色々ネトゲに浮気してました。
またぼちぼち書けたらなぁと思います。
ではお楽しみください
「よし、着いたみたいだな」
シャドーが妖刀を抜いてから息を吸うが特に問題はなかった。
『おぉ、久しぶりのプキウムクスムサーだ』
「えっと...始まりの宇宙?か」
『おや、よく分かったね。こちらの人間は意外と名前に頓着しないから案外単純な名前が多いんだ』
『では早速センサー飛ばしていただけますか?』
レミーが割り込んで話しかけてくる。
「そうだな」
妖刀の先を基点にソナーの様に妖力を電波のように飛ばす。
『半径30光年の位置情報を展開します』
潜水艦のモニターにそのカーナビのように簡略化地図が写される。
「そうだな...とりあえずは情報集めだ。最寄りの惑星までのルートを教えてくれ」
「わかりました、こんな感じです」
と、点線と矢印で簡単に教えてくれる。
シャドー達ははそれをなぞるように分速3光年で進む。
「この海域、危険はないのか?特に生物も見られんが」
『ん、あぁ...ここは夜以外は比較的静かだよ。戻ってきたら?』
「そうだな、そうするか」
潜水艦のハッチを開け、一緒に入った水を外に出してから中に入る。
「おかえり、どうだい?遊泳気分は」
「退屈だったな。それと、妖力ソナーは今も出してるから危険が近づけばわかる。こちらが出してるのは相当微弱だから相当高度な探知機であったとしても見つけるのは難しいだろう」
「へぇ~、流石だな...っと、少し失礼するよ」
「なんだ、トイレか」
「う、うるさいな。君はデリカシーと言うのをしっかりと覚えた方がいい」
キッと睨まれてしまった。彼女はそのままトイレのある方へと行く。
「デリカシー...レミー、検索かけろ」
「はぁ...つまりは女の子にもう少し気を使えってことですよ」
「何で俺が...」
舌打ちをしてから灰皿を持って椅子に座り、テーブルに灰皿を置く。
「そう言えば、私は君がトイレに行く所を見たことがないのだけれど...どうなんだ?」
「俺に排泄行為は要らん。一応食事はとっているが必要なのは血液だけだ」
「便利な体だねぇ。あ、私はご飯を作れないんだ、調理頼んだよ」
「まぁ...一人分増えるくらいならいいか...」
「ちょっと待って下さい」
「ええ、今のは聞き流せないわ」
レミーといきなり実体化したシャルドニュクスがシャドーにずいと詰め寄る。
「あ~...分かった。今まで食わさなくて悪かった。しっかり四人分作るから大人しくしてくれ」
「で、私の部屋は何処にあるのかしら?」
「お前は俺と一緒の部屋。ロゼッタはレミーと一緒の部屋だ。情報をお互い共有しておいてくれ。部屋は名札をかけてある」
「わかりました」
皆はそれぞれの部屋に散り、操縦室にはシャドーとモニターに入ったレミーのみだった」
「俺はここに霧を置いておくから何かあったらそのまま伝えてくれ」
「分かりました」
シャドーも霧を置いて自室に戻る。
ドアを開くと早速部屋着に着替えベッドで横になっている。
「あ、シャドー」
「なんだ」
椅子に座りタバコを吸う。
「この部屋ベッド一つなんだけど...添い寝とか言わないわよね?」
「俺が寝ないだけだ。寝るとしても椅子で片足抱えて寝る方が眠りも浅くて緊急時に素早く対応できる」
「ふぅん、もう少し自分を大切にしたら...?」
「いいんだ、俺は強いからな」
「いっつもそれで済まされると思わないほうがいいわよ。いつか痛い目に合うわ」
「ふん、そんな事はないさ」
「昔から変わらないわね、人の話を聞かない所とか。そのくせ一丁前に見方を守ろうとする所とか」
彼女はやれやれとため息をついてシャドーの前に座って思いっきり強めのデコピンを目に放つ。
「いった!?なんだよいきなり...」
「ほら、痛い目に合ったわ。昔みたいにもう少し仲間を頼ったら?」
「...また小隊の奴らみたいに殺したくない」
「あら、言うようになったじゃない?貴方が私に勝てると思うのかしら」
「当たり前だろ。今は片腕に無もいるんだ、互角以上だと思うがね」
「ほんと、態度は大きくなる一方なんだから...」
「話はお終いだ。そろそろ着く」
クローゼットを開き一つの仮面を取り出す。
「それは?」
「コイツで顔は割れない様にしようかと思ってな。恐らく名前と今までやってきたこと以外は知られていない」
左目が開いた木が渦巻いて出来た様な仮面をかぶる。
『シャドーさん、そろそろ着きます』
「分かってる。今出る」
新しいタバコを咥え、シャルドニュクスと共に操縦室へと向かう。
「じゃあ出力を下げろ」
「分かりました」
それからは物の数分で目当ての惑星へと到着する。
「ここは惑星マスディン、か。とりあえずは探索から始めよう」
辺りを見回しまず先に商店街へと向かう。
特にめぼしい物は無く、退屈して人混みに流されているときに黒いゴスロリを着た少女に肩をぶつけてしまう。
仮面を押え、人混みをぬけ広い公園に着き、そこで休息をとることにした。
「ふぅ...結構な人口数だな」
シャドーは仮面を鼻の上まで上げてタバコを吸う。
