マインドクラッシュは勘弁な!   作:あぱしー

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海馬VSデュエルロボ 後編です

ですがその前に――
新しいタグ「三幻神の効果は原作風」を追加しました

何故か――
原作にて「ペガサスが『三枚』の神のカードを生み出した」とあるので

《ラーの翼神竜》をOCGの三形態仕様にするのは問題があると考えたゆえです。


当初は「ラーの翼神竜」のみ効果を「原作効果をOCG風に解釈する」予定でしたが

それでは他二体の神の「絶対性」が薄れると考えたので

ヒエラティックテキストで記されている「三幻神」全ての効果を
「原作効果をOCG風に解釈する」ことにしました


ですので、どうかご理解頂けますと幸いです。




~今の所のチューナーの扱いについて~
劇中にて紹介する予定でしたが、結構先になりそうなので先んじて

今の所は
「チューナー」という「カテゴリー」扱いになっております

ですので「シンクロ召喚」は5D’sに関わる話まで出てきません



前回のあらすじ
デュエルロボ メッチャ強えぇ……オリジナルより強えぇ(泣)

やっと名前を付けて上げれた(笑)





第53話 その勝利は誰のもの

 

 

 海馬はバトルフェイズを終え、互いのフィールドを確認する。

 

 2体の《青眼の白龍》で攻勢に出た筈の海馬。

 

 それも今はデュエルロボのフィールドに鎮座する海馬のターンに呼び出された新たな「帝」が2体により己が魂のカードは消え失せた。

 

 その現状を確認し海馬は頭を切り替える。

 

 どこか甘く見ていたのかもしれない――所詮は機械だと。

 

「俺はカードを1枚セットしターンエンドだ」

 

 だが海馬はこのまま何もせずターンを明け渡すようなデュエリストではない。

 

「エンドフェイズ時にこのターン墓地に送られた《太古の白石》の効果を発動! デッキからブルーアイズモンスターを呼び出す!」

 

 《太古の白石》が地面を押しのけ海馬のフィールドに飛び出し、そこから龍の形をした光が現れ、少しずつその姿を確かなものとする。

 

「現れろ! 我が魂の写し身! 《白き霊龍》!!」

 

 光が龍の形に収束するとそこには体表の白みが増した《青眼の白龍》に似たドラゴンが現れ、海馬を守るべく立ち塞がり守備表示を取る。

 

《白き霊龍》

星8 光属性 ドラゴン族

攻2500 守2000

 

「このカードはルール上『ブルーアイズ』モンスターとして扱われる! そしてこのカードが召喚・特殊召喚に成功した時、貴様のフィールドの魔法・罠カードを1枚除外する!」

 

 《白き霊龍》が翼を広げ宙を舞う――獲物を物色するように。

 

 だが海馬は心中で5枚のカードの内どのカードを除去するかを思い悩む。

 

 

 《青眼の究極竜》などのエクストラデッキのモンスターの呼び出しを封じる《真帝王領域》

 

 帝王たちに耐性を与える《進撃の帝王》

 

 後続を保つ《帝王の開岩》

 

 相手ターンでも展開を可能にする《連撃の帝王》

 

 

 そして海馬は選択する。

 

「俺は《進撃の帝王》を除外する! 俺の発動した《魔力の泉》の効果で守られるのは破壊のみ! 除外は防げん!」

 

 選んだのは強固な耐性をアドバンス召喚された「帝」たちに与える《進撃の帝王》。

 

 その獲物目がけて《白き霊龍》はデュエルロボのフィールドの《進撃の帝王》をブレスで打ち抜いた。

 

「さあ貴様のターンだ!」

 

 これで多少は攻めやすくなった筈だと海馬は力強く宣言する。

 

 

 だがロボは海馬の心情など知らず淡々と勝利を目指しカードを引く。

 

「ワタシのターン、ドローデス。ワタシは墓地の《汎神の帝王》を除外して効果を発動。この3枚のカードから1枚をお選び下サイ、海馬社長」

 

 フィールドに現れるのは《帝王の烈旋》2枚と、それ(帝王の烈旋)をサーチできる《帝王の深怨》。

 

 どれを選ぼうとも結果は変わらない。

 

「……《帝王の烈旋》を選ぶ」

 

 悔しげな海馬を余所にデュエルロボは効果を発動させる。

 

「そして墓地の《冥帝従騎エイドス》の効果を発動しマス」

 

 墓地に眠る《冥帝従騎エイドス》が地の底から響くような雄叫びを上げる。

 

「墓地のこのカードを除外し、『冥帝従騎エイドス』以外のワタシの墓地の攻撃力800、守備力1000のモンスター1体を守備表示で蘇生しマス」

 

 デュエルロボのフィールドに泥のような陣が現れる――それはペキペキと不気味に脈動していた。

 

