イーチ 〜ALL TO CHANGE NOW〜   作:グレル 速蒼

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どうも!最後まで読んでってね。


2話 驚きの日々

2話 驚きの日々

 

安慶じい「そういや腹減ったな。かあさん!」

 

イーチ(突然動き出したと思えば、昼ご飯を要求しだしました。自由奔放ですね。でも、そんなに都合良く出てくる訳が…。)

 

婆さん「はいはい。出来てますよ。」

 

イーチ(ナニィ!…っとと、熟年夫婦なんですから、案外、当たり前かもですね。)

 

茜「やった!玉枝おばあちゃんのご飯だ!」

 

玉枝「そんなにはしゃいどらんで、準備しいーや。」

 

茜「はーい。」

 

玉枝《たまえ》さんは安慶じいの奥さん。料理の腕は凄腕で、アメリカの一流レストランで働いていた経験もあるとか、結婚してからは日本から一度も出ていないそうです。どんな風に知り合ったのでしょうか?

 

茜「何ぼーっとしてんの?イーチさんもご飯食べ…あれ?アンドロイドだから食べれない?」

 

イーチ「食べますよ。ご飯。」

 

茜「えっ。」

 

イーチ「何鳩が豆鉄砲食らったような顔してるんですか、失礼な。」

 

茜「ご、ごめんなさい。てっきり食べれないものかと。」

 

イーチ「僕の原動力は高エネルギー三リン酸なんです。」

 

茜「こ、高エネルギー?よ、よくわかんないけどようは食べるんだね?」

 

イーチ「はい。」

 

茜(なんだか、ものすごいものが原動力みたいだけど、ご飯を食べると中心核みたいなものが動くのかな?)

 

イーチ(高エネルギー三リン酸は、人間が体を動かすために体の中で科学反応させることに使っているものと同じなのですが、難しかったですかね。)

 

イーチ「主に、代謝の際に使う物質なんですよ。」

 

茜「えええ!代謝ってエネルギー使ってたの?」

 

イーチ「はい。代謝はその物質の循環によって起こってます。」

 

茜「へぇ、よくわかんないけどすごいね。」

 

イーチ「高校生の時にやりませんでしたか?」

 

茜「高校の授業ほとんど覚えてない。」

 

イーチ「それは行った意味があったんでしょうか?」

 

イーチ(ダメだこの子、文法とか途中でおかしくなっちゃうやーつ。面接なら尚更落ちるの確定じゃ……)

 

茜「………ニコッ」

 

イーチ「…………⁉︎」

 

茜とイーチは楽しそうに会話をしている。

 

安慶じい「仲良くなれるかが心配じゃったが、そんなことはなかったようじゃのう。」

 

玉枝ばあちゃん「茜があそこまで気を許すなんて、相当彼のことが気に入ったんではないかい?」

 

安慶じい「あれはアンドロイドの頭のよさじゃろう。感情があるとはいえ、あいつの頭はコンピュータ並みのレベルにはなっとる。相手に合わせて喋っとるんじゃろうなぁ。」

 

玉枝ばあちゃん「またそんなこと言って、素直に良かったでいいんですよ。貴方。」

 

イーチ「そんなことがあったんですか。それは大変でしたね。」

 

茜「本当もうその時はクタクタでさ、お風呂も入らないで寝ちゃったの。」

 

イーチ「それは本末転倒ですよね?」

 

茜「本当それね。あははっ!」

 

イーチ「ふははっ」

 

悠長に二人の会話が続く。それは安慶田夫妻にとってとても微笑ましい光景だった。

 

玉枝ばあちゃん「そういえば、なんであの子がうちに来るまで何も言わなかったんだい?」

 

安慶じい「サプライズみたいにしたくてのう。」

 

玉枝ばあちゃん「貴方らしいですね。」

 

夫妻はその微笑ましい光景を見てニコニコと笑みを浮かべながら二人の邪魔にならないように昼食の準備を終わらせた。

 

玉枝「ご飯の準備出来ましたよ。」

 

茜「あっ!忘れてた。食べよう。」

 

