シャドーの日記   作:汐入 那月

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どうも鐳波です。
特筆することはないのですがしばらくはこいつを書くかもです。
夕凪録の方なのですが慣れない敵の所為で扱いに困ってるんです()
申し訳ないです、今年中には出せるよう尽力します!
ではお楽しみください!


#2 外なる宇宙の発見

アルギルガに寄ってから6年後の話。

あれから数十回は賢者とやりあったが理事長を残す全ての賢者を殺してしまった。

もはや強くなることを証明するには無王と意識体を殺す事なのだろうか...?

俺はとにかく暇で今日の暇をつぶすべく適当に洞窟のある惑星に行ったのだが、特に面白いと思えるものもなく終わってしまった。

仕方がないのでアジトとなる惑星ブローケルツへ戻り装備などを棚に置き、ロッキングチェアに腰かける。

 

「はぁ...最近はお気に入りの装備とかも拾えなくなったし...11年でこんなにも変わる物だな...」

十数分揺れに身を任せていたが急に立ち上がりボロボロのコートとカトラス型のピストルソードを二本だけ持って外に出る。

 

「自己鍛錬はそこまで楽しさはないから好きじゃないんだがな。いまさら何を目標にすればいいんだ」

その場で体の持って行き方を考え体術を繰り出していく。

大気がふれるほどの自己鍛錬を5時間が経ち、休憩すると大気圏に何かが突入したのを感じる。

所詮咎追いだろう、と思いながらタバコを咥えてその場所へ向かう。

 

「おい、こんな場所に何の用だ」

タバコを指で挟み辺りを見回しながら歩く謎の女性に話しかける。

 

「おや、貴方の方から出向いてくれるとはありがたい」

 

「どうせ俺のことくらい知ってるんだろう、さっさと名乗れ」

女性は少し驚いたように片目を軽く見開いてからにやりと笑う。

 

「では手短に。私はアリエス・ロゼッタ、何でも売る商人として一部の人間の中では有名なのだ」

 

「なるほど。で、要件はなんだ」

再びタバコに口をつける。

 

「今回は味方の少ない貴方の為にとある商品を用意させてもらった。こいつだ」

見た目はよく見るタッチパネル搭載型携帯電話だった。

 

「こいつは今まで感じた神力、妖力、霊力、無力等...つまり万力を感じ特定空間へと移動させ対面して会話ができるという機械だ」

 

「それは便利だな。買った」

 

「10万ロストでいいよ」

その分の額を手渡ししてから一つ質問をかけられる。

 

「この惑星が君のアジトだと言う事は知っているが、酒場はあるのかい?」

 

「ない。アジトとは言っても俺の内情を知る奴はいないほうがいいからな、ここには俺一人しかいない。ただ家の中に飲食店の様な所は作ってある。情報を漏らさないのなら連れて行くが」

 

「口止め料もあの代金の中に入っているさ。では道中で君に一つ情報をただで売ってやろう」

シャドーは片眉を吊り上げて家へ向かう。

道中でロゼッタは「ここは巨大で強力なブラックホールが生み出した異空間で、その外には本当の宇宙である外なる宇宙が存在する」と言う。

 

「どうだい?一匹狼の君なら、あるいは...たどり着けるかもしれないと思うんだが?」

 

「つまり行って確かめて来いってことか?」

 

「まぁ、そう言う事。でも大丈夫なんじゃないかい?君は無の世界でも生き抜いたそうじゃないか」

 

「何でも知ってるな...まぁ、その通りだ。おかげで無でも消滅させることも楽にはなってきた」

 

「で、もう一つ情報だ。結界を破るのに手取り早いのは自分の存在を認識させないと言うのはわかるだろ?」

 

「あぁ。それは分かるが」

 

「それには光の速度を超えることが手っ取り早い。私が持っている情報では秒速145億光年を超えると光の速度を超えると聞いたことがあるんだ」

 

「俺は本気を出せば秒速57億光年...ってところだ。修行をする必要があるな、続き外なる宇宙の情報を俺に渡してくれ、金なら払う」

 

「毎度ありがとう。ではもう一つ商品を売ろうとしようかな。君は体をどうやって動かしているか理解できているかい?」

 

「あぁ。俺は細胞なんて物は体に一つもないから妖力を使って体を形成している。筋繊維は妖力の細い糸となっている」

 

「そこに実際の細胞を組み込んだ場合どうなると思う?答えは簡単だ。現在の倍以上の力を得られるだろうね、つまり今から君に売る物は細胞だ」

 

