聖櫻番長のガールフレンド(仮)だらけな日常 作:クビキリサイクル
「はぁーいっ。本日もお昼の校内放送の時間がやってまいりました! 今日の担当は私、二年の櫻井明音がお送りいたしまーす!」
「今日のっつーか今日もだろ」
「おーっとご紹介の前にツッコミが入ってしまいました! 早速ゲストのご紹介です! 聖櫻学園で知らぬ者なし! 喧嘩番長・新城一也さんでーすっ」
「はいはーい。新城一也くんでー……ってうぉぉ! 地鳴りが! 地鳴りがここまで!」
「うわっ! ほ、放送部は防音設備なのに、それでもここまで……! 生徒の盛り上がりがすごいことになっています!」
「……あ、収まった。たく、過剰反応が過ぎるぞうちの学園」
「あはは……。さて! 気を取り直して、放送を進めていきましょう!」
「はぁ…………」
「おやおやぁ~? 駄目ですよーそんな暗い顔してちゃ! もっと元気よく元気よく!」
「ラジオなんだから顔なんざ見えねーっつの。で? 呼ばれたはいいけど、具体的に何やるか聞いてねーんだよな俺。駄弁ってりゃいいのか?」
「駄弁りはまた今度ね。えー。今日行われるのは、第一回! 番長ラジオ!」
「おい櫻井」
「このコーナーでは、リスナーであるみなさんからお便りを頂き、その内容について番長さんである新城さんとお話していきます」
「無視すんな! っていうか第一回って何!? 次回もあるのこのコーナー!?」
「人気がなかったら打ち切る予定だけど、まぁ君だからねー」
「待て待て待て待て。俺これ一回きりのつもりで出てたんだけど! 櫻井がどーしてもって言うから!」
「それでは、最初のお便りです」
「コミュ放棄! ラジオでいとも容易く行われるえげつない行為!」
「略してRD4C!」
「やかましいわ!」
「えーっと、ラジオネーム、匿名希望さんから。『こんにちは。毎日お昼の放送聞かせてもらっています。今日は番長に相談があります』」
「うわ、ぬるっと始めやがった……。はいはい。で? 何の相談?」
「『番長。僕は踏み殺してしまいました』」
「待っていきなりハードすぎる」
「『ゴキブリを』」
「足を洗え!!」
「『以来、トイレを開けたらじょうじという声と共に奴等が現れるのではないかと思うと、僕は夜しか眠れません。どうしたらいいでしょうか?』」
「夜眠れたら十分だろーが! しかもなんで火星のゴキブリに繋がるんだよ! お前の足についたゴキブリの体液を目印に仇を取りに来るとでも思ってんのか!?」
「はい。お食事中に向かないお便りでしたね。失礼しましたー」
「こういうのは放送前に避けとけや……」
「
「おい
「で、では次のお便りです! ラジオネーム、トムとジェリーさんから。『番長さん櫻井さん、こんにちはー』。はい、こんにちはー」
「こんちわー」
「『早速ですが相談です』」
「相談ね。出だしからあんなだったから正直気が進まんけど」
「『コスプレのいい案が出てきません』」
「ほらやっぱり」
「『今度のコスプレは番長に着せようと思っていますが、中々これと言ったものが思いつきません』
「俺に着せようとしてるって時点で大分人絞られるけどいいの? トムとジェリーさん本人バレしちゃってない?」
「『そこで、お二人の意見をお聞かせいただきたい!』とのことですが、どうでしょうか?」
「どうでしょうかって、着せられる本人に聞く?」
「ま、まぁ本人の意見が聞きたいってことだと思うよ? 直接だと躱されるからとか」
「コスプレねぇ……。まぁ別に嫌なわけじゃないんだけどさ? 結構俺もノリ良く着てるし」
「そもそもこの学園だと、コスプレしたことない人の方が少ないかもね」
「手芸部の人達はよくあんだけの衣装をキッチリ用意できるもんだよ」
「部長の時谷先輩は、手芸になると動きが三倍の速さになるんだって」
「なにそれトランザム?」
「で、どんなコスプレがいいの?」
「逆に聞きたいよ。俺にどんなコスプレを求めてんの?」
「えー? うーん。男の子のコスプレでしょー……あ、執事服とか?」
「すまん。それもうやった」
「え? やった?」
「ちなみにその話を聞いたクロエ先輩は『ワタシもコスプレしてみまシタ! シツジデスヨー♪』とか言って羊の着ぐるみを着てきた」
「え? 羊?」
「モコモコしすぎて教室のドアに挟まってたのは、流石に腹を抱えた」
