな納得を見せる亮に突っ込みを入れる藤原とオネストを余所に、鮫島は好々爺の如く謝罪を入れるが――
「これは失礼――女性のプライバシーを安易に語るなど、リスペクトに反しておりました。私もまだまだ修行が足りないようです」
「…………絶対わざとでしょ」
「落ち着くノーネ。シニョーラ小日向――マスター鮫島も貴方とカイザーたちのちょっとした不和を解いておこうとしただけナーノ」
――でも校長時代の食えない狸なところは変わらないノーネ。
クロノスの言うように、鮫島の行為は半ば強引に腹を割ってわだかまりを解消しようとしたゆえ。
中等部から「三天才」と呼ばれ仲の良かった亮、吹雪、藤原の3人組に、今の高等部2年の時期から来た小日向が壁を感じるのは当然のこと。
同じ「フォース」の仲間となったからには「仲良く切磋琢磨して欲しい」と願うのは鮫島だけでなく、クロノスも同じである。
「でもでも~、ボクのもけもけ~なスタイルは、この既存社会では受け入れ難い思想だよね~」
だが、此処でいつの間にか目を覚ましていたもけ夫が、自分の在り方は「リスペクト」され難いと話題に突如としてゆるーい感じで乱入した。マイペースっぷりは健在の様子。
「そんなことはありません――いえ、やっぱりそんなこともあります」
「どっちよ」
「というより、もけ夫先輩、いつから起きてたんだい!?」
そんなもけ夫への鮫島の返答に突っ込みを入れる小日向と、驚く吹雪を余所に――
『もけ~、もけけ~!』
『睡眠学習していた――そうです』
「どういうこと!?」
「ですが、もけ夫くん――それがどれだけ素晴らしいものであっても、自らの思想のみを押し付ける在り方は必ず軋轢を生みます。世界とは一人のものではないのです。昔、私もこれで失敗しました」
精霊もけもけに事情を聞いたオネストから解説の解説に藤原が混乱する中、鮫島は過去の経験も踏まえ、「画一的な在り方の危険性」を問う。
人の数だけリスペクトの在り方があるのだ。もけ夫の「カードの精霊たちはデュエルで戦うよりも、ノンビリしたいよね」も素晴らしい考えやもしれないが、ケースバイケースだと。
「互いに尊重し合うこと――簡単なようで難しい心掛けの積み重ねが人と人の間には、必要なのです」
「難しそ~」
「そうですね。ですが、切っ掛け一つで、意外と簡単に解決できてしまったりもします」
「う~ん、眠くなってきちゃった~」
やがてイイ感じに締めくくろうとする鮫島に対し、活動限界を迎えたように睡魔に逆らうことなく寝る姿勢に入るもけ夫を、鮫島は諌めることなく、肯定して見せるが――
「そうですか。自分のペースで歩むのも、また一つの在り方。私はその在り方をリスペクトしますよ」
「リスペクトの判定ガバガバ過ぎない?」
「止めないか!」
今までの鮫島の発言に、他の面々も感じていた件を代弁する小日向に、亮は思わず同意しそうになる己の心を制するように待ったをかけた。
とはいえ、なんでもかんでも「良いね! それもリスペクトしよう!」ではガバガバ判定を下したくなるもの。
「互いに尊重し合う以上、多種多様な在り方を前にする訳だし、仕方がないんじゃない……かな?」
『簡単なようで、難しいお話ですね……』
「簡単なことさ! みんなが嫌な思いをしないよう、楽しく振る舞えば良い!!」
やがて自分なりに考察を重ねる藤原とオネストに、シンプルな答えをぶつける吹雪の主張に、鮫島は「それは大切な心構えだ」と肯定を返す。
「そうですね。吹雪くんが言ったように『相手の気持ちに立って考える』――そう、少し意識するだけで、世界は大きく色を変えます」
「例えば?」
「酷い言葉や、無礼な態度が抑制されたりしますね」
「それだけ?」
とはいえ、それで「もたらされる」のは相槌を打った小日向が「少ない」と感じたように小さいのかもしれない。
「それは大きなものですよ。言葉や態度は一度外に出してしまえば『なかったこと』には出来ませんから」
しかし、何事も綻びは小さなことから起きるのだ。言葉一つで命の奪い合いにまで発展するケースもなくはない。
「なーんか、倫理の授業みたいになってきたわね……」
「ハハハ、教えとは堅苦しくなってしまいがちですからね」
「ご教授ありがとうございます、師範!!」
やがて、なんだかんだで騒がしさが残れども、フォースの面々は時にデュエルし、時に心を鍛え、時に強者にぶつかっていくこととなろう。
――コブラ校長から聞いた時は、どうなることかと思ったケード、結構いい雰囲気になってきたノーネ。
