現実に戻ってきた私は絶望的な状況だった。目の前にはシャドウが今すぐに襲いかかるところ。
「ーー!」
私の手のひらには光ってるカードが。いきなり現れたことに隣にいたクマや花村先輩がとても驚いていた。
私は頭に思い浮かんだ言葉をゆっくりと口にする。
「……ぺ……ル……ソ……ナ」
そして思いっきり握りつぶす。すると背後に巨大な何かが現れた。私が口にした言葉、“ペルソナ”。もしかしてこれのことだろうか。
私のベルソナーーナキサワメは両方に刃がついた武器で華麗にシャドウを倒しまくっていた。
「これが……私の、ベルソナ……」
気がつくと、襲ってきた全てのシャドウが倒された。私は状況の整理がついてなかったのか、しばらくボーッとしていた。クマの声が聞こえ、私はハッと意識を2人の方に戻した。
「センセイはすごいクマね。クマはまったくもって感動した!!」
「セ……センセイ?」
いきなりクマに「センセイ」と呼ばれ動揺した私。花村先輩もこのクマの豹変した態度に若干引いてるようだ。
「こんなすごい力を持ってたなんてオドロキね! な。ヨースケもそう思うだろ?」
「何急に俺だけタメ口になってんだ。チョーシ乗んなよ」
「むぎゅ! ……スンマセン」
花村先輩がクマに肘で攻撃……。
「先輩、クマが可哀想だから止めてあげて下さいっ。兄さんならもっとほんわかに言いますよ! ……肘攻撃は別にいいと思いますけど」
「肘はいいんだな」
「センセイには兄がいるクマか?」
「うん。鳴上悠って言って自慢の兄さんなんだよ」
「自慢の兄さん」ーー私は簡単に、一言でクマに教えた。何をするにも器用で何でも出来てしまう。凄い兄さん。だから、私にとっては“自慢”なのだ。
それを聞いたクマは「じゃあセンセイのお兄さんは……
「クマ。兄さんをセンセイって言ったら? 兄さんはこっち1人で来れないけど、今度紹介するよ。……花村先輩より器が大きいから」
「何故毎度毎度俺で比べる」
「否定出来ます? 兄さんより器が大きいって大きな声で言えます?」
「……否定出来ないのが若干悲しい」
どうやらクマも決めたらしく、1人で……てか1匹? で納得していた。兄さんを“センセイ”。私を
「何でシショウ?」
「何となく、クマ!」
「いや、どや顔で言うなよ。奏ちゃんはそれでいいのか?」
「何かかっこいいのでオケです」
クマの私や兄さんへの呼び方が決まったところで再び私たちはコニシ酒屋の方を見る。
“ジュネスなんて潰れればいいのに……”
「ーーなっ!」
急に女性の声が聞こえた。ここら辺に住む主婦の方とかだろうか? 色んな人の声がいろいろ聞こえてきた。