「その効果により墓地の《天帝従騎イデア》を特殊召喚。そしてその効果を再び発動し、デッキから2枚目の《冥帝従騎エイドス》を特殊召喚しマス」

 

 デュエルロボの1ターン目の光景の焼き増しのような布陣。だが今のターンには既に2体の帝が鎮座している。

 

 そしてフィールドの泥から現れる《天帝従騎イデア》。

 

 泥を払うように手を一閃させ、その隣に2体目の《冥帝従騎エイドス》が立ち並ぶ。

 

《天帝従騎イデア》

星1 光属性 戦士族

攻 800 守1000

 

《冥帝従騎エイドス》

星2 闇属性 魔法使い族

攻 800 守1000

 

「さらに墓地の《真源の帝王》の効果を発動シ、墓地の《帝王の烈旋》を除外することでこのカードを通常モンスターとして守備表示で特殊召喚しマス」

 

 再び現れる白いヴェールで姿を隠した謎の帝。

 

 だが今回は玉座に座らず膝を突く。

 

《真源の帝王》

星5 光属性 天使族

攻1000 守2400

 

「前のターンとほぼ同じか――本当に芸のないことだ……」

 

 表面上は呆れを見せる海馬。

 

 だがその内心は思惑が外れたことに警戒を強める――帝への貢物(リリース要員)が揃ったにも関わらずその手札は減っていないのだから。

 

「永続魔法《冥界の宝札》を発動」

 

 2体以上のモンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功したときに2枚ドローできる状況次第で禁止カードである《強欲な壺》に匹敵するカードに海馬を心配そうに見つめるモクバ。

 

「《真源の帝王》と《冥帝従騎エイドス》をリリースして《怨邪帝ガイウス》をアドバンス召喚」

 

 《冥帝従騎エイドス》と《真源の帝王》を贄に悪魔が如き帝が全てを震わせる声とも言えぬ咆哮と共にフィールドに現れる

 

《怨邪帝ガイウス》

星8 闇属性 悪魔族

攻2800 守1000

 

「まずは2体のリリースでのアドバンス召喚に成功したことで、永続魔法《冥界の宝札》のドロー効果を発動シマス」

 

 減少したデュエルロボの手札はすぐさま補充される。

 

「そしてそれにチェーンして闇属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚された《怨邪帝ガイウス》の効果でフィールドのカード2枚を除外し、1000ポイントのダメージを与えマス。《白き霊龍》と海馬社長のセットカードを除外シマス」

 

 《怨邪帝ガイウス》が獲物に向けて両の手に邪気を溜める。

 

「さらに、その効果にチェーンして《帝王の開岩》のサーチ効果を発動しマス」

 

 幾度となく連鎖するチェーン。だが海馬も黙って見ている訳ではない。

 

「甘いわ! 俺もその効果にチェーンし《威嚇する咆哮》を発動!

さらにその効果にチェーンし《白き霊龍》の効果を発動する!」

 

 《白き霊龍》の身体にヒビが入り光り輝く。

 

「そしてチェーンの逆処理だ! まずは俺の《白き霊龍》の効果! 貴様のフィールドにモンスターがいる時、自身をリリースすることで手札から《青眼の白龍》1体を特殊召喚! 真の姿を現すがいい!!」

 

 ヒビが全身に広がり砕けた《白き霊龍》の内側から《青眼の白龍》が現れ翼を広げ周囲に突風を巻き起こし帝たちを上空から見下ろした。

 

《青眼の白龍》

星8 光属性 ドラゴン族

攻3000 守2500

 

「さらに《威嚇する咆哮》の効果により貴様はこのターン攻撃宣言できん!! これで貴様がこのターンいくらモンスターを並べようとも無意味だ!」

 

「では次のチェーン処置として《帝王の開岩》の効果で《轟雷帝ザボルグ》をサーチシマス」

 

 海馬を追い詰めるように様々な帝が手を変え品を変え進撃に備える。

 

「そして最後のチェーンで《怨邪帝ガイウス》の効果で発動済みの《威嚇する咆哮》と《白き霊龍》を除外シマスガ――」

 

 《怨邪帝ガイウス》が放った闇の一撃を空中で回避した《青眼の白龍》が咆哮を上げ、デュエルロボの攻勢を削ぐ。

 

「だが俺のフィールドに《白き霊龍》はいない――無駄打ちだったな!」

 

 サクリファイスエスケープにより海馬のフィールドに結果的に損失はほぼない。

 

「デスガ《怨邪帝ガイウス》の効果で1000のダメージを受けてもらいマス」

 

 《怨邪帝ガイウス》の掌から放たれた闇の攻撃が海馬のマントを揺らす。

 

「ふぅん、それがどうした……」

 

