マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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前回のあらすじ
恋する乙女――早くOCG化してくれ、頼む……!(手遅れ)





第251話 恋する乙女の密入国

 

 

 BIG5の人造人間サイコ・ショッカーの人こと大門の要請を受け、指定された日時にKCを訪れた神崎が、かつてとは逆の立場となって応接室に案内されれば――

 

「よく来たな、神崎」

 

「いえ、大門さんに呼ばれれば来ない訳にはいきませんよ」

 

 件の人物である大門の姿に、神崎は大仰に礼を取って応対するも、促されるままに向かい合う形でソファに腰かければ、早速とばかりに此度の不可解な要請の内実に踏み込むこととした。

 

「ただ、聞いた限りではKC内で完結するお話ですし、私にお鉢が回ってくるとは思えないのですが」

 

 そう、それが神崎の必要性。

 

 デュエリストの才を見抜くなど、海馬や乃亜、その他のデュエリストでも十二分に事足りる話だ。外様になった神崎を態々呼び出し見聞するなど只の無駄な手間でしかない。

 

「あの小娘――『早乙女レイ』が単独で行ったことなら、それでも構わなかったんだがな」

 

「何があったんです?」

 

「書類偽造だ。それも、かなり巧妙にやっとる。実技試験で気づかなんだら、そのままアカデミアに編入しとっただろう」

 

「其処までの話でしたか」

 

――まぁ、原作でもどうやって出し抜いたかは不思議だった部分ではある。

 

 しかし、大門から語られる原作での一件の――今回の場合は歪んだ歴史による差異がある可能性が大きいが――舞台裏を聞かされれば、思いのほか事件は軽くはない様子が伺える。

 

 

 ちなみに、早乙女レイなる人物は、原作GXにて、小学五年生であるにも関わらず、アカデミアの編入試験を突破し、年齢と性別を詐称した上でアカデミアに来訪するお騒がせガールだ。

 

 その犯行動機が「好きな相手(カイザー亮)に会いたい」なのだから困ったもの。

 

 

「ああ、小娘の祖父――KC社員の一人の手引きがあった。孫可愛さゆえか、定年前に一花咲かせる気だったらしい」

 

「それは、なんといいますか……」

 

「まぁ、一応『KC内部の問題点を提示するパフォーマンス』とのお題目は用意していたようだがな。どちらにせよ、ふざけた話だ」

 

――KC内部の協力者……か。現実的な範囲ではある。

 

 そうして、歪みに歪んだこの歴史においての「早乙女レイのアカデミア潜入」はKC内部の協力者の手配があった旨を大門より聞かされ、神崎も己が起用された理由を察することとなる。

 

「つまり、KCとしては戒めの意味も込めて、早乙女さんに今後一切、手を貸す気がない、と」

 

「まぁ、小娘への罰は、その程度が妥当だったからな。そもそもジジイが悪乗りしなければ、もっと手前で弾かれていた問題だ」

 

「それで、どうして私に?」

 

「行いは褒められたものではないが、その度胸が気に入った――とはいえ、さっきも言った通り、此方が動く気はない」

 

 早い話が、「KCに舐めた真似した相手」である早乙女レイに、KCがあまり甘い顔をする訳にはいかない大人の事情である。

 

 それゆえに、後腐れない人物となった神崎に白羽の矢が立ったのだ。

 

「お前は人材発掘業を始めたんだろう? 渡りに船だと思ってな。原石になり得んなら捨て置けば良い」

 

「デュエルの腕はどれ程でしたか?」

 

「いや、其方はまだだ。『家族で改めて謝罪に来る』ことになっとる。デュエルはその時だ」

 

「では、その日はスケジュールを開けておきます」

 

――まぁ、今はスケジュールもへったくれもないんだが……さて、どうしたものか。

 

 やがて「大したことないなら切る」と言外に断じた大門に、神崎は殆ど白紙のスケジュール帳を埋めつつ、突き刺さる「原作ブレイク」の矢に貫かれていたが――

 

「そうしてくれ。とはいえ、こっぴどく叱られた後だろうから、デュエルどころではないやもしれんがな」

 

「つまり、電話口でのお話は……」

 

「あの時点では、喋らせる為のエサだ」

 

 続いた大門の冷淡な発言に、早乙女レイが思いのほかKCを怒らせていた事実を遅ればせながら神崎は思い知ることとなった。

 

 

 

 

 

 こうして「なんで余所の家の命運、背負っているんだろう」と仕様のないことを神崎が考え続けている間に時間は過ぎ去り――

 

 

 

 

 

 早乙女家がKCに来訪する日を迎えることとなる。

 

 

 そして再び応接室に舞台を移せば、紺の長髪の少女が正装代わりの学校制服に身を包み、ご両親に腕を引かれながら訪れていた。やがて案内の北森が退出した中、重苦しい雰囲気が場を包む。

 

――電話口での元気が嘘のようなお通夜っぷり……

 

 なにせ原作の早乙女レイらしさであったハツラツ元気な様子は影を潜めており、泣き腫らした目元からご両親にしこたま怒られたであろう現実が伺えよう。

 

 原作ではサラッと流されていたが、此度の早乙女レイの行動は一つの企業を騙すような代物。

 

 実質被害0ゆえKCが穏便に済ませた為、犯罪一歩手前で済んだとはいえ、家族からすれば絶許ものだろう。

 

 とはいえ、KCの長である海馬からすれば一瞥にすら値しないレベルに興味のない話だろうが――でなければ、神崎が呼ばれるどころか大門が担当することすらなるまい。

 

「そ、その……ごめんなさい……ボクが、お爺ちゃんに……頼んだから……」

 

「今回、無事に済んだのは運が良かっただけに過ぎん。最悪が重なれば家族で路頭に迷う可能性もあった――それさえ、理解してくれれば私からは何も言わん」

 

 やがて、この場が「許す場」という既定路線を知らぬレイが不安を紛らわすように母の手を握りつつ恐る恐る謝罪の言葉を述べれば、大門も定型文を淡々と流し、用意していた流れに乗せていく。

 

「今日、来てもらったのは嬢ちゃんが塞ぎこんで入ると聞いてな。『流石に忍びない』との話になったんだが……生憎、嬢ちゃんの気晴らしに付き合えそうなものが、デュエルしかない」

 

「おじさん、デュエルする……の?」

 

 そうして大門から「仲直りの儀式」として、デュエルが自然な形で提案された。面倒なことはデュエルすれば大抵解決するものだ――これ、真理。

 

「ああ、一説ではデュエルはコミュニケーションツールの側面も大きいらしい。このデュエルで禍根とやらを水に流そうじゃないか」

 

「ううん、そうじゃなくて……おじさん、デュエル()()()()?」

 

 だが、何気ないレイの発言に、大門の頬がピクリと引きつった。その横で感じる筈のない胃痛に戦慄する神崎。そして実際に胃痛がしているであろうレイのご両親。

 

 しかし、これに関してはレイを責める訳にはいかない。

 

 遊戯王ワールドにおいて「デュエルの実力を金銭でやり取り(雇い入れる)」システム上、いわゆる「雇う側」がデュエルに強い必要性はないのだ。

 

 原作の万丈目兄弟も、デュエルは弟に任せるスタンスを取り、モンキー猿山も己がデュエルの舞台に立つことは決して行わなかった。

 

