ハイスクールD×D 人と魔をつなぎし夜明けの一族   作:レオンハルト

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*この小説はフィクションのため、登場に存在する人物の姓名や団体、歴史は実在するものとは一切関係ありません。



私がこの小説を書くきっかけとなったのは「こんな展開になってほしいな」という自己満足のためですので、読者の方には不快な思いをされる方もいらっしゃるかもしれません。
不快な思いをされた方には、謝罪を申し上げます。何分、初投稿なので誹謗中傷また悪口等は遠慮願います。




夜明けのはじまり
プロローグ


某月 某所

 

日が落ち、月が昇り、宵の闇が一層深まったとある山奥に、人里より遠く離れた集落があった、その場所はまるでその集落だけが時代から取り残されているかのような古風な雰囲気を醸し出していた。さらには最近では珍しい茅葺の屋根をもちいた家も多く存在し、中には電話はすらない家もあった。

そんな集落は「隠れ里」というにふさわしかった。

 

 そんな集落の中で、一際目立つ大きな屋敷のとある道場の中で一人の青年が静かに入口に背を向け、神棚に向かい正座をして佇んでいた。青年の名は「暁 刀哉」、この隠れ里の長「暁 剣龍」の息子にして時期有力長候補の一人であり、この物語の主人公である。しかし、彼の眼には包帯が巻かれその瞳は光を写しはいなかった

 

「おじい様ですか?」

 

刀哉がふと声をかけ振り返ると、先ほどまでだれも居なかった道場の入口に一人の老人が立っていた。老人の名は「暁 宗玄」第13代目族長にして刀哉の祖父、かつて現役時代は卓越した剣技と強靭な肉体を持つことから「剣鬼」と呼ばれていた過去を持っている。現役を退いた今でも里では大きな発言力を持っており、その力量は衰えずその体は折れること知らず鍛えられた刀のように引き締まっている。しかし、剣鬼と恐れられた宗玄が孫・刀哉を見る目には悲しみの色がかすかに混じっていた。

 

「ほう・・・、わしの気配を感じ取るまでに上達したようじゃのう」

 

「一族の者の気配は特別な上、おじい様ほどの気配ともなれば、自然と周りとの差から感じ取れるようになりました」

 

「さすが、わしの孫じゃもうその域まで達しおったか」

 

孫の鍛錬の上達具合に、剣鬼と恐れられた宗玄もさすがに目緩めた。

 

「・・・・・・」

 

「どうした、刀哉?」

 

「・・・時期長候補は御剣に決まりましたか?」

 

「っ!」

刀哉の鋭い指摘に宗玄は驚愕と同時にこの程度の事で動揺してしまった己に怒りを覚えた。

 

「やはりそうですか」

 

「知っておったのか?」

 

「いえ、ただ予想はしておりました。私の目が光を失って早一年、失明しても皆の足を引っ張らぬよう、私なりに鍛錬を重ねてきましたが視覚を失う前と後では力の差は歴然、そうなると当時私と時期長を争っていた御剣にほぼ確定するのではないのかと・・・」

 

「・・・その通りじゃ、お前の指摘通り時期長は御剣に決まった。理由も主の考えたものとそう外れておらん、ただそれでもお前の方が長にふさわしいと、お前を押した者も少なくはなったぞ、相変わらず里の者に慕われておるな」

 

そう言って宗玄は笑みを零した。一族全員で決められる「全里会」で時期長を決めるとき、出席していた宗玄も自身の孫が里の者にどれほど慕われているかを改めて知った。

 

「そうですね」

 

そう言って刀哉も笑みを零した。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「悔しくはないのか」

 

しばしの沈黙のあと宗玄は刀哉に問いかけた。それはそうだろう、幼きころより孫の成長を見守りいつか自分や父である剣龍とともに長として肩を並べて戦うことが夢だと、笑顔で語っていた孫が光を失い夢半ばで終わってしまったのだ。

 

では、次の長に選ばれればよいと考える者もいるかも入れないが、里で選ばれる長は一世代にただ一人、それゆえに同世代の子どもたちは互いに競い合い、切磋琢磨し里を守るため、家族を、自身の大切な人を守るため、長を目指した。しかし、光を失った刀哉に長たる資格はない、刀哉の夢はもう一生かなうことはないはずなのに、刀哉自身が悲観しているようには見えなった。

 

 “なぜ、この子は夢を失っても平然としていられるのか?”

 

宗玄はそれが不思議でならなかった。通常人は夢を失うと同時に目標を失うものもそう少なくない、また別の夢を追いかけるならそれも良いが、それが原因で自棄になるものだっている。ましてや「里の長となる」と言う大きな夢を失ってどうして・・・・。

 

「悔しくはあります」

 

数瞬の間をおいて刀哉は語りだした。

 

「かつては私の夢、私の生き甲斐ともいえるものだったのですから、悔しくないはずがありません。しかし、それが里のためというのであれば私は喜んで身を引きましょう。」

 

刀哉の顔には悔しさがにじみ出ていた。やはり、悔しくないはずがなかった。それはそうだろう、自身の生き甲斐だったと刀哉は言った。それを失った刀哉の苦しみや悲しみ、他者に奪われた悔しさは他人には測り知れないものであったに違いない。宗玄はそんな己の過ちを恥じた。聞くべきではなかったのだと。

 

「ただ一つだけ心残りがあります」

 

悔しさを吐き出した後に刀哉は言った。

 

「・・・それは何じゃ」

 

宗玄はそれを黙って聞いていた。今この時まで、孫見守ってきた己だからこそ、孫の心の声を受け止める義務があるそう感じたからである。

 

「この眼が・・・光を失ったことで・・・もう・・二度と・・・・おじい様や父様・・おばあ様や母様・・梓の顔が見られないことが何より・・・・・・心残りで・・・・・・・仕方ありません・・・・」

 

刀哉は慟哭ともに己の心の内を吐き出した。もう家族の顔を見ることのできない辛さ、そんな懺悔にも似たつぶやきを宗玄はただ聞くことした出来なかった。

 

「・・・・そうか」

 

そうして、刀哉が己の胸の内を吐き出して数分後に新たな来訪者が見えた。

 




*アドバイス、誤字脱字修正、感想等があればよろしくお願いします。
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