マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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前回のあらすじ
凡骨のデジメンタルでレッドアイズをアーマー進化!
燃え上がる友情! レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン!!

これが友情パワーだ!

でもすぐさまハチの巣に……(泣)



第25話 仕組まれた宿命

「いやぁ負けちまったぜ!」

 

 キースに敗北した城之内は仲間たちの待つ観客席にいた。

 

「残念だったわね」

 

「でもチャンピオンとあんなに戦えるなんて……お兄ちゃんすごい!」

 

 励ます孔雀舞に兄の雄姿に喜ぶ静香、だが本田はある疑問を投げかける。

 

「だが言うほど落ち込んじゃいねぇな。なんでだ?」

 

「いや何て言ったらいいのか解らねぇけどよ、不思議と悪くねぇ気分なんだ……」

 

 城之内自身もよく分かっていない感情をもう一人の遊戯がそれがなんなのかを明かす。

 

「城之内君――それはデュエリスト同士が全力でぶつかり合った後に生まれる『互いが互いを認めあう』こと、デュエルの醍醐味の一つだぜ」

 

「そうか、コイツがそうなのか……」

 

 デュエリストとしてまた一歩前進できたことに感慨深く思っていた城之内の背に声がかかる――キースだ。

 

「おい小僧――テメェの名前を教えな」

 

「トーナメント表、見てなかったのか?」

 

 キースの問いかけに思わず普通に返してしまう城之内。

 

「そう言うことじゃねぇ――テメェの口から直接聞きてえのさ」

 

「そういうことか! 俺は城之内克也! アンタの名前も聞かせてくれ!」

 

「ああ、キース・ハワードだ。城之内克也、覚えたぜ。テメェのデュエル粗削りだが悪くなかった」

 

「おう! ありがとよ! アンタもなかなかやるじゃねぇか!」

 

 アンタも強かったと返す城之内だが杏子が城之内の無礼をいさめる。

 

「まだデュエルを始めて数か月のアンタがチャンピオンに何言ってんの」

 

 ついこの間まで素人同然だった男が全米チャンプにむかって「なかなかやるじゃねぇか」は失礼だと判断した故の発言だったが、その言葉にキースは驚く。

 

「始めて数か月? おいおいソイツは本当か?」

 

 信じられないと問いかけるキースに恥ずかしがりながらも若干逆切れ気味に城之内は答える。

 

「ほ、本当だぜ。何か文句でもあんのか!」

 

「……クッ!」

 

「どうしたんだ?」

 

 突然俯いたキースの様子を窺う城之内。

 

「クククッ……ハッハッハハハハーーー!!」

 

 そして声を上げて笑い出す。

 

 しばらくして笑い終えたキースはいきなり笑い出したことについて謝罪しつつ言葉を続ける。

 

「……いや悪りぃな。ちょっと昔のことを思い出してよ――『スタートラインはみんな同じ』……か、俺様もうかうかしてられねぇな」

 

「何の話だ?」

 

 デュエリストは日々進化を続ける――立ち止まってなどいられない。

 

 そんなキースの内心を知らず城之内は首を傾げるばかりだ。

 

「なぁに次にデュエルするまでに強くなれよって話だ。プロの世界で待ってるぜ――城之内」

 

 ポカンとする城之内にキースは城之内に強くなれと返し去り際に城之内の名を呼ぶ。

 

 そんな全米チャンプからの言葉に城之内は力強く答えた。

 

 

 

 

 

 キースのデュエルを2戦見終えた月行はペガサスの言う5本の指に入る実力者の実力に今回の大会を見れて良かったと考える。

 

 さらにペガサスも過去の同じデッキを使った変則的なデュエルでは見れなかったキースのデュエリストの「色」が間近で見れて満足そうだ。

 

「あれがMr.キースの本来のデュエルのスタイルということデスカ……彼らしいチョイスデース」

 

 そしてペガサスは城之内の方に目を向ける――おもしろいデュエリストだと

 

「ですが城之内ボーイのデュエルも発展途上デスガ可能性を感じマース。Mr.神崎が目をかけるのも頷けマスネ。月行ボーイはどう思いマスカ?」

 

 ペガサスはペガサス自身が「パーフェクト・デュエリスト」と称する月行に意見を求める。

 