 そしてレイから見た大門は、どう考えても「雇う側」だ。海馬のような分かり易い覇気も見えなければ、デュエルに強いイメージは欠片も抱けまい。

 

 

 閑話休題。

 

 

「ほほう……それは私への挑戦と受け取った。手加減してやるつもりだったが、止めだ。全力で大人の実力とやらを叩きつけてやるとしよう。神崎、案内は任せた」

 

 かくして大門がデュエルに携わる者としてプライドを傷つけられたゆえか、カチンと来た様子で一足先にデュエル場へスタスタ進んだ背中を内心ハラハラしつつ見送った一同。

 

「ねぇ、試験官の人(神崎)……態と負けた方が……良いのかな?」

 

 やがて、約束の件の人との説明を受けた神崎をチラと見るレイは、書類偽造の申し訳なさから「大門に勝たせる(八百長の)」選択肢が浮かぶ。

 

 仮にもアカデミアの受験に合格できる程度の力を持つレイが、そこら辺のおっさんを本気で叩き潰して良いものかは、流石に小学五年生のレイでも悩むところだろう。

 

 

「こういった状況では、態と負ける方が角が立ちますから、普通にぶっ飛ばして頂いて問題ないですよ――出来ればの話ですが」

 

――大門さん、BIG5の中でトップ2だからな……

 

「流石に、アカデミアの受験に受かってたボクが、その辺のおじさんには負けないよ……」

 

「そうですね。ですが、このデュエルは早乙女さんのアカデミア行きを左右する『試験』でもありますから、本気でかかった方が悔いはないかと思われます」

 

 だが、神崎の内心を隠した発破も、レイにはいまいち効果は薄かった為、大門がエサとして告げていた「正規のアカデミア編入の口利き」という絵に描いた餅をぶら下げて見せる神崎。

 

「ただ、此方の準備もありますから、気持ちを落ち着かせてからデュエル場の方へ向かえば良いかと」

 

 そうして、神崎はゆっくりめに早乙女家の面々を大門が先に向かったデュエル場に案内しつつ、「本気で戦って欲しい」旨を告げていく。

 

 

 なにせ、デュエリストと言う生き物は勝利を求める癖に、手を抜かれた上での勝利を得れば途端に機嫌が悪くなってしまう面倒な生き物なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 やがて、神崎の奮闘あってか、それとも恋する乙女の自力か、はたまたご両親の励ましのお陰かは定かではないが、モチベーションを取り戻したレイと、大門がデュエル場にてデュエルディスクを構えて向かい合う。

 

「逃げずに来たようだな……」

 

「だって正真正銘、最後のチャンスだもん――だから、今から恋する乙女の本当の力を見せてあげる!」

 

「ならば、私も見せよう――大人の底力を!!」

 

 そして、軽い言葉のジャブを交わした後――

 

 

「 「 デュエル! 」 」

 

 

 なんか当初の予定とはだいぶ毛色が違うデュエルが幕を開けた。

 

 

 

「ボクの先攻! ドロー!」

 

 そうして先攻であるレイが、魔法カード《強欲で金満な壺》で2枚ドローし、早速とばかりに己のフェイバリットカードを呼び出せば――

 

「恋する女の子に不可能なんてないの! 来て、『恋する乙女(惑星からの物体A)』!」

 

うふふ、よろしくね(ゲヒヒャヒヒャ)

 

 フィールドに紫色の丸い腐肉に金属の足が幾重にも伸びた化け物――なんて姿はなく、ウェーブのかかった茶の長髪に左右にリボンのついたピンクカチューシャをつけた白いフリルの卵色のドレスを纏う少女――いや、乙女が現れた。

 

気分は『恋する乙女』な

《惑星からの物体A(エー)》 攻撃表示

星1 光属性 爬虫類族

攻 0 守 500

 

 やがて、空耳混じりの二重音声を神崎の耳に届けながら、レイはカードを3枚セットして手早くターンを終えた。

 

 

早乙女レイLP:4000 手札3

モンスター

恋する乙女(惑星からの物体A)』攻0

魔法・罠

伏せ×3

VS

 大 門 (サイコ・ショッカーの人)LP:4000 手札5

 

 

 そんな「罠仕掛けてます」と言わんばかりのレイの布陣を前に、大門は己の力を誇示するように宣言する。

 

「私のターン、ドロー! ふん、それが小娘の切り札か――ならば此方も見せよう! 史上最強にして絶対なる究極モンスターを!!」

 

「きゅ、究極モンスター!?」

 

 そう、既に大門の手札に彼のマイフェイバリットを降臨させる手筈は整っている。

 

 そして1枚のカードを天に掲げた大門の姿から迸る覇気に気圧されたのか、思わず一歩後ずさったレイが見守る中、フィールドに呼び出されるのは――

 

 

「――《お注射天使リリー》!!」

 

 

 桃色のロールされた長髪をたなびかせ、白き天使の翼を広げる小柄な軽装ナースが、身の丈を優に超える巨大な注射器を抱えて現れた。

 

《お注射天使リリー》 攻撃表示

星3 地属性 魔法使い族

攻 400 守1500

 

 

「……攻撃力400? なにかすごい効果でもあるの?」

 

 こうして降臨した《お注射天使リリー》だが、レイからすればいまいち脅威には感じない様子。強力な効果を警戒しようにも、レベル3の呼びやすいタイプでは大それた効果は期待できまい。

 

「どうやら私のリリーを侮っているようだな……ならば、存分に見るが良い! その力を! バトル! リリーで小娘のモンスターを攻撃!!」

 

 しかし大門の宣言と共に《お注射天使リリー》が巨大な注射器を頭上に掲げつつ、『恋する乙女(惑星からの物体A)』に飛び掛かる危ない人ムーヴを繰り出せば、タダでは通さぬとレイが待ったをかけた。

 

「させない! 永続罠《ディメンション・ガーディアン》を発動し、装備! これでボクの『恋する乙女(惑星からの物体A)』は倒れない(破壊されない)! ダメージもたった400!」

 

「たった400? なにを勘違いしている!」

 

「『恋する乙女』の反撃、一途な想い! ――えっ?」

 

 そうして『恋する乙女(惑星からの物体A)』を守り、最小限の痛手に抑えたレイの思惑を裏切るように大門は己の腕を突き出せば――

 

「リリーの効果! ライフを2000支払い、バトル時のみ攻撃力を3000アップさせる!