「うわっ。なにそれ見たい」
「俺があの恰好をしたとどうして思ったんだろう。あの人の思考回路は未だに分からん」
「クロエ先輩には申し訳ないけど同意……。でも言われたらなんだかんだ着そうだけどな、君は」
「つってもお前、見たいか? 俺がモコモコに包まれてる姿」
「…………」
「…………」
「……需要はあると思うよ!」
「とりあえずお前に無いのはわかった」
「じ、じゃあー……スーツ姿はどう? 高校生だと着る機会無いと思うよ?」
「執事服が駄目ならスーツってのはどうかと思うけど、それも結構頻繁に着るんだよなー……」
「そ、そんなに着せられてるの?」
「いや。スーツについてはうちの生徒が関与してたりはしない」
「んー……? あ、家庭の事情ってこと?」
「まぁそんなとこだ」
「不知火さんも、家じゃほとんど着物だそうだし。君もそんなとこかな?」
「俺の場合はほぼ戦闘服みたいなもんだけどな」
「何やってるの!?」
「でも俺の所まで来る前に終わってることが多いです」
「来るって何が!? 終わってるって何が!?」
「汚れた時は大変だぜー? 中々落ちないから。血」
「絶対物騒なことやってるよねぇ!?」
「そんなわけで、スーツはコスプレ感ないんだよ」
「どうしよう。詳細を物凄く知りたい気もするけど、踏み込んではいけない領域だとも思う……」
「言っとくけど、クリーンなお仕事だから。クリーンクリーンだから」
「血が飛び交うクリーンなお仕事って何……?」
「とか言うけど、俺の日常って結構飛び交うよ? 喧嘩になって鼻血くらい当たり前に出さすし」
「あ、そうだった」
「お蔭で先月入ったクリーニング屋の店員と顔馴染み」
「通い過ぎだよ」
「去年はあまりにも頻繁に汚れるもんだから、制服四着ぐらい買ってもらったよ」
「アニメキャラみたいな着回し!」
「もうやめようぜコスプレの話。脱線しすぎで時間取り過ぎる」
「最後大雑把に投げるなぁ……。というわけで、トムとジェリーさん。私達ではお力になれないようです。ごめんなさい」
「まぁあれだ。個人撮影に留めるならギリ腹まで出してやるから」
「それを最初に言ってぇ!!」
「で、次のお便りは?」
「……うん。もういいや。それじゃあ次のお便りね。ラジオネーム、打倒熊! さんから。『押忍!
「ラジオネーム考えといて実名晒すおバカ!」
「『自分、もっと強くなりたいッス! 先輩みたいに強くなりたいッス! どうしたらいいッスか!?』」
「もうこいつ特徴的過ぎて実名晒すまでもなく本人バレだよ」
「口が軽い所、手紙にも出るんだね。それで、強くなりたいとのことですが、どうでしょう?」
「と言っても、俺の環境ってものっそい特殊だからなぁ」
「うーん。何か秘訣とかない? 普段からしてることとか」
「秘訣か。まぁあれだ。それだけってわけでもないが、やっぱ体は資本だから。トレーニングは日々欠かさずやってるよ」
「トレーニング、かぁ。でも、新城君って結構漫画とか小説とか読むよね? 時間配分はどうしてるの?」
「いや、同時並行」
「へ?」
「所謂ながらトレーニングってやつだな」
「ながらトレーニング……あ! 本を読みながらトレーニングしてるってこと?」
「そゆこと」
「成程ねー。でも、それってちゃんと効果あるの?」
「あれこれ我慢してトレーニングに集中って方が色々妨げになるみたいでな。街歩いてると、音楽プレーヤーかけながら走ってる奴見かけるだろ?」
「ふむふむ」
「意識を散らして走ってると、自分が多少無理をしてても気付かなくなるってのもあって。鍛えるための筋肉への負担ってのが掛けやすいわけだよ」
「そうだったんだねー。本を読むってなると、スクワットしながら?」
「いや、片手の人差し指で逆立ちして腕立てしながら」
「雑技団!? そこに至るまでが長いよ!」
「で、足の上にはCDプレーヤーを置いて再生」
「普通に音楽プレーヤー使おう!?」
「重量40kg」
「重!!」
「片足ずつで別の音楽を掛けてる」
「総重量80kgってもうなんか普通を語るには程遠い所にいるよ!?」
「自分を普通と思ったことはあんまないなー。特殊能力を持ちながら『俺はどこにでもいる普通の男子高校生』なんて宣うラノベの主人公じゃあるまいし」
