僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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第2章・3話

「もう少し女性には気を使うべきですわ。」

「はい、ごべんなさい。」

 

 

ティルピッツにぶん殴られて出た大きな音に反応して台所にいたウォルコットさんと鳳翔さんに軽く手当てをしてもらい、軽いお小言を言われる。

理不尽じゃね?

 

 

「まあ、ティルは可愛いですからね。その姿を見れば劣情を催しても仕方ないかもしれませんが・・・」

「いや、ちょっと待って?そうならないように指摘してこれなんですけど?ウォルコットさん、話聞いてた?」

「橘司令官?ここにあなたの味方はいません。諦めましょう?」

「ひ、響ちゃんまで・・・」

 

 

確かに配慮が足りなかったかもしれないけど・・・

未だにプイッと横を向いてむくれてる少女、ティルピッツが目の前にいる。

 

 

「・・・うん。ごめんね、ティルピッツ。配慮が足りなかった。許してくれるかな・・・?」

「・・・寝転がってた私も悪い。そこに対して謝罪はする。でも、殴ったことは謝らない。女の子のスカートの中見たんだし、殴られても仕方ない。」

 

 

・・・理不尽だよ・・・本当に。

 

 

「まぁまぁ、ティルちゃん。橘少佐も謝ったんだし許してあげましょう?まだご飯食べてないでしょう?思うところはあるだろうけど、一緒にご飯食べて話をすれば、そんなのなくなるから♪」

 

 

鳳翔さんに勧められ「まあ、仕方ない。お昼とってないし、ついでに食べる。」と言って席へと移動する。

 

 

「ほら、行きますわよ?ティルも妥協してくれたんですから、ここで挽回するんですわ。」

「・・・何か納得いかないけど、そうだね。せっかく大石総司令の艦娘に会えたんだし、いろいろ話してみたい。」

「切り替えができる司令官は優秀です・・・(そんなに見たければ・・・)」

 

 

何か響ちゃんがボソッと言った気がするけど、何言ったんだ?

気にしても仕方ないので、ティルピッツが座った席へと3人で移動する。

 

 

食堂で少しハプニングもあったが、ティルピッツと少し打ち解けれたと思う。

めんどくさがりな性格だけど、話すのが好きだったり本を読むのが好きだったり、普通の女の子とどこも変わらない感じだった。

 

食堂を後にして、トラック泊地の設備を案内してくれるウォルコットさん。

誰がよく使ってるとか、この道を使うと早いとか細かいところまで教えてくれる。

面倒見のいい先輩だよね、本当。

 

食堂からずっとティルピッツもついてきている。

めんどい、と言いながら、ウォルコットさんと同じようにいろいろ教えてくれる。

ここだとビスに見つかりやすいとか、ここは本を読むのにちょうどいいとか・・・

サボりの常習犯ですか、あなたは。

 

そんなこんなで夕方になり、工厰へと戻ってきた。

設備の見学だけで半日使うんだね。

やっぱり広いよ、この泊地。

 

工厰に入り、一直線に建造ボックスの前までやって来た。

・・・妖精、元気ないぞ?どうした?

 

 

「おーしれーかんきましたか・・・2にんはおでむかえできるじょうたいになってますよ~・・・もうひとりはまだじかんかかるです。」

「あれ?そうなの?高速建材使っても?」

「そうなのです・・・いや、これはありえないのです、ありえないのです・・・」

 

 

本当にどうした、妖精?

いつもの元気ないぞ?

 

 

「何かよくわからないけどお出迎えしていい?」

「どうぞ、ごかってに・・・あとでこれもってそーしれーのところいくのです・・・」

「あ、うん。ありがとう。お疲れ様?」

 

 

何か本当に元気ないな。

響ちゃんに書類を渡したらトボトボとボックスの裏側へ移動していった。

 

 

「よくわかりませんが、新しいあなたの艦娘ですわ。早くお出迎えしましょう?」

「そうだね。よしッ!おいでッ!僕の新しい艦娘ッ!」

 

 

前回は指紋認証の後に高速建材投入、レバーを引くという行程があったけど、それは『本当に初回だけ』で認証登録はされているため、その行程はカット。

僕に必要なのは、許可証を渡すことと、開閉ボタンを押すことの2つだけだ。

開閉ボタンを押し、2番目のドアが開く。

勢いよくドアが開き、煙の中から一人の女の子が出てきた。

 

 

「R系吹雪型一番艦、吹雪登場ッ!えへへ、このセリフ、格好でしょ?これからよろしくね、しれ~か~ん?」

「よろしくね、吹雪ちゃん。僕は橘優、一緒に頑張ろうね。」

「よろしく~、しれ~か~ん♪」

 

 

水色の長い髪に袖を取ったセーラー服を着た少女『吹雪』。

駆逐艦かぁ・・・まあ、大丈夫。次に軽巡か重巡が来ればいいんだからッ!!

この流れで3番目のボタンを押す。

同じように勢いよくドアが開き、煙の中から『セーラー服にネクタイ、眼帯』の少女が出てきた。

 

 

「木曾だ。お前に最高の勝利を与えてやる。」

「木曾・・・軽巡・・・僕のために勝利を取り続けてくれッ!」

「任せろ。俺はそのために存在する。不安なんか消し飛ばしてやるよッ!」

 

 

差し出した手をしっかり握ってくれる。

うん。期待ができる子だ。

勝ち気そうな女性だけど、戦いではみんなを引っ張ってくれそうだよ。

 

 

「ふむ・・・駆逐、軽巡。西側の海に出るなら十分ではありませんか?あと一人はまだ時間がかかるそうですし、先に大石総司令の元へ行きましょう。」

「そうだね。あ、響ちゃん。2人を司令艦に送ってもらっていい?アーガスと夕立ちゃんに紹介してほしい。」

「ウォルコットさんいますが、お一人でよろしいのですか?」

「大丈夫だよ・・・あとでみんなでご飯食べよう?今日はこっちで宿泊するみたいだから、5人分の部屋、用意してもらえるようお願いしとくから。」

「わかりました。では、吹雪さん、木曾さん、参りましょう。こちらです。」

「しれーかーんまたあとでね~。」

「またあとでな。」

 

 

響ちゃんが2人を連れて移動するのを見たあと、僕とウォルコットさん、ティルピッツは総司令官執務室へと足を運んだ。

 

 

(重巡作成用の投入資材ですわよね?高速建材使ってなぜ『3日』もかかるのです?)




Tips:駆逐艦や軽巡洋艦は大体1日以内にはできる。高速建材使用で6時間ほど。大型艦、戦艦や空母などは1週間以上かかり、高速建材使っても数日はかかる。つまり・・・
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