 

大門LP:4000 → 2000

 

 大門のライフ(血税)が《お注射天使リリー》の注射器の内部に緑色の危なそうな液体としてチャージされ、何故か注射器が巨大化。

 

《お注射天使リリー》

攻400 → 攻3400

 

「――検診のお時間だ!!」

 

「きゃぁ!?」

 

 そして、そのぶっといブツ(注射器)が『恋する乙女(惑星からの物体A)』の腕に突き刺されば、なんかよく分からない緑のエネルギーの噴出の余波がレイを襲う。

 

早乙女レイLP:4000 → 600

 

「戦闘終了時にリリーの攻撃力は戻るが、これで小娘のライフも風前の灯火……」

 

 やがてバトルの終了と共に《お注射天使リリー》の注射器が元の身の丈大に戻っていく中、大門は大きな手応えを感じていた。

 

《お注射天使リリー》

攻3400 → 攻400

 

 ライフを2000も失ったが、レイのライフは3000以上も削れたのなら悪くはない結果だろう。

 

 大門の手にかかればレイの残りライフ600を削ることなど朝飯前である。

 

 

早乙女レイLP:600 → 4000

 

 

「――なんだと!?」

 

 しかし、此処で減らした筈のライフが戻っている事実に仰天する大門へ、レイは得意げな笑みを浮かべる。

 

「ふっふーん、残念でしたー! ボクがダメージを受けた瞬間、手札の《B(バーニング)K(ナックラー) ベイル》の効果を発動したよ! その効果で自身を特殊召喚して、受けたダメージは回復!」

 

 そう、レイのフィールドの橙色のプロテクターを装着した戦士が、両腕についたそれぞれの盾を一つの大盾による守りが、レイのライフを守った(回復させた)のだ。

 

B(バーニング)K(ナックラー) ベイル》 守備表示

星4 炎属性 戦士族

攻 0 守1800

 

「これでおじさんのライフは、2000ポイントも無駄になっちゃったね!」

 

「くっ、小生意気な……!」

 

 さらに、レイはただライフを回復しただけではなく――

 

「しかもダメージを受けたことで手札を1枚捨てて発動した罠カード《ダメージ・コンデンサー》と、罠カード《ダメージ・ゲート》の効果でデッキと墓地から、この子たちも呼ばせて貰ったよ!」

 

 レイのフィールドに新たに並ぶ、羊をもした帽子に桃色の巻き髪を左右に揺らす、赤いラインの入った白いローブをまとった木の杖を持った少女と、

 

《白魔導士ピケル》 攻撃表示

星2 光属性 魔法使い族

攻1200 守 0

 

 青い髪を肩口ほどに伸ばした青いスーツを着た赤い眼鏡の天使が、天使の輪を浮かべつつ背の大きな白い翼を広げつつ、アンクが描かれた本片手に舞い降りた。

 

《ヒステリック天使(エンジェル)》 攻撃表示

星4 光属性 天使族

攻1800 守 500

 

 

 そう、レイは己へのダメージを逆手にとり一気に3体のモンスターを展開してみせたのだ。

 

「だが、私のリリーの敵ではない!」

 

 とはいえ、大門は問題ないと強気な姿勢を崩さない。なにせ己には、相棒たる《お注射天使リリー》がいる。

 

 

 

リリーちゃ~ん(リリリリ)! わたしの一途な想いを受け取って~~ッ(オモモイウケケ! トッテウケイチチ)!』

 

『あら?』

 

 しかし、そんな大門の想いを余所に、駆けよった『恋する乙女(惑星からの物体A)』が足をもつれさせれば、《お注射天使リリー》の腕の中にポスンと収まる結果となる。

 

 肌が触れ合う距離で見つめ合う男女……もとい女女。

 

『……ふふっ、チュッ(ヘヒャヒャ、ベビュッ)!』

 

『リリー、乙女、スキ!』

 

 やがて『恋する乙女(惑星からの物体A)』の口づけが《お注射天使リリー》の頬に触れれば、途端に広がる多幸感(脳内麻薬)――恋に落ちる音が響いた。

 

ねぇ、わたしと一緒に……いてくれる?(イッショショイッ、ズートトトトズ!)

 

『――もちろんよ!』

 

 さすれば、大門のフィールドの《お注射天使リリー》は『恋する乙女(惑星からの物体A)』の手を取り、ランラランララにスキップしながらレイのフィールドへ向かい――

 

 

「リ、リリー!!」

 

 残るのは相棒(フェイバリット)を失った寂しいおっさん(大門)が一人。

 

「これが『恋する乙女(惑星からの物体A)』の効果! 攻撃してきたモンスターのコントロールを得る! これでおじさんのリリーは、ボクのもの!」

 

「おのれ、小娘……絶対に許さん!!」

 

 やがて、レイの軽口に半身をもがれたかの如き衝動を抑えながら大門は、永続魔法《エレキュア》を2枚発動し、カードを1枚セットして、魔法カード《命削りの宝札》を発動し、手札を3枚に補充。

 

 そして魔法カード《おろかな埋葬》で《絶対王 バック・ジャック》を墓地に送りデッキの上から3枚のカードの順番を入れ替えた大門は、カードを2枚セットしてターンを終えた。

 

 

早乙女レイLP:4000 手札3

モンスター

恋する乙女(惑星からの物体A)』攻0

《お注射天使リリー》攻400

《白魔導士ピケル》攻1200

《ヒステリック天使(エンジェル)》攻1800

B(バーニング)K(ナックラー) ベイル》守1800

魔法・罠

伏せ×3

VS

大門LP:2000 手札5

モンスター

なし

魔法・罠

《エレキュア》×2

伏せ×3

 

 

 

 かくして、謎の寸劇が『恋する乙女(惑星からの物体A)』周りで起こる現実を余所にレイの両親と共に、デュエルの経緯を見守る神崎は現状を鑑みる。

 

――大門さん、かなり手加減しているな。しかし、あのコントロールを奪取のくだり……何を見せられているんだろう。

 

 とはいえ、大門が攻撃を急ぐ理由もなしに不用意にモンスターに突っ込んだ状態を見れば、このデュエルの本来の目的を忘れていない様子が窺えよう。

 

 

 

 やがて二人のデュエルに意識を戻せば――

 

「ボクのターン! ドロー! スタンバイフェイズに《白魔導士ピケル》の効果! ボクのフィールドのモンスターの数×400ポイントライフが回復だ!」

 

「小娘のフィールドには私のリリーを含めた5体のモンスターが!」

 

 《白魔導士ピケル》が背伸びしつつ、天高く杖を振るえば光が瞬き、レイのフィールドを流れた後で、レイの元でライフに還元されていく。

 

早乙女レイLP:4000 → 6000

 

 そしてレイは、メインフェイズ開始時に魔法カード《強欲で金満な壺》で2枚ドローした後、大きく引き離したライフ差に終止符を打つべく攻勢に移る。

 

「早速バトルだけど、これでデュエルはお終い! リリーでダイレクトアタック!」

 

 この攻撃が通れば、《お注射天使リリー》の効果で攻撃力を3400とし、大門の2000のライフを削り切れよう。

 

「無駄だ! リリーと私の絆の前では小娘の戯言(攻撃宣言)など――」

 

 だが、大門は無根拠に相棒との絆を妄信するも――

 

 

ねぇねぇ、リリーちゃん(リリリリリ、メメイジル)

 

『なぁに、乙女ちゃん?』

 

 恋焦がれる相手の声を聞くべくしゃがんだ《お注射天使リリー》の耳元を可愛いらしいおねだりでくすぐる『恋する乙女(惑星からの物体A)』。

 

わたしの為に(タタカエ)あのおじさんに攻撃してくれるよね?(アアラソエ、コロロシアエ!)