海馬LP:2400 → 1400

 

「最後のチェーンで永続魔法《冥界の宝札》の効果で2枚ドローしマス」

 

 そしてデュエルロボの手札は途切れず、その攻めは止まらない。

 

「フィールド魔法《真帝王領域》の効果で手札の《轟雷帝ザボルグ》のレベルを2つ下げマス」

 

手札の《轟雷帝ザボルグ》

星8 → 星6

 

 《真帝王領域》が《轟雷帝ザボルグ》の星、レベル()を奪う。

 

「ワタシはこのターン《冥帝従騎エイドス》の特殊召喚に成功しているため、その効果によりもう1度アドバンス召喚が可能デス」

 

 《天帝従騎イデア》の周囲に黒い陣が引かれる。

 

「《天帝従騎イデア》をリリースし、レベル6となった《轟雷帝ザボルグ》をアドバンス召喚しマス」

 

 現れるは(いかずち)の帝。

 

 堅牢な白い鎧に身を包み、鎧の肩に付いた赤い角が紫電を放ち、腰の虎模様の布が紫電にたなびく。

 

《轟雷帝ザボルグ》

星8 → 6 光属性 雷族

攻2800 守1000

 

「アドバンス召喚に成功した《轟雷帝ザボルグ》の効果を発動しマス。フィールドのモンスター1体を破壊しマス――《青眼の白龍》を破壊」

 

 《轟雷帝ザボルグ》の両拳に雷鳴が奔る。そして両手を重ねるような動作からそのエネルギーは球体となって《青眼の白龍》に向けて放たれた。

 

 宙を舞いその雷撃を躱す《青眼の白龍》。

 

 だが《青眼の白龍》を通り過ぎた雷撃が空で弾け、雷の雨となって《青眼の白龍》に降り注ぎその白き輝きを地に落とした。

 

「クッ……許せ、ブルーアイズ」

 

 己が魂のカードを守り切れなかった瀬人はこの借りは必ず返すとデュエルロボの背後に見える幻影を睨みつける。

 

「《轟雷帝ザボルグ》の効果により破壊されたモンスターが光属性だった場合、その元々のレベルの数だけお互いはそれぞれ自分のエクストラデッキからカードを選んで墓地へ送りマス」

 

 だがデュエルロボのエクストラデッキは元々0枚。よってこの効果を受けるのは海馬のみ。

 

 そして空から降り注ぐ雷が《青眼の白龍》を形作り海馬のデュエルディスクに直撃する。

 

「俺のブルーアイズは光属性。そのレベル分のカードは8枚――回りくどい手を……」

 

 海馬はエクストラデッキから墓地に送る8枚のカードを選ぼうとするが――

 

「お待ちください海馬社長。《轟雷帝ザボルグ》が光属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した時、墓地へ送るカードは海馬社長ではなく私が選びマス」

 

 リリースされた《天帝従騎イデア》は光属性。

 

 海馬の背後にエクストラデッキの15枚のカードがデュエルロボに見えるように宙に浮かぶ。

 

 まるで晒しものにされたかのような海馬のカードたち――それは海馬にとって度し難い屈辱である。

 

「ク……おのれぇえええ!!」

 

「ではワタシが選択した8枚のカードを墓地にお送りくだサイ」

 

 海馬の怒りも余所にデュエルロボの選んだカード8枚の縁が光り墓地に送られる。

 

「ぬぬぬぬぅぅ……」

 

 その墓地に送られたカードの中には《青眼の究極竜》の姿もあるだけに海馬の怒りは留まらない。

 

 だが機械であるデュエルロボにそんなものは関係ないとばかりに効果を発動させる。

 

「さらに墓地に送られた《天帝従騎イデア》の効果で除外された《帝王の烈旋》を手札に加えマス」

 

 再び《天帝従騎イデア》によってカードが補充される。

 

 これほどモンスターを立て続けに召喚しているにもかかわらずデュエルロボの手札は潤ったままだ。

 

「手札の《邪帝家臣ルキウス》の効果を発動しマス。ワタシの墓地のレベル5以上のモンスター1体――《光帝クライス》を除外し、自身を手札から特殊召喚」

 

 墓地から両手を広げ、光を振り撒き舞い戻った《光帝クライス》が《邪帝家臣ルキウス》の《怨邪帝ガイウス》を2頭身にデフォルメしたような小さな身体を両手で抱えフットボールをタッチダウンするかのように地面に着地させる。

 

 《邪帝家臣ルキウス》は足を小鹿のように震わせながら右手に闇色の球体を生み出し海馬を威圧する――《光帝クライス》はその姿を満足そうに眺め消えていった。

 

《邪帝家臣ルキウス》

星1 闇属性 悪魔族

攻 800 守1000

 

