俺たちの冒険の書No.001〜ロトの血を引きし者〜   作:アドライデ

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Lv.18:虹の橋を架けた。

 

 リムルダールの町から北西にある岬が竜王の島に一番近い場所。流れが速く、波も高く、船では無理と言われている。

断崖絶壁の上にあるこの岬。

昔、ロトがこの場所で橋をかけたとのこと。

「頼むぞ」

 取り出し高々と掲げると虹の雫と言う宝石が光輝く。辺りが七色に輝き、向こう岸へと続く橋が現れた。

この効果は一時的らしく、半透明に輝く虹の橋は何とも頼りないが、踏みしめるとシッカリしている。

しばし躊躇うも覚悟を決めて走る。

 

 そして、くるりと南に迂回した後、目の前に聳え立つのが竜王の城。

長い道のりであったが、敵がもう目の前。

慎重に且つ大胆に乗り込む。

入り口に入ってすぐに左右に分かれており、魔法の鍵が必要な箇所がチラホラある。

虱潰しに探すも、いるのは魔物だけ、竜王の気配を感じない。

 

「……?」

 収穫なく何往復か後に見つけた主人のいない玉座。そのサイズは人間が座るには大き過ぎる。この城の最奥にポッカリと不気味に鎮座している。

ぐるりと回ると玉座の後ろに回った際に不自然な切れ目とそこから流れ出る風に気付く。

調べると地下への階段が現れた。

先は暗く、ここからが本番だと気合いを入れ直す。

 

 ダミーの階段が多くあり一階と二階が真っ直ぐ繋がっておらず、脳内マップが混乱する。

上へ下へと振り回される。

モンスターも一段と強くなり、戦略も立て直しとなる。ラリホーが効かない敵が多くなり、回復のベホイミを使うピンクの羽を持つ【スターキメラ】や、人を眠りに誘い永眠フラグを作るラリホー使いの【あくまのきし】は、魔法封印のマホトーンが有効となる。

最深部まで魔力を温存しておきたいが何せ、戦略を駆使しないと、こちらが直ぐにやられてしまう。

 剣についても少し不安がある。強い剣と言われる炎の剣を手に入れたときに寄り道で、マイラの村の老人に見てもらったのだが、ダメだという。

 

「まだ強いのがいるのか!」

 見つけた道筋だけ覚え、階数は数えなくなった頃、また一段と強くなった。

一撃一撃が痛い。ラリホーもマホトーンも効かず、逃走すら叶わない一瞬で窮地に追い込まれた。

 

 死ぬこと数回。【しにがみのきし】と【ダースドラゴン】は無理だ。出会ったら最後死ぬしかない。

王様の叱咤はもう聞き飽きた。

お金もある程度必要なものが揃ったから、特に使うことないし、とか言ってたら命の尊さについて説教された。

姫の捜索隊の生き残りの彼を思い出した。

ローラ姫と会いに行った時はもう視力や聴力すら失われている状態だった。

「………」

 なぜか、何度も窮地に陥っても生きていられる理由は分からない。

帰還の御守りだけの効果ではあるまい。

 

「ここは…?」

 何度目の挑戦かもはや分からない。階段を降りたと思ったら、登らされた謎の空間。

そこにあったのは………

 

 ロトの剣。

 

 初めて手にしたと言うのになぜか手に馴染む。昔から使い込んでいたような感覚に襲われる。

これが剣に選ばれたと言うことだろうか。

王者のみが手にすること許された剣。王者、即ち、勇者ロト。

何度か、振り抜き鞘に収める。

 

 竜殺しの剣。マイラの村の老人にも太鼓判を押された最強の剣である。

 

 アレフLv.18、皆を救いたまえ。


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