「そうだな、ここはこっちの宇宙でも有数の大商店を取り扱ってる惑星だ」
ロゼッタが知ってる星だったのか軽く説明をしてもらう。
「なるほど、とりあえず宿の確保だ」
肺に残った煙を吐きだして灰皿へ吸殻を入れ、仮面を付け直してから立ち上がり進もうとすると少女の声に呼び止められる。
「そこの仮面の方。宿にお困りなのでしたら
声の方を見ると肩をぶつけた黒いゴスロリの少女がいた。
「さっきの奴か。まぁ、誘ってくれるならお言葉に甘えよう」
「そうだな、厄介になろう。ありがとうございます」
ロゼッタは軽く頭を下げ、少女の案内を受ける。
着いた家は少女の容姿から察していたが、予想通りの立派な屋敷だった。
シャドー達はそれぞれ別の部屋に案内されシャドーは早速ソファに腰かけ足を組みタバコを吸っていた。
「随分と手入れの行き届いた屋敷だな」
「これなら貴方も満足ね」
シャルドニュクスが声だけを脳内に送ってくる。
「まぁな。ただあの女、少し嫌な気配を感じるんだ。警戒はしておくに越したことはなさそうだ」
タバコが一箱終わった時にドアがノックされる。
「私ですわ。いらっしゃいますか?」
「なんだ」
二箱目を開けて一本咥えてからドアを開ける。
「えぇ、食事の準備が出来ましたわ」
少女は笑みを浮かべて手を引く。
「そうか、なら行こう」
シャドーはこの屋敷の構造を知ってるような足取りで食堂へと向かう。
「...?見回りでもしたのですか?」
「ん、あぁ。少しな」
執事やメイドが食事の準備を整え、もうロゼッタは座って飯にあり付いていた。
「なんだ、お前もう食ってるのか」
シャドーはゆっくり椅子に座り食事を始める。
「ふふふ、上手く幻術にハマってくれましたわね。ふふふふ」
先程の情景は全てこの少女の見せた幻覚だったのだ。
「では、早速監禁の準備に入らなくてはなりませんね」
少女は執事を呼び、地下室にある牢の中に入り、壁に取り付けてある手錠で両手首と両足、胴体を拘束する。
その鉄の感触によりシャドーは幻術から抜け出す。
「...なるほど。ハメられた訳か」
手首を動かし切ろうとしても切れない。
少し力を入れて壊そうとしても壊れない、何か特殊な素材でできているようだ。
「はぁ...お前、俺を監禁してどうしたいんだよ」
魔力でタバコを咥え、火をつける。
「貴方をずっとここに置いておくのよ」
少女は仮面を外してシャドーの頬を撫でる。
「お断りだな」
左手で手錠を消し少女をグーで殴って、食堂で飯をかきこんでいるロゼッタの襟を掴んで船に戻る。
「ど、どうしたんだい?」
有無を言わさず船に戻されたロゼッタは目をぱちくりさせてシャドーに問いをかける。
「あのガキにハメられた、さっきまで俺は監禁されてたんだ」
「へぇ、それはごくろうさま。」
明らかに機嫌の悪いシャドーは仮面を付け直して宇宙船の舵を取る。
「で、これからはどうするんだい?」
「そうだな、とりあえず武器や魔術の知識が欲しい。図書が多くある場所知ってるか?」
「うん、知ってるよ。レミー、とか言ったね。君は座標から位置を特定することはできるかい?」
指を顎に当て、ソファに座る。
「それは無理ですね...この宇宙は全く知らないので」
「そうか...ならまずは惑星アペレイトスに行こう。あそこならその惑星までの道のりくらいわかるだろう。それとボクの両親に仕事仲間だと言っておかないと君の立場も危うくなるだろうし」
「俺はここでも有名なんだろう?なら立場も何もないんじゃないか?」
仮面を鼻の下まで外してタバコを吸う。
「君は別にこの宇宙では犯罪者じゃない。ただ危険人物として認識されているだけだ。そうだな、分かりやすく言うと、ボクの両親に紹介することで日本弁護士連合会の会長の弁護を100%優先的に受けることが出来る」
「そりゃすごい、第六宇宙の大罪人には勿体ないくらいだな。で、この後はどの方角に向かえば?」
嘲笑混じりに答えてから話を切り替える。
「そうだな...北だ。とりあえず北にまっすぐ行ってくれ。大体の景色でアペレイトスの場所が分かる」
「分かった、じゃあ飛ばすからしっかり掴まってろよ」
タバコから手を離して目の前に広がる機械をいじってから足元にある四つのペダルの内二つを踏んで速度を上げる。
41分程飛ばしているとロゼッタが止める。
「ここからは僕が操縦しよう。もう分かった」
「じゃあ後は任せたぞ」
吸っていたタバコを吸い殻が山盛りになった灰皿に押し付けて新しい物を吸い部屋に入りソファに重く腰掛ける。
「ここ数日楽しめる戦闘がないわね」
シャルドニュクスがベッドでファッション誌を読みながらごろごろしている。
「まぁ、仕方ないさ。俺らがそう言う所に赴いてないのが理由だ。いずれ嫌でも戦うことになるかも知れないから体は慣らしておけ。二回にトレーニング用の部屋もあるからな、いつでも誘えよ相手になるから」
「あら、いいわね。なら少し時間が出来たらしましょ」
ベッドの上を転がりながらシャドーの前に来る。
「そうだな。じゃあ寝るから着いたら起こせ」
そう言って片足抱えて寝息を立てる。