僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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プロローグ・2話

司令官室・・・執務室とも言う。

最終演習を終え、銀髪のミニスカメイド服な可愛らしい少女に連れられて、ここまでやって来た。

メイド少女はここまで送ってくれると、失礼します、と言って何処かに行ってしまった。とても無口な子だった。

霧島さんは演習の報告を本営に持っていく、と言うことで先程の作戦指令室で別れた。

執務室に入ると、大量の紙が乱雑に置かれた机と整頓された机が1つずつ、見ているだけで頭が痛くなりそうな分厚い本が大量に並んだ本棚が3つ、ふかふかそうなソファーが対面で置いてあり、15畳くらいの大きさの部屋だった。

 

 

「とりあえず、自身の置かれた状況を理解しないと・・・」

 

 

自分の家で艦これしようとしてた状況から、こんなところに連れられてきたわけだし、発狂してもおかしくない。

けど、そんなわけにもいかないし、少しでも状況を把握しないといけない。

紙が乱雑に置かれた机が多分『少佐』の物だろう。

机まで移動して紙に目を通していくが、予算案や通達文、申請書など『軍』で使われる資料なのがわかった。

 

 

「判子押されてる紙もあるな・・・これはサインっぽいけど・・・『橘 優』・・・僕の名前だ」

 

 

艦これでもこの名前使ってたし、まあ、うん。

自身と同じ名前が使われていることに微妙に納得いったが、今はその辺の情報はいらない。

机の引き出しを開けて1冊の本を見つけた。

日記のようだった。

 

 

「他人様の日記を開くのには抵抗があるけど・・・今はそんなこと言ってられないし・・・」

 

 

少しでも情報が欲しい僕からすれば、日記はとても重要な資料である。

ちょっとした葛藤からすぐに脱却して日記を読み漁っていく。

 

 

 

 

どうやら、この『橘 優』は性格的には僕と同じような感じみたいだ。机が汚かったり、でも、本棚はきれいにされてたり、日記を書いてたり・・・うん、この辺は助かる。別人に変わってるけど、一応、周りには誤解されないだろう、良かった。

・・・良かったのか?

先日まで大尉だったみたいで、無事、昇進したらしい。

最終演習が終われば、何処かの鎮守府か基地に配属されるという事だそうだ。

 

 

「自分の『艦隊少女』が貰える、って5ページも使って嬉しさを表現しなくていいのに・・・」

 

 

軍用語なのか、所々でわからない単語が出てきていたので、本棚から士官学校時代に使われてただろう教本を見つけ、それと一緒に読み進めていた。

 

『艦隊少女』所謂、艦娘の事である。

霧島さんがいたから『艦これ』の世界にでもトリップしたのかと思ったけど、どうやら微妙に違うみたいだ。

ビスマルクや加賀が教本の挿絵に載ってたけど、同じ名前でも少なくとも2人いるようだ。

『C系加賀』と『R系加賀』と2パターンあるみたい。

 

あ、R系加賀さん、僕の好みだ。

 

・・・うん、思考を戻そう。

 

『鎮守府』横須賀にある鎮守府を頭に、日本の各地にあるみたいだ。

横須賀、舞鶴、呉、佐世保、とこの辺は日本の歴史になぞってるみたいだね。あ、大湊も鎮守府になってる。

他にも東南アジアの方に基地があったり、泊地が設置してあったりするらしい。

 

日本の現在の最前線は、クェゼリン・・・マーシャル諸島なのか・・・

・・・北は?

 

『司令艦』少佐以上の士官に支給される、その名の通り司令本部。

司令官たちは基本的に『ここ』で仕事をするみたいだ。

配属される艦娘たちもここで生活するらしく、衣食住には困らないようになってる、と教本には書いてある。

鎮守府や基地は、各々、配属された司令官たちが集まって、補給や会議を行うための場所になってる、だってさ。

 

僕も少佐らしいし、もう少しすれば『司令艦』と『艦隊少女』が大本営から送られるんだね。

ちょっと楽しみだ♪

 

『深海棲艦』この世界の『敵』。

第2次世界大戦後、突然現れた人類の敵。

当時の兵器では全く歯が立たず、あっという間に『母なる海』を奪われたんだそうだ。

戦いの中、ある少将が謎の妖精を見つけ、その妖精が作った兵器は深海棲艦たちにダメージを与えることができたそうな。

それからというもの、各地で妖精を見ることができる人間が現れて、漸く、まともな戦いができるようになったとさ。

そして、戦いの最中にまたもや妖精さんが何処からともなく連れてきた『艦隊少女』たちの活躍で、少しずつ少しずつ海を取り返すことができている。

 

 

訳のわからない状況に置かれたけど、落ち着いて考えれば『艦これ』の世界にやって来たんだ。

提督業に勤しんでる人々からすれば狂喜乱舞な世界にいるわけだ。

 

 

「これは楽しみになってきたぞッ!!」

 

 

机の後ろにある窓から外の景色を見ながら笑いが込み上げてくる。

 

 

「こちらの世界の『橘 優』楽しみだったところ申し訳ないなッ!!この立場は僕、『橘 優』がいたd「・・・何言ってるんですか、少佐・・・」いた?」

 

 

ギギギ、と異音がするレベルで首を声の方を向けると、扉の前に霧島さんと先程のメイド少女が立っていたのでした。

 




topic:艦これ艦をC系、戦艦少女をR系と分類
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