「このターンは海馬社長の発動した《威嚇する咆哮》の効果でワタシは攻撃できまセン。カードを2枚伏せてターンエンド。そして《轟雷帝ザボルグ》のレベルが戻りマス」

 

《轟雷帝ザボルグ》

星6 → 星8

 

 

 デュエルロボの最初のバトルフェイズを躱した海馬。

 

 だがその海馬の前に立ち並ぶ5体のモンスター。

 

 なおかつそのモンスターを守るようにフィールド魔法を含めた6枚の魔法・罠カード。

 

 さらに新たなモンスターを展開する準備は出来ているとでも言いたげな潤沢な手札。

 

 そして無傷のライフ。

 

 

 

 一方、海馬のフィールドは焼け野原――そこにカードはない。

 

 手札も心もとなく、残りのライフは半分を切り1400。

 

 まさに絶体絶命であった――モクバの不安げな瞳が海馬の視界に入る。

 

 だが海馬の闘志は揺るがない。いずれ相見える好敵手(遊戯)との戦いのため突き進むと決めたのだから。

 

 

「この程度の逆境――この手で切り開いてくれるわ!! 俺のターン、ドロー!!」

 

 その海馬の闘志にデッキは応え、使い手に勝利を届ける為に海馬の想いにデッキは呼応する。

 

「俺は再び魔法カード《魔力の泉》を発動! 貴様のフィールドの表側の魔法・罠カードの数だけドローし、俺のフィールドの表側の魔法・罠カードの数だけ手札を捨てる!」

 

 デュエルロボの表側の魔法・罠カードは前のターンに《進撃の帝王》が除外されたが、新たに発動された《連撃の帝王》と《冥界の宝札》もあって前のターンより1枚増えた4枚。

 

 そして海馬のフィールドはまたもや《魔力の泉》のみ。

 

「貴様のフィールドには4枚 俺のフィールドには1枚 よって4枚ドローだ!! そして1枚捨てる!」

 

 カードを補充する海馬だが《魔力の泉》のもう一つの効果で相手の魔法・罠にこのターンのみの破壊耐性が付与される。

 

 だが海馬はそんなことなど気にしない。

 

「そして俺は今捨てた魔法カード《置換融合》を除外し墓地の融合モンスターをエクストラデッキに戻すことでデッキから1枚カードをドロー! 戻れ! 《青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)》!!」

 

 墓地から切り札たる《青眼の究極竜》を回収しつつ、手札を潤していく海馬。

 

「俺は墓地の《太古の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)》を除外し墓地の『ブルーアイズ』を手札に加える! 手札に舞い戻れ! 《青眼の白龍》!!」

 

 地面から《太古の白石》が浮かび上がり砕け、《青眼の白龍》が海馬の手札に帰還する。

 

「そして《正義の味方カイバーマン》を召喚!!」

 

 海馬の前に《青眼の白龍》を模した仮面とコートを羽織った海馬とよく似た人物が高笑いと共に現れる。

 

《正義の味方 カイバーマン》

星3 光属性 戦士族

攻 200 守 700

 

「そして効果発動! 自身をリリースし手札から《青眼の白龍》を特殊召喚する! 何度でも現れるがいい! 《青眼の白龍》!!」

 

 高笑いと共に《正義の味方 カイバーマン》の全身が光り輝き、その姿を龍へと変貌させる。

 

 その後、光が収まった先には悠然と佇む《青眼の白龍》。そして高笑いするように咆哮を上げる。

 

《青眼の白龍》

星8 光属性 ドラゴン族

攻3000 守2500

 

「さらに魔法カード《貪欲な壺》を発動! 墓地の《VWXYZ(ヴィトゥズィ)-ドラゴン・カタパルトキャノン》、《XYZ-ドラゴン・キャノン》、《VW-タイガー・カタパルト》、《混沌帝龍-終焉の使者-》、《白き霊龍》の5枚をデッキに戻し2枚ドロー!!」

 

 5枚のカードをデッキに戻し新たに2枚ドローした海馬はそのカードを見てニヤリと笑う。

 

「そして墓地の光属性《正義の味方 カイバーマン》と闇属性《ブラッド・ヴォルス》を除外し特殊召喚! 降らぬ世界を薙ぎ払え! 《混沌帝龍 -終焉の使者-》!!」

 

 そして光と闇を混ざり合った暴虐の龍が鎧のような甲殻をギラつかせ雄叫びを上げ、周囲に突風を巻き起こす。

 

《混沌帝龍 -終焉の使者-》

星8 闇属性 ドラゴン族

攻3000 守2500

 

 先程デッキに戻したカードの1枚。海馬はそれを引き切った――恐ろしいまでのドロー力だ。

 

「バトルだ!! 《青眼の白龍》よ! 敵を蹴散らせ! 滅びのバースト・ストリィイイイム!!」

 

