戦姫絶唱シンフォギア~星巡る光の戦士達~   作:夢の翼

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今回でプロローグは終わりになります。あと短めでごめんなさい!!


プロローグ4「今の自分とかつての・・・」

一颯Side―――――

 

 

俺達が『クラーコフ』から降りて海辺に来て1時間程経過していた。子供達は変わらずキリエさんと共に海辺付近で海水をかけあっていたり、砂の城等作って遊んでたりと自由に外の世界を堪能している。

 

「にしても太陽の光がここまで熱いとはな」

 

「そうだね、あっちじゃ太陽なんて見られなかったしね」

 

俺とアルトは日陰のある場所に座り、青い空から降り注がれる太陽の光に当てられてあっちの世界じゃ感じられなかったものに体から出た汗を持ってきたタオルで拭き取りる。チラっと右にいるアルトの向こう側には小鳥に膝枕してにへらと寝顔を浮かべている剣の二人が見える、小鳥はそんな剣をまるで甘えてくる弟を仕方なく慰めている姉の様な表情を浮かべている。

 

「今じゃ信じられないくらい、剣兄ちゃんが一番変わったよね」

 

「あぁ。昔は”翼さん”って感じで防人感だしてからな」

 

今の剣があんな感じになったのは小鳥という妹が出来た事が一番の理由だろう。生前ではいなかった同じ血が流れている妹が出来た事での剣の中で何かが変わったのは事実だ。それがなかったらあいつは今頃”翼さんになっていた”に違いない、実際にあいつは自分の事を風鳴 翼だと思い込んでいたしな。

 

「でも今じゃシスコンでセクハラなんて当たり前の変態になっちゃったけどな」

 

「あはは…まぁそこは大目に見てあげようよ、一応相応同意の上でやってる事だし」

 

「同意の上でも世間的にはダメなんだぞ、しかも兄妹ときたら余計にな」

 

そう俺達は同じ血が流れている兄妹だ。あっちの世界で色々な事があってそこに依存的な恋愛に近い感情が生まれても仕方ないと思う。だが血の繋がりがない異性なら兎も角だ。

 

「てか、僕たちがいた世界じゃ世間なんてものはないに等しかったじゃん」

 

「・・・・・・そうだったな。元々世間なんてものは既になかったな」

 

”人が人として生きられる世界じゃなかったな”、そういえば。

 

「この世界はどうなんだろうね……」

 

「さぁな、まだこの世界の住人にすらあってすらないからな」

 

アルトは膝を抱えながら海の向こうを目を向ける。何処か遠くを見る様に。俺もアルトに合わせる様に海の向こうへ目を向ける。

 

「本当綺麗だよね……アタシ達が昔見た海みたいに

 

「・・・・・・うん、そうだねクリスちゃん

 

っ!?俺達は咄嗟に顔を上げて隣にアルトに顔を向ける。すると自然に笑いとある感情が込み上がってくる、”またやっちまった”と。

 

「はは、どうも引きずられちゃうね、こういう感じになると」

 

「それほど、俺達は母さん達の遺伝子が濃ゆく反映されているという事だろ」

 

つい気を抜くと俺達はこんな感じになってしまう。恐らくだがこれが母さん達の記憶と血を受け継いでいるのが原因だろう。だが嫌な気分じゃないのがたまに厄介だ。

 

「そういえば、スウェンは?」

 

「向こうの崖の上にいる。”昔に見た光景を久しぶりに見たんだ”。きっとさっきの俺達の様に」

 

「あーそっか。確かにスウェンならそういう気持ちになるのは当然か」

 

そうだ、スウェンは俺達と違って・・・・・・そう考えていると通信機から電子音が鳴り響き始めた。画面を見ると”愛loveドクター”と文字が映っていた。俺はすぐさま通信機に耳を傾ける。

 

「どうした?」

 

<海辺でバカンスを頼んしんでいる所、大変申し訳ありませんが、海の中からお客様がおいでの様ですよ>

 

ドクターからその言葉を聞いた俺はすぐさま意識を切り替えた。やはり、”はしゃぎ過ぎた”と

 

 

一颯Side OUT―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、無人島の崖の上から無限に広がる海を見つめるスウェンは腰まで伸びたピンク色の髪を風で靡かせながらその場にただ立ち尽くしていた。

 

「・・・・・・本当に懐かしいわネ」

 

目を閉じ、ひたすら海から漂う匂いや風を感じながらスウェンはいつかの光景を脳裏に浮かべていた。最初はお互い敵同士で世界を救おうと戦い、そして最後には分かり合い共に戦ってきた懐かしい光景を。

 

「どうして・・・・・私だけなのかしラ」

 

スウェンはうっすらと目を開けて、あの世界で再び目が覚めた事も脳裏に浮かび上がった。一颯達は確かに仲間達の記憶を受け継いでいるが、自分の知っている彼女達とは確実に違うとそして自分自身も。

 

「セレナ・・・・・・」

 

かつていた大切なかけがえのない妹。遠い昔に失い彼女がクローンとして作られる事がなかった。彼女のDNA残っていなかったというのもあるが、それでも何処かクローンだとしても妹に会いたいという自分がいた事にスウェンは罪悪感と孤独感を抱いていた。

 

「この世界には違う道を辿った私やセレナがいるのかしラ・・・・・・って何言ってるのよ私ハ」

 

あったかもしれない可能性の世界。セレナが生きていて共に仲間達一緒に生きた世界、逆に私が妹としてセレナが姉として生きている世界。考えれば考える程今こうして生きている自分に虚しさを感じてスウェンは海から雲一つない青い空へと視線を向けた。

 

「響、翼、クリス、切歌、調、未来、奏、そしてセレナ・・・・・・私だけこうして放りだせれてしまったけど、どうか私や一颯達を見守ってテ欲しイ・・・・・・」

 

かつての奏者達の笑顔を浮かべている光景が今の一颯達との笑顔へと映画フィルムの様に切り替わる。そして大空へ手を伸ばした直後、スウェンの持つ通信機から通信が入る。スウェンは伸ばした手を通信機へと伸ばし通信に出る。

 

「どうしたノ?一颯」

 

<スウェン、どうやらお客が来た様だ。直ぐこっちに合流してくれ。最悪戦闘になる可能性がある>

 

「了解。すぐ行くワ」

 

それを聞いたスウェンは通信を切ると海から背を向けて歩き出す。その時のスウェンの表情は先程の様な儚げな表情から”世界を救ったかつての伝説の戦姫”としての覚悟を決めた表情を浮かべて。

 

 

 




次回はいよいよ奏者達との対面です。

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