ハイスクールD×D 第二の人生は波乱万丈です   作:龍深

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設定はオリジナルです。


俺絶望のち、力を振るいました。

飛行機墜落から数日後、まだ過半数以上が行方不明であるとニュースは流れていく。

 

「---イリナ、一誠君は……」

「----」

 

イリナの無言の返事にトウジは答えを理解する。

あの事故以降、一誠は家に閉じこもっていた。声をかけても返事はなく、ただたまに聞こえる物音から生きていることは確かだと伝えられる。

 

「……イリナ、お父さんは仕事に行ってくるよ」

「また、なの?なんでこんな夜に……」

「---大丈夫、今日で最後だ」

 

トウジはそういうとイリナの頭を撫で、立てかけていた剣を背負い外に出た。

 

 

 

_________________

 

電気のついていない一室。一人の少年が膝を抱えていた。たった数日でその姿は廃れ、しかし体は生きようとしているのか食事は行っていた。ただこの数日じっとして食事をする、それだけしか行っていなかった。

 

『相棒……』

「----」

『心はここにあらずですね』

『……何もできないのか?』

『どうでしょうか?とりあえず体は動かして食事はさせてますが、これではどうしようも』

『ちっ!!奴らもさっきから騒いでるんだ。いい加減鬱陶しい』

 

一誠の中、二人は白い空間の中膝を抱える一誠の近くによりそっていた。

 

『イッセー引きずるなとは言いません。ですがこのままでは……』

「-----」

『反応なしですか……』

 

この数日間反応がないため2人は困り果てていると窓をたたく音が響いた。

それでも反応がない一誠。しかしそれでも窓をたたく音は鳴り響き、ふいに鳴りやんだと思うと窓が開いた。

 

「あっ空いてた。いっイッセーくん!!!」

 

窓を開け入ってきたのはイリナだった。そして、

 

「----」

 

一誠は初めて少し反応した。

 

「---なんだよ」

「なんだよって何さ、イッセーくんが全然出てこないから見に来たんだよ!!」

「別にいいだろ……」

「それは……確かにおじさんたちが居なくなったのは……」

「イリナに……イリナに何がわかるってのさ!!!」

 

一誠の突如の叫びにイリナばビクッと体を震わせた。一誠は抑えていた感情を暴露するのようにイリナを睨み付けた。

 

「父さんや母さんが居なくなったんだぞ!! 僕……俺は!! あの時渋ってた父さん達に早くいくようにって……あの時あんなこと言わないで、行かないでって言っていれば……(やっと……やっとなのに)

 

―やっと、やっと手に入れた日常なのに……前と違って一緒に暮らせると思ったのに……-

イリナに掴み掛り叫んでた声は小さくなり、最後には声にならなかった。

イリナは唖然としたように一誠を見つめ、そして

 

 

 

 

一誠の頬を引っ叩いた。

 

「っ!!!」

「わかるわけないでしょ!!私だっておじさん達にお世話になったから悲しいよ!!

でも……でも……イッセー君が……一誠君までいなくなったら……」

「……イリナ……」

 

 

 

 

『あらら、負けちゃいましたね』

『ふん……(まぁ喜ぶべきか、悔しいが)

 

 

_______________

 

 

「イリナ、ごめんな」

「いいよ、イッセーくん。私もその……叩いてごめん」

「いいよ、おかげで目が覚めた」

「うん、じゃあまた明日ね」

「あぁ」

 

玄関口を出たイリナは途中で振り返ると、

 

「イッセーくんの口調、私はそっちのほうが似合ってると思うな」

「……なにさ、恥ずかしいな……」

「じゃあ、またね」

 

俺は家に帰っていくイリナを見送る。

 

「……ドライグ、クゥ。色々とごめん」

『大丈夫ですよ』

『ふん……』

 

みんなに迷惑をかけたんだよな。やっぱ……!!

 

「なんだ!? この感じ!?」

 

いきなり全身を走る悪感。恐怖?肌寒く、背を走る悪感。

 

『これは……悪魔の魔力か?』

『……それと聖剣ですね』

「は? ちょっと待てよ。なんでそんなものが……」

『なんとなく気が付いていたでしょ?イリナの家にあった剣。そしてこの街に潜む者達』

 

おいおい勘弁してくれよ!! 両親が居なくなっただけでもあれなのに……

 

 

 

 

 

―精々物語をひっかきまわして、一生を楽しんでくれ―

 

「え?」

 

一瞬頭によぎった一言。その瞬間意識が暗転し始めた。

 

『なんだこれは!! くそ、転移か!!!』

『これは……悪戯にしては限度がありますよ……』

 

二人の焦った声を聴きながら視界が、世界が()()した。

 

 

_________________

 

 

冥界。名もなき領土で一人の女性が翼を持つ者、悪魔達に囲まれていた。

 

「っく」

 

―みんなにに逃がされたけど……これでは……-

 

「……覚悟を」

「何故です。なぜともに歩むことが許されないというのです……」

「……それもあります。ですが……あなたは知りすぎたのです」

「知りすぎた……? っ!!なるほどそう言うことですか……」

 

女性は苦笑する。

 

「そう、知りすぎたから殺しに来たというのね」

 

まるで女性の言葉にこたえるように、悪魔達は魔力を溜め始める。

―あの人は私を逃がすときに……人間であればあの世で一緒に、なんて言えるのにね―

女性は愁いを帯びた表情をし、来る結末に目をつむろうとした。

その瞬間、上から少年が落ちてきた。

 

 

___________________

 

「え?」

 

一瞬の浮遊そして来るべき落下。

えぇ!!!!