 海馬の宣言と共に《青眼の白龍》は滅びのブレスを放つ――今の海馬には攻勢に出て相手の手を削るのみ、守勢に回ればそのまま押し切られるのが関の山だ。

 

「不用意デスネ、海馬社長。リバースカードオープン。速攻魔法《帝王の烈旋》を発動」

 

 再び前のターンの悪夢が繰り返される。

 

「さらに《連撃の帝王》でアドバンス召喚を行いマス。《邪帝家臣ルキウス》と《帝王の烈旋》の効果で海馬社長の《混沌帝龍 -終焉の使者-》をリリースし――」

 

 《混沌帝龍 -終焉の使者-》に飛びついた《邪帝家臣ルキウス》が互いの身体を闇に包みこむ。

 

「《烈風帝ライザー》をアドバンス召喚」

 

 背に半円を背負い緑の鎧を纏った《烈風帝ライザー》が暴風と共に現れ、その風により《青眼の白龍》のブレスを吹き飛ばす。

 

《烈風帝ライザー》

星8 風属性 鳥獣族

攻2800 守1000

 

「まずアドバンス召喚に成功した《烈風帝ライザー》の効果を発動シ、

その効果にチェーンして《冥界の宝札》の効果を発動シ、

さらに、その効果にチェーンして《帝王の開岩》の効果を発動しマス」

 

 デュエルロボは何度でもチェーンを組む、勝利の為に。

 

「チェーンの逆処理を開始。《帝王の開岩》の効果でデッキより《凍氷帝メビウス》を手札に」

 

 青い鎧がデュエルロボの背後に薄っすら写り、手札に舞い込む。

 

「そして《冥界の宝札》により2枚ドロー」

 

 デュエルロボの手札が一向に減る様子がない。着実に差を広げていく。

 

「最後に《烈風帝ライザー》の効果でフィールドのカード1枚と自分または相手の墓地のカード1枚を好きな順番で持ち主のデッキの一番上に戻しマス」

 

 《烈風帝ライザー》の周囲で吹き荒れる暴風がその腕に纏われていく。

 

「フィールドの海馬社長の《青眼の白龍》とワタシの墓地の《帝王の烈旋》をそれぞれのデッキトップに戻しマス」

 

 暴風を纏った《烈風帝ライザー》の剛腕が《青眼の白龍》を打ち据えその巨体が海馬のデッキに吸い込まれる。

 

 そして収束していく暴風がデュエルロボのデッキに舞い戻った。

 

「クッ……」

 

 今の海馬は罠があると知っていても愚直なまでに進み続けるしかない。

 

 そしてデュエルロボの息切れの一瞬を狙い撃つのみだ。

 

「ならば俺はカードを2枚セットしターンエンドだ!!」

 

 そのためには攻撃あるのみ、そして最強の一撃で打ち倒すのだと海馬は誓う。

 

 

「ではワタシのターン、ドロー。ワタシは《怨邪帝ガイウス》と《冥帝エレボス》をリリースして《凍氷帝メビウス》をアドバンス召喚シマス」

 

 《怨邪帝ガイウス》が《冥帝エレボス》と溶け合い、黒い泥のように崩れ氷塊のように固まる。

 

 そしてその氷塊を内側から砕き《凍氷帝メビウス》がその氷のような鎧を身に纏い現れた。

 

《凍氷帝メビウス》

星8 水属性 水族

攻2800 守1000

 

 さらに《凍氷帝メビウス》の足元が凍っていき、海馬の2枚のカードにその冷気が迫る。

 

「そして2体のリリースでアドバンス召喚したことで《冥界の宝札》のドロー効果を発動シ、

その効果にチェーンして《帝王の開岩》のサーチ効果を

さらに、その効果にチェーンして《凍氷帝メビウス》の魔法・罠カードの破壊効果を発動しマス」

 

 海馬のセットカードに迫る冷気。

 

「ならば! その効果にチェーンして罠カード《裁きの天秤》を発動! このカードの効果で貴様のフィールドのカードと俺の手札・フィールドのカードの差だけドローする!」

 

 その冷気を吹き飛ばすようにフィールドに神々しいオーラを纏った髭の老人が天秤を手に現れる。

 

「まだだ! さらにチェーンして速攻魔法《非常食》を発動! 俺のフィールドの魔法・罠カード――《裁きの天秤》を墓地に送りライフを1000回復する!!」

 

 そしてチェーンの逆処理が始まり海馬の発動した《非常食》の効果が適用される。

 

海馬LP:1400 → 2400

 

 次に《裁きの天秤》の効果の適用。神々しいオーラを放つ老人の持つ天秤が傾く。

 

