僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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第3章・7話

「幸い、避難誘導が迅速だったため、式典出席者に怪我などはありませんでした。ヘンダーソン基地は第1、第2防衛ラインの艦隊に大破判定の艦娘多数出ていますが、いずれも艤装へのダメージのため、数日には作戦行動を行える程度には回復するでしょう・・・しかし、設備系の被害が甚大です。ヘンダーソン基地の主力となっている戦闘機の発着場となっている飛行場がかなりの被害を受けており、少なくとも1ヶ月は使用不能な状態です・・・さらに、港湾も砲撃を多数受けているため、収容できる司令艦が限られています。ヲ級空母が艦載機を飛ばしていたら、もっと被害が大きかったはずです・・・そこはティルピッツさんや他の司令官の働きが大きいですね。」

「うちは木曾が軽傷とティルピッツの艤装が中破、アーガスと夕立が小破か・・・木曾は頭から血が出てたけど軽傷でよかったよ、本当に。」

「ちょっと傷付いても頭からは血が出やすいんだ。言ったろうが?大したことない、ってよ?」

「それでも気を失ったじゃないか・・・軽傷で済んで本当によかった・・・木曾、僕を守ってくれてありがとう。」

「気にするな、俺は俺の仕事をしたまでだ・・・お前に死なれるよりはよっぽどいいさ。」

「それでも艤装がない状態は普通の女の子を一緒でしょ?傷も跡が残らないみたいだしよかったよ。」

「それを言うなら私も怪我したよ?お気に入りの雑誌も破れちゃったし・・・散々だよ・・・」

「ティルピッツもありがとう。他の司令官の艦娘いたとはいえ、一人でヲ級の相手してくれて。通信が切れたとき心配したよ。」

 

 

ヘンダーソン基地への深海棲艦の急襲から1日が過ぎた。

響ちゃんの報告の通り、基地内の港湾で司令艦が収容できないため、ダメージもなかった僕の司令艦は沖に出て待機している。

一応、式典の最中だったし、ヘンダーソン基地の司令官から指示があるまでは待機しようと言うことで、司令艦『こたつ』と一緒にいる。

 

結局40体以上の深海棲艦がヘンダーソン基地へ襲撃したらしく、その内、8体の深海棲艦を湾内に侵入させてしまったとのことだ。

ヲ級空母6体と重巡ネ級2体。

あの『戦艦水鬼』は数に入っていない。

ティルピッツは『彼女』の砲撃を受け、持っていた通信機器が壊れたため、あのあと連絡がとれなくなったのだ。

ちなみにあの『戦艦水鬼』を目撃したのは僕らの他に司令艦『こたつ』にいた七瀬少佐のみ。

ヘンダーソン基地のレーダーや他の司令艦のレーダー、ソナー、カメラにも反応がなく『何も』映っていなかったそうだ。

 

『彼女』は幻だったのか?

いや、確かに『彼女』は僕の前に姿を現し、少なくともティルピッツの通信機器を破壊している。

『彼女』は一体何者なのか?

『僕』ではない『橘優』と少なくとも何か関係があったはず。

 

 

『ココデハムリカ・・・ワタシノシレイカン、マタアイニクル、マッテテ・・・』

 

 

また会いに来る、か・・・

次に相対したとき、謎は解けるのだろうか?

 

 

「それにしてもクインシーが艤装を『思い通り』に出し入れできるのには驚いたな・・・さっき見せてもらったが、あれは便利、ってか異質だな・・・原点の艦娘ってのはそんな特殊能力持ってるのか?」

「いえ、公開されているデータにはそういうのは何も・・・原点の艦娘については事例も少ないですし、機密扱いの情報が多いんです。もしかするとそういう特殊技能があるのかもしれません。」

 

 

戦艦水鬼と対峙したあの時、クインシーはそのまま湾内の深海棲艦と戦いに行った。

他の艦娘たちとの連携あったが、ヲ級を1体、ネ級を2体とも撃破する戦果を挙げていた。

ティルピッツ曰く「あれは重巡の火力じゃない。ヲ級とは言え、一撃で轟沈させるとか私の苦労はなんなの?意味わかんない。」とのこと。

そんな火力をゼロ距離で受けて傷1つなかった、あの戦艦水鬼はどんな装甲してるのだろうか?

あんなの相手しているマーシャル諸島の司令官たちの艦娘はどんな火力を持ってるの・・・?

 

 

『作戦指令室から橘司令へ。司令艦『こたつ』より通信が入っています。そちらへ繋ぎますか?』

「あ、うん、お願いします。」

『司令艦『こたつ』副司令官の天草です。よろしいでしょうか?』

「大丈夫です。何かヘンダーソン基地から連絡がありました?」

『いえ、未だ現状待機の令を受けているだけです。少しお話があるのでこちらへ来ていただくのは可能ですか?』

「わかりました。準備が済み次第、そちらへ向かいます。」

『ありがとうございます。それではお待ちしています。』

 

 

通信が切れた。

・・・何だろう?

天草副司令官、落ち着きがなかったような気がする。

 

 

「あっちに呼ばれたから、僕は行くよ・・・こたつの艦娘たちが警戒に当たってるから、みんなは休めるだけ休んでて?一応、飛鷹と翔鶴は何時でも出れるようにさせておくよ。」

「こんな傷大したことないが・・・まあ、言葉に甘えよう。」

「あー読む本がない・・・ここのやつ勝手に持っていっていい?」

「響はお供しますよ。戦闘処理報告はできていますから。」

 

 

各々自由ですね・・・全然いいけど。

 

 




Tips:プライ◯アーマーがあるから、大体艦娘は平気
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