僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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第2章・2話

総司令執務室から退室して、ウォルコットさんに連れられ、僕と響ちゃんはトラック泊地の工厰へやって来た。

横須賀鎮守府よりは狭いけど、それでもかなりの大きさだ。

妖精さんや整備員の人たちが整備や開発をやっている。

 

 

「ここですわ、新しい艦娘をお迎えする建造ボックスですわッ!」

「ありがとう、ウォルコットさん。えーと、どうすればいいのか「まちくたびれたですよ、しれーかん。」な?」

 

 

横から聞き覚えのある声がしたので振り返ると、僕専属の工厰妖精がいた。

 

 

「そーしれーからきょかしょうはもらってますね?なら、しょうかんにわたしてほしいのです。」

「あら?しゃべる妖精は珍しいですわね?それに他の妖精よりもかなり大きいですわ、小人ですわね。」

「しょうかんいがいにもいっぱいいるですよ?みな、はずかしがりやなのですがたをみせないだけなのです。」

 

 

口も悪いし、でしゃばりだもんね、君は。

 

心でそう思いながら、妖精に3枚の許可証を渡す。

少し驚いた顔してる。

 

 

「ほう、3まいももらったのですか・・・こうそくけんざいのしようもきょかされているのです。すぐにさぎょうにとりかかるです?」

「お願いするよ。響ちゃん、戦力は如何程いる?」

「駆逐艦2の軽空母1ですから、軽巡洋艦と重巡洋艦がいれば安定すると思います。哨戒任務が主ですから軽巡2重巡1が理想ですね。」

「では、それにあわせたしざいをとうにゅうするです。いまはおひるなので、ゆうがたにはあえるとおもうのですよ。」

「でしたら、お昼をとって、トラック泊地を案内すればちょうどいいでしょう。行きますわよ?妖精さん、あと、お願い致しますわ。」

 

 

妖精から了解の言葉をもらい、1個のボックスへ資材を投入した姿を見たあと、僕たちはその場をあとにする。

あとの驚愕の顔と声を聞くことはなかった。

 

 

「あ、ありえないのですッ!?なぜ、このしざいすうでこのじかんになるですかッ!?」

 

 

 

訪れた食堂はガランとしていた。

ウォルコットさんに聞くと、ここは士官と艦娘専用の食堂らしく、一般の兵が使うことはないそうだ。

司令艦の食堂は皆が使うので、喧騒がないこの食堂は少し寂しい気がした。

 

 

「仕方ないですわ。他の司令官はほとんど『ここ』に帰ってこないですし、大石総司令の艦娘たちは現在、周辺海域への哨戒に出ていて、秘書官のビスマルクと数名の待機組がいるだけですから。」

 

 

ここがいっぱいになることはあんまりないんだね。

 

 

「明日か明後日にはまたここも騒がしくになりますわよ?わたくしは2日後に出発しますから、それまではご一緒しますわ。」

「あ、ありがとう、ウォルコットさん。いろいろやってくれてありがとう。」

「先輩として当然ですわッ!あ、ここの料理人は鳳翔さんですわ。お料理が上手で、たまに教えてもらうんですの。鳳翔さーん、わたくしですわーッ!今日のおすすめ3つお願いできますかーッ!?」

 

 

パタパタと食堂のキッチンへ入っていったウォルコットさん。

とりあえず、どこかに座ろうか?

響ちゃんと顔を合わせ、テーブルの方へ移動する。

ファミレスのテーブルの並びみたいになっている一角へ座ろうとしたら、ふと、椅子の上でコロコロ転がっている物体を発見した。

しっかり見てみると『ビスマルクと呼ばれた女性に似た黒い服とミニスカート、薄いピンク色の髪の』少女が本を読みながら器用に椅子の上で転がっていた。

 

 

「ん?誰?夕方まで誰も来ないと思ってたのに。」

「え、えーと初めまして?」

「ふぁぁぁぁ、眠たい・・・初めまして?戦艦ティルピッツよ、私は。あーめんどくさい。このまま貝になりたい。」

「初めまして、ティルピッツ。僕は橘優。今日からここに配属になりました。どうぞよろしく?」

「あービスが何か言ってた気がする・・・よろしくしなくていいよ~、部署も違うし、ほとんど会うことないし~。」

「部署は違うけど、同じトラック泊地の仲間だし、よろしくしてほしいな?」

「めんどい・・・ダルい・・・このままの格好でいい?」

「あーうん・・・僕は構わないと言うかなんと言うか・・・」

「ん~?」

 

 

言うべきか言わないべきか・・・?

いや、この子のために言うべきだろう、うん。

 

 

「えーと、とても言いにくいんだけど・・・その格好だと、その、なんと言いますか・・・」

「めんどくさい人だね。はっきり言うべき。」

「え、う、うん・・・その格好だと、その・・・スカートの中が見えそうで危ないです。」

 

 

ミニスカートで寝転がってるから、そりゃね。

絶対領域と言う強力な兵器は見えるけど。

 

その言葉を聞いて、顔を真っ赤に染めて、一瞬で立ち上がり、僕の顔に右ストレートを放ってきた。

それは僕の顔にきれいに入り、後方の壁へと僕を誘うには文句のない威力だった。

 

 

「・・・見た?」

「いえ、みでばでん・・・」

 

 

それしか言葉が出ません。

こんな華奢な少女からここまでの力が出るなんて・・・さすが艦娘・・・

前回の初陣よりもはっきりと艦娘の力を刻むのだった・・・この身に。

 




Tips:お色気枠はティルピッツ、いいね?
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