「《裁きの天秤》の効果だ! 俺の手札は0! フィールドには速攻魔法《非常食》のみ! それに引き替え貴様のフィールドのカードは9枚にも及ぶ! よってその差8枚のカードをドローだ!!」

 

 海馬はデッキから8枚ものカードを引き抜く。そのドローはデュエルロボにとって脅威そのものであろう。

 

 そしてチェーンの逆処理が進み《凍氷帝メビウス》が海馬の《非常食》を破壊するが既に役目は終えた後、あまり意味はない。

 

 そして最後に――

 

「ワタシは《帝王の開岩》の効果で《怨邪帝ガイウス》を手札に加え、《冥界の宝札》の効果でカードを2枚ドロー」

 

 結果的に見れば《凍氷帝メビウス》の効果は無駄になった。だが問題はないとデュエルロボは思考する。

 

「しかしこれでワタシの攻撃を遮るモノはなくなりまシタ。4体の『帝王』の攻撃を受けてもらいまショウ」

 

 《天帝アイテール》が天に杖を掲げ、光を収束させ、

 

 《豪雷帝ザボルグ》が無数の雷球を浮かべ、

 

 《凍氷帝メビウス》が氷の剣を生成し構え、

 

 《烈風帝ライザー》が暴風を纏い跳躍する 

 

 

 海馬のフィールドにカードはなく、頼みの綱は《裁きの天秤》で引いたカードのみだ。

 

 

 だが()()()()()()()()()()と海馬は笑う。

 

「そうはさせん!! 貴様のダイレクトアタック時に手札から《バトルフェーダー》を特殊召喚しバトルフェイズを強制終了させる!!」

 

 放たれた4体の帝の攻撃の前に振り子時計の針のようなモンスターが回転しながら現れ鐘を鳴らす。

 

《バトルフェーダー》

星1 闇属性 悪魔族

攻 0 守 0

 

 鐘の音色がなり終えると4体の帝の攻撃の跡はまるでなかったように消えていた。

 

 

 デュエルロボのバトルフェイズが強制終了されメインフェイズ2に移行する。

 

「でしたら墓地の《真源の帝王》の効果を発動シ、墓地の《帝王の烈旋》を除外することで自身を通常モンスター扱いで守備表示で特殊召喚」

 

 三度現れる白いヴェールで姿を隠した謎の帝。その姿はあらゆる帝の根源。

 

《真源の帝王》

星5 光属性 天使族

攻1000 守2400

 

「そして《真帝王領域》の効果で手札の《怨邪帝ガイウス》のレベルを2つ下げマス」

 

手札の《怨邪帝ガイウス》

星8 → 星6

 

「魔法カード《二重召喚》を発動! ワタシはこのターンもう1度通常召喚を行えマス。ゆえに《真源の帝王》をリリースし――」

 

 《真源の帝王》の全身を怨念が包み、その鎧をより禍々しく変貌させる。

 

「レベル6となった《怨邪帝ガイウス》をアドバンス召喚!」

 

 再び現れる《怨邪帝ガイウス》。

 

 (レベル)を奪われたことに苛立つかのように周囲に闇を噴出させる。

 

《怨邪帝ガイウス》

星8 → 6 闇属性 悪魔族

攻2800 守1000

 

「アドバンス召喚に成功した《怨邪帝ガイウス》の効果で《バトルフェーダー》を除外し、1000ポイントのダメージを受けてもらいマス!」

 

 《バトルフェーダー》を《怨邪帝ガイウス》が握り潰す。だがそこには《バトルフェーダー》のケラケラと嗤う笑い声が木霊するだけだ。

 

海馬LP:2400 → 1400

 

「そして除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、

そのコントローラーの手札・デッキ・エクストラデッキ・墓地から同名カードを全て除外しマス!」

 

 《バトルフェーダー》は闇属性だが――

 

「安心するがいい。俺のデッキにそのカードは1枚だけだ」

 

 除外されるのはフィールドの1枚のみ。

 

「ならば最後にカードをセットしてターンエンドデス」

 

 デュエルロボのターンが終わる。

 

 だが海馬の手札にはキーカードが1枚足りない。このターンは凌いだが次のターンも凌げる保証はない。

 

 

 己がデッキに手をかける海馬――そしてデッキに眠る()()()()()の脈動を感じた。

 

「俺のターン!! ドロォオオオオ!!」

 

 条件は全て揃った。

 

「自分フィールドにモンスターがいない時、このカードは特殊召喚できる! 来いっ! 暴虐の長! 《カイザー・ブラッド・ヴォルス》!!」

 

 青い肌の《ブラッド・ヴォルス》によく似た獣戦士がそのメタリックな武具を見せつけるかのようにフィールドに着地する。

 

《カイザー・ブラッド・ヴォルス》

星5 闇属性 獣戦士族

攻1900 守1200

 

