今日は、お父さんとお母さんとデパートでお買い物♪
ふふふん...
「さあ、行きますよ。」
「はあーい。」
「...なんで、まんが見ているの?」
「あれ...。」
「支度しなさい、おいていきますよ。」
「はーい、まってえ。」
デパートに行ったら、ロビーに蝶の羽がついた女性の絵が大きく描かれた巨大な垂れ幕
が目に入る。
アルファベット大文字でFAIRIS STORYと書いてある。
わたしは無意識のうちにかけだしてエスカレーターをのぼっていた。
「ねねちゃん?」
「おーい、どうしたんだ。」
「これ、すごーいい。」
「ねねちゃん、あぶないよ。降りてきなさい。」
「え?...。」
わたしは、柵からいつのまにか夢中で上半身乗り出していた。
いいなあ、あのゲームほしい。
「お父さん、お母さん、あのゲームほしい。」
「そうだなあ。お手伝いでもしてもらおうかな。」
「今日は草むしりね。」
「はい。」
10分後...
「何やってるの?」
「とんぼが飛んでたからおいかけてるの。」
「続きをやりなさい。」
「はあい。」
5分後...
なにこれ?おもしろい。ダンゴムシをながめて転がす。
「ねねちゃん。何やってるの?」
「だんごむしが...。」
「もういいから。じゃあお掃除ね。」
掃除機をかける。
5分後
(あれ?こないだなくして探してたお人形だ。)
「?...何やってるの?」
「こないだのお人形みつかったよ。」
「お掃除は?」
「え...っと。」
一か月前、ねねの同級生で紫色の髪をしたツインテールの少女がおもちゃ屋の店頭で
同じ柄のパッケージを垂れ幕をながめていた。
(青葉視点)
「この絵すごい....。」
お店のおじさんが答える。
「ああ、今話題になっているゲームだよ。フェアリーズストーリーっていうんだ。」
「へええ...。」
「お母さん、お父さん、あのゲームほしい。」
「じゃあ、青葉にお手伝いやってもらおうか。働かないとお金がもらえないんだぞ。
昔は、お給料袋があつくて、自慢できたんだがいまは振り込みになっちゃってなあ。」
「お父さん、そんな話はいいの。」
お母さんがお父さんをたしなめるように言う。ちょっとお父さんかわいそう。
「じゃあ、青葉ちゃん、おもちゃ屋さんに予約しとくから、学校から帰ってきたらお掃除やって。」
「はーい。」
掃除機をかける。トイレの掃除もやる。
「きれいになったわね。」
「へへ...。」
「宿題もやってね。」
「はーい。」
「青葉ちゃんの今日のお手伝いは草むしりね。」
学校から帰ってきたら草むしりだ。
「お母さん、終わった~。」
「はい。ありがとう。」
「明日は今日は健康診断だから朝食はやめとくよ。バリウムのまなきゃな。」
「会社の健康診断ってバリウムというお薬飲むの?」
「そうだ。それで胃癌とかないか検査するんだよ。」
「そうなんだ。お父さん一生懸命働いているからすごいね。」
「ねえ、ねえ、お母さん、今日でどのくらい手伝ったの。」
「あのゲームはいくらなの?」
「6150円」
「じゃあ買えるだけのお金はあげるからがんばって。」
「はあい。行ってきます。」
「ただいまあ。」
「お帰り。じゃあ、今日はデパートで野菜買ってきて。これがメモ」
「はーい。」
メモに書いてある野菜を買ってくる。お母さんからわたされたマイバッグはいっぱいだ。
「青葉ちゃん、ありがとね。あのね。あと一週間がんばったら、お金あげるから。」
今日は、いよいよゲームを買うお金がもらえる日だ。
「青葉ちゃん、お疲れ様。これで買ってきていいわよ。ただしおつりは全部返してね。」
「はあい。」
「あおっち~今日は遊べるの?」
「うん。じゃじゃーん。お母さんにゲーム買うお金もらっちゃった。一生懸命お手伝い頑張ったんだから。」
「すごーいい。ユキチじゃん。ユキチがあれば何でも買えるじゃん。」
「え?ゆきち?」
「そのお金に顔が書いてある人だよ。」
「あ~もしかして?」
「?」
ねねっちはいたずらっぽい顔になる。
「6年生なのに、あおっち、ユキチを知らないの?」
ぷぷ...
ねねっちに笑われてる。くやしい。
「し、知ってたよ。」
「じゃあ、みょーじな~んだ。」
「え、えーと、えーと。」
わたしははっきりと思い出せなかった。確か授業でやったような...。ねねっちが三班が答えるより先に答えちゃった...『学問ノススメ』を書いた人...フクザワ...フカザワだっけ。どうしてもはっきり思い出せない。
だいたい思い出しているんだからいいよね...。一字違いだし。
お札をちらっとみようとした。すこしならいいよね...
しかし、ねねっちは鋭く見とがめる。
「あーつ、あおっち、それはズルだよ。ズルー。」
「知ってた!。知ってたけど、自信なかったの。」
「あの~フェアリーズストーリーを予約していた涼風ですけど...。」
「ああ、入荷してますよ。こちらっすね。6150円になります。」
「じゃあ、フクザワユキチ1枚で!」
「わはは...お嬢ちゃん、賢いねえ。じゃあおつりは野口英世三枚と850円になります。」
「へへへ...。」
「おじさん、この子、さっき、覚えたんだよ。」
わたしは、パッケージを眺めた。なんてきれいな絵なんだろう...。
「それなんか話題になってるよね。わたしもデパートで見たよ。」
「え?そうなんだ。わたし、この絵が好きだから、いいなあって思って。」
「ねねもほしかったけど、野口すらないし...。」
「仕方ないなあ。クリアしたら貸してあげるよ。」
「ほんと?やったあ。」
「でも、まずあおっちの家でやってるとこ見てみたい!」
「いいよ。今からくる?」
「いく!いく!」
「あ~その前に野口いっぱいあるんだからジュースも買っちゃえば。ねねもそれくらいならもってるし。」
「だ、だめだよ。お母さんとおつりは全部返すって約束したんだから。それに早くゲームしたい。」
「ねねっち、走ろ!」
「あ~まってよ、あおっち~。」
二人は青葉の部屋へ向かっていった。
青葉とねねっちの違いを 描いてみました。ねねっちはお手伝いに飽きちゃってあちこち目移りして結局両親が呆れてしまう、青葉は終わらせてゲームを買うことができるってことなのですが;
3話から一部移動(H28.12/14,1:22a.m.)