 

『もちろんよ! 乙女ちゃんの頼みだもの!』

 

 さすれば目をハートにさせた《お注射天使リリー》が身の丈程の注射器を構え、大門へと向き直る。

 

 

「リ、リリーが私に攻撃を……!?」

 

 

 そんな相棒の反旗を信じられない――否、信じたくない様子で大門は一歩後ずさった。

 

 

 しかし、現実は無常とばかりに《お注射天使リリー》は巨大な注射器にまたがり天使の翼を広げて、滑空しつつ突撃していく光景に、大門はたまらず叫ぶ他ない。

 

 

「やっ、やめろーー!!」

 

 

「やったぁ! ボクの勝ちー!」

 

 

 

 こうして愛と言う名の裏切りの元、レイは軽く勝利を収める。恋する乙女に不可能などないのだ。

 

 

 

 

 

 

大門LP:2000

 

 かに思われた。

 

 

 しかしレイの眼前に広がるのは、健在の大門のライフに加え、己が恋の奴隷とした筈の《お注射天使リリー》の姿。

 

《お注射天使リリー》 攻撃表示

星3 地属性 魔法使い族

攻 400 守1500

 

「なっ!? おじさんのリリーはボクのフィールドにいる筈!? それにライフも……」

 

「……罠カード《カウンター・ゲート》を発動し、ダイレクトアタックを無効化しドローさせて貰った……そして更なる効果により、ドローしたモンスターである――2体目のリリーを召喚させて貰ったぞ」

 

 やがて自分のフィールドの《お注射天使リリー》と相手の《お注射天使リリー》を交互に見やるレイへ、大門が種明かしするが、当人の表情は苦悶に満ちていた。何故、愛するカード同士が争う姿を見ねばならないのだと。

 

「くっ、リリーたちが敵対することになろうとは……!」

 

「前のターンの《絶対王 バック・ジャック》の効果の時に……でも、残念! ボクの勝ちは変わらないよ!」

 

 しかし、レイは、所詮延命処置だと断ずる。なにせ、大門のフィールドには攻撃力400の《お注射天使リリー》が増えただけ。

 

 効果を発動する為のライフがない以上、攻撃力400の貧弱モンスターでしかない。

 

「もうおじさんにリリーの効果を発動するライフはないもん! 《白魔導士ピケル》でリリーを攻撃!」

 

「甘いぞ、小娘! 罠カード《ホーリージャベリン》を発動! 相手の攻撃力分のライフを回復する!」

 

 ゆえにレイが《白魔導士ピケル》に杖を片手に突撃させるが、大門の元に現れた小さな天使の羽がついた槍が《白魔導士ピケル》の魔力を写し取り、ライフへと変換すれば――

 

大門LP:2000 → 3200

 

「しまった!?」

 

「さぁ、ライフはタップリ支払おう! リリー、検診のお時間だ!」

 

大門LP:3200 → 1200

 

 大門の腕に《お注射天使リリー》が注射器をぶっ刺しライフを吸いあげれば、赤い不思議な液体で満たされた注射器は再び巨大化。

 

《お注射天使リリー》 攻撃表示

攻400 → 攻3400

 

 当然、その巨大な注射器が向かう先は、注射を恐れ足を止めた《白魔導士ピケル》の腕。

 

 だが、その針の先は恐怖の余り背を見せ逃走した《白魔導士ピケル》の背中に突き刺さり、なんか不思議な爆発を起こす結果となった。

 

「うわぁあぁあああ!? くっ……でも、これで おじさんのライフは1200! 今度こそリリーの効果は使えない!!」

 

早乙女レイLP:6000 → 3800

 

 大ダメージの攻撃の余波で顔を覆うレイ――しかし、その顔に絶望はない。後1度の攻撃を通せば、大門のライフは尽きる。そして、その1度の攻撃手段はレイの手の中だ。

 

「《ヒステリック天使(エンジェル)》の攻撃で――」

 

「それはどうかな?」

 

大門LP:1200 → 3400 → 5600

 

 しかし突如として爆発的に回復し始める大門のライフに、レイは素っ頓狂な声を漏らすこととなる。

 

「――なっ!? なんで!?」

 

「2枚の永続魔法《エレキュア》の効果だ! 私の雷族モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時、その数値分のライフを回復する!」

 

「えっ!? 《お注射天使リリー》は魔法使い族の――」

 

「ふん、発動しておいた永続罠《DNA改造手術》の力により、小娘のカード共々、雷族になっておるわ!」

 

 そうして理解の追いつかぬレイへ、《お注射天使リリー》にライフを支払い続ける半永久的なコンボを鼻高々に語った大門は力強く宣言した。

 

「大人の財力をなめるな! リリーに支払うライフは幾らでもある!!」

 

 

――そういう話ではない気が……

 

 そんな中、レイに声援を送るレイの両親の横で、神崎が内心でツッコミを入れるが、残念ながら当人たちに届くことはない。

 

 

 

――これじゃあ《ヒステリック天使(エンジェル)》で攻撃しても、やられちゃう……

 

「ならバトルを終了して《ヒステリック天使(エンジェル)》の効果発動! ボクのモンスター2体を墓地に送ってライフを1000回復する! 《B(バーニング)K(ナックラー) ベイル》とリリーを墓地へ!」

 

 やがて僅かに思案を見せたレイが選んだのは《ヒステリック天使(エンジェル)》の力に頼ること。

 

さよなら、リリーちゃん(サヨヨヨナラララ)――貴方のことは忘れないわ(ダレダッケケケケケアハハハハハハ!)

 

『え』

 

 さすれば《ヒステリック天使(エンジェル)》の掲げた本へと吸い込まれんと踏ん張る《お注射天使リリー》の手を『恋する乙女(惑星からの物体A)』に叩かれたことで、《B(バーニング)K(ナックラー) ベイル》と共に吸い込まれて行き――

 

早乙女レイLP:3800 → 4800

 

 本の中に消えた2つの命がレイのライフを癒す糧となった。愛とは時に残酷なのだ。

 

「リ、リリー!」

 

「最後に装備魔法《レアゴールド・アーマー》で『恋する乙女(惑星からの物体A)』をお色直し! カードを2枚セットしてターンエンドよ!」

 

「くっ……どこまでもリリーに非道な真似を……!」

 

 かくして、腕や体に何処ぞの王様よろしくシルバーを巻き始める『恋する乙女(惑星からの物体A)』によって、相棒たるカードを奪われ、その命をゴミのように散らされた――と、凄い私怨の混じった想いを抱く大門。

 

 

 そして《お注射天使リリー》の仇討だと、大門が墓地の《絶対王 バック・ジャック》を除外し、デッキトップの通常罠をフィールドにセットする中、レイはターンを終えた。

 

 

早乙女レイLP:4800 手札1

モンスター

恋する乙女(惑星からの物体A)』攻0

《ヒステリック天使(エンジェル)》攻1800

魔法・罠

《ディメンション・ガーディアン》

《レアゴールド・アーマー》

伏せ×2

VS

大門LP:5600 手札0

モンスター

《お注射天使リリー》攻400

魔法・罠

《エレキュア》×2

《DNA改造手術》

伏せ×1

 

 

「私のターン、ドロー! さらに罠カード《無謀な欲張り》を発動し、2枚ドロー!」

 

 かくして、私怨を晴らすべく勢いよく通常ドローした大門は、《絶対王 バック・ジャック》の効果でセットしたカードを活用し、その手札を3枚にまで増やすが――

 

「手札を増やしてきたなら――永続罠《竜星の極み》を発動! これで、おじさんは必ず攻撃しなくちゃいけないから!」

 

 そうはさせぬと発動させたレイのカードにより天から竜の遠吠えが響けば、大門の《お注射天使リリー》は闘争本能に魅入られた瞳を見せる。

 

 これで大門の攻撃は最初のターンの焼き増しの如く『恋する乙女(惑星からの物体A)』に吸い込まれることになろう。

 