イーチ「そうですね。喋りすぎてかなり疲れましたから。」

 

茜「そんなに大変だった?」

 

イーチ「いえ、そんなことはありませんよ。ただ、10日間何も食べてないので。」

 

茜「それは大変!早く食べよ!って10日?1日じゃなくて?」

 

イーチ「い、1日っ!」

 

茜「わわっ!」

 

目を光らせてズン!っと立ち上がったイーチ。それに驚いた茜はオロオロしている。イーチはハッと正気を取り戻すと、

 

イーチ「おっと失礼。1ということを聞くと無性に興奮してしまうクセがありまして。原因はわかってないんですけど…。」

 

と、慌てながらも的確に説明した。

 

茜「そ、そうなんだ。」

 

イーチ「えぇ、あと、10日と言っても稼働したのは3日前なので、安心してください。」

 

茜「それは安心していいのかな?…ていうか早く食べよう?お腹が空いて仕方がないよぅ。」

 

茜は早く昼食が食べたくてウズウズしている。

 

イーチ「そうですね。それでは、いただきます!」

 

と、次の瞬間。

 

ササッ!シュッ!シュバッ!

 

茜「はむ、はむ。うめゃい!」

 

茜は勢いよく箸を食べ物に持って行き、茜の皿が食べ物に埋め尽くされた。そのスピードの速さにイーチは息を飲む。そして、一気にそれが口に運ばれる。その様子は早食い選手権の選手と同じぐらい豪快な感じだった。

 

イーチ「………。」

 

安慶じい「これ、もっと優雅に食わんか。」

 

茜「豪華なご飯を前にしてそんなこと言ってらんないわよ。モグモグ」

 

イーチ「優雅ってどんな食い方ですか…茜さん。落ち着いて食べないと太りますよ。」

 

茜「それは困る!」

 

急に茜の食べるスピードが落ちた。

 

茜「ごちそうさま。」

 

玉枝ばあちゃん「もういいのかい?」

 

イーチ「おばあさん。もうかなり食べてます。」

 

イーチが皿に目をやると、かなりの量が減っていた。それを見て安慶じいと玉枝さんは驚くこともなく、自分のペースでご飯を食べていた。

 

イーチ(あれで良くあの体型が維持出来ますね。というか、まだ10分経ったか経ってないかなんですけど(汗)。それを見て全く動じない安慶じいと玉枝さん。いつもこんな感じなんでしょうか…。)

 

昼ご飯が終わると、茜さんは就職のため勉強を始め、玉枝さんは家事を、安慶じいは自分の工場へと出掛けてしまい、暇なのは僕だけになってしまいました。さっきまでの賑わいが嘘だったかのように、家は静かになりました。

 

イーチは家の庭先に座り、空を眺めていた。

 

イーチ「はあ、毎日驚かされてばかりですね。」

 

僕は施設で、機能の微調整を行い、稼働テストを受けた後にスーパーコンピュータから、この世の知識という知識を1日で叩き込まれた。それはもう、言葉に出来ないほどの感覚で、驚きの一言では足りなかった。それが僕が覚えている1日目。僕の誕生日と言える日…。

 

それが2日目になると、テストが運動系に変わり、あらゆるスポーツ、運動を行い、体の性能を確かめられた。この1日の運動量はまさにスポーツ選手が一年間に行う運動量に匹敵する。驚きというより、不安の方が強かった。あと何歩か動いたら壊れてしまうのではないかという不安が強く心に残った1日だった。

 

3日目は、初めて外へと出た日。それは驚きというよりは、感動というものに近かった。こんなに美しいのかと、この世界の壮大さを実感した。

 

そして今日、こうして一家庭の中に僕は居る。こんなにも凄い4日間を過ごした者が、物が、ものが。この世にいるのだろうか?

 

イーチ「………。」

 

僕は青く澄みわたる空を見つめて、ただ、風の気持ちよさに浸っていた。

 

イーチ「まさに、驚きの日々ですね。」

 

 




前回の続きです。最後まで読んでくれてありがとうございます!多くの人に読んでいだだけたら嬉しいです。
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