「まだまだ無駄の多い構成かと……使っているカードの統一性がなさすぎるように思えます」

 

「それはそうデース。ですがワタシが聞きたいことはそうじゃありまセーン」

 

 ペガサスの真意が解らない月行。

 そんな彼にシンディアは自分の考えをペガサスに問いかける。

 

「そういえば城之内さんとても楽しそうにデュエルしてたわ。つまりはそういうこと?」

 

「シンディアの言う通りデース! 彼はとても楽しそうにデュエルしマース! デュエルモンスターズを生み出したものとしてこれほど嬉しいことはありマセーン!」

 

「それとこれと一体何の関係が……」

 

「月行ボーイは少し自分を追い詰めすぎデース。時には肩の力を抜くことも大事なことなのデース」

 

 月行だけでなくペガサスミニオンの皆は拾ってもらった恩を返すため全力でその期待に応えようと日々切磋琢磨している。

 

 そんな彼らに力を抜く――手抜きとも考えられることは出来なかった。

 

「ですが! 私は――」

 

 今までため込んでいた月行の想いが溢れた言葉にペガサスは返す。

 

「……月行ボーイはワタシが評した『パーフェクト・デュエリスト』を『完了』、『もう成長の余地がない』という意味で捉えているようデスガそれは違いマース」

 

 ペガサスは月行の目を真摯に見つめ続ける。

 

「アナタの『基礎』は『完璧』、よってこれからどんな方向にだって羽ばたいて行けるということなのデース」

 

「ペガサス様……」

 

「アナタがワタシたちの期待に応えようと頑張ってくれるのは嬉しく思いマース。ですがワタシたちは我が子同然のアナタたちが苦しむ姿など見たくないのデース」

 

「そうよ、月行。悩みがあるならいつでも私たちを頼ってくれていいのよ? 私は頼りないかもしれないけど……」

 

 2人の家族としての愛情に感動を覚える月行、だがシンディアの最後の言葉に慌ただしく否定を入れるも――

 

「いえ、そんなことは……ですがあり、が……とう……ござ……いま……す」

 

 月行の言葉はその涙により最後まで続けられなかった。

 

 涙に崩れる月行を見たペガサスはここまで追い詰めてしまったことに気付かなかったことを悔やむ。

 

 ペガサスミニオンたちもペガサスたちに心配をかけまいと隠してきたゆえでもあるのだが。

 

 

 気づけたのはこの大会の打ち合わせを神崎としていた時に手伝いに来ていたペガサスミニオンと言葉を交わした神崎がそのわずかな会話から彼らの悩みやコンプレックスを見抜きペガサスとシンディアに進言したゆえである。

 

 驚異的な観察眼だとペガサスは恐れた。

 

 大半の人間が神崎の未来予知じみた先見の明を恐れるが、真に恐るべき力は相手の全てを見通すその観察眼こそにあるのではないのか、ペガサスはそう思えてならない。

 

 

 

 当然、神崎はそんな観察眼など持っておらず「原作知識」からの情報である。

 

 

 

 

 

「いや~いよいよ社長と遊戯の再戦ですねぇ~今度はどっちが勝つと思います?」

 

 試合会場を裏方で見ながら牛尾は次の試合の勝敗の予想を神崎に尋ねる――神崎にはこの試合がどう見えているのかが気になったようだ。

 

「海馬社長に勝って頂きたいですね――海馬社長のデュエルはKCの今後を大きく左右しますから」

 

 神崎としては海馬に勝ってほしい実情がある。それは――

 

 海馬の敗北はKCの株価が下がる可能性を持っているためである――どういうことだ。

 

 ゆえにできれば勝ってほしいが「原作」を知る神崎はそれが厳しいことをよく知っていた――故にあくまで希望である。

 

「そういやそうでしたね。前負けた時は大変だったってギースの旦那がぼやいてましたよ」

 

 海馬が倒れた時期、牛尾はまだ本格的な業務には参加していなかったため、いまいち実感がわかなかった。

 

 そして牛尾は「もしも」に思い至り笑いながらそれを語るが――

 

「まぁ済んだ話ですけどあの社長が1回戦負けなんてことになったらえれぇことに、なって……た……」

 

 そして牛尾はあることに気付く。気付いてしまう。

 

 

――このトーナメント……社長に都合よすぎねぇか?