「『恋する乙女(惑星からの物体A)』以外に攻撃しようとしても《レアゴールド・アーマー》がある限り、無駄だからね!」

 

「ふん、どうせまた小娘の色香でリリーを惑わせるつもりなのだろうが――私のリリーは、そのように軽い女ではない!! 魔法カード《財宝への隠し通路》! このターン、リリーはダイレクトアタックが可能!」

 

 しかし、大門の相棒への愛はその想定を上回るように、《お注射天使リリー》は懐かしのコソ泥スタイルのほっかむりを被った。

 

「でも、装備魔法《レアゴールド・アーマー》がある限り――」

 

「そのカードは他の『モンスターに攻撃できない』だけだ! つまり小娘への攻撃は可能!バトルだ!」

 

 やがてバトルフェイズに入れば、《お注射天使リリー》が天使の翼で『恋する乙女(惑星からの物体A)』の誘惑を振り切り、飛翔。

 

「行け、リリー! 私のライフを存分に吸い上げ――検診のお時間だ!!」

 

 そして大門からライフをチャージし、巨大化した注射器をレイに向けてダイレクトにお注射することとなった。

 

大門LP:5600 → 3600

 

《お注射天使リリー》

攻400 → 攻3400

 

「くぅうぅううぅっ!?」

 

早乙女レイLP:4800 → 1400

 

 かくして、巨大な注射器の一撃による謎衝撃によって、顔を腕で覆うレイだが――

 

「で、でもダメージを受けたことで罠カード《ダメージ・ゲート》を発動! 墓地から《白魔導士ピケル》を復活!」

 

 ただでは転ばぬと、地面がパカリと開けば、そこから《白魔導士ピケル》がピョンと飛び出し、戦線に並ぶ。これで次のスタンバイフェイズにレイのライフは補充されることだろう。

 

《白魔導士ピケル》 攻撃表示

星2 光属性 魔法使い族 → 雷族

攻1200 守 0

 

「ならば此方も速攻魔法《セペクの祝福》を発動! ダイレクトアタックによるダメージを与えた時、その数値分のライフを回復する! おっと2枚の永続魔法《エレキュア》の効果も当然適用!」

 

 だが、その傍らで大門は、空を飛ぶ《お注射天使リリー》の翼から零れる光に包まれ、そのライフを爆発的に増大させていく。

 

大門LP:3600 → 7000 → 10400 → 13800

 

「ラ、ライフが一万超え!?」

 

「言った筈だ。リリーに支払うライフは潤沢だと!!

 

「っ! だったら! バトルフェイズに手札から《ジュラゲド》を特殊召喚! その効果でボクのライフは1000回復!」

 

早乙女レイLP:1400 → 2400

 

 1万超えのライフを前に、レイが新たに足のない二本角の悪魔を呼び出し、かぎ爪の付いた両腕を威嚇するように広げ、後に悪魔の影がレイを癒すが焼け石に水。

 

《ジュラゲド》 攻撃表示

星4 闇属性 悪魔族 → 雷族

攻1700 守1300

 

「ふん、その程度のライフ、誤差に過ぎん――バトルを終了し、ライフ2000を支払って魔法カード《エンシェント・リーフ》を発動し、2枚ドロー!」

 

大門LP:13800 → 11800

 

 やがて、見せつけるようにライフをふんだんに使い手札を補充した大門は、引いた2枚のカードを伏せてターンを終えた。

 

 

早乙女レイLP:2400 手札0

モンスター

恋する乙女(惑星からの物体A)』攻0

《白魔導士ピケル》攻1200

《ヒステリック天使(エンジェル)》攻1800

《ジュラゲド》守1300

魔法・罠

《ディメンション・ガーディアン》

《レアゴールド・アーマー》

《竜星の極み》

VS

大門LP:11800 手札0

モンスター

《お注射天使リリー》攻400

魔法・罠

《エレキュア》×2

《DNA改造手術》

伏せ×2

 

 

 かくして、レイが盤面の数で勝るも、軽視されがちなライフアドバンテージが一気に傾き、大門の《お注射天使リリー》を突破できない現実が広がる中、レイの両親の応援が過熱する横で――

 

――早乙女さんのデッキは、凡そ原作の戦法と同じ。その性質ゆえにバトルを躱されると厳しいところだが……

 

 神崎は今回の「試験官」という立場から、レイのデッキの把握を進めていくも、盤面を覆すには、後一歩足りない様子がヒシヒシと感じられていた。

 

 

 

「うぅー! もぅ、あったま来た! ボクのターン! ドロー! スタンバイフェイズに《白魔導士ピケル》の効果! 4体だから1600ポイント回復!」

 

 やがて、そのデュエルの渦中のレイは、怒り心頭な様子でカードを引きつつ、《白魔導士ピケル》が応援旗のように杖を振る姿に精神とライフを癒されつつ――

 

早乙女レイLP:2400 → 4000

 

 魔法カード《マジック・プランター》で永続罠《竜星の極み》を墓地に送って2枚ドローしたレイが繰り出すのは――

 

「まだだよ! 《グラナドラ》を召喚! そして効果でライフが1000回復するけど――」

 

 合計8つの複眼を持つ大きな口の中に小さな口がある異形の頭を持つ二本足の化け物。

 

《グラナドラ》 攻撃表示

星4 水属性 爬虫類族 → 雷族

攻1900 守 700

 

 その化け物《グラナドラ》が尾を揺らしつつ、身体を振るわせれば体液の水飛沫が周囲に飛び、レイのライフを着実に回復していく。

 

早乙女レイLP:4000 → 5000

 

「直ぐに《ヒステリック天使(エンジェル)》の効果で自身と《グラナドラ》を墓地に送って更に1000回復!」

 

早乙女レイLP:5000 → 6000

 

 更にダメ押しとばかりに《ヒステリック天使(エンジェル)》が再び手元の本を開いて、《グラナドラ》と自身を吸い込ませ、光の祝福とすれば、レイのライフは初期値(4000)を超える回復を見せる。

 

――これで、またダイレクトアタックされても十分、防げる! でも念の為に……

 

「後は『恋する乙女(惑星からの物体A)』に装備魔法《ガーディアンの力》を装備!」

 

 かくして先のターンのダイレクトアタックに備えたレイは『恋する乙女(惑星からの物体A)』に更なる(オシャレ)――ブローチの守りを与える徹底ぷり。

 

 

「ふん、『頭に来た』と言っておきながら攻撃する素振りすら見せんとはな……」

 

「ふーんだ。攻撃するばっかりがデュエルじゃないんだからね! ターンエンド!」

 

――頼んだよ、ボクの『恋する乙女(惑星からの物体A)』!