それが彼らの成長の糧になってくれることを、クロノスは望むのであった。
そしてまた別の日のフォースのデュエル授業にて――
「本日は特別講師に来てもらったノーネ!!」
「……亮!!」
「師範……!!」
「暇なの?」
クロノスの声に合わせて現れた鮫島の姿に真っ先に反応を見せる亮――そんなリターンオブ鮫島の来訪に、思わず小日向がそう零してしまうのも無理からぬ話だった。
だが何分、始めたばかりの試みゆえに顔ぶれがダブるのは致し方のないことである。
此処で時計の針が進むか戻るか定かではない頃、木星の衛星イオにある無限に広がる大宇宙が大空に広がる海岸線のような場所で、神崎は未知との遭遇を経験していた。
「……アクア・ドルフィン!?」
「神崎
それは、なんか色違いなアクア・ドルフィンたち――ドルフィーナ星人たちとの遭遇である。赤・黄・緑etcetcとバリエーションは無駄に多い。
ただ、イルカ頭に筋肉質な人間の身体が特徴のドルフィーナ星人たちが並ぶ姿は、人間的な価値観でいえば、正直不気味な側面が大きかろう。
とはいえ、そろそろ何故、神崎がこんなカオスなところにいるかについて語らねばなるまい。
それはネオスたちから破滅の光の接近を知り、先兵を立候補した神崎とネオスたちが宇宙に飛び立ちグングン進んだ結果――
破滅の光の進行速度を加味して、決戦の地として多くのドルフィーナ星人が暮らすこの場が選ばれたのだ。
だというのに、初っ端からインパクトのある絵面により、神崎が固まっていた現在である。
「いや、あれは僕じゃなくて別のドルフィーナ星人だよ、神崎!!」
「此処には未だ破滅の光が襲来していないようで助かった! みんなの力も貸して貰おう!」
そんな神崎へアクア・ドルフィンが自分の名は「個体名」だと教える中、ネオスは同胞たちの無事を喜んでいた。
「なら、どうして私のフルネームを知っておられるんですか?」
だが、神崎から返されたある意味当然の疑問に、アクア・ドルフィンとネオスは固まった。
「それは――あれ? …………ハッ!?」
「――離れろ、神崎!!」
それはアクア・ドルフィンが教えた――という訳ではないらしい。
焦りを含んだネオスの声を合図とするように、数多の色違いアクア・ドルフィンこと、ドルフィーナ星人たちから無駄に配色豊かな禍々しい光が放たれた。
神崎「とても……とても長い期間、宇宙を飛んでいた気がする……」
Q:鮫島校長が、マスター鮫島に!? 人が変わったような豹変ぶり!?
A:今作の鮫島校長は、リスペクトの教えを享受してくれるポジションに立ちました。
求道者であるマスター鮫島に、校長なんて柵に塗れた場は相応しくないんだよ!
物腰の変化は、今まで背負っていたものから解放された影響です。
Q:新しい階級「フォース」って何?
A:今作の独自階級です。明らかにカイザーたちが「オベリスクブルー」の階級に収まっていなかったことから、定めさせて頂きました。
名称は、遊戯王ARC-Vの「オベリスクフォース」の階級を参考に(ほぼそのままですけど)させて頂いております。
Q:茂木 もけ夫って誰? フォースに在籍できる吹雪たち「三天才」レベルに強いの?
アニメ版GXに登場。
精霊が見え、優秀なデュエリストでもあったが、《もけもけ》との出会いにより、物凄いマイペースな感じに変化し、更に「周囲を無差別に物凄くゆるーい感じで脱力させ続ける」力を得る。
その力の危険性からアカデミア内部の快適リゾート空間に隔離されていた。
原作での学年は不明だが、「学内に噂があった」「亮たちとの直接の面識はない」との情報から
「亮たちの先輩くらい」と判断させて貰いました。
(今作では留年した形を取り、丁度1年先輩ポジになっております)
実力は、作中でプロデュエリストを倒す様子がある為、かなり強いと思われます。
Q:小日向 星華って誰? 三天才レベルに強いの?
A:漫画版GXに登場したカイザーと同学年の3年生。
実力は十代を負け確まで追いつめるレベル(十代にディスティニードローされて負けましたけど)
そして作中でカイザーに「キミが本気を出すとは珍しい」と一目置いていないと出てこない発言がなされていた為、上述の件を合わせてかなりの実力者と判断させて頂きました。
漫画版GXでは、ミス・アカデミアの3連覇を狙ったりと、かなり自己顕示欲が高い様子が見えますが、
十代と明日香のデュエルを見てミス・アカデミアを渋々譲ったりしているので、分別はつくタイプと判断しております。