僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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第1章・4話

「ごめんッ!遅れたッ!状況はッ!?」

「訓練で出ていたアーガスからの報告です。艦載哨戒機より駆逐艦タイプの深海棲艦が3機、本艦左舷より進行中。あと20分で目視圏内です。」

「響ちゃんとアーガスはッ!?」

「響補佐官は現在、カタパルトにて艤装装着中です。アーガスは哨戒機を操作、警戒中で左舷にて待機しています。」

「離れているとはいえ戦闘を回避するのは無理か・・・次・・・次の一手は・・・」

 

 

駆逐艦タイプとはいえ3機でしかも今回が初めての戦闘だ。

緊張する。

一歩間違えれば皆死ぬ。

さっきの医務室での会話が頭のなかで繰り返される。

重い、気持ち悪い。

こんなにも弱いのか、僕は・・・

 

どんどん気持ちが暗くなる僕を、他所に通信官から新たな情報が報告される。

 

 

「新たに2機、駆逐艦タイプッ!!正面ッ!!目視範囲より浮上ッ!!」

「アーガスッ!!迎撃ッ!!響ちゃん来るまで粘ってッ!!響ちゃんとアーガスの直通ラインこっちに回してッ!!」

 

 

情報端末を貰いながら、正面の窓から外を見る。

浮上してきた駆逐艦タイプを確認し、アーガスが迎撃に動いているのが確認できた。

 

どこかに拠点があって、そこから出撃しているわけではないのかッ!?

 

深海棲艦たちが何処から来て、何を目的にしているかは現段階ではわかっていない。

研究機関がずっと研究してるが成果が得られていないのが実態だ。

深海棲艦が現れる『前』に、1つの小隕石が太平洋に墜ちた。

その後から『深海棲艦たちは現れるようになった』。

ので『地球外生命体』が海に沈んだ『艦』たちに取りつき『怨念を持って』人類に戦いを挑んでいる、というのが俗説だ。

本当にそうであるかは証拠もなく、証明されていないが・・・

 

いずれにしても突然海より現れ、近くにいる船を襲ってくるのがほとんどである。

戦略級棲鬼たちや高位の戦艦・空母が拠点を作って、そこから出てくるやつらもいるのだが・・・

 

 

「(ここはほぼ解放された海域じゃなかったのかッ!?)響ちゃん、出れるッ!?」

『あと2分で出れます。ハッチのチェック中だったので、直ぐに開きません。甲板から直接出ます。』

「わかったッ!アーガスッ!2分後に響ちゃんが出るッ!持ち堪えてッ!!」

 

 

響ちゃんと応答し、アーガスと連絡をとる。

ちょうど2艦のうち1艦が黒煙を吹いて今にも沈みそうになっている。

 

 

『問題ありませんッ!現在、1艦大破させましたッ!しかし訓練中だった為、使える艤装がもうありませんッ!!響補佐官が来るまで敵を翻弄しますッ!!』

 

 

初めての戦闘にも関わらず、軽快に海の上を滑り敵駆逐艦を翻弄しているアーガス。

敵駆逐艦は主砲を撃とうと何度か試みているが、全て訓練用の艦載機に阻まれ使えていない。

 

 

「艦の進路とハッチの開閉状況教えてッ!?」

「現在、本艦は正面に敵出現のため、速度を落とし右へと旋回中。ハッチは復旧中ですが、あと10分かかります。」

「艦はそのまま現状維持ッ!ハッチはこの戦闘まで使えればいいから5分で開けてッ!!前の2艦撃破後、アーガスの艤装交換ッ!準備させてッ!!艦搭載の武器は使えるッ!?大破している方に撃ってッ!!」

 

 

観測士と通信士、操舵士から「了解ッ!」と返答を貰いながら外の戦況を眺める。

ちゃんと出来ているか?

ガクガクと体が震える。

目の前では『本物の戦闘』が繰り広げられている。

初めて『観た』演習ではない。

『命』が掛け金になる『本物の戦闘』。

幸い、まだこちらに主砲も魚雷も来ていないが、撃たれれば下手すれば『死ぬんだ』。

 

 

『響、出ますッ!橘司令官、安心して?響たちが艦を守るから。』

 

 

情報端末から、響ちゃんの出撃表示が出た。

初めての実践で不安だろうに、僕を心配してくれる。

 

皆、自身ができることを精一杯やっている。

僕も僕ができることをやらないとッ!!




Tips:戦闘描写は今後の課題
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