俺たちの冒険の書No.001〜ロトの血を引きし者〜   作:アドライデ

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Lv.13:ルーラを覚えた。

 

「しまった。ここはラダトーム城の入り口か」

 覚えたての呪文は取り敢えず使う。まさか、そこまで凄いことが起こるとは思ってなかった。

 少し前まで、リムルダールの町から南下した場所で、金策と修行をかねてしていた。

そこには【ゴールドマン】がいて通常よりお金を所持しているのだ。魔法の鎧(7700G)を購入する資金を稼いでいるところである。これ以上強い武器は現時点でなく、防御を上げることで対策を取ろうと考えたのだ。

今は目の前に城壁を守る兵士が怪訝な顔をしている。取り敢えず笑いラダトームの町に逃げる。

ルーラは瞬間移動の呪文らしい。なぜかラダトーム城限定だが…色々飛べたら楽だがそこまで甘くないらしい。

これはリレミトと同じで消費が多い、それさえ確保できれば、帰りの魔力を気にせずギリギリまで進めると言うことだ。

前回見つけることが出来なかった、ドムドーラの町に行けるか?

 

 あの周辺はリムルダールの町より、やや強いモンスター。

一つは【しりょうのきし】

見た目こそ【しりょう】と似ているが剣を持っており、その剣の扱いが上手い。お陰で体力が削られる。戦闘中の回復はもうできない状態なので、攻撃力が強い相手は色々ときつい。

もう一つは【よろいのきし】

圧倒的硬さと強さを誇っている。しかもマホトーンの魔法を唱えてくるのでラリホー戦法を封じてくる。

その強敵オンパレードだが、一度でもその町たどり着けたら、そこを拠点にでき、先ほどいたリムルダールの町から南下した場所より効率よく修行ができる。

 

 ルーラの呪文でラダトームの城に戻ってしまったので、予定を変更して砂漠地帯を目指す。

運が良く、あまり強敵に出会わずにドムドーラの町に着いた。

予想通り、砂漠を超えた場所にその町はあった。

 

 いや、正確には嘗て町だったと思われる場所だ。

 

「ここがそうだったのか」

 竜王に滅ぼされた町。人は既にいなく、壊れた建物の残骸が毒沼に侵食されている。商店街の名残かいくつか店のカウンターが残っていた。

更に外とは比べ物にならないぐらい強いモンスターが闊歩している。あまりの恐々にしばし唖然としてしまっていたのだろう。

結論から言うとルーラは必要なかった。気付いたら、ラダトーム城に戻っていたのだから…一瞬だった。

まだまだ強い相手がいる。

竜王はその頂点にいる。そこいらのモンスターに手こずっているようじゃダメだ。

 

(俺は…勝てるのか?)

 

 期待を背負って、それに答えられるのだろうか。剣技が未熟でただただ我武者羅に強くなって行くモンスターと日々戦っているだけだ。

 

まだ誰も救っていない。

まだ何もできていない。

 

「畜生!」

 

 アレフLv.13、スランプに陥る。


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