「...へぇ、試す価値はありそうだな。たしか宇宙の始祖の吸血鬼の細胞を欠片で手に入れたはずだな」

魔法陣を展開しその中に入り色々漁る。

十数後に中から一つのドスの効いた赤い何かが入れてあるシャーレを持って魔法陣から出る。

 

「コイツをまずつま先に埋め込み...妖力で作った筋繊維と同化させる...」

口では言う物の難しい事をすぐに終わらせて代金を支払いその細胞とやらを先程埋め込んだ宇宙の始祖の吸血鬼の細胞の隣に埋め込む。

するとすぐさま変化が現れる。物凄い速さで吸血鬼の細胞を飲み込んでからあっという間につま先から足の付け根まで細胞が変化していき、ほんの数秒で左腕を除く全身が吸血鬼の細胞へと変わる。

 

「ほぉ、すごいな。じゃあ、試しに飛んでくる」

軽く体を動かして温め、強く踏んばって前に飛ぶと0.1秒以下の時間だけでもう視認できなくなる。

秒速を頭で理解した後にブローケルツへと戻る。

 

「ざっと135億光年辺りだ。これからゆっくり筋肉を活性化させることにする」

それから約一ヶ月間は飲まず食わずでただ全身を鍛えた。

 

 

「見た目の変化はないが...本当に筋肉は活性化したのかい?」

 

「吸血鬼は体を効率よく動かすためにもスマートになっているんだ。ベストな筋肉量に達すると表面上の筋肉増大は一切なくなる」

試しに一回飛ぶと空間が一瞬で歪み、俺は過去を走っていた。

急いで現代まで戻り、ふぅと一息つく。

 

「秒速168億光年だ、さっき過去を走ってきた。成功だ、ありがとう」

 

「いや、たかだか細胞一つやるだけでそこまで変わるとは...」

 

「今まで使っていた妖力での筋肉操縦は思いのほか人間の筋肉では効率が良かった。そこに人間では耐えられない壊死ギリギリの負荷を掛け200倍の重力下で日常生活を送るだけで、こうなる」

久しぶりに食事を口にするが血液は無かった。

 

「お前、種族は?」

そう問うと首を傾げるが片手を差し出し「人間だ」と口にする。

それ相応の代金を支払ってやるとロゼッタは怪訝な顔をする。おそらく10ロストしか渡さなかったから不服なのだろう。

 

「人間なら都合がいい、少し食事させてもらう」

ロゼッタの服を素早く剥ぎ首筋に噛みつく。

 

「な、何をするんだ君は!?」

ロゼッタは意外にも乙女の部分が残っているらしい、服を剥いだ瞬間羞恥に塗れた少女の顔になっていた。

 

 

「何って食事だ、お前は服を脱がされても動じない奴だと思っていたよ」

特に表情を変えず一定量の血を吸い終わると離れて元の椅子に座る。

 

「き、君は意外と強引な奴なんだな...」

頭から煙が出そうな勢いで顔を真っ赤にしている。

結構面白かった。

 

「そもそも性的思考をあまり持っていないから、それでそう言う面での理解は乏しいかもしれん。強くなるため以外の欲は無くすと嫁を殺めた時誓ったんだ」

 

「...ふぅん、君は退屈じゃないのかい?」

 

「正直退屈だ。やることがない、恐らく強くなり過ぎたんだ。これまでにいくつ星を壊したかすらも覚えてない」

 

「なら余計に外なる宇宙に行くことを進めるよ。どうやらこちらの生物よりさらに強いらしい。文化ももしかしたら独自の物を持っているかも知れない」

 

「ふむ、行き方は?」

 

「そいつらはこの宇宙に偵察に来ることがしばしばあるらしい。そいつを見つけることが出来れば行けないこともないだろうな」

 

「お前」

 

「へ?」

 

「だからお前だと言ってるんだ。伝手があったとしてもこの宇宙の事を知り過ぎている。俺は今までの40億年間にほぼすべての星を見ているが、これはお前の細胞から見られる生きている年数と情報量が釣り合わない、故にお前は長年調査している外なる宇宙の十人であることが分かる」

 

「...驚いたな、他人には興味を示さない奴だと聞いていたけど全くの大嘘じゃないか」

少しの間呆気にとられてから溜め息を吐き頭を掻く。

 