 

『相棒、落ちたくないなら飛べばいい』

 

飛べるか!!

いや、本当にどうすれば……っておよ?

 

落下すればあとは激突なのだが何やら柔らかい感触に受け止められる。高さ的にそこまでなかったとしても……と思っていると、どうも目の前の女性が俺を受け止めたようだ。

 

「人間の子供? なんでここに……」

「えっと、すいません」

 

ほんとなんでここ居るんでしょうね?あと周りからさっきを感じるのですが……

すると空を飛ぶもの、地に立つ者の手に魔法陣が……

 

『悪魔だな』

『悪魔ですね、しかも戦闘態勢の』

 

ですよね~

 

「待ちなさい!! この子は無関係だわ!! せめてここを離れるだけの……」

「残念ですがこの場を見たのです。一緒に消させてもらいます」

「くっ!! 外道が!!」

 

女性は俺を後ろにやり微笑みかけてくる。

 

「魔力は残り少ないですが……貴方だけでも……」

 

次の瞬間、次々と魔法が俺達を襲った。

 

「っ……くっう!!!!!!」

 

女性は障壁を張るが次々と亀裂がはしっていく。

 

 

――これではすぐに砕けてこの人も、俺も……

 

 

「きゃぁっ!!!」

 

とうとう障壁は砕け、魔力弾の雨が俺達へと迫る。

 

 

――死んでしまう。せっかくイリナと約束したのに……

 

 

女性は最後のあがきと言うように俺の壁となろうとした。

 

 

――死んでしまう……この人も……

 

 

 

 

 

ならば……

 

 

 

『我が主に手を出すか、下郎が……』

 

 

_________________

 

 

私はただその光景を見ていた。何やら魔力の高まりを感じ見てみれば、1人の悪魔を囲う悪魔の軍勢。

暴れるには迷惑だがこれは悪魔の事。口出すことではないと静観していた。

しかしそこに一人の子供が落ちてきた。ただの子供ではない、赤龍帝だ。

 

「ふん、ドライグも運がないな」

 

女はそのガキをかばっているようだが、ダメだな。今回の赤龍帝はすぐに交代するようだ。

障壁は砕け、ガキを庇う女に目掛け魔力弾が殺到し……消失した。

 

『『『え?』』』

 

悪魔達の間の抜けた声。いや、私自身も驚いている。あの女に庇う力はもうない。

なら赤龍帝?いや、奴の力にそんなものは……

ふらり、ふらりとガキは前女の前に立つ。そしていつの間にか右手に持った剣を構えた。

それは赤く、紅く、朱い……剣!!

私は急ぎ上空高く飛び立った。危ないなんてものじゃない!!早くここから!!!

 

『……アポ……カリプス』

 

横目に剣を振り下ろされたのを確認し、自らを何重もの障壁で包んだ。

次の瞬間視界から光が、闇が……消えた。

 

___________________

 

 

消えた。周りにいた悪魔が、土地が消失した。

―何が起こった?意識がない時に何があった?体もだるい。

 

「あの人は……」

後ろを見ると女性が気を失っていた。よかった……というかこの剣は何?

 

『私ですよ』

「え? クゥ?」

『はい、こうしないと危ないと思いまして』

『ちっ、やはりわけわからん奴だ』

 

ってことはこれは俺が……

 

―あの悪魔達を俺が殺したんだな……-

 

そう考えてると上空から何かが降りてきた。蒼穹のごとき鱗を持つ巨龍。たぶん全身がそうであったであろうが……所々削れ、赤く染まっている。

 

「よくもまぁ、ここまでやったものだ」

 

まさかこいつも…… 俺は重い腕を上げる。

 

「ほう、やるというのか?満身創痍のその状態で」

「やらなきゃ……後ろの人を狙うだろ……」

「後ろの?言っては悪いがそれはお前の感ちが……うん?」

 

意識が薄れ始める。ダメだ、ここで気を失ったら……

 

「まも……る……」

 

 

_________________________

 

守る。そう言って小僧は剣を消した。私は人型となり近づくと、目を開けたまま、立ったまま気を失っているようだ。

―なんて小僧だ―

こんな10もならない小僧がこの風景を作り、障壁を突き破って私を吹き飛ばしたのか。

 

『……ティアマット』

 

すると小僧の左手が光、この頃聞いてなかった声が聞こえる。

 

