もしもベル・クラネルにこんなスキルがあったなら:短編集 作:自堕落キツネ
「ふぁ~、っしょっと。」
ベル・クラネルは自分の寝床であるソファーから起き上がると、まずはスキルを確認する。
「ん、今日はネロさんの日か。」
スキルを発動すると、紺色のコートと右腕に異形の腕を思わせる籠手、背中にはレッドクイーン、腰にはブルーローズが出現した。
『
・スパーダの血と魂を受け継いだ三人、ダンテ、バージル、ネロの能力を行使できる
・眠る度にランダムで選ばれる
・モンスター撃破時、グリーンオーブ(疲労回復、傷治癒)、パープルオーブ(
・デビルトリガー時、
「よし!!それじゃぁまずは朝ごはんを作らなきゃね。」
慣れた手つきで朝食を作り、テーブルに二人分用意したあと、 バイトで疲れているヘスティアを起こさないように食べ虫除けの網を被せてダンジョンへと向かう。
「ん~、むにゃむにゃ、いってらしゃぁい、ベル君。」
「ヴオォォォォ!!!!」
「Wow。」
ダンジョン五階層、遭遇したミノタウロスに思わずそんな反応をしてしまったベル。
緊張感の欠片も感じられないが仕方ないのだろう。
左足を半歩引き、ミノタウロスと相対する。
左手でレッドクイーンの柄を回し、燃焼材をチャージする。
右手を伸ばし、手のひらをミノタウロスに向ける。
脅威を感じたのか、ミノタウロスはすぐさま
「ヴオォォォォ!!!!」
「甘い!!」
ミノタウロスの突進を右手で頭を掴んで止める。
顔のギリギリに近づいた角には意識を向けることなく、レッドクイーンの燃焼材を噴かせ、叩き落とす。右手を離し、勢いを殺さずに体ごと横に回転させ切り飛ばす。
上下左右に切り分けられ、呆気なくミノタウロスは絶命した。
逃げたミノタウロスを追いかけてきたアイズとベートは目を見張る。見たことのない武器を使う、ギルド支給の防具にコートを羽織った冒険者として
「ハッ、ありゃぁ………面白そうだ。」
牙を見せる獰猛な笑みを浮かべているベートの発言に、アイズも興味深そうに頷く。
ミノタウロスの魔石を回収したベルにアイズが声をかけ、遠征帰りにミノタウロスの群れが逃げたことで五階層にいること、先程のが最後の一体であることを伝え、団長の元へ共に来てほしいとお願いする。快く承諾したベルは向かっている途中、
「私も、やってみたい…かな。」
「ハ、ハイ!!じゃぁ、明日にでも持っていきますね!」
アイズの少々照れながらのお願いにベルも顔を赤くして了承する。
先に戻っていたベートが仲良くなったように見える二人を見て、ベルに吠えたのは言うまでもないだろう。ベートの猛攻から必死に逃げ回るベルに目をつけたフィンは、アイズの約束もあって繋がりを持つことを決めた。
翌日、ロキ・ファミリア総出のゲーム大会があったとか。
平行世界の一つ、ベル・クラネルの物語は始まった。
「ん~、この世界のベル・クラネル氏も紡ぎだしたようですねぇ。お手伝いした甲斐があったというものです。」
「センパ~イ、まだ録音されてますよ~。」
「まだ締めの言葉を言ってないからですよ、クロ。それでは皆様、またいずれ。お目見えしましょう。」
なお、専属鍛冶師になったヴェルフは3をプレイして実際に造った模様