「あぁそれそれ。漫画でもよく見かけるけど、『強いて挙げるなら~』っていう風に言いながらすごいのを持ってくるの多いけど、あれ何なんだろうね」
「あれも王道っちゃ王道なんだろうけどなぁ。で、まぁ技術的なことも語って分かるもんでもないから、やっぱ体で覚えるしかないと思うよ」
「稽古ってこと?」
「燕や狼丞にもたまーに俺が稽古つけてやってるしな。気が向いたら、って感じ」
「わかりました! 打倒熊さん。番長は24時間365日いつでも受けて立つそうですので、是非稽古つけてもらってください!」
「そこまで言ってないよ!?」
「それでは最後のお便りです。時間も時間ですからね」
「ようやく終わりか。たった3つが無駄に長く感じたわ」
「ラジオネーム、嘘をつき過ぎたシンデレラさんから」
「何その狼に食べられそうな名前」
「『新城先輩。櫻井先輩。こんにちはぁ』こんにちはー」
「こんちわー」
「『聞きたいことがあるんですけど、新城先輩って動物はお好きですかぁ?』」
「動物?」
「『犬はアリなのかっていうのとぉ、ペットにするなら何がいいか。聞いてみたいですぅ♪』だって」
「動物ねぇ……。好きか嫌いかで言えば、まぁ好きな方かなー」
「嫌いそうなイメージはないもんね」
「ただうちの母親がなぁ……」
「え? どうしたの? お母さん、動物嫌い?」
「動物っつーか、動物園っていう施設が嫌いなんだよ」
「うっそ! なんでなんで?」
「にがーい経験があったらしくてさぁ。なんでも、親父との初デートで動物園をチョイスしたらしいんだけど」
「うんうん。生まれた時からってわけじゃないんだね」
「その頃は動物で盛り上がれるくらいには好きだったらしいんだけどな? 親父がなんか買ってくるとかで離れた時に、周りの動物達が色々投げつけてきたらしくて」
「うーわ…………」
「親父が帰ってくる頃には、それはもう悲惨なことになっててさぁ……。以来、動物園には寄り付かないようになったから、俺に親子で動物園に行った記憶皆無なんだよね」
「折角の初デートで気合入れてただろうに……不憫だね」
「ほんっとにな……。で、犬か。まぁ普通にアリだな」
「アリ、と。世の中では犬派猫派っていうけど、新城君はどうなの?」
「んー。どっちもいい派。犬には犬の、猫には猫の良さがあるからな」
「そっか。私はどっちかって言うと、猫派かなー? 犬も可愛いと思うんだけど、怖いのもいるんだよね」
「猟犬とかの類だろ? ああいうのってさ、躾けるまではそりゃ大変だろうけど、それさえクリアしちゃえば飼ってる人にとって頼もしい存在なんだそうだぜ?」
「うん。でも、そうじゃない人には良く吠えるし……。あ、飼ってるといえば。ペットはどうなの? 何が良い?」
「飼うって言ってもなんだよなぁ。うちには既にペット的サムシングがいるし」
「サムシングって。ペットみたいな何かがもういるってこと?」
「何かって言うか……寄生虫? いや、寄生獣か」
「右手に何か宿ってるの!?」
「あれ作中だと人間の事指してるそうだぜ。パラサイト側の政治家が言ってただけだけど」
「人間だったんだよね、確か」
「叫び出すまでは絶対パラサイトだと思ってたのになぁ……。あとあれだ。親戚が動物にめちゃんこ好かれやすい性質で、動物的癒しを求めるならそいつに会いにいけばいいから、あんまペットを飼う気が起きん」
「うーん……。でも、自分のペットだからこそ可愛いっていうのもあると思うな。自分の子が一番かわいいって言うか」
「それは否定せんが。かといって進んで飼うほどでもないかなぁって」
「新城君のお母さんも嫌がるだろうしね……。同居人が飼いたいって言ったら、反対しない?」
「しないなー。ちゃんと世話するって約束しといて俺に任せっきりにするってのは、流石にムカつくけどさぁ」
「私は経験ないけど、分かる気がする―――あ、もう時間だ」
「ん。キリは良かったし、こんなもんか」
「はぁーい! 以上、第一回番長ラジオでした! みなさん楽しんでもらえましたか?」
「ねぇこれほんとに続けるの? 第二回もやるつもりなの?」
「それではまたお会いしましょう! シーユーネクストタイム」
♪ 猫ふんじゃった ♪
「EDの選曲ぅぅぅ!!!」
話的にずっと先の話の構成ばかりが頭に浮かんで、日常ネタが全然出てきません……(崩れ落ち)