 

 牛尾の中でこのトーナメント内で海馬を倒せるであろうと思われるのは遊戯とキースのみ、その2人が都合よく初戦の相手にならないだけならまだ偶然で牛尾は納得できた。

 

 だが海馬が望む遊戯との試合を確実に実現するために障害になるであろう存在――キース・ハワード。

 

 最悪の場合、遊戯と海馬両名を降してしまう可能性もあったと牛尾は考える。

 

 そんな存在が都合よく2人の再戦の邪魔にならない別ブロックにいることを含めると偶然と言うにはあまりに都合がよすぎた。

 

 しかしあの海馬瀬人がそんな「裏工作」を好むとは牛尾には思えない。

 

 今大会の主催者の一人であるペガサスも同上である。

 

 故にそんな「裏工作」を必要としつつ、それが可能なものは――

 

「どうかしましたか? 牛尾君」

 

 言葉の途中で急にただごとならぬ様相で考え込み始めた牛尾に心配するように問いかける神崎。

 

「いえ、なんでも……ねぇです」

 

 牛尾は言葉を濁すしかなかった。

 

 

 念のため弁解しておくがこのトーナメントはデュエリストたちの宿命が生んだ結果である……結果である!

 

 

 

 

 

 城之内とキースのデュエルが終わりまずまずの収穫だったと海馬は考える。

 

「ふぅん、運に恵まれたとはいえ馬の骨にしては善戦した方か。アレが全米チャンプの奥の手といったところか……」

 

「《ガトリング・ドラゴン》だったっけ? すごい効果だったね兄サマ!」

 

「俺のブルーアイズの敵ではない……だがそんなことはもはやどうでもいい」

 

 そう言いながら試合会場へ向かう海馬。

 

 その後をモクバは追いかける――兄の雄姿を間近で見たいようだ。

 

 

 そして試合会場にはすでにもう一人の遊戯と人格を交代した遊戯が仲間の声援を受け待っている。

 

 それを目にした海馬は抑えられていた己の高ぶりが弾けるのを感じた。

 

「この時を待ちわびていたぞ! 遊戯!」

 

「海馬……俺もだぜ!」

 

「ふぅん、ならば貴様に俺の新たな力を見せてやるとしよう……とくとその目に刻むがいい!」

 

「新たな力? ッ! まさか羽蛾とのデュエルの時は!」

 

 海馬の言った「新たな力」とは《青眼の究極竜》のことだけではないと遊戯は感じ取り、そして羽蛾とのデュエルでの海馬らしからぬパワー不足の真相に思い至る。

 

「貴様の想像の通りだ……この俺が早々に手の内を全て明かすとでも思ったかっ!」

 

「だったらその『新たな力』を超えるまでだぜ!」

 

「そうか――だが勝つのはこの俺だ! 貴様には俺が背負い続けた敗北の十字架を担がせてやる! 屈辱の重さで地に這いつくばるがいい!!」

 

「果たしてそううまくいくかな?」

 

「ふぅん、ならばデュエルで示してやろう――さぁデュエルディスクを構えろ! これこそ俺が貴様とのデュエルのために用意したものだ!」

 

 もう一人の遊戯は再度試作型デュエルディスクに目を向ける。

 

「コイツがそうだったのか……」

 

 その遊戯の反応に満足した海馬は力強く宣言する。

 

「真の勝者は只一人! 行くぞ! 遊戯!」

 

「ああ! 行くぜ!」

 

 ヒートアップする両者に準備完了と判断したMr.クロケッツは試合開始の宣言をする。

 

「それでは準決勝第2試合、武藤遊戯VS海馬瀬人の試合を始めます。デュエル開始!」

 

「「デュエル!!」」

 

 本来の歴史では実現することのなかった条件での戦い(デュエル)が今始まる。

 




原作ペガサスの5本の指に入るデュエリスト
1.武藤遊戯
2.海馬瀬人
3.城之内克也 予定
4.エド・フェニックス
5.ヨハン・アンデルセン


今作ペガサスの5本の指に入るデュエリスト
1.キース・ハワード In!
2.武藤遊戯
3.海馬瀬人
4.城之内克也 予定
5.残りの一席

最後の一席をかけてデュエルだ!!
エド・フェニックスVSヨハン・アンデルセン

どっちが勝つだろうか?
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