僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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プロローグ・3話

「明日、マルハチマルマルに大本営人事部へ出頭。そこで今後の赴任地や司令艦が授与、正式に少佐へと昇格します・・・厳密には橘少佐は『まだ』少佐ではないですからね。便宜上、少佐、とお呼びしてますから。」

「うん。指令確認しました。あー、僕が艦隊司令になるのかぁ・・・実感湧かないなぁ・・・」

 

 

2重の意味でね。

 

指令書を貰って内容を確認するけど、霧島さんが言った内容がそのまま書いてある。

・・・先に何処に配属になるか書いてあってもいいのに。

 

 

「私も明日までは貴方の補佐官ですが・・・これからは自身で頑張ってくださいね?」

「はい。短い間でしたが、とても助かりました。ありがとうございます。」

 

 

霧島さんから激励貰ったら頑張るしかないじゃない。

突然のこの状況に混乱してるけど、自身のこれから・・・艦娘達と会える未来に期待が弾む。

紙を貰って机を片付けようと移動しようとすると、改めて霧島さんから声がかかった。

 

 

「少佐?あと1つお知らせがあります。」

 

 

ん?他にもまだあるの?

振り向くと、霧島さんの後ろに隠れていたメイド少女が僕の前にやって来た。

 

 

「霧島さんに替わり、これから補佐官になります。R系駆逐艦『響』です。よろしくお願いします。」

 

 

ビシッと敬礼を行う姿がとてもカッコいい。

さすが軍隊・・・当然か。

唯一、気になるのは『ミニスカメイド服な』ところである。

 

 

「うん。よろしくお願いします、響ちゃん。新米な少佐で不便をかけるけど助けてくれると嬉しいです。」

 

 

そう言って響と名乗った少女に手を差しのべる。

握手をしようと思っただけなんです、はい。

響は一瞬驚いた表情を浮かべたけど、恐る恐るその手を握ってくれた。

繋いだ手は少し冷たかったけど『人として』の暖かさを感じた。

後ろにいる霧島さんは微笑んでる気がする。

 

 

「本来であれば司令艦と共に新造艦が補佐官に就く事になるのですが・・・橘少佐の場合は少し複雑なので・・・」

 

 

・・・とても不安になることを言わないでください。

 

 

「人事部で話になりますが、橘少佐の配属先の依頼で初期配置艦は2人になるのです。」

「そうなの?」

「はい。私は既に配属先を知っているので、その理由はわかるのですけどね。」

 

 

じゃあ、教えてくださいよ・・・

ジト目で霧島さんを見るけど、当の本人は何処吹く風な表情である。

 

 

「楽しみは明日までとっておいて・・・実践経験はまだないですが、私のもとで補佐官の仕事や訓練を受けた響と明日、新造される艦娘が就くんですから、いいじゃないですか。」

「不満がある訳じゃないし、初期から2人も配属されるんだから嬉しい限りだけど・・・」

 

 

日記に所々でメイド服の少女が霧島さんと一緒にいるところが書かれてたな。

話をするのは初めてだったみたいだけど。

艦これでも初期艦は何人かから決める、って感じだったし、明日がその状態なのかな?

まあ『現実』の艦これ世界なら僕の知らないリアルなやり取りがあるんだろう。

そう納得する。

 

 

「何にせよ、最終演習も終わりましたし、業務の移行も終わっているので、明日までゆっくり・・・と言いたいところですが。」

 

 

霧島さんの眼鏡がギラリと光った。

あ、何か怒られる気がする。

 

 

「昨日のうちに執務室を明け渡せるよう、片付けておくように言っていたはずですが?机は乱雑、棚には私物が一杯。これはどういうことでしょう?」

「あ、はい。ごめんなさい。すぐ片付けます・・・」

 

 

僕じゃないんだけど・・・今は僕か。

『前』の僕も片付けられない人だったんだね。

あ、響ちゃん、手伝ってくれませんか?




topic:響ちゃんは可愛い
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