 

 こうして、大門の挑発にも乗らず『恋する乙女(惑星からの物体A)』を主軸にした戦法を維持したレイはターンを終えた。

 

 

 なれば、そのエンド時に罠カード《無謀な欲張り》を発動し、2枚ドローした大門のターンとなる。

 

 

早乙女レイLP:6000 手札0

モンスター

恋する乙女(惑星からの物体A)』攻0

《白魔導士ピケル》攻1200

《ジュラゲド》攻1700

魔法・罠

《ガーディアンの力》

《ディメンション・ガーディアン》

《レアゴールド・アーマー》

VS

大門LP:11800 手札2

モンスター

《お注射天使リリー》攻400

魔法・罠

《エレキュア》×2

《DNA改造手術》

伏せ×1

 

 

「私のターン、ドロー……と行きたいが、罠カード《無謀な欲張り》のデメリットにより私のドローフェイズは2回スキップされる為、カードを引くことは叶わない――だが!」

 

 大門が通常ドローの権利を失い補給線が一時絶たれた中でも――

 

「魔法カード《エンシェント・リーフ》を2000のライフを支払い発動! 2枚ドローする!」

 

大門LP:11800 → 9800

 

 その潤沢なライフ(財源)を元に、新たに引いた2枚のカードを視界に収めた大門はニヒルに笑う。

 

「ふっ、どうやら小娘も年貢の納め時のようだな」

 

「まさか、またダイレクトアタックするカードが!?」

 

「セットした罠カード《憑依連携》を発動! 墓地の守備力1500の魔法使い族――リリーを復活させる!! 雪辱を果たす時だ、リリー!!」

 

 最悪の可能性が脳裏を過るレイの前に現れたのは、相変わらずの《お注射天使リリー》の姿。

 

 このデュエルが始まってからこれ(お注射天使リリー)ばっかりである。

 

2体目の

《お注射天使リリー》 攻撃表示

星3 地属性 魔法使い族 → 雷族

攻400 守1500

 

「そして速攻魔法《地獄の暴走召喚》発動! 攻撃力1500以下のモンスターを特殊召喚した時、同名カードを可能な限り特殊召喚する! 現れろ、3体目のリリー!!」

 

 しかし、しつこいばかりに呼び出される《お注射天使リリー》が並べば――

 

3体目の

《お注射天使リリー》 攻撃表示

星3 地属性 魔法使い族 → 雷族

攻400 守1500

 

 

「《お注射天使リリー》が……3体……!」

 

 己を苦しめて来た相手のフェイバリットの揃い踏みの光景を前に、流石に息を呑む。何と言うべきか、大門のカードへ向ける熱量がスゴイ。

 

「だが、《地獄の暴走召喚》のもう一つの効果により小娘も、己のフィールドの同名モンスターを呼び出さねばならない」

 

「なら、ボクは2体の《白魔導士ピケル》をデッキから呼び出すよ!」

 

 とはいえ、力あるカード特有の代償により、レイも新たな《白魔導士ピケル》たちを呼び出し、此方も同名カードが3体揃い踏み。

 

《白魔導士ピケル》×2 守備表示

星2 光属性 魔法使い族 → 雷族

攻1200 守 0

 

 これで次のターンのスタンバイフェイズには、爆発的なライフを回復することが可能になるだろう。

 

 

「さぁ、終局だ――速攻魔法《サイクロン》を発動! 忌々しい『恋する乙女(惑星からの物体A)』の《レアゴールド・アーマー》を粉砕!! そして、私のラストバトルフェイズ!!」

 

 だが、大門は次のターンを渡す気はないと、『恋する乙女(惑星からの物体A)』の巻いたシルバーを吹き飛ばしつつ、フィニッシュを宣言。

 

「『恋する乙女(惑星からの物体A)』に連続攻撃をしかけてライフを削り切るつもりだろうけど、甘いよ、おじさん!」

 

 しかし、レイは不可能だとフラグを立てる。

 

「装備魔法《ガーディアンの力》を装備したモンスターがバトルする度、このカードに魔力カウンターを乗せ、その数×500ポイント攻守がパワーアップするんだから!」

 

 なにせ、今の『恋する乙女(惑星からの物体A)』はバトルの度に攻撃力を500上げ続けるパワータイプ(肉食系)乙女となった為、サンドバッグにするには厄介で、

 

「しかも《ジュラゲド》をリリースすれば他のモンスター1体の攻撃力を1000アップできる!」

 

 攻撃表示の《白魔導士ピケル》を狙おうとも、《ジュラゲド》の力があればライフは守り抜ける計算だ。

 

 だが、それでも大門は宣言を取りやめない。

 

「いいや、小娘――私はこの瞬間を待っていた!」

 

「だ~か~ら~、どう攻撃してもボクのライフを削り切るのは不可能なんだって!」

 

「攻撃するのは、小娘が罠カード《ダメージ・ゲート》で(フィールド)に出したカード――」

 

 そして、レイの言葉など意に介した様子もなく大門は己が狙いを指さす。その指の先に指示されたのは――

 

 

「――ピケルだ!」

 

 

 攻撃表示の《白魔導士ピケル》の姿。

 

 

「ピ、ピケルを!?」

 

 まさに「えっ!? 話、聞いてた!?」とばかりのリアクションを取るレイ。実際、そうだろう。フィニッシュが決められない理由は先程、説明したのだから。

 

 

「行けっ! リリー!!」

 

「お、お願い、ピケル!」

 

 しかし、その辺のレイのリアクションの全てを無視して熱く宣言する大門の声に押された《お注射天使リリー》が巨大な注射器にまたがり、レイと同じく困った様子でオドオドする《白魔導士ピケル》に突撃。

 

 

 

 

「相手よりも劣る攻撃力のモンスターでバトルするダメージ計算時、このカードが発動できる!!」

 

 した瞬間に、大門はこの悪夢(リリーが奪われた)を終わらせるカードを手に宣言する。

 

 

「――速攻魔法《ぶつかり合う魂》!!」

 

 

 これこそが、我が魂の怒りなのだと。

 

 

「これにより攻撃力の劣るモンスターを従える者(コントロールするプレイヤー)はライフを500払うことで、己がモンスターの攻撃力を500上げることが可能!」

 

 それは、まさにライフと言う名の魂を削り合う一撃。

 

「そう! 互いのライフが払えなくなるまでな!!」

 

「おじさんがライフを回復し続けたのは、この為!?」

 

 そう、このカードの効果により、圧倒的ライフを有する大門は必ず相手モンスターを戦闘破壊することが可能となる。これこそが大門の狙いだったのだ。

 

 

「――違う!」

 

「ち、違うの!?」

 

 違った! そんなことはなかった。「じゃあ、さっきの説明はなんだったの!?」とレイが思ってしまうのも無理からぬ話だろう。

 

 だが、違うのだ。

 

「私がライフを捧げるのは(大体)リリーのみ!! 《ぶつかり合う魂》にチェーンしてリリーの効果発動! ライフ2000を捧げ、その攻撃力を3000ポイントアップ!!」

 

 大門がライフを支払うのは、いつだって(大体)《お注射天使リリー》の為。

 

 このデュエルで、魔法カード《エンシェント・リーフ》の2000のライフコストを2回ほど支払った気がするが、全て気のせいである。

 

大門LP:9800 → 7800

 

 そう、いつだって大門がライフを支払えば、《お注射天使リリー》は応えてくれた(3000パワーアップした)

 

《お注射天使リリー》

攻400 → 攻3400

 

「くっ、ライフだけじゃなく、攻撃力の差も逆転されちゃった……! なら、ボクはライフを払わない!」

 

 そうして、巨大化した注射器が《お注射天使リリー》の手により《白魔導士ピケル》に突き刺さらんと迫るが、《ぶつかり合う魂》の効果をレイが使用しても、その差は決して埋まることはない現実に、レイはライフを支払わない選択を取る。

 

「ライフをケチったか――ならば、リリーの手により消えるが良い、小娘(白魔導士ピケル)!」

 

 そのレイの貧弱なライフ(財源)を大門は鼻で嗤いつつ、死神の大鎌ならぬナースの巨大注射器が、涙目の《白魔導士ピケル》に――

 

