描写に悩んだり、全く書いていなかったりして、1年以上間が空いてしまいました。
では、どうぞ。
『
かつて、全てを投げ打ってでも守りたかったモノ。
それが今、仮初めのモノとはいえ目の前にーーー倒すべきものとしてーーーある。
「………」
ーーーだが、それがどうした。
白亜の城への攻撃を拒否する意思をカリスマで押さえつける。幸いにも、
先程よりも速い速度でギャラハッドが迫ってくる。それを迎え撃つーーーのではなく、
投げられたギャラハッドはギャラハッドに当たる直前に搔き消える。代わりにギャラハッドの体がブレて三人に増え、縦一直線に隊列を変える。増えたギャラハッドは違う得物を構えている。それぞれ馬上槍、剣、弓だ。それらを剣を腰だめに構えて迎え撃つ。
最初に接近したのは剣を構えるギャラハッド。それに向かい剣を振るうが、跳び上がる事で避けられる。続いて接近したギャラハッドが矢を放つ。それを紙一重で避け、続くギャラハッドの構える馬上槍を切り裂き、飛び退く。
「この程度か?」
「まだだ!」
瞬きの瞬間に出現した
上手いものだ。並みの騎士であれば、いや、円卓の騎士であっても、容易くは突破できないであろう。だがーーー
「『
ーーー貴公の敵が誰であるか、忘れた訳ではあるまい。
刃に極光を纏わせた剣が、地空にいるギャラハッドを全て薙ぎ払う。
「……ッ!!」
「ぐっ!」
「残念だったな。あと一瞬早ければ私を仕留められただろうに」
「………、ええ、そうですね」
ギャラハッドの胸から剣を引き抜こうとした瞬間、ギャラハッドの手が剣を握る腕を掴んだ。
「……?」
「貴方の勘が働くのが
「ーーーーーーッッ!!!」
「私
「な、にーーー、」
背後を覗くと、剣を突き刺しているカルデアのマスターの姿があった。
馬鹿なーーー。気配は感じなかった筈だ。勘が鈍ったわけでもない。
ならば、何故。
「ーーーーーーー。
そうか。そういう事かーーー!」
勘が鈍ったのではなく、
感では背後から刺しにくる相手がギャラハッドだとは視えていなかった。それを勘違いした結果がこの有様だというのだから笑えてくる。
「フ、私もまだまだ未熟、という事か」
「まさか。貴方が完璧だったからこその結果です」
「皮肉かそれは。まあいい、貴卿らの勝ちは変わらん」
ああ、だがーーー、
少し、悔しい。
「よく、聴け」
「………?」
「まだ、聖杯を巡る旅は、グランドオーダーは始まったばかりだという事を、よく覚えておけ。」
その返答を待たずして、私の
……………
「勝っ、たーーー」
アーサー王の身体が消えた瞬間に、俺は地面に膝をついた。
その姿を見たギャラハッドが、優しい声音で語りかけてくる。
「お疲れ様でした、マスター」
「そっちこそ、お疲れ様」
額に汗が流れているギャラハッドは、思いの外辛そうだ。アーサー王から受けた傷は聖杯により修復されているが、精神はその恩恵を受けていない、という事だろうか。
突然、地面が大きく揺れ始めた。
「な、なんだーーー!?」
「これはーーー!」
その時、ポケットの通信機から音が鳴り響く。
急いで通信機を取り出し、モニターを開いた。
『ーーーああ、ようやく繋がった!』
「ロマンさん!」
『二人とも無事かい!?』
「はい、二人とも無事です。大きな怪我もありません」
『良かった。突然映像が消えたから、心配したよ』
ロマンさんは安堵した表情を浮かべるも、すぐに顔を引き締めた。
『二人とも、よく聞いてくれ。その特異点は修復されたために消滅する。消滅する前にこちらでサルベージするけれど、瓦礫が降ってくる可能性もある。注意してくれ』
「分かりました」
「ご安心を。マスターが帰還するまで傷一つ付けさせません」
『気を付けてね!』
その言葉を最後に通信が切れ、自身の周りを光が包み始めた。
真上から降ってきた瓦礫をギャラハッドが盾で砕いた瞬間、身体全部が光に包まれた。
……………
玉座に座っているモノの前に、緑のシルクハットを被った男性が歩いてくる。
「王よ、ただ今戻りました」
「ーーーご苦労だったな」
「はい。カルデアの爆破と聖杯の奪取、及び
「こちらでも特異点の崩壊を確認した。概ね、計画通りだ」
「ですが、奴の代わりに新たなマスターが出てきました」
「その事については問題ない、既に手は打ってある」
「では、計画に修正はないと?」
「ああ」
ーーーすべて、こちらの手の内だ。
次章に入る前に幕間が少し入ります。