「そして! 手札を1枚捨て、装備魔法《D(ディファレント)D(ディメンション)R(リバイバル)》を発動しゲームより除外された《太古の白石》を特殊召喚!」

 

 《カイザー・ブラッド・ヴォルス》がその手の斧を振るうと次元が裂け、そこから《太古の白石》がコロリと転がる。

 

《太古の白石》

星1 光属性 ドラゴン族

攻 600 守 500

 

「さらに貴様のフィールドに表側モンスターが存在し、俺のフィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体が特殊召喚されたことで、速攻魔法《地獄の暴走召喚》を発動する!!」

 

 《太古の白石》の攻撃力は 600。条件は満たされている。

 

「その効果で俺はデッキより2体の《太古の白石》を特殊召喚!!」

 

 海馬のデュエルディスクのデッキから《太古の白石》がさらに2つ転がる。

 

《太古の白石》×2

星1 光属性 ドラゴン族

攻 600 守 500

 

「《地獄の暴走召喚》の効果で貴様は自身のフィールドのモンスター1体と同名モンスターを呼ばねばならん――だが貴様のフィールドは全て埋まっている! 無理な相談だったな!」

 

 デュエルロボにとってメリットとなる《地獄の暴走召喚》の効果も今は無意味だ。

 

「ふぅん、次だ! 魔法カード《黙する死者》を発動し、墓地の通常モンスター《青眼の白龍》を守備表示で蘇生!」

 

 何度でも舞い戻る《青眼の白龍》。

 

 そしてその翼を丸め地上に降り立つ。

 

《青眼の白龍》

星8 光属性 ドラゴン族

攻3000 守2500

 

 これで互いのフィールドのモンスターは同じ5体。

 

「これで準備は整った――俺は《太古の白石》3体を生贄に捧げ(リリース)――現れるがいい――」

 

 

 《太古の白石》が天への供物となり次元を割く。

 

 

 そこから陣が降り立ち、破壊の力が今、呼び起こされる。

 

 

「――――神ッ! 『オベリスクの巨神兵』!!!」

 

 現れるは三幻神が一体、「破壊の神」。

 

 その巨大な蒼き姿には絶対的な力が感じられ、5体の帝たちを見据えるかのように赤い瞳が鈍く光る。

 

「オベリスクの巨神兵」

星10 神属性 幻神獣族

攻4000 守4000

 

「フハハハハハハハハハ! アーッハッハハハハハ!!」

 

 フィールドに絶対的な存在感を放つ「力の象徴」の存在に海馬の闘志は振り切れんばかりだ。

 

「見るがいい! これが貴様の『帝』を超越した『神』だ!」

 

「…………『神』」

 

 帝たちを見下ろすその巨大なプレッシャーにデュエルロボのAIはそれを処理しきれない。

 

「そして『オベリスクの巨神兵』の効果を発動! 2体を贄に捧げる(リリース)ことでその真の力を発揮する! ソウルエナジーMAX!!」

 

 《カイザー・ブラッド・ヴォルス》と《青眼の白龍》が『オベリスクの巨神兵』の左右の手の中に収まり、エネルギーに変換され神の拳に青い光が灯る。

 

「その効果により貴様のフィールドのモンスターを全て破壊し4000ポイントのダメージを与える!! ゴッド・ハンド・インパクトォオオオ!!」

 

 神の両の拳が重ねられ、巨大な一撃となって帝たちを薙ぎ倒さんと振るわれる。

 

「!? ナ、ナラバ相手のメインフェイズに手札の《エフェクト・ヴェーラー》を捨てることで相手モンスター1体の効果をターンの終わりまで無効に――」

 

 計り知れぬ「神」の力にデュエルロボは機械的に次の手を打つ。その無機質な機械の目に宿り始めたものは何なのか、そのAIでは理解できない。

 

 そして透明な羽を持った緑の髪の女性が神の怒りを鎮めんと力を行使するが――

 

「モンスターではない! 神だ!! 神にそんな凡百のモンスターの力が通用すると思うな!!」

 

 《エフェクト・ヴェーラー》の力も「神」には届かず弾かれる。

 

「!? ならば手札の《天帝アイテール》の効果で墓地の《帝王の烈旋》を除外しアドバンス召喚しマス!!」

 

 デュエルロボは初めて抱いた「恐怖」の感情に突き動かされ足掻く。

 

 ちなみに《帝王の烈旋》は海馬が高笑いしている間に発動済みである。

 

「《怨邪帝ガイウス》と発動しておいた速攻魔法《帝王の烈旋》の効果で『オベリスクの巨神兵』をリリースし――」

 

 今までリリースしてきたドラゴンたちと同じように「神」を贄としようとするデュエルロボ。

 