「――検診のお時間だ!!」

 

 突き刺さり、痛みの余り《白魔導士ピケル》はレイにタックルする形で逃げだした。その衝撃がレイを襲う。

 

早乙女レイLP:6000

 

「うわぁあぁ……って、あれ? ボクのライフが減ってない?」

 

 ことはない。魂のぶつかり合いに肉体的(戦闘)ダメージは無縁なのだ。

 

「残念ながら《ぶつかり合う魂》を発動した際のバトルによって発生するお互いのダメージは0だ」

 

「なら、何のために――」

 

 先程から己の想定の範囲外の行いばかりする大門へ、レイは不可解な表情を浮かべるが、その答えは今にも破裂しそうな《お注射天使リリー》が抱える今までで一番巨大化した注射器が悪寒として教えてくれた。

 

「だが、この戦闘でモンスターを破壊されたプレイヤーのフィールドの全てのカードは()()()()()()()!!」

 

「ぼ、『墓地に送られる』!? これじゃあ破壊から守る永続罠《ディメンション・ガーディアン》じゃ防げない……!?」

 

「今度こそ消えて貰うぞ、リリーを惑わせた悪女(恋する乙女)め!!」

 

 やがて「今にも爆発します」と言わんばかりの超巨大な注射器を3人がかりで抱える《お注射天使リリー》たちが、ブツ(超巨大注射器)をレイのフィールドに投げ入れんとする。

 

 

リリーちゃん、どうして(ヨクモヨクモモ)……! わたしたち愛し合(ニンンンゲンフゼイガ)――』

 

 その最中、『恋する乙女(惑星からの物体A)』が涙ながらに愛を訴えるも――

 

Hasta la vista, baby(さっさと失せろ、ベイビー)

 

『――リリーちゃぁあぁああぁああん(グギャゲァァァァアアギャァア)!!』

 

 《お注射天使リリー》の1体が、なんか邪悪な笑みを浮かべたと同時に超巨大注射器はレイのフィールドに投てき&着弾。

 

 薬品の化学反応よろしく巨大な爆発を引き起こし、残りの《白魔導士ピケル》たち諸共『恋する乙女(惑星からの物体A)』は塵と化すこととなった。

 

「ボクのフィールドが……全滅……!?」

 

「ふっ、これで残るは小生意気な小娘のみ」

 

 これで、今度こそ大門の私怨(リリーを奪われた件)を晴らす邪魔は何一つとしてない。

 

「今こそ雪辱を果たす時だ、2体目のリリーで攻撃! そしてライフを2000支払い――」

 

大門LP:7800 → 5800

 

 そして、《お注射天使リリー》に払うもん(ライフ)払った大門は、その愛を《お注射天使リリー》の攻撃力として変換。

 

《お注射天使リリー》

攻400 → 攻3400

 

「――検診のお時間だァ!!」

 

「くぅううぅううッ!!

 

早乙女レイLP:6000 → 2600

 

 巨大な注射針の一撃がレイに突き刺さり、大きなダメージを与えていくと同時に――

 

「2枚の永続魔法《エレキュア》によりライフをチャージ(回復)!!」

 

 刺さった注射針からレイのライフが吸い上げられるように、大門のライフが大きく回復。

 

大門LP:5800 → 9200 → 12600

 

「これでトドメだ! ラスト・リリーで攻撃! そして2000のライフを支払い――」

 

大門LP:12600 → 10600

 

 そして、このデュエルにおいて都度6回目の(ライフの)支払いがなされたことで、六度、その注射器を巨大化させた《お注射天使リリー》は――

 

《お注射天使リリー》

攻400 → 攻3400

 

 

「検 診 の お 時 間 D A !!」

 

 

『――お注射よ!』

 

 

「――うわぁぁああぁああ!?」

 

 

 大門の決めセリフと共に、フィニッシュの一撃ならぬ一針をレイへと突き立てた。

 

 

早乙女レイLP:2600 → 0

 

 

 

 

 かくして、終わって見れば終始盤面を支配し続けた大門の勝利でこのデュエルは幕を閉じる。

 

「ふっ、 悪 (リリーを惑わせる者)は亡びた」

 

「も~~~! おじさん、全然弱くないじゃない!」

 

 そして、デュエリストの誇りを示せて満足気な大門に反し、腕に自信があったレイ視点では「その辺のおっさん」の思わぬ底力に理屈ではない不平を漏らすが――

 

「大門さんはBIG5の中で、かの海馬社長に競り合える数少ない方ですから」

 

 レイのご両親と共に、二人に合流した神崎から明かされた情報がすべてを物語っていよう。

 

 

 原作でも大門(サイコ・ショッカーの人)は、あの海馬を相手に中々の奮闘を見せたBIG5の一人である――雑魚(素人)狙いに奔ったペンギンおじさんとは違うのだ。ペンギンおじさんとは。

 

 

「フッ、私のリリーはヤツのブルーアイズすら打ち破ったことがある!」

 

「な、なにそれ――お、大人げな~い!」

 

 やがて、両親の腕を掴み敗北への慰めを受けるレイへ、大門は自慢するように武勇伝を語るが、それは同時に「そんな実力者」が子供相手にムキになった証明でもある。

 

――次のターンで三体融合に攻撃されて負けてたデュエルですね……

 

 とはいえ、海馬と大門のデュエルは、結局は海馬に軍配が上がっており、レイが思っている程(伝説のデュエリストクラス)の実力は大門にはなかったりするが、言わぬが花だろう。

 

「大人げないのが大人の特権だ――これで互いに禍根は水に流そうじゃないか」

 

 しかし、勝利の美酒に酔う大門は、両親の足元に隠れつつのレイの苦言も暖簾に腕押し、ぬかに釘。

 

「そら、もう親御さんに迷惑かけるような真似は慎むことだ、はっはっは!」

 

「も~~! なんか釈然としな~い!!」

 

 

 こうして、レイの起こした少々度が過ぎた蛮行は、大きな問題なく静かに収束していくこととなる。

 

 やがて、最後にレイの両親が深々と頭を下げた後、釈然としない様子のレイを連れて帰路につく姿を大門は神崎と共に笑って見送っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 KCの人が楽しいおっさん(大門)で良かった良かった――な具合で、帰路につく早乙女家の面々が遠方に消えていく光景をKCの己の私室の窓から見下ろす大門は、早速とばかりに神崎に成否を問うた。

 

「それで、どうだった?」

 

「特には」

 

――強くはあるが「年相応」、前体制ならまだしも現体制で飛び級が望める範囲ではない……と思われる。多分。

 

 だが、「小学五年生が高校に飛び級するレベルか?」と問われれば、首を傾げる結果――それが神崎なりの結論である。

 

 そもそも日本のデュエルアカデミアに「飛び級制度」自体ないのだが。飛び級があるのなら亮辺りはとっくの昔に卒業していなければ辻褄が合わない。

 

「そうか」

 

「理由は聞かれないんですね」

 

「予想はしていたからな。私とてデュエルを交えた時の手応えで多少は分かる」

 

 しかし、背中越しに届いた神崎の返答も大門は予想通りとばかりに反応は薄い。他ならぬデュエルをした大門が、その事実を誰より理解しているからだろう――何故、神崎を呼んだ。

 

