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再投稿&少し増量しました。
「……ぅ、こ、ここは……?」
「…!マスター!」
「ギャラハッド―――?」
目が覚めると、そこにはギャラハッドの姿が。
辺りを見回すと、そこは見たことのない荒野が広がっていた。
……どうやら無事に結界を抜けられたらしい。
「ギャラハッド、ここは一体……」
「―――この場所の名は『
「―――――!?」
声の聞こえた方を向くと、其処には黒い鎧を身に付けた“騎士”がいた。
……いや、それよりも、気になることがある。
「マスターが一度砕けた、とは?」
そうだ。自分が一度砕けたとは、一体どういうことなのだろうか。例えそうだとしても、どうして自分はここに居る?
「……ふむ、成る程。そういうことか。いやなに、私の勘違いだったようだ」
「…はぐらかさないで頂きたい、
「はぐらかしてなどいない、サー・ギャラハッド。先程にも言った通り、私の
「…………分かりました、アーサー王。では―――力尽くで聴き出すとしましょう」
「フッ……出来るものなら、やってみろ!」
騎士―――アーサー王―――のその一声で、二人の
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先手を取ったのは意外にもギャラハッドの方だった。
ギャラハッドはまず盾を投げ、アーサーの視界を覆い隠すと同時、腰の剣を構えて突撃した。アーサーは向かってくる盾を難なく回避し、ほぼ同時に振るわれた剣を弾いた。
続けて背後に突き刺さった盾を引き抜き、お返しとばかりにギャラハッド向かって投げた。ギャラハッドはミサイルの如き速度で迫る自身の盾をつかみ取り、回転することで衝撃を逃がしてそのまま地面に叩き付けた。
アーサーの追撃。魔力を集中させて瞬間的に放出する、
「―――『
「ッ!―――『
上方から襲い掛かる魔力の奔流を純白の十字型の紋章が受け止める。魔力と紋章は拮抗していたが、紋章が光を増すと魔力がアーサーの方へと矛先を向ける。一瞬の内に跳ね返された自身の魔力を苦も無く受け流し、その際作った反動で大きく飛び退いた。
「……相変わらず、見た目に反しての馬鹿力ですね」
「そういう卿こそ、見ないうちに随分と技量を上げたな。…恐らく、ランスロット仕込みか」
「………ええ。一時期は父に手解きを受けていました。尤も、一度も勝てませんでしたが」
「ふ。奴とて円卓の中では歴代最強だった男だ。例え息子とて、そう簡単に膝など付けられんよ。
さて、貴様の今の実力も概ね把握した事だ。―――――久方ぶりに、本気を出してやろう」
「―――――――!!」
アーサーを纏う魔力大幅に増加する。それに比例するかの様に増す重圧は、敵に容赦を無くした時の父を思い出す。
地面が陥没すると同時に、アーサーが飛び出してくる。風を纏い、音の壁を幾つも越えてくるその突撃を前に、盾を突き出して構える。
衝撃。
名馬の突進ですら霞むほどのその衝撃に身体が一瞬浮き上がりかける。それに更に追い打ちを掛けるように、聖剣の魔力が解き放たれる。
先程の様な広範囲の砲撃では無く、聖剣に魔力を留め斬撃と同時に解放する、“
これが意味するのはつまり、”対人戦においては無類の強さを発揮する”という事だ。
「『
光の斬撃に対抗するのは純白の城壁型の紋章。斬撃と城壁は一瞬拮抗していたがしかし、程なくして紋章に罅が入る。綻びの入った紋章は瞬く間に砕け散り、その向こうに居たギャラハッドもまた、大きく吹き飛ばされた。
「ぐぁぁあ!!」
吹き飛ばされ、地面に転がったのも束の間、非情にもアーサーはさらなる追い打ちを仕掛ける。今にもはち切れそうな程に魔力を纏った聖剣を前に、ギャラハッドは盾を突き出すが、時既に遅し。
聖剣によって、ギャラハッドは呆気なく両断され――――――
「―――ギャラハッドォ!ッ、死ぬなぁぁあああ!!!」
―――――マスターの必死の叫びが、正に奇跡ともいえる現象を引き起こした。
「な、にぃッ!?」
ギャラハッドを両断するはずの聖剣は、先程砕けた城壁の紋章によって刃を振るうことは無かった。
更に出現した十字型の紋章によって、アーサーは大きく弾かれた。
しかし、それだけでは終わらない。盾から新たに時計型、冠型、人形型、門型、剣型、槍型、鎧型、盾型、馬型、矢型、そして杯型の紋章が出現する。
それらが合わさり、並び、或いは重なり、一つの大きな紋章を創り出す。
それは城。誰もが考え、願い、そして求めた物。
それは国。誰もが欲し、妬み、そして望んだ物。
それは宝。誰もが祈り、尊び、そして掴んだ物。
名をーーー
『
白亜の城の顕現と共に、ギャラハッドは立ち上がる。
『
ギャラハッドの盾に刻まれた十三の紋章の一つ。
純潔を約束した血十字は、対象に降りかかるあらゆる厄災をはね除ける。
『
ギャラハッドの盾に刻まれた十三の紋章の一つ。
堅牢と謳われた城塞は、対象をあらゆる災害から護り抜く。
『
ギャラハッドの盾に刻まれた十三の紋章、その全てを解放する事で顕現する、『理想』を体現した城。
城を構成する紋章の全てを完全に使用出来る。
さらに、⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️⬛️事も可能。