「いやだ」
開幕失礼。どうも、俺は兵藤一誠。7歳になりました。
あれから意識がはっきりしているという状況での羞恥プレーを終え、それでも一生懸命日常を楽しんでます。
で、なんで開幕の一言かと言うと……
『いやだって……。 なぜだ!! なぜ
「別に戦いたいわけじゃないし。僕は日常を楽しみたいだけって言ってるでしょ?」
『だがな……
「でも訓練するのは対決に勝ちたいからでしょ?」
『そっそれは……』
『ドライグ、言ってるでしょ? どうするかはイッセーが決めることです』
『ぐっ……だが
奴らって多分あの人たちだよね? いや、それなら発動させなくていいじゃん。と言うか微妙に会いたくないって言ったら怒られるかな?
「--考えとく」
『本当に頼む。この頃特にうるさいんだ
ぽつりと聞こえた一言は聞こえなかったことにしよう。うん聞こえなかった。僕は何も聞こえてない!!
『イッセー!!』
するとしたからお母さんの声が聞こえてくる。
時計を見ると約束の時間近くだった。
「は~~い!!」
下に向かうと旅行鞄を持ったお父さんとお母さんがいた。
そう両親は今日から二日間、福引で当てた旅行に行ってくるのだ。残念なことに二人用で、僕も別払いでって話になったけど――
「イッセー本当にいいのか?」
「大丈夫だって、二人で楽しんできて」
「う~ん、やっぱり心配だわ……」
「もう、心配性だな……」
「当たり前でしょ?イッセーが真面目な子なのは分かってるけど……」
まぁ小学1年生だもんね。心配になるのはわかってるんだけど……
「大丈夫だよ。僕のイリナの家にお泊りする約束なんだから!!」
イリナとはお隣の紫藤さんの家の娘で俺と同い年だ。
――――――――はい、ドライグ達に教えてもらうまで男の子だと思ってました。だっていつもシャツ一枚で駆けまわったり、虫捕まえたりしてたんだから仕方ないだろ!?
「そうね。じゃあ行ってくるわ」
「大丈夫だと思うが紫藤さんに迷惑をかけるんじゃないぞ?」
「うん。いってらっしゃい」
俺は手を振り両親を見送る。すると玄関口から入れ替わる様にイリナがこちらをのぞき込んできた。
「あっイッセーくん。あそぼ!!」
「えっちょっと待って、かぎ取ってくるから」
「うん!!」
これは予想外だ。荷物は……うん、あとで良いな。
「さっ行こうか」
「お~~~!!!」
小学生としての普通の遊び。俺ができなかったことを楽しむために走り出した。
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「こらー暴れすぎるんじゃないぞー」
「「はーい」」
俺達は教会に来ており、かくれんぼをしたり虫取りをしたりしていた。流石に中に入った時は少しイリナのお父さんのトウジさんから注意を受けたが……
ちなみにトウジさんは牧師である。ただ……その、結構変態的なとこがある。よくそれで奥さんに怒られているのだが……
「へへへ、カブトムシが取れた!!」
「お~結構でかいな!!」
丁度イリナが木の根あたりでカブトムシを見つけたとき、ふいにトイレに行きたくなった。
「あっイリナ、ちょっと手洗い行ってくる」
「えっあぁ、うん」
流石に雑木林だが教会が近いのでトイレを借りよう。僕はそう思い教会に入るとトウジさんが複数の人たちと話していた。
「あっ……」
どうしようかな、大事な話だったら邪魔するわけにいかないし……すると一人の女性が俺に気づき近づいてくる。
「あら、どうかしましたか?」
「えっと……」
ウェーブのかかったブロンドの女性に僕は少しどもる。う~んドライグ達はそうなかったがどうも少し人見知りしてしまう。
と言うかこんなきれいな人にトイレに来ましたというのも何というか……
「あぁ、イッセー君。どうかしたかい?」
「トウジさん……お手洗いに……」
「あぁいいよ」
「はい。えっとありがとうございます」
俺は女性に頭を下げ奥へと向かった。
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女性はじっと一誠の背中を扉に隠れるまで見つめていた。
「どうかしましたか?」
「いえ、ただあの子は神器を持っているみたいでしたから」
「えぇ!? 本当ですか?」
女性が頷くとトウジは頭をかく。まさか娘の友達が神器を持っているとは思っていなかったからだ。
「何かはわかりませんでしたが……微かに感じる程度だったので……。しかし堕天使に狙われるかもしれません。注意してあげてください」
「はい
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『危なかったな』
トイレに駆け込んだ瞬間ドライグが話しかけてきた。仕方ないので個室に入り込むと左手の光る宝玉に話しかけることにする。
「何が危なかったの?」
『……無理に子供口調をするな。なに、奴に俺がばれるところだったけことさ』
「ならそうする。奴?」
『あの金髪の女だ。奴はガブリエル、
「えっあの人天使だったのか? でも翼とかなかったぞ?」
『あのな、翼とかぐらい隠せるに決まってるだろ。とりあえず相棒が神器持ちってのはばれてしまったかもしれないが……』
『えぇ貴方だということがばれてなければ問題ないでしょう』
「クゥ、なんで?」
疑問符を浮かべる俺にドライグはため息をつき、俺の中のもう一人の住人【クゥ】は苦笑した。まったくもって遺憾である。
『--相棒俺がどういう存在か忘れたのか?』
「あっ」
『そうですよ?戦争の中喧嘩を始め、そして止められると逆切れした赤蜥蜴ですよ?おまけにこれでも
『おい貴様、いつも言ってる俺はドライグであって赤蜥蜴ではない!!』
『あら、赤蜥蜴で十分でしょ?』
『『----あぁん????』』
何やら二人して喧嘩始めたが無視しよう。
そのままトイレを済ませ、イリナとの遊びを再開した。
「遅くなったな」
俺は荷物を取りに家へと帰る。もう日は暮れ始め、いかんせん遊び過ぎたと反省する。
とりあえず帰り着くととりあえずまとめていた荷物を持ち、イリナの家に向かおうとすると電話が鳴りだした。
「はい」
『--すいません、兵藤さん宅でしょうか?』
「そうですけど……」
いきなりかかってきた電話に疑問符が浮かぶ。知らない声だった。
『息子さんですか?』
「はい」
『実は――――
貴方のご両親の乗った飛行機が今日未明墜落しました件についてお話が――――』
「---------------------え?」
飛行機が……墜落した? 両親が乗った飛行機が?
俺は投げるように電話を離しテレビに向かう。電話から何か話してるような声がするが今はそれどころじゃない!!
テレビをつけるとそこには緊急ニュースが放送されていた。
それは海に墜落した飛行機。騒がれる乗客の行方不明。状況から生存は厳しいこと。
そして流れるように乗客の名前が映し出されていく。
「あっ……」
その中に2つの兵藤の文字。聞きなれた両親の名前。
「父さん、母さんが……行方不明?」
僕はテレビが発表する名前を聞きながら膝から崩れた。
『一誠!!』
『イッセー!?』
二人が何かを言ってるが正直何を言ってるのかわからない。テレビの音さえ分からなくなっていく。
僕の前から……この日から二人が居なくなった。