僕の知らない『艦隊少女』のいる世界   作:酔いどれリンクズ

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プロローグ・終

「初めまして、司令官。R系軽航空母艦『アーガス』参りました。戦闘は苦手ですが、空母の訓練は、わたくしにお任せくださいッ!」

 

 

・・・????

軽航空母艦??

目の前の少女は『軽航空母艦』とはっきり言っていた。

赤に近いオレンジ色の長い髪を靡かせて装甲板を取り付けたしっかりしたコートを着、少女が持つには無理だろうと感じる鉄でできた傘を片手に持ったアーガスと名乗った少女から目を離し、後ろにいる妖精へと顔を向ける。

 

 

「うんがいいですね~。ほんらいならこんかいつかったぼーきさいとを10ばいとうにゅうしないとくうぼはできませんよ~?」

 

 

そう言いながらボソッと「確率的に0なんですけどねぇ」とか言ってるのが微かに聞こえた。

ゲーム的には、最低値が30のはずで、空母系を造るためには300は必要なはず。

妖精(この妖精にはさん付けしない)の言うように、『本来ならあり得ない事』だろう。

まあ現実に軽航空母艦アーガスは完成し、僕の相方となる初めての艦なのだ。

確率とかそんなのはどうでもよく、素直に嬉しい気持ちでいっぱいだ。

 

 

「あの・・・司令、官・・・?」

 

 

その声に振り返ると、アーガスと名乗った少女は寂しそうな、不安そうな表情と声で僕を呼ぶ。

うん、ボックスから出てきて名乗ったのに、声をかけた人物から何も言われないならそうなるだろう。

僕が悪い。こんな表情させてはいけない。

 

 

「うん、ゴメンね?ちょっと予想外な事だったから・・・初めまして、アーガス。僕が君の司令官になる橘です。これからよろしくお願いします。」

 

 

そう言いながら彼女の前に手をさしのべる。

本来なら軍隊的に敬礼なんだろうけど『体は軍隊のものだけど、精神は一般社会人な』僕は反射的にその行動を行った。

アーガスは不安そうな表情から驚きの表情を浮かべ、その手を見つめていた。

・・・響ちゃんの時もそうだったな。

艦娘と握手することって珍しいのかな?

響ちゃんも妖精も後ろにいるため表情などは見ることができない。

驚きの表情は、すぐ笑顔となり僕の手を握ってくれる。

 

 

「はいッ!よろしくお願いいたしますッ!」

「僕に初めて配備される艦だから、いろいろ不便かけるけど一緒に頑張ろう?」

「はいッ!・・・はい?初めて配備?わたくしが新造艦?他の空母は?」

 

 

頑張ろうね?

 

 

アーガスと響ちゃんの挨拶を終え、響ちゃん先頭に司令艦のあるドッグへやってきた。

・・・でかいです。

 

 

「搭乗員数は1500名、艦の運航や艦隊少女たちのサポート要員です。戦闘要員はご存じの通りです。妖精も相当数乗っていますが、あの子達は乗組員には見えませんから・・・あと偵察・警戒機は3機配備されています・・・深海棲艦たちの戦闘では使いませんが。」

 

 

お見送りに来たのか、霧島さんから簡単な説明を受けた。

艦隊少女・・・艦娘たちが偵察・警戒するもんね。

深海棲艦は人より少し大きい程度で、この広い海で人類が扱う戦闘機では捕捉ができない。戦略級の『棲鬼』や戦艦級のやつらはまた別だが・・・

 

レーダーが使えない、無線が使えない海域などの伝令用で主に使うらしい。

 

それにしてもでかいです。

空母くらいの大きさあるんじゃない?

この艦が主に司令官たちが生活する場所になるから、船内は戦闘設備だけじゃなくて娯楽施設や菜園なんかもあるらしい。

・・・菜園って・・・

 

 

1500人も名前覚えられねーですよ?

 

 

「長く一緒に生活するんです、じきに覚えますよ。」

 

 

・・・顔に出てましたか?

 

 

「既に乗組員は全員搭乗しており、出航準備もできています。あとはあなたたちが搭乗し、橘少佐の合図を待つだけです。」

「そうなんだ・・・いよいよなんだね。」

 

 

前にいた響ちゃんとアーガスがこちらを振り向く。

無表情ながら響ちゃんもアーガスも緊張した表情をしていた。

 

 

「行こう。僕たちの戦場へ、トラック泊地へッ!」

 

 

二人に笑顔を向け、2人より前を歩く。

 

 

「響、司令官の補佐と任務を全うします。」

「わたくしもこの身、世界と司令官のため、全力を尽くしますッ!」

「いってらっしゃい。あなたたちの航海に幸あらんことを・・・」

 

 

2人の足音と霧島さんからのお見送りを受け、自身の任地である『トラック泊地』へ向かうのだった。




Tips:アーガスさんの服装、危ないと思うんだ
ぶっちゃけ戦艦少女の大破って艦これよりやba・・・
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