「ドライグか、何の用だ?」

『……折り入ってお前に頼みがある。俺の宿主……兵藤一誠とそこの娘を運んでほしい』

「……はぁ?貴様から頼みとは珍しいことも……」

『珍しいかもな、だがすまないが頼む……』

「へぇ……」

 

まさかこいつが私に頼み込むとは。

 

「そんなに好物件だったか?」

『まさか。正直素質は歴代最低だ』

「……それならふつう次に行くんじゃないの?」

『昔ならそうかもな……意外と情が移ったのかもしれん』

 

ふむ、こいつがここまで穏やかな声を出すか……

まぁ正直あの攻撃、そして剣……こちらも気になることはある。

 

「いいだろう。私に手傷を負わせたのだ、送ってやろう」

 

 

_____________________

 

 

重い、体が動かない?目は……開く。ここは俺の家?

 

『目が覚めたようだな相棒』

「ドライグ?」

 

俺は身を起こそうと横を見ると……女性が寝ていた。

 

「???????????」

 

思考が停止した。叫びそうになった。でも寝てるので叫べない!!

するとノック音とともにドアが開いた。

 

「起きてたようだな」

「貴女は?」

 

(わたくし)こんな美女、知りません!! 隣に寝る美女は多分あの時の人でしょうけど。

 

「私か?私は天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)ティアマット。あの時一誠だったか? お前の前に現れたドラゴンだ。

ある程度の話はドライグから聞いている」

「あっどうも、兵藤一誠です。ってドラゴン?」

 

僕は全体的にティアマットを見る。蒼い長髪の色々と自己主張の激しい美女。

 

「どうした?」

「いやドラゴンって言ってたけど人型になれるんだーって。見た感じ美女にしか見えなくて」

「ガキが面白いことを言う。さてそこの娘も起きろ。気付いているぞ」

 

ティアマットがそういうと隣で寝ていた女性が身を起こす。

 

「やはり気づいていたのですね、龍王」

「あぁ。だがその前にそこの小僧に言うことがあるんじゃないか? 貴様を助けたのはそいつだぞ?」

「そうだったの……ありがとう、坊や」

 

坊やって、慣れないな。

 

「いえ、最初に助けてもらったのは俺ですから。えっと俺、兵藤一誠って言います」

「私は……私はレイアです」

 

――――――

 

「そうですか。ところで何であんなところで?」

「それは……」

 

何やら秘密の多い人のようだ。

 

「いや、いいですよ。とりあえず、助けられてよかった……」

 

確かにあったばかりだけど……もう失うなんて御免だ。

 

「-----」

「だが今現状それで這い終わりましたとはいかなさそうだ」

「どういうこと?」

「そこの娘はわかってるだろ?」

 

レイアさんの顔に影が差す。

 

「私が生きてる以上狙われるということね?」

「あぁ……だがそれを解決できるかもしれないぞ?」

「えっ?」

「そんなことができるの!?」

 

するとティアマットは懐からペンダントを取り出す。

 

「あぁ【盟友】からもらってきた。姿の変換、種族の隠匿が行えるそうだ。まぁ隠せるだけだがな」

「隠せるだけですか」

「あぁ、力はその状態でも使える。だが使ってるときはばれる……それでも魔王クラスだろうと隠せるとお墨付きだ」

 

えぇ……どんだけすごいんですか。それを作ったその人もすごいけど。

 

「ただし条件がある」

「でしょうね。なんですか?」

「それは……一誠の面倒見だ」

「この子の?」

 

え?俺の?

 

「私がドライグから請け負ったことなのだがな……こちらも盟友との約束があるのでね。いつでもこいつのそばに入れるというわけではない」

「その代理、と言うことですか」

「そうだ。さぁ、どうする?」

 

ティアマットはレイアさんにペンダントを突き出した。受け取るか受け取らないか。それを決めるのは彼女次第と言うことだろう。

 

「……所詮本来死ぬ運命だった身。この子のために使うのもいいでしょう……(私を生かそうとした下僕やあの人のために)……」

 

レイアさんはペンダントを受け取ると身に着けた。するとある程度本来の姿を残しながらも、髪は俺と同じ茶色に瞳は蒼に。

うわ……本当に変わった。

 

「ふむ。確かに私でも人間にしか見えないし感じないな。力は使えそうか?」

 

ティアマットがそういうとレイアさんは手に魔力球を作り出す。

 

「問題ありません」

「よし。じゃあこれからレイアは給仕だ!!」

 

えぇ……

 

『まぁ喜べ。形はどうあれ……お前の家族だ』

「約束した以上できる限り面倒は見よう」

「よろしくお願いします、一誠様」

 

こうして失った俺は、新しい家族を迎え入れた。ただこれだけは言わせてくれ。

 

「一誠様はやめてください!! いや、本当にマジで」

 

俺はレイアさんに土下座しながらそう言うのだった。




さて、助けた女性。誰でしょうね?(すっとぼけ
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