「一応、親御さんにアカデミア初等部の編入試験の案内を渡しておきました。合格さえすれば学内行事の離島の見学の際に丸藤 亮との会合は果たせるかと」

 

「用意が良いな」

 

「ご家族の説得が果たせなければ、流れる話ですけどね」

 

「なに、あの度胸で無茶せん限りは上手くやるだろうさ」

 

 とはいえ、神崎も携わった手前、色々用意していた一つをレイのご両親に提示し、選択を委ねたりしてはいる。タイムリミットはかなりギリギリのラインだが。

 

 

 そうして、早乙女レイに関する問題が一先ず片付いた段階で、神崎は重い口を開くように問う。

 

「…………差し支えなければ、そろそろ教えて頂けませんか?」

 

「何をだ?」

 

「どうして態々私を呼んだのでしょう? やはり、今回の話は外部の人間である私を関わらせる理由には、どう考えても弱い」

 

 そう、どう考えても今回のレイの一件に神崎は必要ない。

 

 そもそものデュエルは大門が担当しており、初等部の編入の話もKC経由であることを伏せてレイの両親に教えれば済む話。説得もモクバやセラなどの比較的歳の近い相手がすれば事足りた。

 

 

 だが、大門は何でもないことのように返答する。

 

「今のお前の顔を見ておきたかったというのもある――と言ったところで納得はしないか。まぁ、一つばかり聞きたかったこともあってな」

 

 大門いわく――今回の話は神崎を呼び出す切っ掛けに過ぎないのだと。形はどうあれ「仕事の話で呼び出された」のなら反故にはされないだろうと。

 

「と、言うと?」

 

 

 

 

「――影丸の件、お前か?」

 

 

 

 

 そして、そこまでした大門の真の目的が「影丸理事長が出頭した」件への確認。

 

 凡そ人の欲を全て叶えて来た(影丸)が全てを捨てる選択を取ろう理由が、大門の中で、眼前の元同僚(神崎)だった。無論、悪い意味で、だ。

 

 

「だったら、どうしますか?」

 

「……とぼけてすら見せんのか」

 

「必要性を感じなかったもので。それとも何かなさるおつもりで?」

 

 しかしアッサリ「是」に近い答えを返した神崎に、大門は呆れた様子で半身振り返りつつ息を吐く。その返答は予想外だった模様。

 

「いや、何もせんさ」

 

「そうですか」

 

 やがて淡々と確認を取る神崎に、大門は軽い調子で手を向けて制しつつ――

 

「変わったな」

 

 眼前の男の言い得ぬ変化を前に、その瞳に戸惑いの色を僅かに見せた。

 

「急ですね――自覚はないんですが……そう見えますか?」

 

――影丸理事長にも言われたな……

 

 そんな影丸たちにも告げられたデジャヴを感じる大門からの評を前に、考え込む姿勢だけは見せる神崎。

 

「ああ、変わった。上手くは言えんが、使い物にならん壊れたブレーキが消えたような気がしてならない――昔のお前なら、先の問いかけは煙に巻いただろう」

 

「『ブレーキ』……ですか。その例えですと、どちらにせよ同じ状態のように思うのですが」

 

――壊れて使い物にならないブレーキがある意味って……

 

「言葉の綾だ。生憎、私は大下(深海の戦士の人)ほど語彙に明るくなくてな」

 

 それは、続いた大門の言語化に失敗したような例を前にも、神崎は内心の疑問を隠す程度のことしか出来ない。己の変化は、己では気づきにくいものだ。

 

「……心配なさらずともKCに弓引く真似はしませんよ。どうか、その点はご安心を」

 

「そう願いたい。海馬とぶつかるには私は少々老い過ぎた」

 

「御冗談を。十二分に活力に溢れておられますよ」

 

――さっきのデュエルであれだけはしゃいだ後に、そんなこと言われても……

 

 そうして、可能な限り「味方アピール」に徹する神崎だが、大門の反応は相変わらず芳しくない為――

 

「そろそろお暇させて頂くことにします――今後ともご贔屓に」

 

「ああ、また何かあれば頼む」

 

 これ以上、ボロが出ない内に退散を選択。そして、大門もまた「用は済んだ」とばかりに引き留める様子もなく、見送っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして神崎がいなくなった己の私室に残された大門は、背を預けるように椅子に座り、ポツリと呟く。

 

「『ご贔屓に』……か」

 

 それは、神崎が去り際に残した有り触れた定型文。

 

 だが大門は、それが神崎の言外のメッセージであることを理解していた。

 

 今後、「贔屓」にせざるを得ない「なにか」が起きる――いや、「起こす」のだろう、と。

 

「次は何を起こそうと言うんだ?」

 

 

 その「なにか」とKCは無関係ではいられない現実を。

 

 

――やはり私には、お前が分からんよ、神崎。

 

 

 やがて、大きな流れに身を委ねるように大門は瞳を閉じるが、まぶたで暗転する己の視界のように先の未来を予想することは叶わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なお、実際は本当に何もない(GXの事件はほぼ消し飛んだ)のだが、信じて貰うのは難しそうである。

 

 

 






???「ペアデュエルイベント、どうする気だドン!?」



~今作のBIG5大門(人造人間サイコ・ショッカーの人)のデッキ~

彼が原作にて、ライフ4000環境だというのに複数回、効果を使用する愛用っぷりから――

《お注射天使リリー》にライフを支払い「検診のお時間だ!」するデッキに。
彼のデッキマスターであったサイコ・ショッカー? エスパー絽場と被るから(おい)

戦術は至ってシンプル。
《DNA改造手術》でリリーを強引に雷族とし、《エレキュア》で与えたダメージ分を回復。
3400以上の打点は、《平和の使者》で出禁を食らわせ、《魂の一撃》でご退場願い
時にダイレクトアタックを付与して敵陣を跳び越え「お注射よ!」していく。

彼が原作で使用した《セペクの祝福》も交えれば、凄まじい勢いでライフが増大していくだろう。そうして得たライフは全てリリーに捧げるのです。

とにかく、ライフコストを踏み倒すのではなく、徹底的に支払うスタイルである(原作の大門は回復スタイルでしたし)


捧げたライフはリリーへの愛の証となろう(違)




~今作の早乙女レイのデッキ~

彼女を象徴するカード『恋する乙女』シリーズが未OCG化なので、

凡そ似た効果を持つ《惑星からの物体A》を用い、原作っぽい戦術を再現した。なお、外見は似ても似つかない。てかグロい。
作中の副音声(フリガナ)さんは、そのグロさゆえ。

未OCG『恋する乙女』は、ダメージを受ける必要があるので、ダメージ無効化の類は一切使用せず、ひたすら『一途な想い!(技名)』するべくライフを稼ぐ。


とはいえ、《惑星からの物体A》は攻撃して貰えないと一気に辛くなる為、OCG化の際は『恋する乙女』本来の「カウンターの乗った相手へ()()()()()()()()コントロールを奪う」形で色々盛って頂ければ……(強欲なサム)


そうして相手モンスターを恋の奴隷とする(奪っていく)戦法なのだが、愛の席(モンスターゾーンの余り)は4つしかないので、

邪魔になった恋の奴隷(奪ったモンスター)は《ヒステリック天使(エンジェル)》が天に召してライフと交換してくれる(酷)

( ゚д゚) 恋する乙女「私のこと好きなら命捧げて!」
( ゚д゚ ) ……恋って一体なんなんだろうね


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