「無駄だと言った筈だ!! 神にそんな小細工は通用せん!!」

 

 だが「神」はそんな不届きなやからに怒りを示すかのように大地を揺るがす声を上げる。

 

 そして《帝王の烈旋》の風は吹き止んだ。

 

「万策尽きたようだな――消えるがいい!!」

 

 神の怒りがデュエルロボの目前に迫り、帝たちを薙ぎ倒していく。

 

「ナラバァアアアアア!! 罠カード――」

 

 だがデュエルロボはまだ足掻きを止めはしない。

 

「言った筈だ! 神に――」

 

「神に罠を使う訳ではありまセン! 罠カード《ダメージ・ダイエット》を発動!! このターンにワタシが受けるあらゆるダメージを半分にしマス!!」

 

 5体の帝は『オベリスクの巨神兵』の破壊の力に薙ぎ倒され、その余波は衰えもせずにデュエルロボに迫る。

 

 だがその神の力が《ダメージ・ダイエット》の効果で半減されデュエルロボを直撃する。

 

 神の一撃を受け、固定されていた場所から横転し壁に激突するデュエルロボ。身体のあちこちがスパークしている――半減してなお、この威力。

 

デュエルロボLP:4000 → 2000

 

「ふぅん、初見で神の対抗策を用意していたとはな……」

 

――あの男の差し金か……どこまで知っている。

 

 デュエリストが初めて使用したであろう「神」のカードの必殺の一撃を防ぐカードの存在。

 

 海馬はそれを「偶然」だと流せるような環境では生きてはいない。

 

 

 だが今はこのデュエルの幕を引くべく海馬は神に示すように対象を指さす。

 

「だが貴様のフィールドはこれでがら空き! バトルだ!」

 

 『オベリスクの巨神兵』が再びゆっくりと動き出す。

 

「神の一撃の前に散るがいい!! ゴォッドォ! ハンドォ! クラッシャァアアア!!!」

 

 『オベリスクの巨神兵』の右拳に力が集まり輝きを放ち、止めとなる一撃が振るわれる。

 

「マ……ダ……デス。相手モンスターの直接攻撃宣言時に《速攻のかかし》を手札から捨てることでその攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了させ……マス」

 

 両手に木の棒を持った廃材で作られた案山子が茶色い帽子をはためかせ神の一撃にブースターをふかし突撃する。

 

「ふぅん、無駄と分かっていても最後まで抗うか……」

 

 だが海馬の言うとおり『オベリスクの巨神兵』の拳の前に容易く弾き飛ばされ、デュエルロボの隣を通り過ぎ壁に叩きつけられバラバラに砕け散りその機能を停止させる。

 

 そして「神」の必殺の一撃はデュエルロボに直撃し、《速攻のかかし》の後を追うようにデュエルロボもまた砕け散った。

 

デュエルロボLP:2000 → 0

 

 

 デュエルロボのライフが0になり、海馬のデュエルディスクがその勝利を称えるようにブザーを鳴り響かせる。

 

「俺の勝ち……か」

 

 だがその勝利に神のカードを視界に収めた海馬はスッと目を伏した。

 

 

 

 

 





神のカードの絶対的な耐性――「壊獣」テーマの存在ゆえに付けざるえませんでした。

「こんなのデュエルじゃねぇ!!」と拒否反応が出る方もいらっしゃるかとは思いますが

今回のデュエルは「神のカード」の「絶対性」を示すためものですので

今後の神を使用するデュエルではここまで理不尽なことにはならない予定です

ゆえにどうかご容赦を……



~ヒエラティックテキストを解読してみた(本作での神のカードの効果)~
「オベリスクの巨神兵」
星10 神属性 幻神獣族
攻4000 守4000
(1)このカードを通常召喚する場合、
自分フィールド上に存在するモンスター3体をリリースして
アドバンス召喚しなければならない。

(2)このカードの召喚・反転召喚・特殊召喚は無効にされない。

(3)フィールドのこのカードは元々の属性が神属性のモンスター以外のあらゆるモンスター効果・魔法・罠カードの効果を受けず、相手によってリリースされない。このカードの効果は無効化されない。

(4)このカードがフィールド上に存在する限り元々の属性が神属性以外の自分フィールド上のモンスターは攻撃できない。

(5)特殊召喚されたこのカードは、エンドフェイズ時に墓地へ送られる。

(6)自分フィールド上に存在するモンスター2体をリリースする事で、相手フィールド上に存在するモンスターを全て破壊し、相手ライフに4000ポイントのダメージを与える。この効果は1ターンに1度互いのメインフェイズに発動できる。

この効果を発動するターン、このカード以外攻撃宣言できない。


(1)~(5)が神の共通効果――いわゆる神耐性で

(6)以降がその神特有の効果になります



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