「興味はないさ、ただ知り合った奴の事を分析することは興味の有無で怠ることじゃない。特に俺みたいに全惑星で大々的に指名手配されてる奴はそういうのに敏感なんだ」

 

「ふ~む、なるほど。こちらの情報不足だ。じゃあ行く準備をしようか?まず船の準備だな」

 

「別に俺は酸素等は必要ないが」

 

「私が必要なんだよ。言ったろ?とりあえずは人間なんだ。私達の必要とする空気は原素と呼ばれるこの第六宇宙には存在しない元素だ。私はそれを創り出す装置を持ってはいるが水の中じゃ使用できないんだ」

 

「耐水性じゃないのか?」

 

「普通の水なら大丈夫なんだが...なにせあっちの水は特殊で万力を吸い取るんだ」

 

「真水ならぬ魔水だな」

冗談めかして返す。

 

「笑い事じゃないぞ。君は問題ないかもだがな、あっちの人間が何の対策も無しにあの水に触れたらその個所は爛れてしまう」

 

「それに対策出来る物質で船を創るのか?」

胸元から取り出したタバコを咥える。

 

「そうだ。こっちの世界でしか存在しない金属だがこれには特別な製造法を経て造られる」

 

「つっても作れることは作れるんだろ?ならさっさとやれよ」

 

「それが出来たら簡単だ。お前、錬創術を知っているか?」

 

「ん、あぁ...禁術じゃないか。俺も昔興味を持って今では普通に扱えるが」

 

「それは本当か!?ならば話が早い、鉄を錬創術で鉄にすればいい」

 

 

「バラしてまた戻すのか?」

 

「そうだ、それだけなんだがそもそもこちらでも錬創術は扱えるものが少ないんだ」

 

「まぁ、当たり前だな。そんなポンポン使えて良い物じゃない」

シャドーは鉄を創りそれを指先で突く。

すると鉄は渦に吸い込まれるように消え、渦が消えた所に黒い鉄金属があった。

 

「こいつがその金属、オルクセルフェアルム」

 

「...少しだけ聞き覚えがある。ラテン語と似ているのか?」

 

「ラテン語と言うか、それの元の言語だ。しかし名称以外は基本的に日本語と英語くらいだよ」

 

「なら助かるな。よしそれならさっそく作っちまおう」

シャドーは大きな船一個分の流線形の魔法陣を広げU-511に似た潜水艦を創り出す。

 

「よし、お前は中に居ろ。俺は外からこいつの護衛を引き受ける」

 

「しかし行き先はどうするんだ?」

 

「それに関しては有能な奴が居る。おいレミー」

フィルターに火が近づいたタバコを灰皿に押し付けとある少女を呼ぶ。

 

「動く予定でもできたんですか?」

World Fuck!と書かれた黒地のTシャツとデニム生地のスカートを着た少女は椅子に座ってシャドーにウイスキーを取らせる。

 

「まぁな、今日から宇宙の外に出る。お前は潜水艦内のモニターにアクセスして俺の妖力で感じ取った地形情報を共有してくれ」

 

「久しぶりですね、シャドーさんがそんな楽しそうにしているなんて。まるで学園に居た頃みたいです」

彼女も楽しそうに微笑んでくれる。

 

「こんな幼い子を君は奴隷として扱っていたのか...」

 

「おい情報屋、情報が間違ってるぞ。こいつは俺の仲間で歳は恐らく俺より上だ」

 

「はぁ!?お、おまっ...じょっ、冗談もいい加減にしろよ!?こんな見た目幼女の成人者が居る訳ないだろ!」

 

「そもそも人間じゃない、こいつはサンドウ星の宝具の模倣に失敗したダミーだ」

 

「な、なるほど...はぁ、急激に疲れた」

 

「ともかく、さっさと行くぞ」

レミーとロゼッタ、そして髪の一部から出した黒い霧を一粒潜水艦の中にいれる。

 

「連絡はこの黒い霧を通して行う。マイクとスピーカーの役割をしていると思ってくれれば構わない」

 

『分かった。で、この先だが。火、水、風、土、光、闇の全属性を練りこんだ魔法陣をこの潜水艦が通るぐらいの大きさで創るんだ』

シャドーはその通りに魔法陣を作る。

 

『そしてその魔法陣を光を超える速度でぶち破る』

それを実行した瞬間湯を張った浴槽の栓を抜いたかのように渦に吸い込まれ、通り抜けると常に吸いつかれる感触を覚える水に視界と体が包まれる。

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