ナムストーン   作:kirimonji

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各地で

それ以降ぽつぽつと光る石が発見されていった。

 

12月24日初夏のクリスマスイブの日、南半球

 

ブラジルアマゾン川の中流の大都市マナウスは大雨だった。

 

 

 

 

環境資源研究所の所長サントスグランデは雨の中

 

不気味に光る石を研究所の原生林の林の中で見つけた。

 

雨具を身に着けぬかるみを見回りをしていた時だ。

 

 

 

 

恐る恐る眺め言っているうちにピカッと光ってピンク色に

 

変化した。徐々に輝きは落ち着いてきて白っぽい普通の石に

 

なってしまった。そっと手で触れてそのまま持ち帰った。

 

 

 

 

ペルーではピクニックの家族が牧場の池の中に輝く石を発見

 

して大騒ぎになりパトカーまで出動した。チリでは教会の

 

裏の薄暗い墓地の中で不気味に輝く墓石を司祭が発見、

 

 

 

 

神の祟りかと恐れおののいたがよく見ると墓石の後ろの丸い

 

小石が光り輝いていたのだと分かった。やはり大きく輝いて

 

ただの小石になってしまった。司祭はその石を持ち帰り

 

マリア像の下に安置して十字を切った。

 

 

 

 

南アフリカではダイアモンドの採掘現場や鉱山でそのまま

 

持ち帰った人もいれば博物館に届けた人もいた。フィンランド

 

ではビバーク中の登山家が氷河に輝く不思議な石を持ち帰った。

 

 

 

 

 

オサムオサナイは時を感じた。光る石が各地で発見されだしたということは

 

ナムストーンも各地で活性化し始めているはずだ。オサムは

 

再び大々的にタイトルキャンペーンを張った。

 

 

 

 

「アンビリーバブルストーン!ドンチュウノウ?」

 

 

 

 

予想通りかなりの反応がある。オサムオサナイは世界的なナムストーン

 

ネットワークの構築が必要だと感じた。

 

 

 

 

ヨーロッパを中心にキーツがその責任者になった。

 

中東からロシアをケムン、アフリカをナセル、

 

インドとネパールをレイ、中国を雲南の陳、

 

オーストラリアをポール、北米をドナルド、

 

南米をペルーの国立博物館館長のロベルトパッチーノ、

 

そして日本と東南アジアをオサムオサナイが掌握した。

 

 

 

 

まだ空を飛ぶようなことはないが、ナムストーンのマジックワードと

 

石の色彩コントロールの件を実例を交えて新メンバーに伝えた。

 

 

 

 

不思議なことにナムストーンを所持するメンバーは一様に

 

純粋な何かを持っている。個性は各人全く違うがDNAの

 

奥底に共通する清らかな何かがあるようだ。

 

 

 

 

そういう部分は新メンバーにも言えた。よく考えてみると

 

最初の5人もそうだった。ナムストーンによって

 

奥底のその部分は確実に進化していってるようだ。

 

 

 

 

年が明けて3月大英博物館が科学雑誌ネイチャーに

 

光る石の真実(the truth of brightstones)

 

という論文を発表した。

 

 

 

 

所蔵のマラウイから持ち帰った光る石の写真と輝いた

 

記録とその時の世界情勢とを列挙し比較した論文なのだ。

 

 

 

 

反響はすさまじくさらに世界の各地から光る石の発見が

 

なされた。この時「ナムストーン」が公に公開された。

 

 

 

 

ナムストーンの祈りが人類の危機を救うかもしれないと

 

権威ある科学雑誌が発表したのだ。その最後の章で

 

光る石とは別に個別のナムストーンがあることも発表された。

 

 

 

 

これは所持しているものにしか見えないその人の心を如実に

 

表現する不思議な石でナムストーンを唱えることによって

 

心をコントロールできるというものだった。

 

 

 

 

各地の光る石は公開され、個別のナムストーンメンバーには

 

数人のグループによるユニットが生まれ始めてきた。

 

空中遊泳が始まるのは時間の問題だ。

 

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